国土利用計画法

国土利用計画法

宅建試験に出題される、法令上の制限に関する法には国土利用計画法と呼ばれるものがあります。
毎年1問出題されており、例年の様子から見て制度の仕組みや23条の届出制の出題率が極めて高いと言えるでしょう。

 

国土利用計画法の制度

この法律は、土地取引の利用目的や値段をチェックするためのもので、土地取引の許可制や届出制を採用しています。
届出制は日本全国共通で、一定面積以上の土地の契約を結んだ場合には必ず届出をしなくてはなりません。
これは契約締結後の事後届出となりますが、例外として、適切でない土地取引が行われる危険性のある場所では規制が部分的に厳しくなっています。
異常地帯であるために土地取引が全面的に原則禁止されている「規制区域」では許可制が、広い面積の届出が適正に行われるよう注意する「注視区域」と、狭い面積の取引でも適正を保つために監視する「監視区域」では、契約を締結する前に届出をする事前届出制が採用されています。

届出が必要とされる土地取引の定義は「土地の所有権、地上権および賃借権を対価によって得、移転または設定する契約(予約も)」とされています。
届出の求められる取引は、売買契約・売買予約、交換契約、譲渡担保、代物弁済(その予約も)、権利金の授受を伴う地上権・賃借権の設定です。
一方で、抵当権の設定契約や不動産質権設定契約、相続や遺贈、贈与契約、時効による取得、権利金の授受のない地上権や貸借権の設定では、届出はひつようありません。

 

23条の届出制

23条の届出区域で、一定面積以上の売買契約などの土地取引をした場合においては権利主義者(所有権、地上権および賃借権の移転または設定を受ける買主や賃借人等)は、その土地が所在する市町村長経由で都道府県知事に、契約締結日から2週間以内に届出をする必要があります。
届出に書く内容は、当事者の氏名・名称・住所(法人の場合は代表者名)、契約の締結年月日、土地の所在地と面積、契約にかかる土地に関する権利の種類や内容(契約の中身)、土地の利用目的、土地の権利移転または権利設定の対価の額など、です。
もし2週間以内に届出をしなかったとすると、6ヶ月以内の懲役または100万円以下の罰金に処せられますが、届出をしなくても土地売買等の威力は有効とされています(罰則の適用はあり)。
届出が必要となる「一定の面積」は、都市計画区域内の市街化区域は2,000平方メートル以上、市街化調整および非線引き都市計画区域は5,000平方メートル以上、都市計画区域以外は10,000平方メートル以上とされます。
また、不動産業者が複数人から土地を買うなどした際、個々の取引がこの範囲内の面積だったとしても、合計するとこれを超える場合には届出が必要です。
が、反対に、元々広かった土地が分割されて届出不要の範囲内に分けられたという場合には、新しく土地を手に入れる人たちの届出はいりません。
他に、民事調停法に基づいてされる取引や、取引をする当時者の一方または両方が国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構等の場合、規制杭区内の(許可制が実施されているため)取引では届出不要とされています。

届出がされたあと、そこに書かれた土地の利用目的が不適切である場合は、都道府県知事は土地利用審査委員会の意見を聴き、届出に係る土地の利用目的における必要な変更を勧告することが可能です。
が、これは届出があった日から3週間(実施調査が必要など合理的な理由があるときは最長6週間まで延長可能)以内にやる必要があります。
もしも勧告を受けた者がそれに従わないという場合には、勧告に従わなかった旨と勧告の内容を公表することが可能です(しなくてもよい)。
が、あくまで公表が出来るというだけで強制力はなく、勧告に従わなかったからといって契約が無効になったり罰則が課さたりということはありません。
勧告よりも弱い「助言」も、届出をした者に対し、土地の利用目的に関してすることが出来ます。
勧告に基づいてその土地の利用目的が変更された場合に都道府県知事は、必要だと認めれば、その土地に関する権利の処分についてあっせん等の措置を講ずるよう努めることが必要です。

 

注視区域

都道府県知事(指定都市においては市長)が、社会的事情の変動により地価が一定の期間内に相当な程度を超えて上昇、または上昇のおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当し、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域に指定した土地を「注視区域」といいます。
注視区域内で一定面積以上の土地の取引をする際、両当事者は契約締結前に土地が所在する市町村長を経由し、都道府県知事(指定都市なら市長)に、
・当事者の氏名、名称、住所(法人の場合は代表者氏名)
・土地の所在地、面積
・移転または設定についての土地に関する権利の種類と内容(契約がどんなものか)
・土地の利用目的
・土地の権利移転または権利設定の対価額等
を届け出る必要があります。
届出を要する面積は23条と同じく、都市計画区域内の市街化区域は2,000平方メートル以上、市街化調整および非線引き都市計画区域は5,000平方メートル以上、都市計画区域以外は10,000平方メートル以上です。
届出が不要とされるケースも民事調停法に基づいてされる取引や、取引をする当時者の一方または両方が国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構等の場合、規制杭区内の(許可制が実施されているため)取引というように23条と同様ですが、届出を必要とする面積を分割して売買するという場合、そのそれぞれが届出が必要な面積未満だったとしても、取得者全員の届出が求められるという違いがあります。
届出をした者は、その日から6週間の間は契約を結ぶことは出来ません(都道府県知事(指定都市では市長)から勧告しない旨の通知を受けていれば例外)。
届出をしないで契約締結をした、また虚偽の届出をした場合は6ヶ月以内の懲役または100万円以下の罰金に、届出をした6週間以内に契約締結をした場合には50万円以下の罰金に処せられます。
が、届出をしなかったとしても土地売買等の契約の効力には影響しません。
届出があり、土地の利用目的や予定対価額が不適切であるという場合には、都道府県知事(指定都市では市長)は土地利用審査会の意見を聴くことで契約中止や予定対価額の変更等、必要な措置をとるべきことを勧告出来ます。
勧告に従わない場合には23条の届出同様、その旨と勧告の内容を公表することが認められています。

 

監視区域

都道府県知事(指定都市では市長)が、地価の急激な上昇またはそのおそれがあり、それによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難だと認められると指定した区域を「監視区域」といいます。

監視区域内では、都道府県(指定都市では市)の規則によって注視区域における届出必要面積よりも少ない届出面積を定めることが可能です。
監視区域内で届出必要面積以上の土地の取引をするとき、両当事者は契約締結する前に、土地が所在する市町村長を経由し都道府県知事(指定都市では市長)に届出をする必要があります。
勧告に従わなかった場合の公表は、注視区域と同じくその旨と勧告の内容です。

 

規制区域

異常な土地取引が行われている区域を「規制区域」といい、これは都道府県知事によって指定されます。
規制区域に指定されたところで土地取引を行う場合、両当事者は取引する面積を問わず都道府県知事の許可を受けなくてはなりません。
許可なしにした契約は無効である上、3年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます。

規制区域内の土地の所有権・地上権・貸借権を有する者が土地取引の許可申請をし、しかし不許可処分を受けた場合には、都道府県知事に対してその土地における権利の買取請求をすることが可能です。
買取請求があった場合、都道府県知事はそれを買い取らなくてはなりません。

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