都市計画法

都市計画法

宅建試験には、宅地・建物の権利についての出題があり、所有権や抵当権などが不動産に付与されたり移動したりということが問題になります。
そういった権利を得た人には、権利の種類に応じて宅地建物に出来ることがあるわけですが、しかしそこには一定の制限が課されます。
土地の持主にあたる所有権者でも、自分のものだからといってそこで何をしてもよいわけではありません。

そこで、権利関係と並んで重要になってくるのが、土地を利用する際に課される法令上の制限です。
この科目はとにかく暗記が必要ですから、まずは都市計画法をしっかり押さえて細かいことも1つずつ覚えておくことが大切でしょう。

ではさっそく、都市計画法の出題状況から見てみましょう。
この法は文字通り、一定の地域全体の利用を計画していくにあたり使われる法で、毎年2問の出題がされています。
特に都市計画の内容・開発行為の規制は毎年出題内容に含まれているため確実に覚えなくてはなりませんし、また、基本である12種類の用途地域も絶対押さえておきたいところです。

 

都市計画地域

1人1人の家が住みやすい場所であるのは勿論大切なことですが、しかし住んでいる地域全体の居心地が良くないと、自分の家も生活しやすくなくなってしまいます。
そのため、より居心地のよい街づくりを目指す「都市計画」が必要となり、そのための法律が都市計画にあたります。
都市計画は原則、都市計画区域と呼ばれる場所に定めて行います。

都市計画区域をどこにするかは原則として、その区域が属する都道府県が指定しますが、もし複数の都府県(北海道とどこかで都市計画をする予定は無いため『道』は含まれない)にまたがって指定する際には、国土交通大臣がそれぞれの都府県の意見をうかがって指定することになります。
区域の形は自由決定が認められているため、都道府県や市町村といった行政区域に必ずしも沿わなくてはいけないというわけではなく、都府県・市町村を超えて決めることが出来ます。

都道府県が都市計画区域を指定する場合には、関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見をあらかじめ聴いた上で国土大臣に協議し、同意を得ることで指定されたと見なされます。
国土交通大臣による指定では、関係都府県の意見がある場合にはまず関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴き、その上で関係都府県の意見を聴いて、そして指定となります。

 

準都市計画

都市計画というものは、区域が指定されると総合的な街づくりを始めるものであるため、そんなに簡単に実行できることではありません。
街全体に手を入れるため時間もお金もかかりますし、土地の用途の規制や環境保全の措置などもとられ、必要コストは相当なものになります。
そのため、単に土地の用途を規制したい、好ましくない使い方を取り締まりたいという場合、都市計画区域の指定の必要性は無い時には「準都市計画区域」という、小さな都市計画区域が指定されます。

準都市計画は都道府県による指定ですが、指定の際にはあらかじめ、関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴く必要があります。
また、この準都市計画は都市計画よりも弱いため、準都市計画区域全部に都市計画区域が指定された場合には準都市計画区域は廃止されたものとみなされ、また、準都市計画区域の一部に都市計画区域が指定された場合には、重複する部分のみ準都市計画区域を消滅させます

準都市計画区域には、地域地区における8種類を定めることが可能です。
「用途地域」「特別用途地区」「特定用途制限地域」「高度地区」「景観地区」「風致地区」
「緑地保全地域」「伝統的建造物群保存地区」の都市計画が認められ、準都市計画区域にも都市施設を定めることが出来ます(準都市計画区域には、特定用途制限地域(制限すべき徳体の建物)。
たとえば準都市計画区域の中にある小中学校近くにパチンコ屋などがあった場合、そこの排除のために特定用途制限地域を定めることも可能です。

準都市計画区域には、地区計画等を定めることは出来ません。

 

都市計画

では、いよいよ計画そのものについて見ていきますが、宅建試験で重要な計画は「区域区分」「地域地区」「都市施設」「市街地開発事業」「地区計画等」です。

区域区分は、都市企画区域全体を「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けるというもので、線を引いて定めるため「線引きをする」といわれることもあります(区域区分の定めのない都市計画区域は「非線引き都市計画区域」ともいう)。
市街化区域は、すでに市街地を形成している区域、および10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべきだとされた区域のことで、ここにはどんどん建物をつくり、どんどん人を集めていくための取り組みがなされます。
反対に市街地調整区域は、今の状態以上に市街化が進まないよう抑える区域ということで、市街地調整区域には主に農林水産業が任されます。
三大都市圏における一定の都市計画区域や、指定都市の全部・一部を含む都市計画区域は必ず区域区分をしなくてはなりませんが、それ以外の場合は自由です。

