社労士(社会保険労務士)資格を取得するメリットはいくつある?近年人気の社労士資格がもたらす豊かなメリットをご紹介

社労士(社会保険労務士)資格を取得するメリットはいくつある?近年人気の社労士資格がもたらす豊かなメリットをご紹介

何事にも「初心貫徹」が大事といいますが、試験勉強期間が長く続くと「何で社会保険労務士(社労士)を目指したのだろうか?」とモチベーションを失いそうになるものです。社労士を志した動機がはっきりしているほど、頑張れるのではないでしょうか

社労士になったら享受できるメリットを知ることも、モチベーションを強くしてくれます。この記事では、社労士を目指すあなたのために「社労士資格取得でもたらされる豊かなメリット」について、詳しくお伝えします!

1 社労士(社会保険労務士)とは?

社労士は、労働社会保険諸法令を専門とする国家資格です。国からのお墨付きをいただいて、労働社会保険関連の手続き、法定帳簿の作成などをおこなう資格です。会社のリソースといえば「ヒト・カネ・モノ・情報」といわれますが、その中の「ヒト」の専門家が社労士なのです。

⑴ 社労士(社会保険労務士)試験とは?

そんな社労士の登竜門が、社労士試験です。社労士試験は年に1回実施される、合格率約6%の難関国家試験です。合格するために必要な勉強時間は、約800~1,000時間といわれています。

出題科目10科目のすべてに合格基準点が設けられており、1科目でも基準点を下回ったら足切りに合い、合格することはできません。ですので、社労士試験に合格するためには、苦手科目をなくす努力が必要です。

また、社労士合格者のうち、学生が占める割合は0.6%です。極めて低いため、就活生がこの資格を取得し履歴書に書けば、かなり目立つので他の就活生と差別化が図れます。

⑵ 高まる社労士(社会保険労務士)の需要

働き方改革の施行によって、労務管理の重要性が高まりました。罰則付きの法律が制定されるなど、大きな法改正が施行されたため、労務管理の専門家を求める会社は増えています。セクハラ、パワハラ、過労死、長時間労働などの労働問題は、長い間疑問視されながらも黙認され、あたりまえのように横行している時代もありました。しかし、コンプライアンス遵守の風潮は年々高まり、健全な経営をおこなう会社が評価される時代になりました。

また、法人設立条件が緩和されたことに伴い、法人(新企業)の数は増加の一途をたどっています。今般のコロナ禍で停滞してはいますが、2017年には、約130,000社が誕生したのです。一方で、労務のプロである社労士資格の保有者数は、何年も横ばいの状態です。この状況は、社労士の需要が、今後更に高まることを意味しています。

2 社労士(社会保険労務士)資格取得のメリットとは?

社労士資格は難関国家資格ですが、取得するとどのようなメリットを享受できるのでしょうか。

⑴ 社労士(社会保険労務士)として独立開業ができる

社労士になるためには、社労士試験に合格し、社労士登録することが必要です。登録には試験合格だけでなく、2年間の実務経験も必要です。しかし実務経験がないなら、社労士会連合会主催の「事務指定講習」を受ければそれに代えられます。

社労士として独立開業することで、自分の事務所を構えることができます。顧客獲得や経営が上手くいけば、会社勤めの時の何倍もの収入を得ることができます。

⑵ 就職や転職で社労士(社会保険労務士)資格を活かせる

社労士の資格は、就職や転職でも活かすことができます。社労士の登録区分には「勤務社労士」があります。勤務社労士がいれば社内の労務を任せられるため、手続きをアウトソーシングしなくてすみます。また、勤務社労士は、意図せずに法律違反してしまう事態を避けるために、予防法務を担当する人材でもあります。このような人材は、人事・労務部門で大変重宝されます。

転職の際にも、社労士資格は有利になります。転職先の選択の幅を広げることができ、一般企業の人事・労務部、法務部、コンサルティング会社などから、志望先を選ぶことができるようになります。

⑶ 法律や会社についての知識が得られる

社労士試験の出題範囲には労働基準法など、8つの法令が出題されます。内容としては就労規則、労働社会保険制度などが中心になります。まさに労働者を保護するための諸法令ですが、このような法律に関する知識は、普通はなかなか得られるものではありません。

実は、これらの法律に関する知識があってこそ、ワークライフバランスが実現できるのです。また正しい法律知識があれば、自分がブラック企業に就職してしまった場合でも、泣き寝入りすることなくブラック企業から自分を守ることができます。それだけでなく、ブラック企業への対処法も分かります。

労働関連諸法令に関する知識があると、自分が生きていく上でも、身を守るに十分役立つ武器となるのです。

3 企業にとって社労士(社会保険労務士)を雇うメリットとは?

