社労士(社会保険労務士)の独占業務と報酬について徹底解説!

社労士(社会保険労務士)の独占業務と報酬について徹底解説!


日本社会は今、深刻な少子高齢化を迎えています。そんな中、働き過ぎや人手不足を改善することを目指した政府主導の「働き方改革」の真っ只中で活躍しているのが、社会保険労務士、略して「社労士」です。

社労士の資格は、社会人として働きながらでも目指せる資格として注目を浴びている国家資格のひとつです。本コンテンツでは、そんな社労士の独占業務や将来性について解説していきます。

1 社労士が必要とされている理由

働き方改革では、今まで日本で慣習化していた働き方を一度リセットして、制度などの見直しを図っている企業も増えています。労務管理のスペシャリストである社労士に期待されているのは、どういった部分なのでしょうか。

(1)残業時間の徹底的な管理

2019年4月から導入されたのが、罰則付きの「時間外労働の上限規制」です。残業時間が月45時間を超えないようにすることや、超えるかもしれない場合に取らなければならないルールが厳格化され、さらに罰則が設けられることとなりました。専門家である社労士のアドバイスを求める企業は今後も増加が見込まれます。

(2)「同一労働同一賃金」の導入に向けた対応

大企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月から「同一労働同一賃金」のルールが導入されます。これは、「同じ責任の下で、同じ仕事をしたら、同じ賃金を支給しましょう」というものですが、「同一労働」についての判断は非常に難解なため、今後もさまざまな議論が出てくるものと考えられます。ここで助言・活躍できるのが社労士であると言えるでしょう。

2 社労士の独占業務

独占業務は、他の士業が報酬を得て行ってはいけないという厳格な規定があります。社会保険労務士法で定められている独占業務である「1号業務」「2号業務」を解説し、社労士の将来性を考えていきます。

(1)社労士の独占業務「1号業務」

労働社会保険諸法令にしたがって書類の作成、提出代行を行います。健康保険や雇用保険、労災保険などへの加入・脱退手続き、給付手続きや助成金の申請など、社労士の業務を代表する仕事といえます。

(2)社労士の独占業務「2号業務」

労働社会保険諸法令に従う帳簿書類の作成がメインとなるのが2号業務です。法律上で作成が必要な労働者名簿や賃金台帳の作成請負、就業規則や各種労使協定の作成を行うことができます。

(3)社労士の独占業務から考える将来性

独占業務が他の士業には禁止されている業務であることも踏まえると、社労士の業務は、非常に将来性があると考えられます。

企業には、労務管理がもとで「ブラック企業」というレッテルを貼られないようにする努力が求められています。もし、マイナス評価が世間に広まってしまった場合、それを払拭するためには多大な労力が必要となるでしょう。

働き方改革による影響はもちろん、“ホワイトな”労務管理を目指すためにも、社労士による専門的な業務に対する需要はなくならないと考えられています。

3 社労士の独占業務に対する報酬

社労士の独占業務に対する報酬には、その業務内容によって相場があります。代表的な金額としては下記の通りです。

業務内容報酬の相場
健康保険・厚生年金保険適用80,000~130,000円
労災保険・雇用保険適用50,000~100,000円
保険料の算定・申告25,000~70,000円
就業規則作成150,000~300,000円
就業規則変更30,000円~
諸規定の作成50,000~100,000円
諸規定の変更30,000円~
助成金の申請成功報酬として15%程度
給与計算10,000~40,000円
労働保険の年度更新30,000~70,000円

これを踏まえた上で、ここからは社労士が起業と結ぶ契約の種類について見ていきましょう。

(1)顧問契約

企業が総合的な業務を社労士に依頼する場合は、顧問契約を結ぶことが一般的です。

社労士への業務の依頼については「夏だからお願いします」「年末だからお願いします」というよりも、1年を通して毎月発生しているケースが多いようです。例えば、毎月の給与の支払時における、社会保険の計算などがそれにあたります。

社労士としては、顧問契約が多ければ、安定した収入が見込めることになるでしょう。

(2)スポット契約

スポット契約は、「毎月の給与計算は自社でできるが、自社で行いきれない各種届出をお願いしたい」、「助成金の申請をお願いしたい」など、単発の仕事に対して行われます。

中には、顧問契約の内容に入っていない部分をスポット契約にするケースもあるようです。

(3)コンサルティング契約

コンサルティング契約は、人事や労務に関するコンサルティングに対して結ぶものです。

働き方改革によって、社労士に求められる業務が、給与計算や各種申請、届出だけではなくなってきています。コンサルティングは社労士の独占業務ではありませんが、社労士ならではのコンサルティングは、今後ますます需要が増えていくと見込まれている業務であることは確かです。

4 サマリー

いかがだったでしょうか。

社労士の独占業務や将来性について見てきました。企業の労務に関する専門家として活躍する社労士は、その独占業務についてはもちろん、総合的なコンサルティングも請け負えるのが強みでもあります。企業が働き方改革を進めてく上で、独占業務を持つ社労士が、総合的な相談まで受けるケースは将来的にも増加していくことでしょう。

5 まとめ

・働き方改革による法改正で、社労士に求められる業務が増加している
・社労士の独占業務は、将来的にも継続して需要の高いものといえる
・独占業務ならではの報酬相場がある。スキルによってはコンサルティング契約も可能

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