社労士求人(社会保険労務士求人)を出すのは企業の総務?コンサル会社?様々な募集元を知って、自分にぴったりな求人を探そう!

社労士求人(社会保険労務士求人)を出すのは企業の総務?コンサル会社?様々な募集元を知って、自分にぴったりな求人を探そう!

社会保険労務士(社労士)の求人を探してみたことはありますか?社労士の顧客は会社であるため、求人は都市部に集中している傾向があります。また、社労士業務は労働・社会保険関連の業務を扱うため、実務経験者が優遇される傾向がありますが、それは他士業においてもいえることです。社労士業務は会社がある限り存在するといわれ、求人市場においては安定して需要があります。

この記事では、社労士の求人をどのような業種が出しているのかなど、社労士求人の全貌を詳しくお伝えします!

1 社労士(社会保険労務士)の働きかたとは?

社労士試験に合格したら、全国社労士会連合会に備える社労士会名簿に登録してはじめて、社労士として働き報酬を得ることができます。コンサルティングなど社労士登録の要らない働き方もありますが、社労士登録の必要性の有無については、詳しく後述します。

毎年公表される社労士会会員数からは、社労士に関する様々な情報を読み取ることができます。

⑴ 社労士の求人は東京に集中してるって本当?

以下の2つの表は、2020年9月における社労士の登録区分について、「全国」と「東京」に分けて作表したものです。

【社会保険労務士会員数および法人会員数】(全国の人数)

年月 開業 法人の社員 勤務等 合計
2020年9月 24,376 2,860 15,932 43,168

【東京都社会保険労務士会の会員数】

年月 開業 法人の社員 勤務等 合計
2020年09月 4,233 914 5,777 10,924

 

2つの表から分かるのは、全国社労士会連合会の会員のうち、約1/4が東京の会員であるということです。社労士の顧客である企業が都心に集中しているため、社労士会会員も都心に集中するのは自然なことでしょう。

しかし、地方でもそこに事業経営者がいる限り、社労士に対する需要はあります。

士業の事務所全般にいえることですが、社労士の個人事務所は最少現の人数でフル稼働していることが多いです。大手でもその傾向はあります。

⑵ 個人事務所と社労士法人、どちらが多い?

下表は、2020年9月における社労士会会員の登録区分別人数を、全国と東京で比較したものです。特筆すべきは、「法人の会員」の1/3が、東京の会員であるということです。

開業 法人の社員 勤務等 合計
全国 24,376 2,860 15,932 43,168
東京 4,233 914 5,777 10,924

社労士法人は、近年法改正によって1人でも設立可能になりました。法人成りすると「主なる事務所」に対する「従たる事務所」、すなわち支店を増やすことができるというメリットがあります。また、社会的信用も得やすくなります。

▼こちらの記事も合わせてご覧ください。
社労士(社会保険労務士)の現実と将来性

⑶ 「勤務社労士」という働き方も

社労士には「企業内社労士」として、勤務先の社労士業務に専従することが許されています。この場合の区分を「勤務社労士」といいます。上表によれば、全国でも東京でも、開業に次いで多い区分が勤務社労士であることが分かります。

2 社労士求人の種類とは?

社労士の求人は多くは無いものの、社労士事務所や社労士法人をはじめとして、多種多様な業種から出されています。

⑴ 社労士登録が必要な仕事と必要でない仕事

先述のように社労士求人には、社労士登録が必要なものと必要がないものがあります。社労士登録の必要性の有無は、社労士業務を見ればよく分かります。

下表に示した独占業務を請け負い報酬を得るには、社労士登録を完了しなければなりません。しかし③の相談・指導(コンサルティング業務)は、独占業務ではないため、登録していなくても請け負うことができます。社労士登録が必ずしも必要でない仕事には、資格予備校講師、執筆業、セミナー講師なども含まれます。

【社労士業務】

1号業務 ①書類作成 独占業務
②提出代行
③事務代理
④紛争解決手続代理業務(※)
2号業務 ⑤帳簿書類作成
3号業務 ⑥相談・指導 独占業務ではない

※は、一定の試験に合格した特定社会保険労務士だけがおこなえる業務。

⑵ 社労士登録が必要な求人とは?

