不動産鑑定評価・地価公示法

不動産鑑定評価・地価公示法

宅建試験には、宅地および建物についての税に関する法令のことや、価格の法定に関すること、需給に関する法令や実務に関することも出題されます。
その中でも、ヤマをかけにくく予想が立てづらいのが鑑定評価の問題で、過去の出題傾向も年度ごとに分散しているため簡単には対策出来ないでしょう。
地価公示法に重点を置き、鑑定評価の法は基礎を中心に広く見ておいたがよさそうです。

 

不動産の鑑定評価

実際に不動産を鑑定するのは、不動産鑑定士や不動産鑑定士補の仕事で、鑑定時には「不動産鑑定評価基準」と呼ばれる基準に依拠して行われます。
不動産鑑定評価基準は「価格を求める手法」と「資料を求める手法」に分類されており、それぞれの鑑定評価の手法を適用することで求められた価格または賃料を「試算価格」や「試算賃料」と呼びます。

鑑定評価を行う場合には原則として、「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の3つをすべて考慮する必要があります。
取引事例等に係る取引等が、売り急ぎのように特殊な事情によって価格等に影響を及ぼしている場合は「事情補正」として適切に補正される必要があります。
では、不動産価格を出す手法を1つずつ見ていきましょう。
原価法で算定されるのは、同じような不動産を新しく作ると仮定した場合にかかるであろう費用です。
この計算で求められたものを「再調達原価」といい、さらに「減価修正」という、新築時から経過した時間の分だけ価値が下がったことを考慮(築10年の建物なら10年分価値が落ちる)し、今の試算価格となる「積算価格」求めます。
既成市街地の土地などの場合、原価法では再調達評価が算定しづらいこともあります。
取引事例比較法では、「批准価格」を算出します。
これは、類似の物件がいくらで取引されたのかという多数の取引事例を収集・調査し、その取引価格に一定の補正(5年前の事例であれば5年分の価格変動を考慮)を加えることで求められた目的物件の試算価格です。
過去の取引を参考にするわけですが、投機的取引にあたる事例は特殊であるため採用出来ません。
「収益価格」と言われる資産価格を求めるのが収益還元法です。
この法で用いられている基準は、その物件を賃貸した場合にどのくらいの賃料が入るのかというもので、収益価格の求め方は直接還元法とDCF法に分かれています。
この2つの違いを本当に理解するのは数式に強くなければ難しいですが、宅建試験では、直接還元法では「一期間の純利益を還元利回りによって還元」することで、DCF法では連連続「連続する複数の期間に発生する純利益・復帰価格を予想し、発生時期に応じて現在価格に割引き、それぞれを合計」することで収益価格を出すという違いを押さえておけば大丈夫でしょう。
証券化する不動産が投資の対象である場合には、その証券化対象不動産の収益価格はDCF法で求める必要があります。

 

地価公示

「標準地」と呼ばれる土地を選定し、その正常な価格を公示することを「地価公示」といいます。
地価が公示されると、それは一般的な土地の取引価格に対する指標になったり、公共事業を目的として土地を取得する場合の正当な補償金の算定規準等になるというはたらきをします(「規準」は守る義務があるものだが、「指標」はあくまで目安であり守る義務まではない)。
地価公示法は、適正な地価の形成を目的とした法なのです。

地価表示は基本的に、国土利用計画法に基づく指定の規制区域を除いた都市計画区域内で行われますが、土地の取引が相当程度見込まれるときには都市計画区域外でもなされることがあります。
地価公示が行われる場所を「公示区域」といいます(規制区域では土地の取引が原則禁止されているため地価公示の意味は無い)。
地価公示は「土地鑑定委員会」という、標準地について毎年1回、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、結果を審査し、必要があれば調整して、1平方メートル当たりの正常な価格の判定・公示をすることです。
毎年1月1日が、判定の基準日とされています。
ここで公示される「正常な価格」とは、土地について自由な取引が行われるとした場合において通常成立すると認められるであろう価格のことで、もしもその土地に建物等があったり地上権等が設定されている場合でも、それは無いものと考えて価格を判定することになります。
前述の通り、鑑定評価を行う際には原価法・取引事例比較法・収益還元法の全てを考慮した上での勘案でなくてはいけません。

標準地の単位面積(1平方メートル)あたりの正常な価格を判定したら、土地鑑定委員会は
・標準地の所在の都、市、区、町村および字ならびに地番
・標準地」の単位面積当たりの価格および価格判定の基準日
・標準地の地積および形状
・標準地およびその周辺の土地の利用の現況
を、すみやかに、官報で公示する必要があります。
また、土地鑑定委員会は、標準地のある市町村の長が所属する都道府県に所在する標準地の公示事項を記載した書面・図面を送付します。
送付を受けた市町村長は、その事務所において一般の閲覧に供します。

 

公示価格の効力

まず、「規準」は必ず守るべきものであり「指標」は目安にすべきラインだということを頭に入れておきましょう。

公示区域内の土地について鑑定評価を行う不動産鑑定士は、正常な価格を求めるにあたって公示価格を規準とする必要があります。
土地収用法その他の法律によって土地を収用する公共事業者は、その事業のため公示区域内の土地を取得する場合に土地の取得価格を定める際にも、公示価格を規準としなければいけません。
収用する土地の補償金の額を土地収用法の規定によって算定する場合には、公示価格を規準として算定したその土地の価格を考慮して求めなければいけません。

都市およびその周辺の地域等における一般の土地取引においては、公示価格を指標として取引を行うよう努めなくてはなりません。
法律の「努めなければならない」は努力義務のことですから、必ずそうしなくてはいけないというわけではなく、出来る限りそうするようにしなさい、程度の強制力です。

効力の程度をそれぞれ整理して覚えておきましょう。

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