自信がなくても受けるべき?結果が悪かったら?社会保険労務士(社労士)試験の模試、受験のメリットや心得を解説

自信がなくても受けるべき?結果が悪かったら?社会保険労務士(社労士)試験の模試、受験のメリットや心得を解説

8月の社会保険労務士(社労士)試験に向けて勉強中のあなた。本試験前に「模試」は受験する予定ですか? それとも、既にこれまでに模試を受験した経験がありますか?

模試を受験するなら、そのメリットを上手く本試験に連携させたいものです。社労士試験の受験生の中には「勉強時間不足だから模試を受けても意味がない」と思う方もいるかもしれません。しかし、模試受験のメリットとは、力試しだけではないのです。

この記事では、模試を受ける意義と主な模試の紹介、そして受験するうえでの心得についてまとめていきます。模試を受ける際の参考にして頂けると幸いです。

1 模試を受けるメリット

本番の社労士試験を受ける前に模試を受けるメリットとは何でしょうか。数多くありますので、一つ一つ確認していきましょう。

(1)受験の臨場感を味わう

まず、本番さながらの緊張感を味わえることが大きなメリットの一つです。

模試の中には、開始時間や休憩時間などを本番の社労士試験と全く同じに設定してあるものがあります。そういった試験を受験すれば、トイレや見直しの時間までシミュレーションできます。

(2)時間配分の感覚がつかめる

社労士試験といえば、出題数78問と問題数が多いことで知られています。解答時間不足で実力が出し切れなかったという残念なことにならないにように、時間配分の対策をした方が賢明です。

個数問題や組み合わせ問題も解答に時間を要する箇所なので、模試を受けることが良い対策になるかもしれません。本番前に解答時間に余裕がないことが実感しておけば、解答のスピードや解き方が改善されるはずです。

(3)補強すべき弱点が分かる

本番前に自分の弱点を知ることができることも、模試の大きなメリットです。受験勉強中には知る由もなかった自分の弱点を、いざ問題と対峙してこそ知ることができるのです。

(4)法改正対策として

最新の法改正情報を知ることができるのも、模試を受ける大きなメリットです。

社労士試験の試験範囲には、毎年法改正があった部分が反映されます。

特に、働き方改革関連法施行による法改正は、猶予期間を経てこれから施行される法令もあるため、しっかりと対策したいところです。もちろん、社労士試験には全法改正が出題されるわけではありませんが、社労士として理解必須である改正項目は必ず出題されるといわれています。

模試で法改正の確認をしっかりとおこなえば、本試験で得点源とすることができるでしょう。

(5)特典がもらえる場合がある

多くの模試には受験特典として、予想問題集など試験対策に役立つサービスがついてきます。

次章で紹介する3つの模試にも、粒よりの特典が付いています。TACの「全国模試」には「選択式予想問題①②」「問題ダウンロードサービス」や、重要ポイントを直前期にお届けする「ポイントチェック&メッセージ」などの特典がつき、いづれも直前期の追い込みに大いに役立つ教材です。

大原の全国模擬試験シリーズは、社労士試験にむけたラスト2ヶ月に「1週1科目」の「論点チェック」メールが配信されます。LECでは①問題解説がセットになった別冊、②頻出事項をまとめた直前チェックポイント集、③選択式予想問題が、各回に受験特典としてつきます。

2 おすすめの模試

これまで、社労士試験の本番前に模試を受けることのメリットを紹介して参りました。でも、「どの模試を受ければよいのか分からない」という方も多いでしょう。

以下より、社労士試験の主な模試を紹介します。既に終了していますが、2019年におこなわれた模試の内容を紹介しますので参考にして下さい。いずれの模試も1回だけではなく2~4回と複数回開催され、より確かな試験対策ができるようになっています。

(1)TAC

大手資格学校TACが開催する社労士模試は、社会保険労務士 勝利の全国模試シリーズです。このシリーズには6月開催の「全国中間模試」と7月開催の「全国公開模試」がありますが、本シリーズの最大の特徴は、圧倒的な受験者数です。ホームページによると、全国中間模試は7,255名、全国公開模試は7,310名が受験しました(平成30年7月末実績)。

TACの勝利の全国模試シリーズは「全国中間模試」「全国公開模試」ともに、自宅受験も可能となっています。

2019年 全国中間模試

ねらい 本試験の合否を決める「基礎力」を徹底強化!

