社会保険労務士試験に落ちてしまったときに、ぜひ読んでもらいたい言葉

社会保険労務士試験に落ちてしまったときに、ぜひ読んでもらいたい言葉

社会保険労務士(以下、社労士)試験、お疲れさまでした。年に1回しか行われない試験ですから、今まで自分の時間を資格試験のためにたくさん費やしてきたことでしょう。試験の日までに勉強が間に合わなかった方、緊張していつもの実力が発揮できなかった方、思ってもいないところからの出題に驚いてしまった方など、背景は様々あることと思います。

それでも、まずはここまで頑張って試験までこぎつけることができた自分を褒めてあげましょう。そして、自分の費やした時間を無駄にせず、糧にしましょう。上位数%しか合格できない試験ですが、上位数%の人は毎年必ず合格しています。今は辛くても、上位が抜けたら今度は自分が上位に入る番です。合格していく人たちも、同じような辛い経験をして上位に入っています。

ぜひ本サイトを読んでいただき、次に繋げていただければと思います。

1、 【結果の振り返り】社労士試験に落ちる理由とは?

社労士試験に落ちてしまう理由は大きく3つあります。学習不足、情報収集不足、目標設定のミスです。これらをいかに合格への道筋へと近づけることができるかが勝負だったのです。

(1)学習不足

学習不足と言ってしまったら元も子もないと思われる方がほとんどでしょう。しかし、この学習不足が合否を分けることは事実です。社労士試験はたくさんの法律を学ばなければなりません。例えば、教科書で書かれている太字(強調マーク)やマーカーをした部分だけを暗記すればいいという試験でないことは、受験した人であれば、身にしみてよくわかっていると思います。

社労士試験は、太字やマーカーをした部分を「説明できるように」暗記しなければなりません。また、場合によっては、その説明の背景まで把握しておかなければ応用が利かないという状況が本試験で起こります。問題文を読んでいるときに「これは知っている」と思っても正解に導けないのは、背景を理解できておらず、本筋がしっかりと見きれていないからかもしれません。

学習時間が足らなかったり、暗記が得意でなかったり。勉強の習慣を身につけるところから頑張っている人は、ここまで手が届ききることができません。

合格者は、太字や重要なキーワードをすらすら言える状態に仕上げてきています。また、その太字や重要なキーワードを説明できるだけの根拠も頭に入れています。これだけのことを成し遂げるためには何が必要なのか、事項の「情報収集不足」でさらに解説します。

(2)情報収集不足

社労士試験は、手元にある教科書の情報だけを覚えていたのでは、情報が足らないということになってしまいます。

社労士試験に受験するにあたって、必ず以前出題された過去問題を解いているはずです。その過去問を解いたときに間違えてしまった内容を、紙や教科書に書き出して暗記しましょう。また、予備校や市販などで販売されていた直前予想問題集や、公開模擬試験などを解いたときに間違えてしまった内容を、同じように紙や教科書に書き出して暗記しましょう。

このようなフォローをするだけで、自分が持っていた教科書の内容に厚みがでます。間違えた問題をそのままにしてしまったり、うまくリンク付けできていなかったりすると、せっかく解いて間違えた経験が活かせなくなってしまいます。

このような工程を行うと、直前予想問題集や公開模擬試験の場合は、解く時間の2倍から3倍ほどの時間と労力がかかります。しかし、合格している人はこの作業をしっかり行っています。

今回はそこまで手が回らなかったかもしれません。しかし、次はきっとできます。

今回の試験の結果を受け止め、悲観しすぎないことです。すでに他の人よりも基礎ができているはずですから、今回の試験とは違い、次回は復習するべき箇所が減ります。その分、手が回らなかった部分の情報収集に力を入れて、今よりも一層厚みのある知識にしていくことが可能となります。

もちろん、中には「捨て問」と呼ばれる、解けなくてもいい問題が含まれていることがあります。問題集や解答解説などの部分に「重要度低」や「Cランク」などという記載がありますので、ある程度は自己判断をして優先順位を付けていきましょう。

