社労士こそ、あなたの定年後の人生への鍵!サラリーマン経験を総動員できる社労士資格とは?

社労士こそ、あなたの定年後の人生への鍵!サラリーマン経験を総動員できる社労士資格とは?

定年後は年金を受け取り悠々自適な生活を送る。このような考えは、捨てなくてはいけない時代になりました。大炎上した「老後は2000万必要」という発言に見られるように、老後の経済状況は、シビアなものになると考えられるのが一般的になっています。定年後でも働かなくてはならない時代に、注目を浴びているのが「士業」資格です。そのなかでも社会保険労務士(以下、社労士)は、会社勤めをしてきた経験を活かしやすい資格として、おすすめです。

この記事では、定年後の社労士としての再スタートと、そのために必要な準備についてまとめていきます!

1 定年後と社労士

社会人として蓄えてきた経験を活かして、新たに資格を取得することは、これからの時代を鑑みれば賢明な判断といえます。数ある資格の中でも、定年後のために社労士資格がおすすめなのは何故か、その理由を挙げていきます。

⑴ 定年後に関する最近の動向

”「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されます。

今回の改正は、個々の労働者の多様な特性やニーズを踏まえ、70歳までの就業機会の確保について、多様な選択肢を法制度上整え、事業主としていずれかの措置を制度化する努力義務を設けるものです。
※この改正は、定年の70歳への引上げを義務付けるものではありません。”

出典:厚生労働省

 

上記改正の主旨は、企業に対して、就業機会が確保される年齢を70歳まで引き上げる努力義務を設けるというものです。

これ以前に、年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられました。「高年齢雇用安定法の改正」はこれを受け、企業に対して、65歳までの希望者全員を段階的に雇用することを義務付けました。しかし、直近の定年制についての国の調査である「平成29年就労条件総合調査結果の概況」によると、65歳定年制をしく企業は16.4%にとどまり、79.3%が依然として「60歳」定年制をしいています。

また、65歳まで雇われたとしても、正規雇用と比べて待遇はかなり変わります。なぜなら60歳の定年時で退職して、改めて雇用契約を結ぶ「再雇用制度」を導入している会社がほとんどだからです。この時、正規雇用から「嘱託社員」「契約社員」「パート社員」「再雇用社員」と雇用形態が変わることが多く、給与が時給制になったり賞与がなくなるなど、待遇はかなり変わってくるのです。

⑵ 社労士と定年後

「社会保険労務士」とは、労働社会保険諸法令に基づく書類の作成代行や、労務管理や社会保険に関するアドバイス・問題解決を請け負う国家資格です。また、「ヒト(人的リソース)」に関する専門家とも呼ばれています。会社に勤務し社内業務を専らおこなう「勤務社労士」もいますが、資格取得後は独立開業の道を選択する人も多い資格です。労務管理や労働・社会保険は会社員にはつきものであるため、会社員にはトライしやすい資格だといえます。

社労士は、働き方改革関連法施行時に、その活躍が大きく注目されるようになりました。当時、慢性的な長時間労働を是正すべく罰則付きの法律が適用されるなど、長年メスが入らなかった労働法が改正されました。関連法は大企業から順次適用されましたが、社労士は労働社会保険諸法令の専門家として、多くの企業からサポートを望まれました。

また今般のコロナ禍にあっては、独占業務に定められた厚生労働省助成金の申請業務で、大きく活躍しました。感染拡大対策としてのテレワーク導入助成金、雇用調整助成金などの申請業務で、社労士の専門知識が広く求められたのです。

このように社労士の力は、日本の労働環境の変革期にあって、大きく社会から求められているのです。

 

⑶ 定年後の独立・開業における長所・短所とは?

