社労士(社会保険労務士)を辞めたい人が多いってホント?社労士(社会保険労務士)を辞めたくなる理由と、そんな時に取るべきアクションとは

社労士(社会保険労務士)を辞めたい人が多いってホント?社労士(社会保険労務士)を辞めたくなる理由と、そんな時に取るべきアクションとは

難関国家資格である社会保険労務士(社労士)。社労士試験の受験生は、合格後の明るい未来を信じて勉学に励むことでしょう。しかし、せっかく社労士になっても、なかには「社労士を辞めたい」と言いだす人もいます。働き方改革施行後は大活躍のはずの社労士なのに、なぜ「辞めたい」という人があらわれるのでしょうか。

社労士という仕事に魅力を感じるかどうかは、もちろん人によります。「辞めたい」と思う人は少数派かも知れませんが、ではどんな時に社労士を辞めたくなってしまうのでしょうか。社労士を辞めたくなってしまうのはどんな時か、辞めたくなったらどうすれば良いのかを、この記事で詳しくお伝えします!

1 社労士(社会保険労務士)事務所を辞めたい?

まずは、社労士事務所に雇用されて勤務する場合、どんな時に辞めたくなるかを見ていきましょう。

⑴ 社労士事務所の業務が細かい

社労士業務の代表的なものは、労働・社会保険関連手続き、帳簿書類作成、給料計算などです。お分かりのようにストレスが溜まる業務が多いうえ、顧客企業にはすみやかに対応しなければなりません。業務にはややこしい内容を取り扱うものが多く、初歩的な事務作業にも専門性が要求されます。ミスは許されず、もしミスを犯したら、顧客企業の経営を狂わせてしまう恐れがあるなど、このように社労士事務所の仕事にはきつさがあります。そのわりに給料が安いので、モチベーションが保てないという声もありました。

【社労士事務所勤務を辞めたくなる理由】

仕事が細かい ・ミスを犯すと厳しく怒られる

・やってもやっても仕事の終わりが見えない

・ルーティンワークばかりで退屈さを感じる

・個々の作業の責任が重い

・目が疲れる

所長が厳しい ・所長の風当たりが強く、パワハラ気味

・所長の態度に一貫性が感じられない

雰囲気が悪い ・上司に批判される

・責任をなすりつけられる

・上司・同僚に陰口を言われる

顧客対応が大変 ・電話でしどろもどろしてしまう

・顧客や上司から気がかりなメールをもらうとリラックスできない

・企業から突然相談の電話があるためリラックスできない

・顧問企業の要請にすばやく応えるために休みが少ない

⑵ 社労士事務所の独特さ

社労士事務所には独特な雰囲気があるといわれます。その最たる理由は、所長に絶対的権威があることでしょう。パワハラ気味の上司からキツく当たられるのはつらいものです。中には、顧問企業の違法行為を黙認したり、どうやったら発覚しないかをアドバイスしたりしなければならなかった人もいました。良心が痛む体験です。

また、社労士には理屈っぽくて細かい人が多いようです。

事務所は息苦しいうえ、1人当たりの業務量は果てしなく多く、労務の専門家なのに残業が絶えないという矛盾もあります。

そのわりに事務所勤務は給料が安いので、将来に不安を感じて辞める人も少なくありません。

また、人事・労務の職場は女性が多いという特徴があり、女性ばかりの社労士事務所もあるくらいです。勤務社労士になりたいと思っているなら、職場は女性社会の可能性があることを覚悟した方が良いでしょう。

⑶ 思っていた仕事と違った

社労士といえば、その名前の通り労働社会保険関係の仕事をすると思うでしょう。しかし実際には、事務所にそうではない仕事を担当させられることもあります。ずっと給料計算を担当させられたという人もいます。

またルーティンワークが多く、クリエイティブな仕事はほとんど無く、仕事には華やかさはあまり無いと思われます。

2 開業社労士(社会保険労務士)を辞めたい

次は、独立開業した社労士が、どんな時に社労士を辞めたくなるのかを調べてみました。

⑴ フリーランスで安定しない

社労士で独立開業するということは、個人事業主になりフリーランスになるということです。社労士の業務というよりも、このフリーランスという就労形態に適応できずに、社労士を辞めたくなる場合も多いです。社労士として独立すると、顧客獲得は誰もやってくれないので(営業を雇えば別)、自分でやることになります。営業の方法を確立できないと、事務所の存続も難しくなってしまいます。

⑵ 社労士業は、将来的にAIに代替される説

社労士業務の1号業務(書類作成や提出代行など)と2号業務(帳簿書類作成)は、実は生産性が低いといわれています。テクノロジーの発展に伴い、将来的にAIに代替されてしまうとも囁かれています。

これからの社労士は、コンサルタント業務をおこなうか否かが、将来的に明暗を分けるといわれています。そこまでの意欲があるのかが問われているのです。

3 社労士を辞めたくなったらどうすればいい?