・ここ3年間の試験(択一式)の約5割以上を占める基本問題の強化

・基本問題を多めに、応用問題・難問を少なめに出題

・必ずマスターしておきたい箇所の習熟度をチェック

・6月下旬時点の弱点把握と今後の学習優先ポイントの把握

実施時期 6/21(金) ・6/22(土)・6/23(日)のうち、いずれか1日
自宅受験 問題発送日        6/11(火)
TACへの答案提出締切日  6/25(火)必着解答解説冊子送付日    6/25(火)

・・・

2019年 全国公開模試

ねらい 得点力をアップ!本試験1ヶ月前の総仕上げ

・最後の1か月に弱点を克服し、応用力を伸ばすため
・本試験に近い難易度の出題内容

・応用問題の出題数も増やしてある

実施j時期 7/12(金)・7/13(土)・7/14(日)のうち、いずれか1日
自宅受験 問題発送日       7/3(水)

TACへの答案提出締切日 7/16(火)必着

解答解説冊子送付日   7/17(水)

金額は、「全国中間模試」と「全国公開模試」ともに4,600円ですが、両方受験する「勝利の模試セット」に申し込めば、8,000円と少しお得になります。

「全国中間模試」で自分の弱点を把握し、「全国公開模試」で直前の総仕上げをおこなうと理想的でしょう。日程が合わなければ自宅受験に挑戦するのもよいでしょう。

(2)資格の大原

資格の大原が開催する社会保険労務士全国模擬試験シリーズは、「全国中間模擬試験(全2回)」「全国統一公開模擬試験」Ⅰ・Ⅱと計4回実施されます。全国中間模擬試験は、出題数が全2回で本試験1回分に相当するボリュームとなっています。

2018年の全国模擬試験シリーズの延べ受験者数は、6,857人でした。いずれの試験も、会場受験だけでなく自宅受験も可能です。

2019年第1弾 全国中間模擬試験(全2回)

ねらい ・全国統一公開模擬試験受験前の準備として最適
・基礎論点がマスターできているかの基礎力の確認に最適・弱点論点を発見し、克服できる
実施時期 6月中旬より順次各校にて実施
自宅受験 資料発送日       6/6(木)

答案受付最終締切    8/10(土)必着

成績表送付日      7/3(水)

・・・

2019年第2弾 全国統一公開模擬試験Ⅰ

ねらい ・本試験レベルの難度の問題を、本試験と同じ時間帯で解ける

・時間配分や解く科目順番、 高難度問題への対応などのシミュレーションに最適

実施時期 6/29(土)・6/30(日)
自宅受験 資料発送日       6/20(木)

答案受付最終締切    8/10(土)必着

成績表送付日      7/9(火)

・・・

2019年第3弾 全国統一公開模擬試験Ⅱ

ねらい ・全国統一公開模擬試験Ⅰで見つかった課題を踏まえて受験できる

・ 本番力完成の仕上げができる

実施時期 7/27(土)・7/28(日)
自宅受験 資料発送日       7/18(木)

答案受付最終締切    8/10(土)必着

成績表送付日      8/6(火)

また、大原は全国模擬試験シリーズの解説動画を配信していますが、youtubeにも要点を絞った動画をアップしており、両方参考にできます。

(3)LEC

LECの社労士試験模擬試験には、全日本社労士公開模試(全3回)+2019年社労士ファイナル模試(自宅受験)と計4回の模試があります。

社労士受験指導歴33年のLECが開催する社労士公開模試は「難しすぎる問題は要らない。こだわりの”本試験レベル”」と謳っており、数々の問題的中実績も誇っています。

2019年全日本社労士公開模試 (全3回)

ねらい ・本試験と全く同じ時間帯、形式にて実施

・着席時間から休憩時間まで同じなので問題を解くペース配分や出発時間から会場内での仕切り直しのタイミングなどを体験できる

実施時期 第1回5月、第2回6月、第3回7月
自宅受験 ※お申込時期によっては自己採点のみの受験回もあり

・・・

2019年ファイナル模試 全1回

ねらい 本試験直前の弱点探しやシミュレーションができる
実施時期 8/9(金) 、8/10(土)、 8/11(日)
自宅受験 ・自宅受験は成績処理なし

・通学のみ添削有りで通信受験者は添削無し

金額は、受験回数やオプションで違ってきます。

全日本社労士公開模試
3回一括申し込み(会場・自宅受験とも)  5,000円(解説DVD付きは7,500円)
各回申し込み(会場・自宅受験とも)     2,000円(解説DVD付きは3,000円)

