社労士試験の結果発表!今年の試験傾向と合格者への働き方案内

社労士試験の結果発表!今年の試験傾向と合格者への働き方案内

「社労士試験の結果はどうだったのだろう」「合格ラインはどのくらいなのか知りたい」「結果が出るまでなにをしたらいいのだろう」と思ったことがある人もいるかと思います。

この記事では、社労士試験を受けた後、または合格したけど今後どうやって資格を生かしていけばいいのかわからない人、資格をもってはいるけど開業の仕方がわからないという方へ、試験の合格ライン、合格発表までの過ごし方、社労士資格の活かし方を例を上げて紹介していきます。

私自身も社会保険労務士資格を取ろうと勉強していた時期があり、資格を取ったあとの生活、開業の仕方が気になり、書店で社会保険労務士関係の本をよんだり、社会保険労務士の求人をネットでさがしたりしていました。

社労士として生きていくすべを講座、WEBサイト、書籍で調べたりもしました。

この記事はわたしが得た知識や、合格した後のプランについて、まとめたものです。

社労士試験合格までの準備として、この記事を参考に今後のプランを考えるきっかけになればと思いますので、ぜひご一読ください。

1 2019年(令和元年度)の社労士試験の合格率とその難易度は?

(1)合格ライン、足切りについて

まずは試験を受けたあなたが一番気になっている、今年度の試験の合格ラインからお話していきます。

足切り」というのを聞いたことがあるでしょうか、社労士試験では各科目に最低合格ラインが設定されており、それを超えないと他の科目でいくら高得点を取っても不合格になってしまいます。

簡潔に説明すると合格するには総得点が基準以上、かつ足切りラインを超えている必要があります。

【第51回(令和元年度)社会保険労務士試験の合格発表の合格基準及び正答】を参考にして説明させて頂きます。

・今年度の合格基準点
選択式試験:総得点26点以上+各科目3点以上(ただし、社会保険に関する一般常識は2点以上)
択一式試験:総得点43点以上+各科目4点以上

・配点
選択式試験:各問1点、1科目5点満点、合計40点満点
択一式試験:各問1点、1科目10点満点、合計70点満点

上記のとおり、合格するためには、各科目のボーダーライン以上の点を取る必要があります。これが合格基準点といわれるものです。

足切りには救済措置があります。

昨年は選択式【社会保険に関する一般常識】【国民年金法】科目で、足切りラインが2点に設定されていました。昨年度は、この2科目が平均を大きく下回っていたためです。このように平均点に差がある場合は、足切りラインが変動します。

これにより、自己採点で合格点に達していなくても、合格できることがあります。こういう事象を救済措置と呼んでいます。

(2)合格率、合格者数

社労士試験の合格率は毎年低く10%に届かないほどです。平成27年から右肩上がりだった合格率が、平成30年度は6.3%、令和元年度は6.6%となっています。

平成26年は9.3%という高い合格率でした。この結果を受け、試験が難しくなったのかもしれません。平成27年の合格率は7%ダウンの2.6%でした。合格率で見るとわずかな差のように思えますが、合格者数は数百人違ってきます。

(3)免除者、公務員特例の免除者

今年の受験者で免除者は992人、そのうち公務員特例の免除者は492人でした。

昨年まで公務員特例の免除者は受験者から減っていく傾向にありましたが、今年は増えていました。

ブラック企業問題に関心が集まり、社労士資格を取ろうと考えた公務員が増えたことが要因ではないかと予想されます。

2 合格発表日までの心構え

試験を受けてから合格するまでは、数か月あります。それまでに独立の準備を進めるのがいいでしょう。

独立準備として社会保険労務士法人に入るのがお勧めです。今、会社に勤めているのであれば、上司に社会保険労務業務をやらせていただくよう、伝えて部署移動をするのがよいでしょう。

会社を辞める覚悟があるのであれば、独立か社会保険労務士法人に転職して実務を積むのがおすすめです。実務経験は仮に資格試験に落ちても強力な後ろ盾になります。資格試験を受ける際も、業務で覚えた内容は試験にでてくるものも多いので、合格する確率のアップにもつながるでしょう。

3 社労士試験に合格した後は・・・

(1)合格後の手続き

社労士試験に合格した後は、登録を行う必要があります。登録手続きは社労士を管理運営する組織である【全国社会保険労務士連合会】で行います。ここでの登録を済ませないと社労士として業務を行うことはできません。

この登録は合格すればすぐにしたいところなのですが、登録には下記条件があります。

条件:実務経験2年以上又は事務指定講習の修了が必要

実務経験が2年あればすぐにでも社労士として登録し、働くことができます。しかし、実務経験が2年ない状態で社労士になる人も少なからず存在します。

あなたが実務経験がないのであれば、指定講習を受け修了する必要があります。講習は【全国社会保険労務士連合会】が主催で行っています。今回の社会保険労務士試験合格者の方には、11月中旬に「社会保険労務士登録申請書」と講習の受講案内が届きます。届いたらすぐに申し込みができるよう、準備しておくのがよいでしょう。

