2020年(令和2年)社労士試験の日程は?ガイドラインや出題範囲も詳しく解説!

2020年(令和2年)社労士試験の日程は?ガイドラインや出題範囲も詳しく解説!

2019年8月25日に実施された、第51回社会保険労務士試験の合格発表は、11月8日(金)におこなわれたばかりです。合格された方もいれば、残念ながら今回は努力が実らず、2020年の次回試験に向けてもう試験勉強をスタートされている方もいることでしょう。

来年度の試験で初めて社労士試験を受験する方は、申込や試験の日程、受験資格などのガイドラインを良く確認しておきましょう。10科目ある試験範囲についても然りです。

この記事では、既に終了した第51回社労士試験の結果についても触れながら、2020年(令和2年)におこなわれる社労士試験の概要について、詳しく解説していきます。

1 社労士試験 日程

社労士試験は、以前は7月におこなわれていましたが、現在は8月下旬の日曜日(第4日曜日)と、真夏ににおこなわれています。

(1)試験日程

社会保険労務士試験オフィシャルサイトには、社労士試験の試験日について

■試験日:8月23日(日)

と記されています。

なお、試験の期日等は毎年4月30日までに官報により公告されます。

(2)受験手数料

9,000円です。

ただし、払込手数料200円は、払込人(受験申込者)の負担となります。

(3)受験申込期間

同サイトによれば、受験申込期間は

「社会保険労務士試験の実施について」の厚生労働大臣の官報公示(毎年4月中旬)がおこなわれてから5月31日までの間。

と記されています。つまり、だいたい4月30日から5月31日までとなります。

2 受験資格

社会保険労務士試験を受験するためには、受験資格が必要です。端的にいえば、社労士試験を受験するためには、以下のいずれかの資格に該当する必要があります。

・短大卒と同等以上の学歴がある (1)参照

・学歴による受験資格がなくても、一定の実務経験がある (2)参照

・行政書士資格を有している (3)参照

上記のいずれかの資格を有することに加えて、受験資格証明書の提出が求められます。求められる受験資格と受験資格証明書の詳細は下表の通りですが、より詳しく知りたい場合は社会保険労務士試験オフィシャルサイトへ直接問い合わせましょう。

(1)学歴

受験資格コード 受験資格
01 学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学、短期大学、専門職大学、専門職短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者又は専門職大学の前期課程を修了した者(専攻の学部学科は問わない)
02 上記の大学(短期大学を除く)において学土の学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終わった者

上記の大学(短期大学を除く)において62単位以上を修得した者(卒業認定単位以外の単位を除く(卒業認定単位は大学へご照会ください)。)

03 旧高等学校令(大正7年勅令第389号)による高等学校高等科、旧大学令(大正7 年勅令第388号)による大学予科又は旧専門学校令(明治36年勅令第61号)による専門学校を卒業し、又は修了した者
04 前記01又は03に掲げる学校等以外で、厚生労働大臣が認めた学校等を卒業し又は所定の課程を修了した者 (厚生労働大臣が認めた学校等はこちら )
05 修業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に必要な総授業時間数が、1,700 時間(62単位)以上の専修学校の専門課程を修了した者

(2)実務経験

受験資格コード 受験資格
08 労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員(非常勤の者を除く。)又は従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
09 国又は地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間及び特定独立行政法人、特定地方独立行政法人又は日本郵政公社の役員又は職員として行政事務に相当する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者(注)日本郵政公社の役員又は職員として従事した期間と民営化後(平成19年10月 1日以降)の従事期間の通算はできません。 全国健康保険協会、日本年金機構の役員(非常勤の者を除く。) 又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者 (社会保険庁の職員として行政事務に従事した期聞を含む。)。
11 社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人又は弁護士若しくは弁護士法人の業務の補助の事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
12 労働組合の役員として労働組合の業務に専ら従事(いわゆる「専従」という。)した期間が通算して3年以上になる者又は会社その他の法人(法人でない社団又は財団を含み、労働組合を除く。以下「法人等」という。)の役員として労務を担当した期間が通算して3年以上になる者
13 労働組合の職員又は法人等若しくは事業を営む個人の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務(ただし、このうち特別な判断を要しない単純な事務は除く。)に従事した期間が通算して3年以上になる者

