あなたも社労士試験科目を免除できるかも?試験科目を一部パスできる実務経験や資格とは?

あなたも社労士試験科目を免除できるかも?試験科目を一部パスできる実務経験や資格とは?

令和2年度の社会保険労務士(社労士)試験は、コロナ禍にあっても例年通りおこなわれました。試験結果によれば申込者数は僅かに減りましたが、国家資格である社労士は依然として人気の資格です。そのような社労士試験に、科目免除の制度があることをご存知でしたか?

出題科目の10科目と総合点に、合格基準点が設けられる難関国家資格・社労士試験では、どんな人が科目を免除されるアドバンテージにあずかることができるのでしょうか?この記事で、詳しくお伝えしていきます!

1 社労士試験には免除制度がある?

労務や社会保険のプロ・社労士は、近年その専門知識をもって、働き方改革やコロナ禍特設の助成金申請などで活躍し、注目を集めています。令和2年度実施の第52回社会保険労務士試験は、コロナ禍の影響もあって受験申込者数は0.6%減の49,250人であったものの、社労士資格は存在感を増し続けています。

⑴ 社労士試験には科目の一部免除制度がある

社労士試験の出題科目は10科目で、大変広範囲です。しかも、各科目と各種総合点に合格基準点が設けられているため、足切りに合って不合格になるケースも多い試験です。

そのような社労士試験に、実は科目免除制度があります。実務経験、講習、その他資格等で当該制度に該当する人にとっては、朗報です。

⑵ 主な免除資格とは?

問題の免除資格は、下表の条件に該当する場合に与えられます。ご覧の通り、労働社会保険関連など、社労士業務に通じる実務の経験がある人が資格者に該当します。

 

【主な免除資格】

国又は地方公共団体の公務員として労働社会保険法令に関する施行事務に従事した期間が通算して10年以上になる方
厚生労働大臣が指定する団体の役員若しくは従業者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して15年以上になる方又は社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の補助者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して15年以上になる方で、全国社会保険労務士会連合会が行う免除指定講習を修了した方
日本年金機構の役員又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間(日本年金機構の設立当時の役員又は職員として採用された方にあっては、社会保険庁の職員として社会保険諸法令の施行事務に従事した期間を含む。)が通算して15年以上になる方
全国健康保険協会の役員又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間(全国健康保険協会設立当時の役員又は職員として採用された方にあっては、社会保険庁の職員として社会保険諸法令の施行事務に従事した期間を含む。)が通算して15年以上になる方

社会保険労務士試験オフィシャルサイト 

 

①~④以外にも、試験科目ごとに免除資格が定められています。

⑶ 科目別の免除資格

公務員の実務経験など、実務経験の内容によって、下表のように社労士試験の科目免除を受けることができます。しかし、下表で紹介しているのは「特定の条件」のほんの一部です。「試験科目の一部免除資格者一覧」にて詳細な規定を確認できますので、本制度の利用を考えている方はそちらにてご確認ください。

 

複数科目共通 国又は地方公共団体の公務員として(社会保険労務士法別表第1に掲げる)労働諸法令の施行事務に従事した期間が通算して15年以上になる者
労働基準法

労働安全衛生法

労働基準監督官採用試験に合格した者
国家公務員として労働基準法、労働者災害補償保険法又は労働安全衛生法の施行事務に従事した期間が通算して 10年以上になる者
労働者災害補償保険法 労働者災害補償保険審査官の職にあった期間が通算して5年以上になる者
雇用保険法 雇用保険審査官の職にあった期間が通算して5年以上になる者
労働保険徴収法 労働保険審査会の委員の職にあった期間が通算して5年以上になる者
労働保険事務組合の役員(非常勤の者を除く)または職員として労働保険事務に従事した期間が通算して10年以上になる者
健康保険法 日本年金機構の役員又は従業者として健康保険法の実施事務に従事した期間が10年以上になる者
国民年金法 日本年金機構の役員又は従業者として国民年金法の実施事務に従事した期間が10年以上になる者
厚生年金保険法 日本年金機構の役員又は従業者として厚生年金保険法の実施事務に従事した期間が10年以上になる者

「試験科目の一部免除資格者一覧」

2 科目免除制度は有利なのか?

10科目をむらなく勉強しなくては、決して合格できない社労士試験。制度が利用できない一般受験生にとっては、科目免除制度は羨ましい限りです。科目免除者の合格率は、一般受験生よりも高いはずです。ではどれくらい高確率なのでしょうか。

⑴ 科目免除者の合格率は10%超

社労士試験の合格率は、平均6~7%といわれています。対して科目免除者の合格率は、例年10%超といわれます。

⑵ 令和2年度実施 第52回社労士試験では?

