社会保険労務士(社労士)は人材に関する専門家!資格試験から仕事内容まで解説します!

社会保険労務士(社労士)は人材に関する専門家!資格試験から仕事内容まで解説します!


はじめに

あなたの職場や企業で何か困っていることはありませんか?

年金ってどのくらいもらえるのかなあ…
最近残業多くて家族との時間が取れない…

そういった幅広いお悩みを解決するのが社会保険労務士(社労士)の仕事です!
世の中にはそのほかにも社会には法律に関しての知識が少しあるだけで、もらえたお金(助成金など)や、防げたトラブルが多くあります。
そんな問題の解決も社労士の役目です。

「みんなの味方になって困っている人を救ってあげたい。」
「知らないで損をしているなんてもったいない!」

なんて考えている、優しいあなたは社労士にピッタリかもしれません。

しかし、社労士になろうと思ってすぐなれるものではありません。
社会保険労務士資格という国家資格があり、これを持っていないと社労士の業務をしてはいけないと法律で決められているのです。
社会保険労務士資格をとるには、社労士試験に合格しなければなりません。
ここでは、そんな社労士試験について詳しく見ていきます。

1 社労士を受けるのはどんな人??


社労士試験はどんな人が受験しているのでしょうか?
ここでは、年齢別、職業別に受験者の割合を分析することで考察していきます。
まずは年齢別の受験者の割合を見ていきましょう。

この表を見てわかることとしてはまず、ほかの国家資格と比べて、20代以下の若い層に少なく30代40代などの中間層に受験者が集まっているということです。
これより、社労士試験を目指すのは、ある程度会社で働いた後、より広い視点で従業員の管理をすることが必要になったときに社労士試験を受験している人が多いといえるでしょう。

次に職業別の受験者の割合を見ていきます。

ここからもみてわかるのは、会社員の割合が多く、学生の受験者はほとんどいないということです。
やはり、社労士の必要性は会社で実際に働いてみて初めて分かるものだということでしょう。
また、学生の受験者の割合が低い理由としては、社労士の知名度の問題もあるでしょう。
社労士の世間の認知度は低いです。
よって、学生は、弁護士などのメジャーな国家資格を目指そうとするのでしょう。

無職の方の受験者の割合も多いですが、この理由しては、受験に専業して、合格して晴れて社労士として開業しようと考えている人も多いと考えられます。

2 社労士試験の概要


社労士試験のスケジュールについては毎年4月に社会保険労務士試験オフィシャルサイトが発表していますので、そちらを確認してください。
ここでは例として、第50回(平成30年度)試験についてみていきます。

(1)受験申し込み書の受付期間

平成30年4月16日(月)~平成30年5月31日(木)

(2)試験日程

平成30年8月26日
・着席時間 10:00~12:50
・試験時間(選択式) 10:30~11:50( 80分)
・試験時間(択一式) 13:20~16:50( 210分)

(3)合格発表日

平成30年11月9日(金)

(4)試験地

社労士試験は上は北海道から下は沖縄まで全国各地で行われています。
ここでは例として平成30年度社労士試験の試験地を紹介します。

  • 北海道 札幌コンベンションセンター
  • 宮城 東北学院大学 泉キャンパス 
  • 群馬 共愛学園前橋国際大学、共愛学園高等学校
  • 埼玉 芝浦工業大学 大宮キャンパス
  • 千葉 日本大学理工学部 船橋キャンパス
  • 東京 日本大学 法学部、日本大学 経済学部、日本大学理工学部 駿河台キャンパス、日本大学 文理学部、目白大学 新宿キャンパス、日本大学豊山中学校、高等学校、学習院女子大学
  • 神奈川 明治学院大学 横浜キャンパス 神奈川大学 横浜キャンパス
  • 石川 金沢工業大学
  • 静岡 日本大学 三島駅北口校舎
  • 愛知 名城大学 天白キャンパス
  • 京都 同志社大学 新町キャンパス、京都産業大学
  • 大阪 関西大学 千里山キャンパス、大阪経済大学 大隅キャンパス
  • 兵庫 甲南大学 岡本キャンパス
  • 岡山 岡山大学 津島キャンパス
  • 広島 広島サンプラザ
  • 香川 英名高等学校 亀岡学舎
  • 福岡 九州産業大学、九州国際大学
  • 熊本 熊本学院大学
  • 沖縄 沖縄産業支援センター

(5)合格基準

合格基準点は、選択式試験及び択一式試験のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定められています。
各成績のいずれかが合格基準点に達しない場合は不合格となります。
※合格基準点は、合格発表日に公表されています

(6)受験手数料

9,130円(振込手数料込み)