ファイナル模試
会場受験(成績処理あり)・自宅受験(成績処理なし/教材のみ)ともに2,000円

3 模試に準ずる試験対策

会場に赴き模試を受験することには、臨場感を味わったり時間配分のシミュレーションができりといったメリットがあります。しかし、なかなかその時間が確保できない場合もあるでしょう。

また、受験に1日費やすのはもったいない、できるだけ効率的に力試しをしたいという方もいるでしょう。そのような場合に役立つ「模試に準ずる試験対策」を2つ紹介します。

(1)資格スクエア「未来問」

資格スクエアでは、宅建、司法試験予備試験に続いて社労士試験でも「未来問」を開発しました。この未来問は、なんと現在、無料で希望者に提供中です。

①「未来問」とは?

資格スクエアは、AI(人工知能)を資格試験の問題予測に使用するという、日本初の取り組みをおこないました。このように最先端の技術で開発された「未来問」の第1弾は、2018年10月に実施された宅建試験の問題予想でした。このとき、2,500人超が未来問を使って本試験を受験したところ、未来問の問題的中率は78%と驚異的な高さを見せました。

第2弾は、2019年5月に実施された司法試験予備試験・短答式試験の問題予測でした。司法試験と同じく2,500人超が未来問を使って本試験を受験しましたが、同試験でも予備試験は的中率60%と、合格ラインをクリアしたのです。

社労士試験においては、2018年試験を2017年までの過去問をもとに予測したところ、カテゴリ的中率が64%という結果になり合格ラインをクリアしました。

②AIを用いた技術で注目を集める「未来問」

出典:エドテックジン

上図は、エドテックジンの記事に掲載された「未来問の概要」です。未来問の新しい取り組みは、メディアでも注目を集めました。

同記事には、「未来問」がAI TOKYO LABとの提携によって開発されたこと、(司法試験の)問題予測における出題カテゴリ的中率は60%超であったことなどが記されています。

「未来問」とは

直近14年分の過去問題、社労士講座テキスト等を教師データとし、文章分類エンジンによって124カテゴリーに分類。その後、毎年度の出題傾向を学習した出題傾向予測エンジンを用いて、今年度の出題問題70問を予測しました。年度によっては同一カテゴリーから複数問出題されることもある中、カテゴリー的中率は64%超えを記録しております。

出典:資格スクエア

現在、資格スクエアは、注目の予想問題「未来問」の無料プレゼントをおこなっております。直前期の実力総チェック教材として有効ですので、是非申し込んで活用しましょう。

※未来問は、択一式の問題のみを扱っており選択式の問題は含まれていません。

(2)クレアール「ヤマ当て模試」

クレアールでも、無料の社労士試験模試「ヤマ当て模試」をおこなっています。しかし、ヤマ当て模試の情報は、通年クレアールホームページに掲載されているわけではないようです。申し込み期間直近にホームページ掲載が始めると思われますので、日頃からチェックしておきましょう。

また、クレアールに資料請求しておけば、ヤマ当て模試の申し込み時期にもれなく告知してくれるという情報もありました。

ヤマ当て模試は会場受験はできません。自宅に問題が届き、Web上に解答を入力して送信するかたちです。解答入力後、個人成績表と解答解説がダウンロードできます。クレアールの斎藤正美講師と北村省吾講師が、10年分の過去問を精査してつくった良質な問題と詳しい解説を無料で入手できます。

以下は、2018年度の模試の詳細です(2019年度分は見つからず)。

2018年 クレアールヤマ当て模試

申し込み 6/1~8/20 ヤマ当て模試公式サイトより
受験 6/15~8/26 ①ログインして解答入力画面に
②解答入力して送信③送信するとすぐWeb上で成績と解答解説が見られる
成績
解説
7/22~8/26 ①解答解説動画視聴

②特典動画視聴

③成績表のダウンロードが可能に

4 模試を受けるときの心得

最後に、本試験前に模試を受けるうえでの心得をまとめていきます。

せっかく貴重な時間とお金を使って(無料版もありますが)受ける模試ならば、有効に活用したいものです。模試はよく「本試験前の力試し」ともいわれるため、結果が予想より芳しくなかった場合は無駄に落ち込んでしまうかも知れません。また、たまたま結果が実力よりもよく出る場合もあり、そのような場合は糠喜びして本試験対策の手を抜いてしまい、結果として不合格だったという場合もあるかも知れません。

