司法試験や司法予備試験は複数回受験することができます。平成27年度より、司法試験は5年で5回、司法予備試験は無制限で受験することができます。
しかし、だからといって、何も1回目で合格しなくても3回目で受かればいいや、などと考えてはいませんか?
本当にその考えは正しいのでしょうか?
1. 受験回数を重ねるたびに下がる合格率
答えは、否です。
なぜなら、司法試験や司法予備試験は、受験回数が増えれば増えるほど、合格する可能性は低くなっていくからです。
実際、受験回数を重ねれば重ねるほど合格率の減少が見入受けられます。
平成20年に法科大学院を卒業した司法試験受験生のデータを見てみましょう。
1年目が35.04%、2年目が24.90%、3年目が18.51%、4年目が7.91%、5年目が7.16%と移り変わっています(卒業後5年間で3回しか受けられないため受け控えがあります)。
この点は平成17年度の修了生から24年度の修了生まで同じで、最も合格率が高かった年である平成17年度修了生の1年目合格率は48.25%と確かに高いパーセンテージを誇っているのですが、4年目は10%まで落ち込み、5年目の合格率は1桁にまでなってしまいました。
それでは、司法試験や司法予備試験の合格率は、地頭の良さと関係あるのでしょうか?
2. 合格率と法科大学院の偏差値は関係ない
試験の合格率は、元々の頭の良さとは何ら関係はありません。
実際、東大や京大、慶大を出ている人でも受験回数が多いと受かりにくいですし、法科大学院での成績がどうだったのかということも合格率に関わらなくなってきています。
それでは、なぜ受験回数が増えるほど合格する可能性が低くなっていくのでしょうか? 普通に考えれば、受験経験が多いほど、試験に慣れてきますし、他人よりも勉強時間が長い分、法律知識は多くなるはずです。
3. 受験回数と合格率が反比例である理由
受験回数と合格率が反比例である理由は、勉強の質が落ちるからです。
司法試験に必要な物は、勉強量などではなく、勉強の質なのです。
例えば、合格点にあと3点届かず不合格になってしまった受験生がいるとします。その受験生には、自分の実力を過信して、あまり勉強しなくても受かるだろうという思い込みが発生します。すると、あまり真剣に勉強せず受験本番を迎えてしまうのです。その結果、また今年も落ちてしまった、ということになります。
必ず司法試験に一発合格することを目標としてください。3年、5年先を見据えて勉強することはやめてください。
では、司法試験に一発合格するためには、どのような勉強をすれば良いのでしょうか?