都道府県は「都市計画区域の整備・開発および保全の方針」、またの名を「マスタープラン」という、都市計画区域で行われる都市計画の基本方針を定める必要があります。
ここには、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分するかどうか、また区分するならばその方針を定めなければならないとしています(都市計画の目標は、定めるよう「努めるもの」です。)

都市計画区域をさらに細かい地域や地区に分けていくのが「地域地区」という、きめ細かい計画を立てるための都市計画です。
地域地区は小規模な準都市計画区域にも定めることが可能ですが、都市計画でもなく準都市計画区域でもない場合に定めることは出来ません。
地域地区には「用途地域」「防火地域」「特別用途地区」「風致地区」などがあります。
その中でも重要なのが用途地域で、これは主に市街化区域において使われる都市計画です。
用途によって区域の中を分けることで環境を整えることを目的とするこの取り組みですが、大きく「住居系」「商業系」「工業系」それぞれの環境を整えるための地域に分けられます。
この3つをさらに12種類に分けたものも、他の法においても使うため覚えておきましょう。

住宅系は、
・第一種低層住宅専用地域
 低層住宅に係る良好な住居の環境の保護目的
・第二種低層住居専用地域
 主として低層住宅に係る良好な住居の環境保護が目的
・第一種中高層住居専用地域
 中高層住宅に係る良好な住居の環境目的の保護目的で
・第二種中高住宅に
 主として中高層住宅に係る良好な住住居の環境保護が目的
・第一種住居地域
 住居の環境保護が目的
・第二種住居地域
 主として住居の環境保護が目的
・準住居地域
 道路の沿道としての地域の特性に適した業務の利便増加を図りながらも、調和した住居の環境保護も目的

商業系は、
・近隣商業地域
 近隣の住宅地の住民に対して日用品を供給することが主たる内容である商業その他の業務の利便増進のための地域
・商業地域 
 主として商業その他の業務の利便増進のために定められる

工業系は、
・準工業地域
 主として環境悪化のおそれのない工業の利便増進のため定められた地域
・工業地域
 主として工業の利便増進のため定められた地域
・工業専用地域
 工業の利便増進のために定められた地域

があります。
これらを全てそのまま覚える必要はありませんが、「主として」の有無など、少しずつ異なることを頭に入れておくことが大切です。
市街化区域には必ず用途地域を定めることになりますが、反対に、市街化調整区域に用途地域を定めることは原則ありません。
また、都市計画区域および準都市計画区域となっていない場所(両区域外ともいう)に用途地域を定めることは出来ません。

用途地域以外に重要とされる地域地区には、
・特別用途地区
 用途地域内の一定の地区における、その地区の特性に適した土地用の増進、環境保護等特別な目的の実現を図るために定める、補完的な地区
・特定用途制限地区
 用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域は除く)内において、制限すべき特定の建築物等の用途の概要が定められる
・特例容積率適用地区
 容積率のやり取りをする地区で、第一種・二種低層住居専用地域と工業専用地域以外の9種の用途地域に定める事が可能
・高層住居誘導地区
 住居とそれ以外の用途とを適切に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導することを目的に、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域または準工業地域に関する都市計画において、容積率が10分の40または10分の50と定められたもののうち、建築物の容積率の最高限度・建築物の建ぺい率の最高限度・建築物の敷地面積の最低限度を定める
・高度地区
 用途地域内で、市街地の環境維持または土地利用増進のため、建築物の高さの最高または最高限度を定める
・高度利用地区
用途地域内の市街地において、土地の高度利用を合理的かつ健全に行い、都市機能を更新するため、建築物の容積率の最高限度および最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度および壁面の位置制限を定める
・風致地区
 都市の風致(自然のものによる趣など)を維持することが目的
・特定街区
 市街地の整備改善を図り、街区の整備・造成が行われる地域について、街区内における建築物の容積率および建築物の高さの最高限度、壁面の位置制限を定める
というもので、これらの他にも「緑地保全地域」「景観地区」「伝統的建造物群保存地区」などがあります。

特定用途地区・高度地区・高度利用地区はすべて用途地域に定められることとなり、決定権は市町村にあります。
用途地域に定められていない場所に、この3つを定めることは出来ません。
街の自然を守る場所とされる風致地区は都市計画区域および準都市計画区域に定めることが可能であり、両区域外に定める事は出来ません。
複数の市町村にわたる10ha以上であれば都道府県が、1つの市町村内の10haおよび単複問わず10ha未満である時には市町村が指定権者となり、風致地区内の建築物建築、宅地造成、木竹伐採などについては必要に応じ、地方公共団体の条例によって規制をすることが可能です。