(3)目標設定のミス

社労士試験を受験するにあたって、目標設定はしていましたか? 「合格したい」という気持ちはもちろんあったはずですが、より具体的な目標設定はしていたでしょうか。

社労士試験は、ご存じの通り、足きり点が各科目に設けられており、上位3〜9%の間の人が合格します。労務管理のエキスパートになるための国家資格ですから、簡単な試験ではありません。そのため、自分が受験生の中でどの位置にいるのかを常に意識しておく必要があります。

例えば、採点して偏差値や順位を出してくれる予備校の直前模擬試験や公開模擬試験などが参考になります。予備校に通っている人であればカリキュラムに含まれているため受講していると思いますが、独学の人も予備校などの直前模擬試験や公開模擬試験などの講座を通して、自分の順位を必ず把握しておくことをおすすめします。

まず、公開模擬試験の前に行われる直前模擬試験や中間模擬試験などで、上位3割を目指しましょう。入れなかったら、どの科目が何点足りないのか、どこで点数をもっと稼げたのか、どの科目を底上げしなければならないかなどを考察します。公開模擬試験では、上位2割以内に目標設定をします。入れなければ、本試験までに再度考察をして調整をします。

具体的な数値目標を設定することで、精度の高い結果を追求することが可能となり、合格を現実へと導くことができます。

「目標設定のミス」と、後に解説をする「社労士試験に合格する理由を明確にする」という部分は結びつきが強くなっています。細かな内容は違いますが、今後自分を合格へと押し上げるための考え方として、非常に大切な項目となっています。

2、 【現状の把握】社労士試験の得意分野・苦手分野を把握する

では、今回の本試験での自分の成績はどのようなものだったのでしょうか。本試験の結果を見直すことが精神的に厳しければ、前項で解説したような、解く時間の2〜3倍かかるような考察はしなくても構いません。しかし、○×の採点だけはして、どの科目のどのジャンルがよく得点できたのか、できなかったのかだけでも把握しましょう。

(1)得意分野

自分にとって勉強しやすい科目や、単純暗記で乗り切ることのできる科目を探します。そのような科目は次回も必ず得点源になります。しかし、得意だからといって手を抜きすぎてしまうと成績が下降してしまうため、ある程度の注意は必要です。しかし、得意分野は「本試験でも戦うことができた」という証です。その手応えを覚えておくことが大切です。

(2)苦手分野

足きりになってしまったり、得点が伸び悩んでいたりする科目を見つけましょう。その苦手分野を克服することができれば、自分を合格圏内に引き上げることができます。苦手分野になりやすい科目を一部ご紹介いたします。

Ⅰ、労働基準法

労働基準法は、かつては難問ばかりで得点源にできないと言われていました。基礎法学、憲法、民法、通達、判例、制度趣旨の知識がないと問題文の読解自体が難しい時代があったのです。今は比較的点数が取れる問題になっていますが、それでも難しい科目とされています。

次回も本試験に挑もうと決意されている方は、代表的な判例は、大事な部分だけを抽出した解説だけを読むのではなく、前後がわかるような解説を読んでみましょう。判例は、一文が長くなっており、読むために読解力が求められることがあります。選択式などの長文を読み込むのも一つの対策になるでしょう。

また、もし時間がある場合は、労働基準法と対になっている憲法の条文を読むといいでしょう。例えば、労働基準法2条に書かれている労働条件の決定は、憲法の「労働基本権」からきています。労働基本権とは、団結権、団体交渉権、争議権の労働三権ことです。憲法が個々の国民に直接に具体的権利を付与した権利です。しかし、無制限に認めているものではありません。例えば、公務員の労働基本権は、国民の生活に大きな不利益が生じないよう、保証されていません。

この内容は、労働一般常識の労働組合法にも関連してきます。このように、憲法は労働基準法だけではなく、他の法律とも関連しているのです。

Ⅱ、厚生年金保険法

厚生年金法は、社労士試験の中でも最難関とされている科目です。制度自体が複雑であり、まんべんなく出題されることから、どこも手を抜くことができません。まずは基本事項を頭にたたき込む必要があります。