せっかく難関試験を突破して社労士になっても、上記のような理由で、辞めたくなってしまう人がいるのです。そんな時は、一度自分自身を深く見つめる必要があります。その助けとなる方法を紹介します。

⑴ 転職関連の本を読んでみる

社労士を辞めたい時は、感情的になっていて客観的な視線を持つことができません。そんな時に助けになるのが、転職関連の本を見ることです。おすすめの2冊を紹介します。

① 科学的な適職


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適職に出会うための指南書です。本の帯には、メンタリストDaiGoの推薦文が掲載されており、読みやすくも内容の濃い本です。研究データを根拠として展開される理論には「目からウロコ」というレビューもありました。

本書は、かのスティーブ・ジョブズも、好きだからという理由で職業選択をしたわけではないと訴えます。大抵の人は好きだから、給料が高いから、適性に合っているから、楽だからといった理由で職業選択をしますが、そういった理由には、転職を失敗させる原因が潜んでいる可能性があるというのです。その理由も解説されています。

② 転職の思考法



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転職を思い立ったらまず読んで欲しい本です。物語風で面白く、転職の時についとりがちな行動にストップをかけ、「それでよいのか」を考えさせてくれる一冊です。

転職エージェントは頼りになる存在で、無料で登録もでき、カウンセリングがついていたりします。しかし、実はエージェントの背後にはビジネスの仕組みがあり、言うことを鵜呑みにしていたら願わざる結果になる可能性があると、本書は指摘します。「本物を見抜く力」を持つことが必要だと教えてくれる本です。

⑵ ハローワークに行ってみる

ハローワークも、積極的に利用しましょう。ハローワークにはブラック案件も多いですが、所内のカウンセリングを受けながら、自分の方向性を定めるのも良いでしょう。

⑶ 社労士になるまでの苦労を思い出してみる

社労士資格を取得するまでには、ものすごい時間と労力とお金がかかります。時間とお金がかかったから、社労士を続けるべきだとはいいませんが、ここにくるまでにどれほどの代価を払ってきたかを確認してみましょう。本心では社労士を続けたいなら、事務所を変えたり独立することで、辞めたい気持ちが消えるかもしれません。

4 社労士(社会保険労務士)からの転職先はたくさんある

それでも社労士を辞めたい場合は、社労士からの転職を視野に入れましょう。一般的に、社労士は転職先に恵まれているといわれています。

⑴ 一般事務

社労士からの転職先として最も多いのは、一般事務への転職です。一般事務への転職といえども、社労士時代よりも給料が上がる人もいます。また「一般企業は体制が整っていて驚いた」という人もいます。

社労士になる人の多くは、誰かをサポートする仕事が向いているので、一般事務や営業アシスタントなどに転職する傾向があります。

⑵ 産業カウンセラーとして独立する

産業カウンセラーは、職場でカウンセリングをおこなう民間資格です。働く人たちが抱える問題を、心理学的手法を用いて、自らの力で解決できるようにサポートします。この仕事は、どの時代にもいろいろな形で存在していました。

高度成長期の初期 地方から集団就職してきた多くの若者の援助者
高度成長期の最頂期 OA革命に象徴される 職場環境の激変でメンタル・ヘルスの推進者
現在 ・キャリアナビゲーター

・企業内のキャリア開発支援者

・リストラの中で苦しむ多くの人たちの良き理解者・援助者

以下は、産業カウンセラー協会ホームページから引用した産業カウンセラーの活動領域です。社労士の業務と重複している部分があることがお分かりになるでしょう。

 

【産業カウンセラーの活動領域】

メンタルヘルス対策

への援助

近年の企業の人事労務政策の変化、とくに雇用の不安定化、成果主義の導入などが労働者にあたえているストレスには厳しいものがあります。

これを放置しておけば、仕事の生産性の低下や心身の変調へとつながり、些細なミスが大事故を発生させる危険も予想されます。労働者の許容量をはるかに超える過度のストレッサーに対する組織側のコントロールが必要であるとともに、個人側のそれに対する予防方法・ストレスのコントロールを助言・援助する必要 があります。そこで、産業カウンセラーによる個別カウンセリングはもとより、従業員対象のサイコエデュケーションおよび管理・監督者に対するメンタルヘルス研修・相談(コンサルティーション)の組織化など、産業カウンセラーは皆さんのメンタルヘルスの維持・改善などの要望に応えられるはずです。

キャリア開発

への援助

いま、産業構造の変化、技術革新の進展、労働者の就業意識・就業形態の多様化のなかで労働移動が激しくなりつつあります。その結果、企業内だけでなく企業外でも通用する職業能力が労働者に求められだしています。

厚生労働省も、よりよい労働者のキャリアアップを援助するキャリアコンサルタントの養成に乗り出しました。私たち産業カウンセラー協会もここ数年来キャリアカウンセリングの分野を開拓し、推進してきました。

また、私たち協会は労働者の上質な職業生活(Quality of Life)を実現するための組織開発にも取り組んでいます。

出典:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会東北支部

 

産業カウンセラーだけで独立開業はまだできませんが、転職には有効な資格になります。ジョブカード作成アドバイザーや、キャリアコンサルタントの資格を合わせるとより有効でしょう。

⑶ 転職で評価されるポイントとは?

社労士経験は、確実に次の職場でも活きます。社労士経験を持っている志望者は、転職先にとっても心強いはずです。面接でも以下の点から、社労士経験者は高評価を受けるでしょう。

① コミュニケーション能力

② 社労士としての労務人事の専門知識

③ データ入力などのスピード感

このような強みがあるのですから、社労士経験者は、自信を持って転職にのぞむことができます。

5 サマリー

社労士事務所には仕事が細かい、女性中心の職場が多いなどの特徴がありますが、職場を変えればやりがいが感じられるかもしれません。独立社労士にはフリーランスならではの悩みが付きまといますが、営業力やコンサルティング能力を身に付ければ乗り越えられるでしょう。

それでも社労士を辞めたいと思うなら、この記事を参考にして自分の本心を見つめてみてください。

6 まとめ

・社労士業務には、ストレスが溜まる業務が多い。

・顧客企業にすみやかに対応しなければならず、ミスも許されない。

・初歩的な事務作業にも専門性が要求され、ミスは許されない。

・そのわりに給料が安いので、モチベーションが保てない。

・社労士事務所は所長に絶対的権威があり、多少パワハラ気味の事務所もある。

・独立するとフリーランスの苦労と、将来AIに代替されるという不安がある。

・転職するなら、一般事務、産業カウンセラーなどへの転職がある。

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