定年後に進路開拓するにはパワーがいります。しかし、それまでに積み上げてきた豊かなキャリアを活かせるという側面もあります。下表は、定年後に独立・開業する場合の長所と短所についてまとめたものです。

 

定年後の独立・開業の長所 豊富な人脈、豊かなキャリア、信頼性がある、話題が豊富、クライアント企業の社長と同年代で話が合う、社長より年上なので話に説得力がある、論理的思考力・一般常識において試験合格に有利
定年後の独立・開業の短所 態度が高圧的、フットワークが重い、ITリテラシーが低い、社労士試験が暗記型のため若い人より不利、

 

お分かりのように、定年後のスタートには、経験が功を奏する場合が多いのです。

2 定年後に社労士になるという選択

定年後の再スタートには、若い人と比べると不利なこともありますが、それ以上にこれまで培ってきたものが武器となる側面もあります。社労士になるという選択は、定年後の再スタートには適しているのでしょうか。

⑴ 社労士独立開業のメリット・デメリット

どんな職業にもメリット・デメリットがあるものですが、社労士として定年後に独立開業する場合についてはどうでしょうか。下表にまとめました。

 

メリット ・自分のペースで自由に働ける

・裁量権がある

・男女の差が、特に年収においてほとんどない

・社労士資格には定年がない

デメリット ・収入が安定しない

・本業のほかに、経理・税務処理、付き合い、雇用問題などが発生する

・初期投資、ランニングコストなどがかかる

⑵ 社労士はどのくらいの収入を得られる?

社労士として独立開業するメリットの一つには、入面があります。

2016年厚生労働省の統計によると、社労士の平均年収は527万円ですが、これは一般企業で社労士業務をおこなう「勤務社労士」の場合です。独立開業している社労士は、これより平均年収が高く、約650万円程度です。

ただし、開業社労士の収入には差が大きく出ていますので注意が必要です。売れっ子で多くの顧問契約を締結している社労士は、年収1000万円超えも可能ですが、経営が苦しく年収200~300万の事務所も存在するからです。

⑶ 定年後に開業したらどうやって仕事を取る?

定年後に独立開業するとしたら、最も懸念されるのは「顧客獲得の方法」でしょう。どうやって仕事を獲得するかは、切実な問題です。

社労士の業務には常に法改正が付きまといます。また、今般の新型コロナウィルス感染拡大で拡充された助成金申請業務のように、社会情勢にともない現れる業務もあります。ですので、独立開業した社労士は常に本業のスキルを研鑽しながら、営業活動もしっかりおこなわなければなりません。営業をアウトソーシングするという手もありますが、費用がかかりますので、まずは自分でできる方法で営業しましょう。自分でできる営業は、おおよそ以下の3つになります。

 

飛び込み営業

(電話、訪問)

・パワーが要るので若い人には勝てない

・社労士法人の売り込みには勝てない

・個人事務所より複数の社労士がいる事務所が有利

会社時代の人脈、取引先 ・定年退職した会社のセミナー講師を努めたり、労働社会保険業務を請け負う

・会社時代の人脈、取引先企業から依頼を受ける

支部活動、行政協力 ・都道府県の社労士会で募集する行政協力の仕事を頂く

・無料年金相談員

・無料労働問題相談員

・社会保険の算定や労働保険の年度更新の手続き応援

・社労士試験の試験官

・資格予備校など教育機関の講師

 

➀の飛びこみ営業に関しては、スタッフを複数抱える事務所にはかないません。若い社労士が営業を担当し、必死で飛び込みをかけているからです。定年後に個人事務所を開いた社労士は、このパワーには勝てないかもしれません。 

➁の会社時代の顧客・人脈の活用については、その会社で培った信頼度や本人の人柄で変わってきます。上表中にある、勤めていた会社の「セミナー講師を努めたり、労働社会保険業務を請け負う」ようになれるのは、在職中にかなりの信頼を勝ち得た場合に限ります。

③の支部活動、行政協力は、常時募集しているわけではなく、報酬もそれほど良くありません。しかし、どこにどんな出会いがあるか分かりません。駆け出しのころは支部活動、行政協力、会合にも積極的に参加しましょう。

3 定年後の準備はどのように進めたらいい?