①講習を行う上での準備

講習は長い期間をかけて行われます。具体的には通信指導課程(4か月間)と、面接指導課程(4日間)の組み合わせで行われます。

この講習は社会人にはかなり大変な内容です。通信指導過程の4か月を仕事をこなしながら進めるのはかなりの体力を使うことになります。この期間の仕事をあらかじめ少なめに調整したり、仕事の忙しさによっては職場を変える必要が出てくるかもしれません。

面接指導課程は4日間だけですが、申し込みをかなり早い段階で行う必要があります。令和元年の申し込みの受付期間は2019年11月15日(金)~12月5日(木)でした。

面接指導を行う会場は複数あります。東京はA会場とB会場があります。他は愛知・大阪・福岡に1会場ずつです。合格通知が届く前までの期間を使って、どう講習を受けるか決めておくのがよいのではないでしょうか。

ちなみに、この講習は合格後ならいつでも受けることができます。合格した年の講習に仕事の都合で参加するのが難しい場合は、翌年以降に講習を受けることを検討しても大丈夫です。ただ、合格してからすぐに講習を受けるほうが、試験で覚えた知識を生かすことができるといえます。

②講習にかかる費用

4か月と4日を要する講習なので、講習費用もかかります。

今年度の費用金額は75,600円です。合格した時に発生する費用として、こちらも準備をしておきましょう。

(2)登録時に必要な書類

社労士試験に合格し、講習も修了したら遂に【全国社会保険労務士連合会】へ登録し社労士として働くことができるようになります。

ここでは登録に必要な書類をご説明します。

・社会保険労務士登録申請書

・社会保険労務士試験合格証書の写し

・従事期間証明書又は事務指定講習修了証の写し

・住民票の写し1通【※個人番号(マイナンバー)が記載されていないもの】
提出の日前3ヶ月以内に市区町村から交付された「住民票の写し」そのもの(原本)を添付のこと(コピーは不可)

・顔写真1枚(写真票に貼り付けて添付)
(縦3cm、横2.5cm、背景無地、無帽、正面向の鮮明な写真(白黒でも可)、裏面に氏名記入のこと)

・戸籍抄本、個人事項証明書又は改製原戸籍のいずれか1通(3ヶ月以内のもの)

【※合格証書又は従事期間証明書(事務指定講習修了証)と氏名が異なる場合のみ必要】

(3)登録時に必要な費用

ここでも費用が必要になります。お金がとてもかかりますね。受験費用と合わせるとここまでの費用の合計は14万程になっています。社労士として開業すれば利益として返ってくるものなので、文字通り必要経費です。

合格時に14万程度必要となると覚えておいておけばよいでしょう。

登録免許税 30,000円

・手数料 30,000円

・社労士会への入会金、年会費

※入会金・年会費は社労士会ごとに異なる

(4)働き方

①どんな業務ができるのか

社労士試験に合格し、様々な手続きを終えると遂に認可社労士として、業務を行えるようになります。

認可社労士になると様々な労働に関する仕事ができるようになります。具体的には【労働社会保険手続業務】・【年金相談業務】・【補佐人の業務】などが挙げられます。

特に最近ブラック企業問題が取りざたされているため、【補佐人の業務】のニーズが高まっています。この【補佐人の業務】は、社会保険に関する行政訴訟・個別労働関係紛争に関する民事訴訟の場面で、弁護士について一緒に裁判所に出向き、陳述することができる権利です。

ブラック企業のことがテレビで取り上げられていたころ、この裁判所で社労士が陳述できることが紹介されたことがあります。社労士の得た情報と弁護士の法律の知識があれば、様々な労働の問題に取り組めます。政府のすすめている働き方改革にも必要な役割だといえるのではないでしょうか。

②就労方法

社労士になると個人事業主として独立か、社会保険労務士法人に所属するか、社会保険労務業務ができる人を募集している会社に就職して、会社付きの社会保険労務士になるかの3つの選択肢があります。

それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

Ⅰ 個人事業主として独立

個人事業主として独立すれば、多くの収入を得ることが可能です。ただ、準備するものが多く、個人として営業するまでの時間がかかります。

必要なものを下記に記載します。

・名刺
個人で仕事をする上では欠かせません。
しかし必須ではないので、すでに仕事のあてがある場合は作らないでもいいかもしれません。

・事務所(登記上住所)
仕事場ですね、独り暮らしでしたらその住居を仕事場にするのもありです。
ただ客人を迎えたり、お客様が訪ねてくるような業務を行う場合は、仕事用の部屋新たに借りてそこを事務所にするのが良いのではないでしょうか。