1号業務にあたるのは、次のような書類の作成・提出代行または事務代理です。

・労働・社会保険に関する届出書

・提出義務のある報告書

・各種助成金の申請書

2号業務で社労士が作成する帳簿書類には、労働者名簿や賃金台帳が該当します。

これら独占業務に従事するには、社労士登録が必須です。社労士登録なしに独占業務を請け負うといった、社会保険労務士法違反については、連合会もホームページで警告しています。

”「ニセ社労士にご注意ください」

労働社会保険に関する申請書等の作成及び届出の業務や労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成業務などについて、業として行うことができるのは、社会保険労務士法により社労士の資格を付与された社労士だけです。

アウトソーシング等を行う法人組織、経営コンサルティング会社等の無資格者や、労務管理士などと称していても社労士でないものが上記の業務を行えば、社会保険労務士法違反となります。

また、上記の無資格者が、給与計算システム等を使用し、給与計算に付随して労働社会保険諸法令に基づく申請書及び帳簿書類等を作成することも同様に社会保険労務士法違反です。”

出典:全国社労士会連合会

以下は、社労士登録を必要とする求人です。

① 社労士事務所

社労士事務所は人事や労務の専門家として、企業や個人からの依頼を請け負います。社労士求人を出す代表的な就職先だといえます。しかし先述のように、求人の募集は多くはありません。補助者としての求人の方が多い印象です。

② 他士業の事務所(税理士・会計事務所など)

税理士事務所や会計事務所のなかには、事務所内に社労士事務所を併設するところもあります。事務所内に社労士がいれば、顧客から派生して依頼される社労士業務も請け負うことができ、顧客の満足度を上げることができるからです。

この場合、事務所内で生じる社労士業務を一任されることになるため、高い実務能力がないと対応できないかもしれません。「自分は手続きしかできない」「やったことのない仕事はできない」という受け身の人には、不向きの職場です。

また、業務範囲の拡大や顧客満足度の向上を狙っているのは、法律のスペシャリスト・弁護士事務所も同じです。ここでも社労士求人を出すことがあります。しかし、他士業事務所の求人と同様に基本的に数が少なく、狭き門であることは変わりないでしょう。

 

税理士事務所 クライアントの経営活動を会計・労務面でサポート

【手続き業務】

労働社会保険の諸手続き、給与計算業務、各種助成金申請など

【高付加価値な仕事】

就業規則の作成、労務コンサルティング等

会計事務所 クライアントの労務関係のサポート

・会計ソフトで給与計算に関する業務

・労働・社会保険手続き

・クライアント対応

弁護士事務所 ・労務管理や人事に関して専門的に業務を従事

・弁護士事務所内の任免手続き、給与計算など

③ 企業の人事・総務部(勤務社労士として)

企業を就職先とする求人案件で多いのが、「勤務社労士」です企業の人事や総務関係の部署に配属され、労働・社会保険関連手続きや労務管理に従事します。近年はこれらをアウトソーシングすることも多いですが、社内に社労士がいれば外注するコストを削減できます。コンサルティングも社内でおこなうことができるため、コスト削減に加えて、社員に安心感を与えることのできる効果も期待できます。

この求人も、他士業事務所と同様に、高い実務経験を必要とします。また、その会社の一社員であるため、命じられたら社労士業務以外のことにも対応しなければなりません。

④ アウトソーシング会社

規模が大きい会社では、労働・社会保険手続きや給与計算といった事務仕事が負担になることもあります。その場合は、アウトソーシング会社へ外注したほうがコストパフォーマンスが良いこともあります。アウトソーシング会社で働くと大量案件を処理することも多く、しっかりと実務経験を積むことができます。

アウトソーシング会社は、社会保険労務士法に抵触しないように、社労士登録した者を雇用する必要があります。

⑶ 社労士登録が必要でない求人

次は、社労士登録を必要としない求人を紹介します。コンサルティング会社をはじめ、登録なしで活躍できる仕事が一定数存在します。

① コンサルティング会社

コンサルティング会社で、人事労務関係について相談や指導をおこなう仕事は、社労士の3号業務にあたります。社労士法人や、事務所を併設しているコンサルティング会社もあるほどです。ヒューマンリソースに対する処遇は、企業利益に大きく関係します。社労士は顧客企業のコンサルティングをおこないながら、ひいては利益を増やすことに貢献することを願われています。社労士の実務能力に加えて、マネジメントの感覚も必要とされる求人です。

② 出版社の社労士求人

労働・社会保険、労務や年金相談、給与計算関連の書籍は、書店に行けば所狭しと並んでいます。こうした専門的知識を扱う書籍を出版する出版社は、社労士有資格者の求人を出すことがあります。内容の正誤チェックなど、校閲をメインにおこなってくれる人材を得るためです。専門的知識だけでなく、分かりやすい説明や解説力が問われる仕事です。