特に、初めて勉強をしたときに最初に立ちはだかった壁は「特老厚(特別支給の老齢厚生年金等)」ではないでしょうか。国民年金法のときにも振替加算の部分で苦労したはずです。積み上げてきて息切れしているところで、追い打ちをかけるかのような特例に、非常に大変な思いをされている受験生の方が多くいます。

しかし、考え方を変えれば、「暗記さえすれば正解できる分野」です。特老厚に関しては、ひねりようがないからです。

次の壁が、遺族厚生年金です。特に、年金額の計算の仕組みが大変です。厚生年金保険法60条Ⅰ項の2号に書かれている、2号計算式が難解で、3つのパターンを覚えなければなりません。紙に何回も書くなどすると、理解することができます。しかし、その場では理解しても、定期的に計算をしていないと忘れてしまいますので、注意が必要な部分です。

そして、3番目に「遺族厚生年金の支給停止と失権」です。支給停止のルールと失権の部分で、家族構成などが頭の中で絡まってしまい、大混乱してしまいます。しかも、厚生年金保険法の中で、よく出題される部分です。この部分に関しても、読んで頭で考えるより、どのような状況になったら支給停止や失権なのかを、図や文字などで書きましょう。なんとなくの記憶では、ここを突破することはできません。

Ⅲ、労働保険一般常識

労働保険一般常識は、社労士試験の中で一番足きりになってしまいやすい科目といわれており、最も得点しづらい科目です。

特に選択式で自分の知らない範囲から出題されてしまった場合は、問題文と与えられている単語から推測して、どうにか埋めるしかありません。

労働経済や労働統計に関する部分は、時事的要素の強い単元となります。情報収集不足だと、この科目の点数に大きく響いてしまいます。

労働経済や労働統計に関する内容について、日頃からニュースなどを見て敏感になっておく必要があります。働き方改革によって様々な法律が改正され、順次施行されていっています。

他の科目の知識の厚みにも繋がりますので、情報収集を心がける必要があります。

3、 【モチベーション管理】社労士試験に合格する理由を明確にする

勉強を始めるときは決意したばかりですから、精神論まで考えている人は少ないでしょう。しかし、学習を進めていると、中だるみが訪れたり、スタートしたときよりもやる気が落ち込んでしまったりすることがあります。

社労士試験ほどの国家試験を受験する場合、必ずこのような気持ちの落ち込みは訪れます。そことどう向き合うかが非常に大切です。一番良い方法は、始めるときに「なぜ社労士試験に挑もうと思ったのか」を紙に書いたり、携帯のメモ機能などを活用したりして、明確に記載しておきます。

例えば、「社労士試験に合格して、独立開業をする」、「社労士試験に受からなければ、企業内社労士として勤められない」、「○○さんは税理士資格を持っているから、社労士試験に合格して一緒に仕事がしたい」など、自分が目指そうと思ったきっかけを書いておくのです。

試験の合格は、あくまでも「通過点」として捉えておかなければなりません。合格しなければ、社労士として登録もできませんし、名乗ることができません。1点足りなくてもだめなのです。しかし、合格点ギリギリで合格しても、合格は合格です。どのような形でも構いませんので、合格しなければ、社労士として活躍するためのスタート地点に立つことができません。

そのくらいの気持ちで日々自分を追い込むことは、決して容易なことではありません。場合によっては、日常生活で少しとげのあるような精神状態になってしまうかもしれません。しかし、試験勉強とはそのようなものです。本試験の日までの我慢なのです。

そして、辛いときは、必ず原点に返ります。どうして社労士を目指そうと思ったのか、そして、今まで我慢してきたことのすべてを思い起こします。そうすることで、なんとか自分のモチベーションを保てるよう努力しなければなりません。

合格することができれば、これらの我慢はすべて報われます。

4、 【計画】どのように勉強を進めるかを決める

やみくもに、「今月は健康保険法をやる」などの、漠然とした計画を立ててはいけません。本試験に間に合わせるために、予備校などで実施する直前模擬試験や中間模擬試験などが行われる4月や5月を目標に、勉強の計画を考えなければなりません。