(3)厚生労働大臣が認めた国家試験合格

受験資格コード 受験資格
06 社会保険労務士試験以外の国家試験のうち厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者

(厚生労働大臣が認めた国家試験はこちら)

07 司法試験予備試験、旧法の規程による司法試験の第一次試験、旧司法試験の第一次試験又は高等試験予備試験に合格した者
10 行政書士となる資格を有する者

出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

3 受験資格証明書

既に述べたように、社労士試験の申込時には、有する受験資格に合わせた「受験資格証明書」を提出しなければなりません。学歴を証明する場合は卒業証書など、実務経験の場合は当該勤務先の事業主などが当該事務従事期間を証明する書面、国家資格の場合は資格証明書がそれに当たります。

(1)学歴

受験資格コード 受験資格証明書
01 次のいずれかとします。

·  (1)卒業証明書又はその写し

·  (2)卒業証書の写し

·  (3)学位記の写し

02 4年制大学の成績証明書又はその写し
03、04 次のいずれかとします。

·  (1)卒業証明書若しくは修了証明書又はその写し

·  (2)卒業証書の写し

05 次のいずれかとします。

·  (1)「専門士」若しくは「高度専門士」の称号が付与されていることを証明する書面又はその写し

·  (2)専修学校の専門課程の修業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に要する総授業時間数が1,700時間(62単位)以上であることを証明する書面又はその写し

参考:専門学校を卒業された方の受験資格について

(2)実務経験

実務経験を受験資格とする場合は実務経験証明書をご利用ください。様式1号(実務経験証明書)

受験資格コード 受験資格証明書
08、12、

13

当該勤務先等の事業主、代表者又はこれに代わるべき者が当該事務従事期間を証明する書面
09 原則として当該任命権者が当該事務従事期間を証明する書面
11 社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人又は弁護士若しくは弁護士法人の当該事務従事期間を証明する書面

(3)厚生労働大臣が認めた国家試験合格

受験資格コード 受験資格証明書
06、07 当該試験に合格したことを証する書面又はその写し
10 行政書士となる資格を有することを証する書面又はその写し

出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

4 出題範囲

次に、出題範囲について説明しましょう。

社労士試験を初めて受ける人でも、試験範囲は10科目と実に広範囲に渡ることはご存知なのではないでしょうか。

試験問題の約9割は法令からの出題で、労働基準法、雇用保険法、健康保険法など、出題される法律は20種類以上に及びます。試験範囲の10科目については、後ほどより詳しく説明します。

社労士試験には記述問題は出題されません。全問がマークシート方式で出題され、「択一式」「選択式」の2種類の形式で出題されます。「選択式」は8問出題され、文章中の5つの空欄に入れるべき語句を20の選択肢から選ぶという形式になります。もう一つの「択一式」は70問出題され、5つの選択肢の中から正解を1つ選ぶという形式です。

(1)試験科目

試験科目 択一式計7科目

(配点)

選択式計8科目

(配点)

①労働基準法及び労働安全衛生法 10問(10点) 1問(5点)
②労働者災害補償保険法

(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)

10問(10点) 1問(5点)
③雇用保険法

(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)

10問(10点) 1問(5点)
④労務管理その他の労働に関する一般常識 10問(10点) 1問(5点)
⑤社会保険に関する一般常識 1問(5点)
⑥健康保険法 10問(10点) 1問(5点)
⑦厚生年金保険法 10問(10点) 1問(5点)
⑧国民年金法 10問(10点) 1問(5点)
合  計 70問(70点) 8問(40点)

