宅建試験に合格するためには、過去問の勉強は欠かせません。その理由には、宅建試験が他の国家試験と比較して、過去問の類題が非常に多いという点が挙げられます。
しかし、ポイントを掴まずただやみくもに学習していたのでは非効率です。
そのため本記事では、過去問に取り組む重要性やメリット、学習のポイントについてご紹介します。過去問を使った試験勉強の参考にしてみてください。
目次
1 宅建の過去問に取り組む重要性
宅建合格のために過去問が最重要といえる理由は、主に以下の2つです。
◆宅建の試験は8割程度過去問から出題される
◆試験範囲を全て勉強することはできない
上記の2つの理由について詳しく解説していきます。これを読んだらすぐに過去問を解きたくなるはずです。
(1) 宅建の試験は8割程度過去問から出題される
宅建試験は、過去問の類題が非常に出題されやすい試験です。その割合は8割程度と言われています。宅建試験の合格基準点が6割から7割程度(過去10年31点〜38点)であることを考慮すると、過去問だけで合格できると言っても過言ではありません。
もちろん、現実的には理解が難しいなどの問題点があるため、過去問だけで対策するのは難しいです。しかし、全体を通してみても過去問が非常に重要であることは間違いありません。
(2) 試験範囲を全て勉強することはできない
宅建試験の出題範囲は非常に広く、試験範囲全てを勉強することは困難です。
さらにすべて暗記することは不可能に近いでしょう。
したがって、試験に出るポイントに絞って効率よく勉強する対策は必要不可欠です。そして、出題されるポイントを絞るには、前述したように「8割程度出題される」と言われる過去問はうってつけといえます。
2 過去問を使った宅建試験学習のメリット
過去問を使って学習するメリットとして、以下の3点が挙げられます。
・試験問題の全体像・傾向をつかめる
・テキストの理解が深まる
・試験の時間配分が身につく
それぞれ詳しく解説します。
(1) 試験問題の全体像・傾向をつかめる
過去問を繰り返し解くことで、宅建試験の全体像や傾向をつかむことができます。
宅建試験は、もともと宅地建物取引業を行うために必要な知識についての試験です。基本的に宅地建物取引業に関係がない問題は出題されません。
出題の意図などはおおむね似通ったものであり、過去問を解くことで全体像や傾向を掴めるようになります。
(2) テキストの理解が深まる
過去問を解くことにより、テキストでインプットした知識がアウトプットされます。答え合わせをする際、知識の再確認にもつながります。
過去問を解いた後にテキストを見直してみると、過去問を解く前よりさらに理解が深まっていることに気付くことでしょう。過去問を解くことで深い理解に役立つとともに、自らの自信にもつながるはずです。
(3) 試験の時間配分が身に付く
過去問を解くことで、実際の試験における時間配分を感覚的につかむことができます。
得意・不得意な分野は人によって異なるため、自分に適した時間配分をつかんでおくことが合格の近道といえるでしょう。過去問は一問一問解くのもいいですが、自分に合った時間配分を身につけるためにも、2時間でひと通り解いてみることがおすすめです。
3 過去問を使った宅建試験勉強のポイント
過去問を使った勉強をしていても、やみくもに解いているのでは効果も半減してしまいます。効率的に勉強するには、以下の4点に注意してください。
・過去5年〜10年分の過去問を解く
・最低3周は解く
・間違えた問題は何回でもやり直す
・全ての勉強がひと通り終わった後に取り組むのがおすすめ
それぞれ詳しく解説していきます。過去問で勉強する際の参考にしてください。
(1) 過去5年~10年分の過去問を解く
過去問を解いたとしても、過去2年〜3年程度では大きな効果は期待できないかもしれません。なぜなら、いくら宅建は過去問の類題が出やすいからといって、毎年同じ問題が出るわけではないからです。
なかには5年〜10年前くらいの過去問から出題されることも珍しくありません。したがって、効率よく過去問を使って学習するには、過去5年〜10年の過去問を解く必要があります。できれば過去10年分は解いておくこととよいでしょう。
(2) 最低3周は解く
過去問を解く際、最低でも3周は解くことをおすすめします。しかし、ただ3周解いても効果は少ないかもしれません。実際に3周解く際は、以下の表を参考に解いてみてください。
1周目 | いくら間違っても問題ありません。解説をしっかりと読み、理解することを目的にしてください。解説を読んでも分からない場合は、テキストを読んでください。 |
2周目 | 半分程度正解すれば十分です。間違った場所はチェックしておいてください。 |
3周目 | 重要な箇所は間違えないように気をつけてください。3回連続で間違った箇所があれば苦手箇所だと認識し、徹底的に勉強することをおすすめします。 |
上記のような流れで3周解けば、合格ラインに近い実力がついているでしょう。あとは時間の許す限り、何周でも解いて合格を確実なものにしてください。
(3) 間違えた問題は何回でもやり直す
過去問を解く際、間違えた箇所を放ったらかしにしておくことは避けましょう。
繰り返し間違えるということは、自身の苦手箇所である可能性が高いです。間違えた箇所は解説をよく読み、さらにテキストの該当箇所を読んでみましょう。
理解するまで何度でも繰り返し解き、確実に正解できるようにしておくことです。
(4) 年代別の過去問は全ての勉強がひと通り終わった後に取り組むのがおすすめ
宅建試験の勉強を始めたばかりの段階で年代別の過去問を解いても、自信を喪失するだけです。下手をすると、挫折の原因にもなりかねません。
自信を喪失することなく効果的な学習をするには過去問を使い分けるのがおすすめです。
・体系別過去問
・年代別過去問
まず、『体系別の過去問』は“知識の定着”の為にもインプット作業と並行して行うのがおすすめです。
しかしながら、『年代別の過去問』は、全ての勉強がひと通り終わった後に取り組むのがおすすめです。
なぜなら、自信喪失や挫折する事なく、年代別の過去問で実戦演習を行い“弱点”をあぶり出す事ができるからです。
自身の弱点を補強し、宅建試験合格を掴み取りましょう。
4 宅建の過去問は法改正に対応していないので注意
過去問で勉強する際に一番注意すべきことが、法改正に対応していない点です。過去問は最新の法改正に対応していないものの、宅建試験には毎年、法改正の問題が出題されています。2020年には民法の改正がありました。2020年からは改正民法の問題も出題されているのでさらに注意が必要です。
法改正に対応するおすすめの手段は以下の2点です。
◆法改正に対応したテキスト・問題集を購入して学習する
◆通信講座・予備校などで学習する
上記のどちらかを選択することで、法改正にも確実に対処することができるでしょう。
5 まとめ
宅建試験に合格するためには、過去問での学習が欠かせません。
なぜなら宅建試験は過去問の類題が多く出題される傾向にあるためです。しかし、無計画に過去問を解くのではなく、効率よく勉強することが大切です。
過去問の重要性や過去問学習ポイントを把握し、是非今後の宅建試験学習に向けて参考にしてみてください。