勤務社労士は、労働社会保険手続きをはじめとした社労士業務を、社内でおこないます。アウトソーシングせずに労務を任せることができる人材がいると、コストカットに繋がることもメリットの一つです。万が一人事関係でトラブルが発生した場合も、勤務社労士がいればすみやかに解決してくれます。また顧問契約を結んで、同じ社労士にずっとサポートしてもらうこともできます。

企業が社労士を雇うメリットには、他にどのようなことがあるのでしょうか。

⑴ 取引先の信頼を獲得できる

勤務社労士が在籍していることは、会社の信用になる時代になりました。社労士資格者がいる会社と、法律にうとい会社があれば、社会的信用があるのは、社労士資格者がいる会社です。コンプライアンス遵守の気風の高まりによって、社労士の需要も高まり続けています。

⑵ 就職先としての安心感を獲得できる

社労士がいることで安心するのは、社員も同じです。会社に勤務社労士や顧問社労士がいると、何かあったときは専門家に相談できる体制が揃っているため、社員は安心します。

また、労務は複雑なので、労働社会保険、賃金、評価などについて相談に乗ってくれる専門家がいると、社員にとって非常に安心感があります。単発ではなく毎回同じ社労士が相談に乗ってくれると、安心感があるものです。

近年、新卒の就活生は、志望先の条件に「ブラック企業でないこと」を挙げるといいます。少しでもブラック企業のにおいを感じたら、その企業は全く人気が出ないといいます。社労士が在籍している事実は、新卒の就活生にとっても大きなアピールになるはずです。

⑶ 労働環境の整備と、そのコストの低減に貢献

かつては、ブラック企業の法律違反が、野放しにされている時代もありました。しかし、働き方改革以降は、長時間労働を是正するための罰則付き法律の制定など、抜本的な法改正がありました。近年では、労働諸法令に定められたコンプライアンスの徹底は、会社の義務となっています。

① 労働環境の整備

社会保険の完備、就業規則の制定や労働契約の締結、人事評価制度などには、遵守すべき法律があります。法律が施行されるまで猶予期間が置かれたものもありますが、いまや労働環境を整備し、社員が気持ちよく働ける環境を整えることは会社の義務となり、その法的根拠を持ちました。また、そのような努力をする企業こそ、収益が改善されると考えられています。

また、労務リスクの削減も社労士の役目です。企業が労務違反を犯したことが公になった場合に生じるレピュテーションリスク(社会的信用の低下)には、計り知れないものがあります。残業代の未払い訴訟、過労死問題、職場のいじめ問題は、これまでしばしば報道されてきました。これらの事例が払ったレピュテーションリスクは、大きなものであったことがお分かり頂けるでしょう。社労士に社内の労務環境をチェックしてもらえば、このような労務トラブルは未然に防ぐことができるのです。

② 環境整備コストの低減

労働環境の整備には、コストがかかるものです。社労士報酬はその一部ですが、トラブルが発生してしまった時に予期せぬキャッシュアウト(損害賠償など)が発生するよりも、安いものです。

また、社労士の指導により人材配置や評価制度を見直すことで、キャッシュフローを改善できたり収益アップに繋がったりします。雇用環境の整備に尽力し、就業規則作成などで雇用環境整備を準備する企業は、条件付きで助成金を受給できます。

⑷ 助成金の獲得

厚生労働省系の助成金申請業務は、社労士の独占業務です。これは、社労士が申請する助成金の財源が、雇用保険であることによります。雇用環境整備を準備している状態でも、条件付きで助成金の支給対象になります。助成金の獲得が企業の評価に繋がるのは、こういった理由からなのです。

助成金申請のためには、複雑な書類を作成しなければなりません。しかし、社労士がいると、適切な書類の作成を迅速におこなうことができます。

もし、外部に依頼して助成金を獲得した場合は、成功報酬として10~20%を社労士事務所に払わなければなりません。しかし、社内に社労士が在籍していれば、外部へのキャッシュアウトは発生しません。

 

4 サマリー

社労士資格を取得するメリットと、企業が社労士を雇うメリットについて、まとめて参りました。資格取得後に享受できるメリットが明確になると、試験勉強にも身が入るものです。この記事によって、これから社労士資格を取得する方が、社労士という資格に希望を感じて頂けたら幸いです。

5 まとめ

・社労士は、会社のリソース「ヒト・カネ・モノ・情報」の「ヒト」の専門家である。

・社労士試験は年に1回実施され、必要な勉強時間は約800~1,000時間、合格率約6%の難関国家試験である。

・コンプライアンス遵守の風潮の高まりで、健全な経営の会社が評価される時代になった。

・社労士になると独立開業ができ、就職転職に有利で、法律知識を自分の人生にも活かせる

・企業が社労士を雇うメリットとは、取引先からや採用企業としての信頼を獲得できること。

・また、労働環境の整備とそのコストの低減、助成金の獲得も同様である。

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