・PC(自分専用がなければ用意、クライアントのセキュリティのため必須)
ここは説明不要かと思います。給与計算などにPCは必須です。

・公式HP
個人として営業するには必須のツールだと言えます。
自分で作れるのであれば自作するのもありかと思います。
ただ、仕事でのホームページなのでお金を払って万全なものを作るほうが無難ではないでしょうか。
制作会社に依頼すれば3万程で作成可能です。
知り合いにフリーのWEBデザイナーがいればそちらに依頼してみてもいいかもしれません。

・固定電話、FAX
連絡が取れるように留守電機能付きの固定電話があると良いのではないでしょうか。
FAX機能があればなおいいですが、メールでの連絡が最近では主流になってきているので、FAX機能はやり取りするクライアント層の年齢が高い場合に用意すればいいです。

Ⅱ 社会保険労務士法人に所属

社会保険労務士法人は【ヒビコレ】などの求人サイトで社労士を募っています。

社労士業務を専門に行う組織であるため、実務経験を積むことができ、給与も安定してもらうことができます。

また未経験でも採用してくれるところもあります。社労士になる近道ともいえるかもしれません。

Ⅲ 一般の会社に就職し、社会保険担当になる

あまり求人はないのですが、一般の会社にも社労士のニーズがあります。

一般的には、ほぼどの会社でも専属の社労士がいます。その社労士が外れるタイミングで求人がでたりします。その求人に応募することで一般企業に労務担当として就職することも可能です。

Ⅳ 社会保険労務士以外になる場合

勉強をして合格してあらためて社会保険労務士として今後やっていくかを考えた時に、自分には向いていないので別の道に進もうという人もいるでしょう。そういった方も社労士の知識をもって仕事にあたれるというメリットがあるので、勉強経験が無になることはありません。

働き方改革で、様々な企業が残業を減らしたり、仕事の仕方を変えたりという風潮があります。そういった企業へ社労士として知識を生かして業務改善をしていくのも選択肢としてありだと思います。

4 社労士試験に合格するのはどんな人?

これから受験する人は、合格率の低さをみると辟易するかもしれません。しかし合格率が低いのは理由があります。

(1)受験の落とし穴

①得意なこと分野の勉強は必要最低限にとどめる

不合格になっている人に共通していたのは、全部をしっかり勉強しすぎているということです。

社労士の試験範囲はとても広いです。すべての範囲を完璧に学習することはおすすめしません。

得意な分野の勉強は最低限にとどめ、苦手な分野を中心に幅広く勉強していくことが大切です。

②テキストではなく通信講座のすすめ

私がおすすめする勉強法は通信講座です。

独学で社労士のテキスト購入し勉強するのは、試験範囲が広いのと、覚える知識が膨大なためおすすめしません。テキストを買う場合、科目ごとに何冊も購入することにもなり、その量を見ることで勉強の意欲がそがれる人も多いと聞きます。

その点、通信講座はWEBで繰り返し勉強ができるため、勉強意欲がそがれにくいです。

③勉強スケジュールを組む

社労士の勉強は早く始めることをおすすめします。

範囲がとても広いので、私は半年くらい(約180日)を勉強にあてました。半年でも仕事をしながらだったので勉強時間が足りないと感じたことがあります。

1年に1回の試験であることから、試験勉強を1年でやると想定しているのでしょう。1年程スケジュールを組み勉強をすれば高い確率で合格することができるのではないでしょうか。

④関連分野の勉強はまとめて行う

労災と健保は共通している事柄が多いので、なるべく同じタイミングで勉強することをおすすめします。

労基、常識に至っては他の法律と重なる部分が多いので勉強は後に回してしまうことをお勧めします。

関連分野をまとめて勉強することで、関連する知識通しが紐付けされ、思い出しやすくなるというメリットもあります。

(2)合格後のおすすめの講座

社労士の合格後は実務スキルを学ぶための講座を受けることをおすすめします。

講座はいくつかありますが、実務経験豊富な講師がいる講座がよいかと思います。

開業をしないという場合でも実績をもったベテラン社労士からは多くの学びがあることでしょう。

5 サマリー

いかがだったでしょうか。

自己採点で参考になる足切りの仕組みや、合格までの過ごし方、合格した後に必要な費用、次回の参考となる勉強の仕方、合格後のキャリアプランなど多岐に渡りお話してきました。

お役に立つ記事があったでしょうか。

働き方改革が推し進められる世の中になり、社労士の需要は今後さらに上がると考えられます。

この記事が社労士として今後歩んでいくまたはこれから社労士になろうと思ってい記事を読んでいるあなたのお役に立てれば幸いです。

6 まとめ

・受験勉強は苦手にスポットをあてて、効率的に

・合格発表までの期間は、合格後の準備を

・スケジュールを立てるときは合格してから逆算を

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