下表は、令和2年度に実施された第52回社労士試験の合格者の内訳をまとめたものです。一般受験生と、科目免除者と公務員特例の免除者における各人数と合格率をご覧頂けます。

科目免除制度の利用者の合格率は、繰り返しますが10%台といわれています。令和2年度試験の科目免除者の合格率は8.6%で、公務員特例の科目免除者においては12.7%の合格率でした。一般受験生の合格率(6.4%)のほぼ2倍になることが、お分かり頂けるでしょう。

うち科目免除者 うち公務員特例の免除者
受験申込者数 49,250人 1,082人 552人
受験者数 34,845人 834人 431人
合格率 6.4%
合格者数 2,237人 72人(8.6%) 55人(合格率12.7%)

社会保険労務士試験オフィシャルサイト 

 

⑶ 科目免除申請の方法

試験科目免除申請書は、受験申込書と同一用紙となっており、こちらよりダウンロードします。受験資格証明書とは別に、「免除資格を証明する書類」も必要である点に留意しましょう。 受験資格と免除資格を証明する書類が同じ場合であっても、受験資格証明用として1部、免除資格証明用として1部、計2部の証明書が必要です。

試験科目の免除決定は試験合格まで有効ですが、免除決定を受けた科目を変更することはできません。

① 既に免除決定を受けている場合

また、既に免除決定を受けている受験生は、旧厚生省、旧労働省及び全国社会保険労務士会連合会からの「免除決定通知」に付された「免除決定通知書番号」を受験申込書に記入して、申請して下さい。

② 実務経験による免除資格の確認がしたい場合

あらかじめ、自分の実務経験が免除資格として該当するかの確認も、社労士試験センターが随時対応してくれます。指定の留意事項すべてに同意の上、様式・送付状に必要事項を記入し、試験センターへ送付してください。

3 免除指定講習とは?

「免除指定講習」とは、一定の実務経験者に許された免除制度で、指定講習を受講することで希望する教科の試験を免除できる制度です。講習は無料ではなく、受講料がかかりますが、合格への距離はぐっと短縮できる制度なのでおすすめです。

⑴ 受講資格に該当するのは?

免除指定講習をざっくり説明すると、15年以上の実務経験を有する者が対象となる制度です。免除が可能となる社労士試験科目は、労災法、雇用保険法、徴収法、厚生年金保険法、国民年金法、一般常識のいずれかです。なお、令和2年度分の申込は終了しました。

”【受講資格者】

労働社会保険法令事務の従事期間が通算して15年以上(又は近い将来その期間に該当するもの)ある次の⑴又は⑵に該当する者。

⑴社労士事務所又は社会保険労務士法人事務所の補助者

⑴健康保険組合・厚生年金基金・労働保険事務組合等の指定団体の役員又は従業者

※1 上記⑴と⑵の従事期間を通算することはできません。

※2 一般企業等における従事期間は、受講資格の要件とはなりません。

【講習内容及び講習科目】

講習は、通信指導と面接指導の組み合わせにより行います。希望科目を選択して受講できます。”

出典:全国社会保険労務士会連合会

⑵ 免除申請が可能な科目

科目免除講習を修了すると、最大4科目の免除申請が可能です。1科目につき45,000円なので安くはありませんが、合格にかなり近付くことができます。

本講習の修了により免除される試験科目
労働者災害補償保険法 1~3のうち、選択により

2科目まで免除申請可能

雇用保険法
労働保険の保険料の徴収等に関する法律
厚生年金保険法 4・5のうち、選択により

1科目まで免除申請可能

国民年金法
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 免除申請可能

⑶ 免除指定講習の概要

当講習は、例年8~9月初旬に受け付けています。申込期間を逃さないようにしましょう。

講習内容 通信指導 通信教育方式により、添削指導を6か月間おこなう。
面接指導 講義方式により、1科目につき3日間おこなう(18時間)。
修了試験 講習科目ごとに、面接指導の最終日に40分(一般常識は50分)。
修了認定 受講科目ごとに面接指導終了後、国家試験に準じて修了試験を実施し、良好な成績を修めた者に修了証を交付。
受講料 1科目につき45,000円

全国社会保険労務士会連合会

4 サマリー

科目免除制度の恩恵が大きいことが、お分かり頂けましたか?免除資格に該当するか分からない場合は、是非先述の試験センターまでお問い合わせください。

5 まとめ

・社労士試験には実務経験、講習、資格等によっては該当する科目免除制度がある。

・労働社会保険関連など、社労士業務に通じる実務の経験がある人が、資格者に該当する。

・社労士試験の合格率は平均6~7%だが、科目免除者の合格率は、例年10%超といわれる。

・令和2年度試験では科目免除者の合格率は8.6%で、公務員特例科目免除者は12.7%だった。

・免除指定講習は、15年以上の実務経験保有者が対象。

・免除が可能な科目は、労災法、雇用保険法、徴収法、厚生年金保険法、国民年金法、一般常識のいずれかである。

社会保険労務士カテゴリの最新記事