模試の結果をどう捉えたら良いのかについて、触れていきましょう。

(1)結果に一喜一憂しない

既に述べた通り、多くの受験者は模試の得点が低かった場合には不安になり、思ったより高かった場合には安心してしまうものです。

しかし、特に有料の模試はそうですが、受験者からお金を頂いている以上”ありふれた”問題だけを出すわけにはいかないという問題作成者側の事情が存在します。そういう理由で作成された「奇問」「捨て問」の部類を解けなかったからといって、それにとらわれる必要はないのです。

試験というのはアウトプットの場であると同時に、インプットの場でもあります。それも、模試の問題は過去問を精査した上で作成された良問がほどんどなので、良質なインプットができるのです。

良い結果を求めるのは受験生であれば皆同じですが、是非学生時代に立ち返って「解き直しの方が重要である」というスタンスに立ち返りましょう。模試でたまたま良い点数をとって安心してしまい、本番では合格に一歩及ばなかったというケースが一番悲惨です。

(2)いわゆる「捨て問」に動揺しない

既に申し上げた通り、資格学校の作成する模試には、「奇問」「捨て問」が入れてあるものです。つまり、過去問から逸脱した問題やテキストに載っていないような難問が、試験問題として採用されているものですが、これらにはとらわれないようにしましょう。

前述のように特に有料の模試では、基本的な問題のみで試験問題を構成することはできず、特徴のある問題を出題しないといけないといった事情もあります。そういった模試の事情を理解したうえで、冷静に試験の得点を見て頂きたいものです。

まず、試験問題が、これまでに学習した内容からの出題であるか否かをチェックしましょう。過去問を逸脱した問題や奇問は、解き直しをじっくりおこなう必要はありません。じっくりと対峙すべきは、これまで学習した内容の出題問題です。

合格者のコメントには「基本問題にとにかくじっくり取り組んだ」という内容が多いものです。得点に左右される以上に、既習内容の理解度に目を向けましょう。

(3)解き直しはできれば翌日までにおこなう

重要な「解き直し」は、できるだけ早く、できれば翌日までにおこないましょう。模試を受けた直後ならば、問題を解いた時の記憶が鮮明に残っているからです。この様な状態で復習すれば、実に良質なインプットをおこなうことができます。

成績表が返却されてから解き直しをおこなう人も多いかもしれませんが、実は受験直後の復習が効率的なのです。解き直しはなるべく早くおこないましょう。

(4)正答率が50%以上の問題に注目

どんな試験でもそうですが、正答率が50%以上の問題は取りこぼしてはいけないといわれます。社労士試験は基本問題や過去問からの出題傾向が強い試験ですので、正答率の高い問題をしっかりと固めておけば、得点にしっかりと反映されます。

5 サマリー

いかがでしたか? 本試験の前に、模試を受けてみたいと思いましたか?

模試を受けることの意義や、模試を受ける上での注意点について述べてきましたが、試験範囲の広い社労士試験は受験勉強が大変なので、模試を受ける時間も惜しいと思われる方もいるでしょう。しかし、模試もまた優良なインプット作業の1つであることは確かなのです。そういった観点で、模試に果敢に挑戦してみるのもよいでしょう。

6 まとめ

・社労士試験の模試を受けることには、臨場感を味わえる、時間配分の感覚を掴める、その年の法改正の対策ができるなどのメリットがある

・大手資格学校のTAC、大原、LECもそれぞれ模試をおこなっている。いずれも複数回開催されており効率的な本試験対策を目指している。自宅受験も可能である

・会場受験が難しい場合などにおすすめな「模試に準ずる試験対策」のひとつが、試験スクエアの「未来問」である。AIでおこなう問題予測の的中率は高く、司法試験などに続き社労士試験でも60%超えと合格率を超えている。

・もう一つはクレアールの「ヤマ当て模試」という無料模試である

・資格スクエア「未来問」は、現在希望者に無料プレゼント中である

・模試を受ける心得として、模試はアウトプット以上にインプットの場であることをまず理解すべきである

・良問と基本問題のみを出題するわけにはいかない模試の性格をよく理解し、既習の問題や50%以上の正答率の問題に対する自らの理解度に注視すべきである

・解き直しによるインプットが重要であり、解き直しは翌日におこなうのがベストである

社会保険労務士カテゴリの最新記事