出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

2つ含まれている「一般常識」は易しく聞こえますが、受験生泣かせの大変広範囲な科目です。その他の科目もどういった出題ポイントを持つのか解説していきます。

①労働基準法及び労働安全衛生法

労働基準法は、労働者を保護するために設けられた法律です。賃金や労働時間など、労働条件に関する最低基準を定めて労働者を保護しています。社労士試験では、法律や命令のほかに「判例」と呼ばれる判決の趣旨や、「通達」と呼ばれる行政上の解釈なども出題されるため、労働基準法は難関科目の1つに数えられます。

労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康の確保を目的としています。また、快適な職場環境の形成促進も同じく目的とされます。労働安全衛生法(安衛法)は本来、膨大な内容を有するのですが、社労士試験に出題されるのは,限られた部分だけといわれています。

②労働者災害補償保険法

労働者災害補償保険法は,「労災保険法」または「労災法」と呼ばれます。これは、労働者が業務中や通勤中に負った怪我、病気、障害または死亡した場合など対して,国が被災労働者又はその遺族に保険給付をおこなうという法律です。

また、被災労働者の社会復帰や被災労働者及びその遺族の援護などを目的とした「社会復帰促進等事業」を目的とした法律でもあります。

労災保険法自体が保険給付を中心としているため、社労士試験でも保険給付に関する内容を中心に出題されます。

③雇用保険法

雇用保険法は労働者の雇用に関する保険法で、失業した際に支給される「基本手当」、育児休業給付、教育訓練給付など失業者支援だけでなく、雇用の継続や就職の促進を図るなどの機能も持っています。

給付率や日数など、数字要件が多く出題される傾向があります。

④労務管理その他の労働に関する一般常識

略して「労一」と呼ばれるこの科目は、出題される範囲が広く、育児・介護休業法や男女雇用機会均等法など労働者に関する法律の他に、社会情勢、労務管理などについての出題もあります。

労一の出題範囲は、大きく分類すれば

①労働関係諸法令
②労働経済
③人事労務管理

の3つになります。労働経済とはは統計調査を用いた出題です。

択一式では5問しか出題されず、法令から2問、労働経済から3問出題されるのが通常です。

労一の択一式は、「社会保険に関する一般常識」(社一)の5問と合わせて全10問の出題ですので、労一で2問しか取れなかったら、社一で3問得点する、といったことができます。

⑤社会保険に関する一般常識

「社会保険に関する一般常識」は略して「社一」と呼ばれます。

社一では、単独科目となっていない国民健康保険法、介護保険法、船員保険法、高齢者医療の確保に関する法律、確定給付企業年金法,確定拠出年金法、児童手当法などの法律から主に出題されますが、健康保険法、国民年金法、厚生年金保険法からも出題されることがあります。

⑥健康保険法

健康保険法は略して「健保法」と呼ばれることもあります。

健康保険法は、1922(大正11)年に制定された日本で最初の社会保険です。健康保険法は被保険者である労働者とその家族が、労災保険法規定の業務災害以外の事由によって怪我をしたり、病気になったり、死亡した場合などに保険給付をおこなうなど、労働者の生活の安定を目的とした法律です。

⑦厚生年金保険法

厚生年金保険法は、会社員や公務員を対象とする年金制度の法律です。厚生年金の老齢厚生年金を理解するためには,まず一階部分である国民年金の老齢基礎年金を、徹底して理解しておく必要があります。改正が多いため難易度の高い科目の一つです。

⑧国民年金法

国民年金は、自営業や会社員、公務員が加入する年金制度で、原則的に20歳以上の全国民が強制加入する制度です。こちらも複雑で改正が多いですが、「国民年金法」をよく理解しておかないと「厚生年金保険法」の理解につまずくため、まず「国民年金法」から勉強しましょう。

(2)合格基準について

社労士試験には、毎回合格基準点が設けられるのをご存知ですか?

