宅建の試験科目より 〜住宅金融支援機構法

宅建の試験科目より 〜住宅金融支援機構法


宅建試験に出題される「住宅金融支援機構法」は、民間金融機関における貸付が困難な場合に住宅ローンの直接融資をしたり、また民間金融機関が長期固定金利のローンを組めるように資金の融資を支援する団体である「住宅金融支援機構」について定めた法律です。
平成18年まではその役割を「住宅金融公庫」と呼ばれる機関が担っていたのですが、19年より業務の一部改訂などを伴い住宅金融支援機構へと変わったため、それに応じて法も定め直されました。

平成18年以前の宅建試験過去問では、住宅金融公庫法としての出題がされていまます。

1 住宅金融支援機構法における用語

住宅金融支援機構法で使われている用語は、意味が定められているものがあります。
日常生活でも登場するような言葉ですが、それぞれどんな規定がされているのかということをしっかり理解しておきましょう。

ここで言われる「住宅」は、
・人の居住の用に供する建築物
・建築物の人の居住の用に供する部分(住宅部分)
のいずれかをさしています。

1つ目は一戸建て住宅のことで、2つ目は住居と店舗に利用されているような(コンビニが1階に入っているなど)複合用途型マンションの居住部分を意味します。

「災害予防移転建築物」は、災害の防止・軽減のために住宅部分を有する建築物を移転する必要がある場合、その移転すべき当該建築物のことです。
たとえば家の前に土手などがあって、そこが今にもがけ崩れを起こしそうであるなどの場合の建築物がこれにあたります。
がけ崩れが実際に起きたらその建築物が損害を受けることになりますから、それを防ぐため、別の場所に移動する必要があるということです。
この災害予防移転建築物にあたる建築物であれば、災害予防のため移転する際、住宅金融支援機構から移転費用を借り入れることが可能になります。

「被災建築物」は、住宅または主として住宅部分からなる建築物が災害によって損傷した場合における、当該損傷した建築物または建築物の部分をさしています。
「災害復興建築物」は、災害によって消滅した住宅に代わる、再築した住宅のことをいいます。

2 住宅金融支援機構の業務

住宅金融支援機構が成立することによって、住宅金融公庫は解散しました。
住宅金融公庫がそれまで持っていた一切の権利義務は国が承継する資産を除いて、その時において機構が承継するとされています。
住宅金融公庫だった頃に貸し付けた住宅ローンの貸付金の回収は、現在は住宅金融支援機構法が引き継いで行っています。
住宅金融支援機構でない者は、住宅金融支援機構という名称を用いてはいけません(民間でも銀行や保険会社、ローン専門会社、信用金庫などによって住宅ローンの融資は行われています)。

機構の業務は、主に6つの業務に分類できます。

まず、「証券化支援事業」と呼ばれる業務です。
一般の金融機関が住宅建設資金・住宅購入資金(これらに付随する土地、または借地権の購入資金)の貸付けをした場合、その貸付債権を譲り受けるというものです。
住宅金融支援機構が直接、一般個人に対して融資をするということはありません。
貸付債権を譲り受けるとは、銀行が住宅購入資金を一般個人に貸し付けたときに発生する貸付債権を機構が買い取るということです。
個人に直接住宅ローンを貸し付けるのは主に民間の金融機関ですが、それがきちんと返済されるかという保証はなく、貸す側としてはいささか不安な面もあるでしょう。
そういったとき、債権を機構が買い取ってくれるということなら安心して貸付けをすることができます。
機構は直接お金を貸してくれるわけではありませんが、金融機関から債権を買い取ってくれるために金融機関も一般個人に対して容易に貸付ができるというわけです。
金融機関から貸付債権を買い取るために必要な資金は、機構が発行した証券を投資家が買い取ることによって成立しています。
この一連の流れは、買取型の証券化支援事業と呼ばれています。

証券化支援事業には、「買取型」と「保証型」の2つのタイプがあります。
買取型においては、銀行、保険会社、農業協同組合、信用金庫や信用組合といった金融機関が、長期・固定金利(金利は各金融機関ごとに異なる)の住宅ローンの実行をしやすくなるように、金融機関の貸付債権を機構が買い取るというものです(中古住宅購入貸付債権も含む)。
機構は、買い取った貸付債権を担保にすることで資産担保証券(MBS)を発行し、投資家に買ってもらうことで資金調達し、金融機関の貸付債権の買取にあてます。
保証型の証券化支援事業は、金融機関が住宅ローンの貸付をするために必要な資金の調達を目的とし、証券を発行した場合に関わるものです。
貸付金が焦げ付いた(完全な回収が不可能だったり困難だったりすること)ときや、証券を買った投資家に予定通りの支払がされなかったとき、機構がそれを保証するという事業です。

2つ目の業務は、住宅融資保険法による、機構・金融機関間の保険を行うことです。
借金をした一般個人がその返済をできなくなった場合、住宅ローンを融資した金融機関に機構が保険金を支払うというものです。

3つ目は、災害予防移転建築物の移転に要する資金や、災害復興建築物の建設資金・購入資金の貸付業務です。
これも原則、一般個人に対してのものではありませんが、住宅の災害予防(がけ崩れが起きる可能性が高かったりするなど)や災害に遭った場合には例外として、直接融資をすることになります。
が、住宅以外の建物(居住の用に供するもの以外)の場合には、災害に遭ったとしても直接融資をすることはありません。

4つ目は宅建試験において重要な業務です。
子どもを育成する家庭もしくは高齢者の家庭(単身世帯も)に適した良好な賃貸住宅の建設・改良に必要な資金の貸付を行うこの業務は、例外的に直接融資するものとなります。

5つ目もまた直接融資のもので、単身の世帯を含む高齢者の家庭に適した良好な住宅にするための改良資金の貸付を行います。

6つ目の業務は、住宅の建設等(建設、購入、改良もしくは移転)をしようとする一般の人または住宅の建設等に関する事業を行う事業者に対して、必要な資金の調達または良質な住宅の設計もしくは建設等に関する情報の提供、相談その他の援助を行うというものです。

1つ目、2つ目の業務は「資金融通支援業務」、3~5つ目の業務は「資金融通保管業務」、6つ目の業務は情報提供相談業務として分類されます。

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