毎年違うの!?社会保険労務士(社労士)試験の合格ラインを知っておこう!

毎年違うの!?社会保険労務士(社労士)試験の合格ラインを知っておこう!

はじめに

労働に関する問題は時代と共に表面化していくなか、社会保険労務士(以下、社労士)の人気が年々高まってきています。実際に社労士の資格を取得したいと考える方も増加傾向にありますが、難関な試験を突破しなければなりません。社労士試験に合格するためには、「社労士試験の合格ライン」を全てクリアする必要があります。では、社労士試験の合格ラインは一体どのくらいなのでしょうか。早速みていきましょう。

1、社会保険労務士(社労士)の合格ラインはどう決まっているの?

社労士試験は、大きく分類すると

  • 記述式試験
  • 口述式試験

に分類されます。

また、記述式試験は

  • 短答式試験
  • 論文式試験

に細分化されて、更に論文式試験は以下のような科目の分類があります。

  • 必須科目
  • 選択科目

この各試験全てにおいて、毎年合格ラインが設定されていくのですが、ここの設定は相対的な評価となります。

したがって定性的な合格ラインはなく、毎年違う合格基準となるのです。

以下では、各々の試験の合格ラインとその決定プロセスについて解説します。

 

(1)社会保険労務士(社労士)試験の合格ライン

社労士の合格ラインとしては、2018年度は次の2つの条件を満たしたものを合格としています。

  • ①選択式試験は、総得点23点以上かつ各科目3点以上(ただし、「社会保険に関する一般常識」及び「国民年金法」は2点以上)である者
  • ②択一式試験は、総得点45点以上かつ各科目4点以上である者

実は、前年度と比較して試験の難易度に差が生じたこともあり、合格基準が補正されています。このように、絶対的な基準は存在せず、その年度のレベルなどに応じて可変するのが特長です。

社労士の試験は、試験問題として「択一式問題」と「選択式問題」はあるのが特長です。それぞれの問題について解説すると、択一式問題は全部で70点が割り振られており、複数の選択肢の中から、問題にあてはまるものを選んで回答するスタイルを採用しています。選択式問題は全部で40点割り振られており、文章に空欄があり、指定された選択肢の中から妥当なものを選んで埋めていく問題となっています。社労士のどちらの問題についても、7~8科目に振り分けられて出題されます。

択一式問題は全体の7割、選択式問題でも全体の7割を超えるように得点を獲得していかないといけません、

6割でも合格できる可能性は残されていますが、年度によっては不合格となる可能性もあるので、余裕を見込んで最低でも7割以上を正解する!という意気込みで勉強することが重要です。また、全科目で~点は得点しなければならないというボーダーラインがあります。過去は総合点のみで判断されていたのですが、社労士としては幅広い知識があってしかるべきという考えのもとから、合格ラインが見直されたという経緯があります。科目による出題数の内訳としては、

  • 特許法で概ね17問程度
  • 実用新案法で約3問程度
  • 意匠法、商標法、条約で各々約10問程度
  • 不正競争防止法、著作権法で各々5問程度

となっています。特に特許法はダントツに出題数が多く、勉強量を最も確保して着実に正答できるようにしなければなりません。ただ、先に解説したとおり各科目で最低点が設けられているので、特許法だけでなく平均的にすべての法律について勉強することも必要であり、その中でメリハリを付けて勉強していくことが合格へ繋がります。一見当たり前のようなことを言っているように見えますが、特定の法律科目にばかり時間を割いた結果、アンバランスな知識のつけ方をしてしまう方もいます。各科目の最低点をクリアするという側面から、特定の科目で点を稼いでおこう!という考え方は通用しないので注意してくださいね。

ちなみに、合格率と合格者数を調整することを目的として、まれに救済をおこなうこともあります。

救済とは、例えば「本来は3点得点しないといけない」という合格ラインを「2点へ引き下げる」などの措置のことです。

特に、選択式問題では近年、目まぐるしい法改正による得点率の低さを要因として、調整を行う傾向にあります。

とはいえ、救済ありきで考えることは避けましょう。

救済の確実性はどこにもないですし、「ここは法改正の部分だし救済されるだろう。」なんて考えていると足元をすくわれる結果となることは目に見えているからです。

 

(2)補正はどのような考えで行なわれるの?

合格ラインは、常に一定ではなく毎年補正されていきます。その補正については、安易な考えによって行われるわけではなく、明確な基準が存在しています。

そもそも補正することの目的としては、各年度毎の試験問題に難易度の差が生じており、試験の水準を一定に保つことにあり、各年度において総得点及び各科目の平均点及び得点分布等の試験結果を総合的に勘案した上で、補正が行われています。

まず、総得点の補正は、

選択式試験、択一式試験それぞれの総得点において前年度の平均点との差を少数点第1位まで算出します。これをを四捨五入し、得点率などを加味して前年度の合格基準点を上げ下げします。

計算の例としては、もし差が-1.3点なら1点下げる形をとり、+1.5点であれば2点上げるという形となります。基本的に前年の平均点との差によって合格基準点の調整を行いますが、前年に既に補正が入っている場合は、補正が行われていない直近の年度の平均点も考慮して設定されます。他にも、後述する各科目の最低点引き下げを2科目以上行うことで、例年の合格率と比べ高くなるケースは、概ね10%を目安として試験の水準維持を考慮し合格基準点を1点足すことも行われています。