前述したとおり、直前模擬試験や中間模擬試験などで出た成績結果から、公開模擬試験に向けた学習の調整を行わなければなりません。そして、公開模擬試験で出た成績結果から、本試験への調整を行わなければなりません。

模擬試験を受けるためには、全体の学習が済んでいる必要があります。

初めのうちは科目ごとに集中的に学習をしても構いませんが、社労士試験の怖いところは、集中して学習していたときから時間が経ってしまった科目の内容を忘れてしまうという点にあります。

この「忘れてしまう」ということは、社労士試験で一番の敵になります。労働法ばかりに手を回していると、社会保険法の主要3科目の法律が頭の中でぼやけてしまいます。また、逆もしかりで、社会保険法にばかり手を回していると、労働保険法の細かい暗記項目がどの科目のことだったのか、わからなくなってしまいます。

そのため、長期計画だけではなく、短期的な計画として、「今週は労働法のこの科目と、社会保険法のこの科目をやる」というような計画を立てます。また、直前期になったら、科目を問わず間違えやすい箇所は毎日のように読むようにします。そのようにしないと、せっかく理解して解けるようになったとしても、ぼやけた知識になってしまい、本試験で力を発揮することができません。

5、 【息抜き】他の受験生のブログなどを読むなどして息抜きをする

息抜きのときは、社労士の時事ネタに近いニュースや、他の受験生のブログを読むことをおすすめします。社労士の試験勉強をしているときに、相談したくても、気持ちをわかってもらいたくても、身近に言える相手はいません。

しかし、他の受験生や、合格した方が書いた受験体験記などを読むことで、「この気持ちは自分だけではない」、「この部分は、自分だけが苦手としているわけではない」など、共感や元気をお裾分けしてもらうことができます。

文字を読むのに疲れてしまった場合は、YouTubeに投稿されている社労士試験や社労士の実務をされている方の動画を見るといいでしょう。耳から情報が入ってくるため、多少リラックスして話を聞くことができます。

受験生の場合は、試験とは全く違うことで息抜きをしても、息抜きにならないことが多々あります。それは、「こんなに息抜きしていていいのだろうか」とか「今日はあとで労災の復習をしよう」とか「こんなことをしている間に、他の受験生は勉強しているんだような」などと考えてしまい、試験のことが頭から離れないからです。この落ち着きのない状態は、ずっとついて回ります。上手に付き合っていかなければなりません。

6、 サマリー

いかがだったでしょうか。社労士試験は、受験のためにたくさんのエネルギーが必要になります。受験までにたくさんのことを犠牲にしてきたはずです。ここで立ち止まってしまっては、とてももったいないことです。冒頭にも書きましたが、上位のライバルが合格して抜けたら、今度は自分が上位に上がる番です。諦めずに頑張れば、必ず合格の順番が回ってきます。

しかし、頑張り方を間違えてはいけません。やみくもに頑張る前に一度冷静になって立ち止まり、「なぜ社労士試験に合格したいのか」をよく考えます。そして、得意分野、苦手分野、得点しにくい分野についての自己分析をしっかりと行い、次の本試験までに計画的に調整をし、臨みましょう。

7、 まとめ

・社労士試験に落ちてしまったら、頑張って試験までこぎつけることができた自分を褒め、そして自分の費やした時間を無駄にせず、糧にする。

・社労士試験に落ちてしまう理由は、学習不足、情報収集不足、目標設定のミスである。

・合格のためには、得意分野と苦手分野を把握し、モチベーションが下がりそうなときは、自分の目指そうと思ったきっかけを振り返ることが大事である。

・学習計画は、長期的なものだけではなく、短期的な計画を立てて、社労士試験の勉強でよく起こる「忘れること」を防止する。

・試験のことが頭から離れることはないが、他の受験生のブログなどを見て息抜きをし、ストレスと上手に付き合っていかなければならない。

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