不当景品類及び不当表示防止法

不当景品類及び不当表示防止法

宅建試験では、例年「不当景品類及び不当表示防止法」から1問の出題がされています。
「不当表示」からの出題が多いため、そこを重点的に押さえておくとよいでしょう。

不当景品類及び不当表示防止法は通称「景表法」と呼ばれています。
販売・サービスを行う事業者が売上アップのために広告を打ち出したり、売り方を工夫したりというのは当たり前のことですが、それが行き過ぎてしまう場合には問題となります。
たとえば広告のキャッチコピーがあまりにも大げさだったり、写真が実物と違いすぎたりして実際の商品とかけ離れている場合や、おまけとして付いてくるものが過大すぎて本来売っているもの以上の存在になっている場合などがこれにあたります。
このような商法がなされると、公正な競争が阻まれ、また消費者の選択にも悪影響を及ぼすことが考えられます。
不動産業界でも他人事ではなく、オーバーな表現や事実と異なることが広告に載ったり、不当なレベルのおまけをつけたりといった売り方によって不動産を購入させられた消費者が大きな損害を被る危険性があるでしょう。

そのためにあるのが景表法で、不当景品類(度が過ぎたおまけ)の制限や禁止、不当表示(過大・嘘の広告)の禁止をしているのです。

 

不当景品類の制限・禁止

「今マンションを購入すると現金10万円プレゼント!」「この住宅を買えば40万円相当の家具もついてくる!」などというようなキャンペーンを打って不動産を売ろうとする業者は少なくありません。
高い買い物ですから、買い手からすればこうした特典がつくのは嬉しいことでしょうし、同じような物件を比べる時にはそれも1つの判断材料になるでしょう。
こういった、プレゼントや特典のことは「景品類」と呼ばれます。
景品類の提供は必ずしも悪いことではなく、全面的に禁止されているというわけではありませんが、景表法に基づき一定の制限がされています。
もしも景表法による制限がなく、自由に景品類をつけてよいなどということになったら、肝心の不動産の良しあしではなく景品類によって判断してしまうかもしれません。
同じ値段のマンションで、片方は少し耐震性に問題があるけれども現金300万円がついてくるし……というような考え方をされては本末転倒ですから、ある程度の線引きをしているのです。

景品類を提供する場合には、景表法の制限の範囲内で行う必要があります。
それを決めるのは内閣総理大臣で、内閣総理大臣は必要に応じ、景品類の価値の最高額もしくは総額、種類もしくは提供の方法、その他景品類の提供に関する事項の制限と、景品類の提供の禁止をすることが可能です。
また、宅建業者は懸賞(くじや抽選など)による以外で景品類を提供する際、景品類の金額の範囲は取引の価格の10分の1または100万円のどちらか低い方にする必要があります。
もしもその範囲を超えた場合には、景品類の提供が禁止されます。

 

不当表示

景表法における「表示」とは、「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であって、内閣総理大臣が指定するもの」ですが、不当表示はこのうち、不適切であるとされるものです。

不当表示とされるものにはまず「おとり広告」と呼ばれるものがあります。
おとり広告とは、
・不動産が存在しないにも関わらず、取引が出来るかのように表示する広告
・不動産は存在しているが実際に取引の対象にはなり得ないにも関わらず、取引が可能かのように表示する広告
・不動産は存在し取引も可能だが、実際に取引する意思はないにも関わらず、取引するかのように表示する広告
などというものを指します。
宅建業者は、こういったおとり広告をして顧客を不当に誘引してはいけません。

また、事業者による「二重価格表示」も原則として禁止されています。
これは『定価2,000円のところを今なら1,500円!』などというように、実際に販売する価格である「実売価格」にこれよりも高い価格である「比較対象価格」を併記するという表記方法で、実売価格が安く感じられるという効果が期待出来ます。
不動産における二重価格表示は以前には原則として禁止されていたのですが、平成24年5月31日に解禁となりました。
もっとも無制限にやってよいわけではなく、誤認をあたえるおそれのあるものは禁止などというように、細かい制限はかけられています。