各科目の最低点については、合格基準点以上の受験者の占める割合が5割に満たないケースの場合、合格基準点を引き下げ補正しています。しかし、以下のケースにおいては試験の水準維持を考慮して原則として引き下げを行われません。

  • ①引き下げ補正した合格基準点以上の受験者の占める割合が7割以上の場合
  • ②引き下げ補正した合格基準点が、選択式で0点、択一式で2点以下となる場合

ただ、あくまで原則的にはということを念頭におき、今後試験制度が変わっていく可能性もあることは頭の片隅に入れておいてくださいね。

 

2、社労士の合格ライン推移

社労士の合格ラインについては、2000年までは明確に公表されていませんでしたが、2001年から厚生労働省が発表しています。また、補正基準についても公表されており、それに従って補正をした上で毎年合格ラインが設定されています。では、各試験においてどのように合格ラインが推移しているのでしょうか?年度別にみていきましょう。

 

(1)選択式試験の合格基準推移

選択式試験の合格基準は、その年度において大きくばらつきが生じます。2001年からの総合点と各科目における合格ラインは、以下のように推移いします。


以前は28点と高いボーダーラインとなっていましたが、近年は23点ということも多々あります。

 

(2)択一式試験の合格基準推移

択一式試験にも合格の基準の推移は以下のようになっています。


択一式試験においても、近年は総得点が下がっている傾向がありますね。ただ、科目別の基準については選択式試験と比較すると補正はあまりかけられてはいません。

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平均合格率約5%前後は本当!?社会保険労務士(社労士)試験の合格率を徹底解説!

 

3、社労士試験で合格ラインに達するための勉強法

社労士試験に合格するためには、闇雲に勉強してもなかなか達成できるものではありません。ある程度戦略性を持って勉強することが重要です。ここでは、それぞれの合格ラインをクリアするための勉強法を伝授します。

(1) 選択式試験の勉強法

選択式は,空欄補充問題ですので、専門的な文章が題材となっている傾向があります。これには、社労士として日常的に出くわすようなケースであったり法律が題材となる傾向もあります。よって、まずは法律独特の言い回しなどの表現方法を読めるように学習して行くことが重要です。順番としては、まずは択一式の勉強から始めてから選択式の勉強をすると、選択肢を読むことによって、文章を読むトレーニングを積むことができます。

まずは、参考書などの解説をしっかりと把握することから始めてください。意外とそれだけでも、選択式の回答におけるヒントが隠されているケースが多いです。また、過去問題をひたすら問いていくことで、同じような法令が出題されることもあります。わからない部分はそのままにしないで、しっかりと知識をブラッシュアップすることで、自分の知識として身につけることができます。

 

(2) 択一式試験の勉強法

択一式試験の場合は、選択式とは違い、過去試験として出題された問題が、形を変えて再度出題される傾向が強い試験です。その中で、法改正等がある場合、改正の内容を反映させた上で改めて出題されます。よって、択一式では過去問学習がとても役に立ちます。通常、参考書や講義などによって知識をインプットを行ってから過去問を解くという流れが一般的ですが、択一式試験対策としては最初の段階から過去問を解くことも重要です。

とはいえ、法改正部分はどうしても、対策が難しいです。というのも、過去問が通用しないので予想問題というかたちで問題演習を重ねるほかありません。ポイントとしては、

改正前の法律・法令についての理解を深め、改正後、どこがどのように改正された結果、どのような結果となるのか」というプロセスで学習を進めることで知識が体系的に身についていきます。

本試験でどのような形で出題されるのかの流れを過去問でつかみ、参考書・基本書などで知識の定着・体系化を図っていきましょう。

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4、試験後には解答速報をチェック

実際に試験を受験された方にとっては、正解を真っ先に知りたいですよね。これは、合格したかどうかを単純にチェックできるだけでなく、仮に試験に合格できなかった場合に間違った箇所を明確にすることによって、次への糧となるためです。

試験問題や各設問の意図などの解説については、特許庁が公開していますが、掲載までには非常に時間がかかっているのは事実です。実は、速報という形で、資格取得をサポートしている会社で基本即日で解答を公開しているケースが大半です。また、その後に改めて解説付きで公開されています。資格スクエアでも最新情報を随時更新していきますので、ぜひチェックしてくださいね!

 

5、サマリー

いかがでしたでしょうか?社労士の合格ラインは年々変動しているものの基本的には全科目7割程度の得点を獲得する必要があります。また、「働き方改革」などにより過去問では予想できない出題も懸念されますから、改正前と改正後の法律・法令をきちんと体系化して理解していきましょう。やるべきことをやりきれば、誰でも合格することのできる試験です。労働問題の表面化から、社労士の需要は増加傾向にあります。皆さんもぜひこの機会に合格を勝ち取り、新時代の労務問題を解決する人材へとステップアップしてくださいね!

 

6、まとめ

  • 社労士試験の合格ラインは、短答式試験で総得点と各科目の最低点が設定されている
  • 試験の水準を一定に保つことを目的として、各年度において総得点及び各科目の平均点及び得点分布等の試験結果を総合的に勘案した上で、補正が行われている
  • 選択式試験の合格ラインは近年では23点前後の事が多く、各科目は3点以上となっている
  • 択一式試験の合格ラインは45点で各科目4点以上という事が多く、選択式試験と違って補正はあまりかかりにくい
  • まずは択一式試験勉強からスタートさせ、選択式試験対策をすると良い

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