道路・公園・水道・下水道・図書館・一団地の住宅施設(50戸以上の集団住宅やその付随施設)、一団地の官公庁施設(国や地方公共団体の建築物、またその付随施設)、流通業務団地(中央卸売市場)などといった、公共施設をつくるための都市計画を「都市施設」といいます。
都市施設は必要に応じ、都市計画区域・準都市計画区域・両区域外のどこにでも定めることが出来ますし、また、市街化区域および非線引き都市計画区域には道路・公園・下水道を必ず定めなくてはなりません。
また、住居系の用途地域には義務教育施設を定めることが不可欠です。

不便な土地を作り変える「土地区画整理事業」、街を大きく作り変える「市街地再開発事業」、マンション街を作る「住宅街区整備事業」、火災対策を街レベルでする「防災街区整備事業」、何もない場所に1から街をつくる「新住宅市街地開発事業」、工業団地をつくる「工業団地造成事業」、駅ターミナル等をつくる「新都市基盤整備事業」といった、大きな事業をまとめて「市街地開発事業」といいます。
これは市街化区域や、区域区分が決められていない都市計画区域に定められます。

都市施設や市街地開発事業には広大な土地が必要です。
しかし都市施設や市街地開発事業があるとなると土地の買いあさりが生じ、土地の値段が高騰してしまえば買収が不可能になる可能性があります。
そのため「市街地開発事業等予定区域」と呼ばれるものを設定し、厳しい規制を敷くことで買いあさりを防いでいるのです。
市街地開発事業等予定区域が設けられるのは、20ha以上の一団地の住宅施設・一団地の官公庁施設・流通勤務団地・新住宅街地開発事業・新都市基盤整備事業の場合です。

都市計画の小規模版のような、より小さくきめ細かい街づくりをより小さな範囲ですることを「地区計画等」といいます。
地区計画等は「地区計画」「防災街区整備地区計画」「沿道地区計画」「歴史的風致維持向上地区計画」「集落地区計画」という種類がありますが、宅建試験に実際登場するのはもっぱら地区計画です。
地区計画はその区域の特性に適した態様を備えた、良好な環境の各街区の整備・開発・保全を目的としているため、建築物の建築形態や公共施設その他の施設の配置などを一体として考えていく必要があります。
地区計画を定められるのは、用途地域が定められている区域、または用途地域が定められていない一定の区域です。
用途地域が定められている一定の地区計画の区域の場合、古い木造家屋を壊して新しい高層建築物をつくるなどといった小規模な街の作り変えである、再開発等促進区を定めることも可能です。
再開発等促進区は地区計画の区域に定められ、防災街区整備地区計画・沿道地区計画・歴史的風致維持向上地区計画・集落地区計画、また用途地域の定めがない地区計画の区域に設定することは出来ません。
また、地区計画の区域で一定の条件を満たすと、床面積の合計が1万平方メートルを超える劇場・店舗・飲食店にあたる「特定大規模建築物」のある街づくりをする「開発整備促進区を設けることが認められます。
開発整備促進区が定められるのは、地区計画区域内の第二種住居地域・準住居地域・工業地域・用途地域の定めのない区域です。
地区計画の区域内では当然、建築などの工事が行われるでしょうが、地ならし工事や建物建築等をする際には、当該行為に着手する日の30日前までに市町村に届け出る(許可は特に必要ない)ことが求められますし、もしも届出の内容が地区計画に不適合である場合には、市町村は届出をした者に対して、設計の変更やその他の措置をとるよう勧告出来ます。

 

都市計画の決定

1つの都道府県で、都市計画区域が定められている場合には原則、都道府県または市町村が都市計画の決定を担います。
都道府県の定める都市計画はいわゆる「都市計画区域のマスタープラン」で、指定都市の区域にある場合には指定都市が定める区域区分の体制となっています。
複数の市町村の区域にわたる10ha以上の風致地区や緑地保全地域、広域的見地から決定すべき都市施設、市街地開発事業等予定区域、新住宅市街地開発事業・工業団地造成事業・新都市基盤整備事業等といった市街地開発事業を担当します。
一方、市町村が定める場合の都市計画は、用途地域・特例容積比率適用地区・高層住民誘導地区、都道府県による都市計画で設定されるもの以外の風致地区・緑地保全地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区、高度利用地区、特定街区、防火地域、準防火地域、都道府県が担当する都市施設以外の都市施設、一定の住宅施設、官公庁施設、流通業務団地の予定区域、一定の面積以下の土地区画整理事業・市街地開発事業・住宅街区整備事業・防災街区整備事業といった市街地開発事業、地区計画等です。