その他、不当表示の判断基準として、事業者が明瞭に広告その他の表示をすべき内容が細かく規定されています。
定められているのは、
・市街化調整区域にある土地には、市街化調整区域であること、宅地の造成および建物の建築は不可能である旨を16ポイント以上の文字で明示すること(見えないほどの小さい文字は認められないが、新聞・雑誌広告による文字の大きさはこの規制の範囲外となる)。
・道路に2メートル以上接していない土地には、「再建築不可」または「建築不可」と明示すること
・建築基準法における2項道路(4メートル未満の道路)において道路とみなされる部分(セットバックが必要な部分)を含む土地についてはその旨を表示し、セットバックの必要な部分が敷地のだいたい10%を占めている場合には併せてその面積も明示しなければならない
・土地取引において、その土地上に古家や廃屋等があればその旨の明示
・土地の全部または一部が高圧電線路下にある際には、その旨およびそのだいたいの面積を表示し、また、このときに他店のその他の工作物の建築が禁止されているという旨を明示
・建築工事に着手後、相当の期間は工事を中断していた新築住宅または新築分譲マンションにういては、建築工事に着手した時期および中断していた機関を明示
・傾斜地を含む土地で、傾斜地の割合がその土地の面積のおおむね30%以上を占める割合(マンションおよび別荘地等を除く)は、傾斜地を含んでいる旨および傾斜地の割合または面積を明示。傾斜地の割合が30%以上を占めるかどうかに関わらず、傾斜地を含むことでその土地の有効な利用が著しく阻害される(マンションは除く)は、その旨および傾斜地の割合または面積を明示
という内容です。

ここにおける「新築」の意味は、建築後1年未満であり、居住の用に供したことのないもののことです。
また、徒歩による所有時間は「道路距離80メートル進めば1分」というように算出し、1分未満の端数が生じた場合にはそこも1分と見積もって計算します。
信号の待ち時間や歩道橋の昇降にかかる時間などは考慮しなくても構いません。

取引態様は「売主」「貸主」「代理」または「媒介(仲介)」といった別を、これらの用語によって表示する必要があります。
新設予定の駅または停留所は、その路線の運行主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明らかにして表示することが可能です。
もしも新設予定時期に変更のおそれがある場合には、その旨も一緒に表示します。
面積はメートル法によって表示し、1平方メートル未満の数値は切り捨てて表示することも出来ます。
また、住宅の居室等の広さは「六畳」など畳数で表示することも可能ですが、このとき、畳1枚あたりの広さは1.62平方メートル以上の広さがあるという意味で持ちいらなくてはいけません。
表示における宅地または建物の写真は、実際に取引する物件の写真でなくてはなりませんが、もしも取引する建物が表示する段階で未完成の場合には、
・取引しようとうる建物と規模・形質および外観が同一の他の建物の写真(門塀・植栽・庭などが異なる場合はその旨を明示)
・建物の内部写真で、写真に写る部分の規模や形質等が同じもの
に限って表示することが出来ます。
入浴時に加温を要する温泉について、加温を要する旨を表示しないこと等によって、当該温泉が入浴に適する温度以上の温泉であると誤認されるおそれのある表示をしてはいけません。
賃貸マンションおよび賃貸アパートの広告においては、賃貸借契約締結にあたり、家賃保証会社等と契約することが条件であればその旨および契約費用の金額を表示する必要があります。

 

措置命令

景品類の制限・禁止または不当表示の禁止に違反する行為がある場合、内閣総理大臣はその事業者に対して当該行為の差止め、または再発防止に必要な事項等を命じることが出来ます。
この命令は「措置命令」と呼ばれ、違反行為がすでになくなっている場合でもすることが可能です。

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