ただし出版社の求人には、正社員雇用が少ない傾向があります。出版社の求人は業務委託や請負契約が多く、安定性を問われると少し難しい点があります。

③ 資格予備校の講師

最後に、資格予備校講師という選択肢を紹介します。文字通り、出題科目となる法令の講義や社労士試験の対策を受験生に対しておこない、合格へ導くのが仕事です。一発合格で、尚且つ優秀な成績を収めた受講生が、予備校側から講師としてスカウトされたりすることもあります。講師業には社労士試験に精通した知識だけでなく、受験生に分かりやすく教える能力が求められます。

3 社労士求人に関する「よくある質問」とは?

これまで、社労士に対して求人を出す企業を紹介してきました。最後に、社労士求人を探す人がよくする質問に対する回答を、紹介していきましょう。

⑴ 未経験ではも応募できる求人はある?

社労士として就活する場合、実務経験があるに越したことはありません。しかし、求人によっては未経験でも応募できるものがあります。社労士資格は、「歓迎条件」というレベルで条件付けされているだけの場合もあるからです。

実務経験者を求めるかどうかは、求人を出している社労士事務所に応じて異なります。一般的に規模の小さな事務所の方が、即戦力として迎えるために、実務経験者を求める傾向があります。一方、社労士法人など規模の大きな事務所の方が、未経験者を採用することが多いようです。

また、実務が未経験の場合は、社労士資格に加えて“プラスアルファ”の技能やスキルを持っていれば、就活時に他の応募者と大きく差別化を図ることができます。

前職の業界知識や経験が、特に語学力や、税務に関わる知識であれば、かなり有利になります。営業経験がある場合も、社労士事務所や法人は常に新規顧客獲得を命題としているため、歓迎されます。

⑵ 社労士は5月、7月、12月が忙しい

繁忙期は業界によって違うものですが、社労士の場合は以下の3つの月がそれに当たります。

 

5月 労働保険の年度更新 平成21年度以降は7月に
7月 算定基礎
12月 年末調整 給与計算をしている場合

 

7月の算定基礎届は、企業が毎年日本年金機構へ提出する書類の1つで、天引きされる社会保険料の計算に使われます。毎年、提出時期がせまると、労務担当者は大変忙しい時期を過ごします。年末調整を提出する時期についても同様で、多忙を極めます。

⑶ 将来的には開業する予定でも応募していい?

すぐには難しくても、将来的には独立して自分の社労士事務所を構えたい思う人は多いでしょう。そのための実務経験が積みたくて、まずは社労士事務所などに就職しようとするケースは多いものです。

社労士求人に応募して採用面接まで進んだ場合、「将来的には独立開業したい旨を告げるべきか否か」は、実は深刻な悩みどころではないでしょうか。しかし、この場合は隠さずに、はっきりと今後の意向を伝える方が良いでしょう。開業の意志があることを隠し通して採用され、そこで実務経験を積み、数年で退職してしまうことだけはやめましょう。はじめから将来の独立を見越して指導を受けるのと、数年で退職したのちに独立開業がバレて「ノウハウを盗まれた」と思われてしまうのでは、雲泥の差があります。

社労士業界は、意外と狭いものです。「開業しても寄り付かないようにしよう」と思ってもそれは難しいのです。まず、開業したら新登録会員の名前は会報にて公表されますし、社労士会主催の研修会や行政協力などでばったり出くわすという可能性は十分にあるのです。

開業の意志は、採用面接で隠さず伝えましょう。

4 サマリー

社労士の求人は全体的に少ないですが、勤務社労士、他士業事務所勤務など資格を活かした様々な働き方があります。この記事を参考にして、幅広く社労士求人を探してみましょう。

5 まとめ

・全国社労士会連合会会員の約1/4が東京の会員である。

・社労士には「勤務社労士」の登録区分が許され、開業に次いで多い。

・社労士求人には社労士登録が必要なものと必要ないものがある。

社労士登録が必要な求人は、社労士事務所、他士業の事務所、勤務社労士、アウトソーシング会社である。

社労士登録が必要ない求人は、コンサルティング会社、出版社の社労士求人、資格予備校の講師である。

・社労士は労働保険の年度更新、算定基礎、年末調整がある5月、7月、12月が忙しい。

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