例えば、2019年の第51回社労士試験の合格基準点は、以下のように設けられました。

(1)合格基準

本年度の合格基準は、次の2つの条件を満たしたものを合格とする。

① 選択式試験は、総得点26点以上かつ各科目3点以上(ただし、「社会保険に関する一般常識」は2点以上)である者

② 択一式試験は、総得点43点以上かつ各科目4点以上である者

この合格基準点には、その年の難易度に鑑みた「補正」がおこなわれます。しかし、選択式・択一式両方における総得点と各科目ごとの合格基準点に1点でも達しない場合は、不合格となってしまうのです。毎年、この1点に泣く受験生も多いそうです。

また、社労士試験の合格ラインは、6~7割を得点することといわれます。なおかつ「択一式」は各科目で40%以上、「択一式」で60%以上を得点しなければなりません。

しかし、社労士試験は満点を取らなければいけないテストではありません。試験範囲を広く浅く、くまなく勉強するという視点が必要な試験なのです。

5 社労士になるには(試験合格後)

合格した後、そのまま何もしなくては社労士になれません。

社労士になるには、社会保険労務士試験に合格した後に、連合会に備える社会保険労務士名簿に登録することが必要です(登録の期限は設けられていません)。

また登録の前に、労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事、または厚生労働大臣が指定した講習「事務指定講習」を受ける必要があります。この「事務指定講習」を受ければ2年以上の実務経験に代えられるので、すぐに登録できます。

受験資格のある者
🔻
社会保険労務士試験合格
🔻

登録要件

① 2年以上の実務経験(試験前後不問)

② 事務指定講習修了

🔻
登録・入会
🔻
社会保険労務士

出典:全国社会保険労務士会連合会

6 第51回(令和元年)社会保険労務士試験の結果

最後に、直近の社労士試験の結果についてのデータを引用します。これを見れば、社労士試験が難関であるといわれる所以が分かって頂けることと思います。

(1)合格者と合格率

第51回社労士試験は、2019年8月25日に全国19都道府県の会場でおこなわれました。その結果は以下の通りです。

①受験申込者数   49,570人

②受験者数     38,428人

③受験率      77.5%

④合格者数     25,25人

⑤合格率      6.6%

実際の受験率は、8割弱といったところでしたが、気になる合格率は、6.6%でした。

(2)合格者の構成

社会保険労務士試験オフィシャルサイトは、受験申込者数、受験者数や合格者数内訳や推移なども公開しています。

①受験申込者数・受験者数・合格者数の推移

出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

 

合格者数の推移も非常に興味深く、平成26年は4,156人が合格しています。翌年はグッと落ち込み1,051人と、1/4に減少しています。

②合格者の年齢階層別・職業別・男女別割合

出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

合格者の年齢層が高いことは、社会保険労務士試験の特徴の一つです。合格者の年齢層では35~39歳が最も多く18.2%を占めています。

会社員の合格者が58.9%を占めていることから、働きながらの受験が多いことが分かります。

合格者の女性の比率ですが、35.7%という高い割合を示しています。合格者の男女比を見ても、高い割合で女性が合格する社労士は、女性が活躍できる職種であるといわれています。

7 サマリー

2020年(令和2年)におこなわれる社労士試験の、日程をはじめとする概要についてまとめてまいりました。また、試験科目それぞれについて、分かりやすくまとめてみました。

もし「働き方改革」で近年注目を集める社労士に興味があるなら、ぜひ社労士試験を受験してみましょう。

8 まとめ

・社労士試験の日程は、例年8月下旬の日曜日(第4日曜日)となっており、毎年4月30日までに官報により公告される。

・社会保険労務士試験を受験するための受験資格は、「学歴」「実務経験」「国家資格」において具体的に規定されており、受験者はいずれかに該当しないといけない。

・上記のいずれかの資格を有することを証明する、受験資格証明書の提出も求められる。

・社労士試験の試験範囲は10科目と広範囲で、試験問題の約9割は法令から出題される。

・全問がマークシート方式で出題され、「択一式」で70問、「選択式」で8問出題される。

・社会保険労務士試験に合格した後は、社会保険労務士名簿への登録が必要である。また登録前に、労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事するか、「事務指定講習」を受ける必要がある。

・2019年に実施された第51回社労士試験の合格率は、6.6%だった。

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