3 試験科目・出題形式について


社労士試験の出題形式は択一式と選択式の2つです。
試験科目、出題形式、配点、問題数は以下の表のようになっています。

試験科目択一式<210分>
計7科目(配点)
選択式<80分>
計8科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法10問(10点)1問(5点)
労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点)1問(5点)
雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点)1問(5点)
労務管理その他の労働に関する一般常識10問(10点)1問(5点)
社会保険に関する一般常識1問(5点)
健康保険法10問(10点)1問(5点)
厚生年金保険法10問(10点)1問(5点)
国民年金法10問(10点)1問(5点)
合計70問(70点)8問(40点)

社会保険労務士試験オフィシャルサイトより

合格の基準としては選択式と択一式のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定めます。
各成績のいずれかが合格基準点に達しない場合は不合格となります。
また合格基準点は、その時の試験の難易度に応じて、合格発表日に公表されます。

4 社会保険労務士の対策方法


社労士試験においてどのような対策をすればいいのでしょうか。
勉強時間やスケジュール法などを詳しく説明していきます。

その前にまず前提として理解してほしいことがあります。
社労士の資格は、一般常識まで合わせれば非常に膨大な数の法律の知識を習得する必要があります。
ですので、いちいち、立ち止まってじっくりテキストを読んでいると、とても時間がかかってしまします。
勉強のコツとしては「広く浅く速く」です!
じっくりテキストを1周するより、サクサクテキストを3周したほうがはるかにいいです。
淡々と前に進み続けましょう。

また、いち早く全体像をつかむことで今どこを勉強しているのか把握しましょう。
今どこを学んでいるのかわかっているだけで脳の中で構造化され記憶に定着されやすくなります。

テキストを何周かしたら一度ノートに図などを使って全体像をまとめてみるのがコツです。

また、テキストを周回するときはちゃんとスケジュールを組んで何日で何周するのか決めましょう。
初めの周はもちろん一番きついですが、だんだん周回のスピードが速くなって行くので、1周するスパンも短くしていきましょう。
周回のスピードが速くなるのはモチベーションの増加につながります!

ここからは私が合格者の体験記を参考にして考えた合格の法則ともいえる合格までのスケジュールで、合格までの道のりを確認していきます。

社労士試験合格には約1000時間が必要と言われています。
また一般的に1年は準備期間に当てます。
1日の勉強時間で考えたら大体2~3時間の勉強はしなくてはいけません。
もし1年の準備期間が取れないのだとしたら、もっと1日の勉強時間を増やさなくてはならないでしょう。

ここでは1年間1日3時間勉強するのを考えます。
平日時間が取れない場合は土日に回すのもいいでしょう。

・9~12月「インプット&過去問」

今期間は主にインプットの期間です。
具体的なやり方としては、過去問にでているものをかたっぱしからテキストで確認していくという風な感じでインプットしていく過去問の復讐にもなるのでといいでしょう。

・1~3月「過去問解きなおし&問題演習」

この期間はひたすら問題を解きまくる期間です。

・4月「周回」

この期間は周回の期間です。
周回のコツとしては一つの科目を1日などの短いスパンで回し続けるというのが、まとまった知識として頭に入りやすいです。

・5~6月「法改正&一般常識」

この時期に法改正と一般常識を勉強するのはとてもいいです。
前提となる知識が頭に入っているので、理解がしやすくなっています。

・6~7月「模試」

この時期は様々なところで模擬試験が開催されています。
そういったものを利用しましょう。
また、この時期までにある程度勉強を完成させましょう。

・8月「試験」

合格あるのみ!!!

このスケジュールは合格までの長い道のりをイメージするという意味ではとても役に立つので参考にしてください。
ただ、1週間単位、1日単位でのスケジュールは自分のペースと相談しながら、バッファを設けつつ、作って下さい!

5 社会保険労務士に受かると??


社労士試験に合格したらすぐに社労士として働きたいと誰もが思うでしょう。
しかし、社労士試験にめでたく合格したからと言って、すぐに社労士として仕事や起業ができるわけではありません。
社労士試験に合格してから、社労士を名乗れるようになるまでには、実は結構面倒が待っているのです。

ここでは

  • 社労士試験に合格してから社労士になるためにやるべきこと
  • 社労士としての働き方

の2つを解説していきます。

(1)社労士試験に合格してから社労士になるためにやるべきこと

では一体何が面倒なのでしょうか。
そもそも社労士を名乗るには「全国社会保険労務士連合会」というものに登録をしなければなりません。
この登録に必要な書類の中に「従事期間証明書又は事務指定講習修了証の写し」というものがあります。
これを手に入れるのが面倒なのです!
これは、