何事もそうですが、事前に周到な準備を進めておくに越したことはありません。定年後に仕事を早く波に乗せるためには、定年を迎える前から準備すべきです。

⑴ 定年を迎える前にすべきこと

社労士資格は定年前に取得しておいた方が良いでしょう。会社勤めと受験勉強の二足のわらじは大変ですが、合格しておけば定年退職後にすぐスタートダッシュを切ることができます。

➀ 資格を取得する

まず、社労士試験に合格して資格を取りましょう。社労士試験は出題科目が10科目にわたる上、全科目や総合得点などに、それぞれ超えなければならない基準点が設けられている難関国家試験です。定年後は時間ができて受験勉強に集中できるかもしれませんが、可能ならば安定収入のある会社員時代に、試験に合格しておくようにしましょう。

会社の人事部門に勤務されている方は、アドバンテージが大きいといえます。定年前に社労士試験に合格すれば、その力が会社に認められて、社労士のアウトソーシングをしないで社内の業務を任せてもらえるかもしれません。また、定年後の再雇用契約で、社労士資格が会社から評価され、有利にはたらく可能性もあります。

➁ 在職中にスキルが活かせることも

社労士業務は社労士登録を済ませなければおこなうことができませんが、セミナー講師、資格予備校講師などは、登録しなくてもできる場合があります。また、社労士試験に受かっていると、社内でおこなわれる転職関係のセミナーなどの講師を任される場合もあります。

⑵ 定年後にすべきこと

定年を迎えたら、いよいよ本番です。社労士としてのスタートに全身全霊を注ぎましょう。

➀ 独立開業の成功のコツとは?

社労士としての独立開業にあたり、まずすべきことは、社労士会に「登録」を済ませ、税務署に開業届を提出することです。そのあと、事務所を借りたり自宅の一部屋をあてたりしてオフィスを構えます。このとき必要な物品・設備を購入する必要がありますが、備品がすべて揃っているレンタルオフィスを借りるという選択肢もあります。

良いスタートを切るためには、まずきちんと計画を立ててのぞみましょう。また「初期費用」が意外にかかる点にも注意が必要です。社労士会への登録費、会費についても「知らなかった」では済みませんので、事前によく調べて準備しておきましょう。

➁ 独立開業のためにやること

初期費用のほかに、仕事がとれなくて収入がない場合のための貯えも必要です。このように考えると、準備資金は結構な額になります。

仕事がない場合を想定して、数か月分の生活費と必要経費をプールしておきたいものです。そうなると、初期費用と準備資金で合計200~300万円くらいのお金が、初期投資としてかかってくることになります。

 

 

連合会への登録 登録には実務経験が2年以上必要 実務経験がない場合、厚生労働省が認可している機関で事務講習を受ける。

期間:4か月

講習費用:7万円程度

都道府県の社労士会への入会費、会費

(初期費用20万円程度)

登録免許税と登録手数料:6万円

都道府県の社労士会への入会費:5~10万円程度

(場所により異なる)

事務所を開設 初期費用150~200万円程度 専用の電話回線を引いたり、アドレス取得、OA機器を揃える準備も必要

・デスク、キャビネットなど

・インターネットや電話などの通信環境

・パソコン

・細かな事務用品

営業

広報

・チラシ、名刺、ホームページ、社版等の作成

・新規顧客を獲得のための営業活動

開業届 税務署に

「個人事業開業届」を

提出する

個人事業主として事業を始める届け出。

確定申告をするために必ず必要となる。

4 サマリー

定年後の仕事に社労士を選ぶことの魅力について、お伝えしてまいりました。この選択は大変なように思われますが、あなたの会社員時代の経験を活用できますし、社労士が今後も社会に必要とされる資格であることは確かです。この記事を読んで、社労士を定年後のキャリアの候補の一つにして頂ければ幸いです。

5 まとめ

・社会人経験を活かした定年後の仕事としておすすめなのは社労士である。

・社労士の専門分野である労務管理や労働・社会保険は会社員にはつきものであるため、会社員にはトライしやすい資格だといえる。

・社労士の活躍は、働き方改革関連法施行時、今般のコロナ禍の厚生労働省助成金の申請業務などにおいて顕著にみられた。

・定年後に独立・開業することにも長所があり、豊富な人脈、豊かなキャリア、信頼性などがそうである。

・裁量権、勤務した場合の平均年収527万円等も魅力である。

・営業は会社時代の人脈を活かしたり支部活動、行政協力にも参加しておこなう。

・初期費用と準備資金で合計200~300万円くらいのお金が初期投資して必要。

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