複数の都府県にまたがって都市計画区域を定めている場合には、国土交通大臣または市町村が都市計画を決定します。
1つの都道府県でやる場合に都道府県が担当するものについては国土交通大臣が、市町村が担当するものについては市町村がそのまま担当します(都道府県が定める都市計画と市町村が定める都市計画がぶつかるときには、都道府県担当の方が優先されます)。

都市計画の決定手続は簡単に、「公聴会の開催等」→「原案作成」→「公告・案の縦覧」→「都市計画の決定」→「告示・縦覧」というようになります。
これは、あくまで都市計画の決定手続ですから、都市計画区域の指定手続と混同しないように気を付けましょう。
公聴会は必ずしも開催しなくてはいけないわけではなく、都道府県や市町村が都市計画案を作成するにあたって必要があると認めたとき、公聴会の開催等によって住民の意見を反映するために必要な措置を講じることになります。
都市計画を決定する際、都道府県や市町村はあらかじめその旨を公告し、また、その公告から2週間は都市計画案を公衆の縦覧に供する必要があります。
公告があった場合には、関係市町村の住民や利害関係人は縦覧期間中であれば、都市計画案について意見書の提出が認められます。
いよいよ都市計画の決定段階は、都道府県と市町村で方法が異なるので注意しましょう。
都道府県の場合には、関係市町村の意見を聴き、かつ都道府県都市計画審議会の議を経て、また国の利害に重大な関係があるときはさらに国土交通大臣に協議し、同意を得ることが必要です。
市町村の場合は、市町村都市計画審議会(無いときは都道府県都市計画審議会)の議を経て都市計画決定となりますが、都市計画区域または準都市計画区域に都市計画を決定するという際には、あらかじめ都道府県知事に協議する必要があります(町村の場合は都道府県知事の同意が必要)。
都市計画が決定すると、その旨の告示が行われます。
告示がなされると、都道府県は国土交通大臣および関係市町村長に、市町村は国土交通大臣と都道府県に、総括図・計画図・計画書からなる「図書」の写しを送付します。
また、その図書または写しを、都道府県知事や市町村長は公衆の縦覧に供することになり、告示があったその日から都市計画の効力が生じます。

 

開発行為規制

勝手な工事が行われないよう、開発行為をする際には事前に都道府県知事の許可を受けなくてはならないという決まりがあります。
これを「開発行為の許可」といい、主として建築物の建築、または特定工作物(第一種特定工作物および第二種特定工作物)の建設を目的に行う土地の区画形質の変更、つまり造成工事や地ならし工事と呼ばれるものを行う際には、許可が必要だとしているのです。

もっとも上記の条件に当てはまらない場合には、許可をもらう必要はありません。
開発の規模が、市街化区域における1,000平方メートル未満である場合、非線引き都市計画区域・準都市計画区域における3,000平方メートル未満である場合、両区域外における1ha未満である場合には、開発許可は不要です(市街化調整区域は面積による不許可はない)。
また、市街化調整区域・非線引き都市計画区域・準都市計画区域・両区域外において、農林漁業用の特定建築物(畜舎・温室・サイロ等の建築物)またはこれらを営む者の移住用建築物のためにする開発行為である場合も許可が不要となります(市街化区域ではそこまで大規模な農林漁業が基本的に行われないためこういった規定はなし。が、1,000平方メートル未満であればこれらの行為でも許可不要)。
そしていずれの区域および区域外でも、駅舎等鉄道施設・図書館・公民館・変電所等の建築のための開発行為、都市計画事業・土地区画整理事業・市街地開発事業・住宅街区整備事業の施行としての開発行為、車庫や物置の建築目的で行う軽易な開発行為は、開発許可が不要とされています。