労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に従事した期間が通算して2年以上になるもの又は厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるもの

(社会保険労務士法第3条第1項)

です。

つまり、2年以上の実務経験がない人は「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」という社労士連合会が開催している講習を受けなさいよ、ということを言っています。
これは2年以上の実務に相当するものなので、講習だからといって侮ってはいけません。

もちろん、2年以上の実務経験がある人はこの講習を受ける必要はありません。

では「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」とはどういったものなのでしょうか。
この講習は下の2つの過程に分かれています。

  • 通信指導過程
  • 面接指導過程

それぞれ順番に見ていきましょう。

①通信指導過程

通信指導課程は、研究課題の提出を期間内に完了することで課程を修了したと認められます。
期間は2月初旬~5月末となっています。
通信教育ですので、大まかな流れは、以下のようになっています。
・まず教材が送られてきます。
・その教材を自分で学習し、課題を提出します。
・その課題が添削されて戻ってくる。
といった流れです。

教材や課題の内容は、社労士として必要な実務能力を育成することを目的として作られており、事業所の設置や廃止、従業員の採用から退職に伴って必要となる各種申請・届出等の手続事務などがあります。

課題は4か月間に3回の提出を求められます。
それぞれ締め切りがあり、期限内に提出されない場合は終了認定されません。
内容に不備があった場合も再提出となってしまうので注意してください。(出せばいいというものではありません!)

4か月で3回だけかと思うかもしれませんが、甘く見てはいけません。
3回の課題で提出する書類は60枚ほどになります。
しっかり準備して完成させるものになっているので、前々からやっておく必要があります。

②面接指導過程

面接指導課程は、4日間の面接指導を全日程受講することでこの過程を修了したと認められます。
期間は7月中旬~9月中旬となってます。
この期間の間で平日にある4日間の全日程をすべて受講しなければなりません。

一日の時間は9時30分~16時30分となっています。
がっつり1日とられると考えていいでしょう。
また、面接指導となっているので、1対1のような感じで面談しながらという感じを想像しそうですが、実際はただの講義で、先輩の社労士さんによる体験談を交えた実務に関する話をひたすら聞き続けるというもののようです。
これら2つの過程を修了することで修了証が交付され、「全国社会保険労務士連合会」に登録し、晴れて社会保険労務士として働くことができるのです。

(2)社労士としての働き方

社労士としての働き方は大きく3つに分けられます

  • 社労士法人で働く
  • 企業内社労士として働く
  • 独立開業して働く

それぞれ見ていきましょう。

①社労士法人で働く

社労士法人とは社会保険労務士法人とは複数の社労士が集まって設立する法人のことで、いわゆる社会保険労務士事務所のことです。
ここでの主な仕事内容は、企業から委託された保険の手続きや給与計算などの業務が中心となっています。
社労士になりたての人など社労士としての経験が浅い人などが見習いとして、事務所で働くという人が多いようです。
社労士法人では自分のほかに社労士が何人かいる状況なので、一人じゃ対応しきれないような大規模な案件に取り組むことができます。

②企業内社労士として働く

企業内社労士として働くというのは、その会社の中で人事や労務関連のエキスパートとして企業に就職して働くというものです。
その際、社労士の有資格者として社内の高い評価や資格手当が与えられるのもこの働き方の魅力といえるでしょう。
一般企業のほかにコンサルティング会社やアウトソーシング会社に就職する社労士が多いようです。
専門性を生かした活躍をすることで安定した収入と着実なキャリアアップを得ることができます。

③独立開業して働く

社労士の資格を持っていればすぐにでも独立開業することができます。
電話やパソコンなど最低限の設備があれば、開業することができるのです。
一般的にはどこかの事務所で修業を積んでから独立するという流れが多いようですが、資格を取ってすぐに開業してしまう人は実は少なくありません。
しかし、ここで大変になってくるのが顧客を得るという仕事です。
資格を取るまでにある程度人脈を作れていた人はまだいいですが、まったくない人は、営業などを1から始めなくてはいけません。
さらに一人でやるとしたら、その他の事務処理など、仕事量はものすごいものになるでしょう。
しかし、その反面自由というのが独立開業した時の最大のメリットといえるでしょう。
死ぬ気で働けばその分給料は入ってきますし、のんびり働けば、給料はさみしくなるかもしれませんが、私生活が充実するでしょう。
さらに自宅で仕事ができるというのも大きな魅力です。

最近日本では労働問題に関してはとてもシビアになってきています。
この風潮は社労士にとってはいい追い風となっているといえるでしょう。
社労士として、日本の労働環境をスムーズにしていきましょう!

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