開発許可は、まず開発許可申請をし、許可が下りれば工事→工事完了届出→工事完了検査→検査済証交付工事完了抗告、という流れで手続が進みます。
開発許可申請は必ず書面で(口頭では不可)、開発許可申請書を都道府県知事に提出する必要があります。
また、開発許可の申請時には、開発行為に関係する公共施設の管理者とあらかじめ協議しその同意を得ること、また開発行為によって将来設置される公共施設の管理者との協議も必要です。
開発許可の申請人となる者は必ずしも開発区域内の所有者である必要はなく、関係者の相当数の同意を得ていればよいとみなされます。
申請があったら、都道府県知事は遅滞なく、許可または不許可処分を文書でする必要があります。
開発許可をする場合、都道府県知事は開発許可の年月日・予定建築物等の用途といったものなどが登録される開発登録簿を調製・保管しなくてはなりません。
許可が下りれば工事に着手出来ますが、不許可となってしまった場合には工事を実行することは出来ません。
不許可処分を受けたときは開発審査会に不服の審査請求を行うことが認められます(裁判所ではありません)。
開発区域の全てにおいて開発行為に関する工事が完了した際、開発許可を受けた者は「工事完了届出」を都道府県知事にしなくてはなりません。
工事完了届出を受けた都道府県知事は、開発許可の内容に適合しているかどうかを遅滞なく検査し、問題が無ければ検査済証を交付・工事完了の公告をします。
開発許可を受けたけれども開発行為に関する工事を廃止した、という場合には、その旨を遅滞なく都道府県知事に届け出る必要がありません(廃止してよいかという許可は不要です)。

開発行為が終了し、設置された公共施設は原則、工事完了の公告の翌日に市町村の管理となり、公共施設用地は公共施設の管理者に帰属します。
開発許可を受けた者からその地位を承継することも可能ですが、その場合には「一般承継」と「特定承継」に分かれ、開発許可を受けた者から相続または法人合併によって権利を譲り受けた場合には一般承継にあたるため、開発許可に基づく地位は当然に承継することになり、都道府県知事の承認は特に得る必要はありません。
しかし、許可を受けた者から土地を買うことによって特定承継した場合には、手抜き業者排除の目的の下、承継に都道府県知事の承認を必要とします。

 

建築等の規制

開発許可を受けた開発区域内の土地では、工事完了公告があるまでは建築物の建築・特定工作物の建設は原則認められません。
しかし、工事用仮設建築物の建築・都道府県知事によって支障が無いと認められた場合・開発区域内の土地の所有者等で開発行為に同意していない者による建築は例外として、建築制限の対象外となります。
工事完了公告後には、「予定建築物」「予定特定工作物」という、造成工事後にどんな用途の建築物や特定工作物をつくるのか開発許可申請書に記載したもの以外の建築物・特定工作物の新設は原則出来ません。
が、例外として、用途地域内の場合や都道府県知事の許可が下りた場合には予定外の建築も可能です。

また、市街化調整区域において、開発許可を受けた開発区域以外で開発行為を行わず、建築物の新築、第一種特定工作物の新設、建築物の改築、用途の変更をする際には都道府県知事の許可が求められます。
これは開発許可とはまた別のもので、新築・新設・改築・用途変更に対する許可となります(例外として、農林漁業用建築物・農林漁業者の住宅・図書館・博物館・公民館の新築や改築、また既存の建築物の用途を変えてこれらのものにする場合には都道府県知事の許可は不要)。

敷地面積に対する建物の面積を「建ぺい率」といいますが、これや建築物の高さ、壁面の位置、その他建築物の敷地、構造、設備については必ずしも開発者が自由に決められるわけではありません。
都道府県知事は必要に応じ、開発許可の際、開発区域内の土地におけるこれらの制限を定めることが出来、制限が課された場合はそれに反する開発をすることは認められません。
もし制限外の開発をする場合には、都道府県知事の許可が必要です。

都市計画施設・市街地開発事業といったものを実現するための工事を「都市計画事業」といい、事業の行われている土地を「事業地」といいます。
施行者は原則として市町村で、都道府県知事の許可を受けて施行することになりますが、例外的に国の機関が国土交通大臣の承認を得て施行することもあります。
都市計画事業の許可・承認の告示がなされると、事業地内で、土地形質の変更、建築物建築、工作物建設、重量5トンを超える物件の設置・たい積といった、都市計画事業施行の障害となるおそれのある行為をする際には都道府県知事または当該氏の長(市の区域内の場合)の許可が必要です。
また、都市計画事業の認可の公告の日の翌日から10日経過後、事業地内の土地建物等を有償で譲り渡すという場合には、当該土地建物等、予定対価額、相手方等の一定事項を施行者に書面で届け出なければなりません(許可ではなく、届出)。

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