司法試験の合格率と予備試験

司法試験の合格率と予備試験

1 司法試験の合格率

司法試験は、法曹になるためには避けては通れない道になります。
弁護士・裁判官・検察官になった際に必要な、法律をはじめとする学識・応用能力を有しているかどうかを判定するための国家試験です。
最難関試験の一つとも言われ、かなり難易度の高い試験となっています。
ではいったい、合格率はどれくらいなのでしょうか?
なお、以下のデータは法務省ホームページを参考にしています。

(1)合格率の推移

2012年から2019年の司法試験の合格率は以下の通りです。

合格率
2012年 25.1%
2013年 26.8%
2014年 22.6%
2015年 23.1%
2016年 22.9%
2017年 25.9%
2018年 29.1%
2019年 33.6%

ここ数年の合格率は、合格率は上昇傾向となっています。
新司法試験が始まった2006年は合格率48.3%と非常に高い合格率でしたが、その後は合格率が低下し、2010年頃から20%前半の合格率を保っていました。しかし、また2016年から合格率は上昇傾向にあります。

とはいえ、合格者は増えていないので、変わらず司法試験合格は非常にハードルが高いと言えます。

(2)司法試験合格者数と受験者数

 

このグラフから分かるように、2015年以降、受験者数は右肩下がりになっています。一方で合格者数を見ると、2018年を除き、ここ4年ほどは1500人台で推移しています。

司法試験の受験者数が年々減っている一方で、合格者の数はそれほど変動していないために合格率は上昇しているのですね。

 

2 司法試験合格者内訳

では次に、司法試験合格者の内訳を見ていきます。

(1)男女別

令和元年(2019年)の司法試験合格者の男女別の割合は以下のグラフの通りです。
合格者の75%が男性、という結果になりました。
毎年、合格者の75%前後が男性なので、2019年も例年通り、という結果になりました。

 

(2)年代別

令和元年度の合格者の平均年齢は28.9歳、最高年齢は65歳、最低年齢は20歳でした。
ちなみに、歴代最低年齢は19歳、最高年齢は71歳です。年齢に関係なく合格を目指せる資格ということですね。

令和元年(2019年)の予備試験経由の司法試験合格者年齢内訳は以下のとおりです。

合格者の60%以上が20代となっています。
司法試験は法律の条文や判例など、膨大な量の暗記が必要となります。
そのため、大学受験などで暗記学習にまだ慣れている大学生や大学院生などに有利と言うことができますね。

しかし、60代、70代でも合格している人がいることからも、習慣的に勉強していれば誰にでもチャンスはある、と言うこともできます。

3 法科大学院別の司法試験合格率

次に、各法科大学院と予備試験合格者の司法試験合格率を見比べてみます。
以下は2019年のそれぞれの合格率となります。

 

2019年

出身 合格率
予備試験合格者 81.8%
京都大学法科大学院 62.7%
一橋大学法科大学院 59.8%
東京大学法科大学院 56.3%
慶應大学法科大学院 50.7%

予備試験合格者の合格率が圧倒的ですね。
また、上位に入っている法科大学院はご覧の通りとなっていますが、司法試験合格率が10%以下の法科大学院も少なくなく、合格者数が0の法科大学院もあります。
こういった結果を受けて、最盛期には74校あった法科大学院も、相次ぐ募集停止により今では35校にまで減少しました。

 

▼こちらの記事も合わせてご覧ください。
法科大学院募集停止の背景には予備試験があった!?

 

ちなみに、2012年から8年連続で、予備試験合格者の司法試験合格率がもっとも良く、さらに人数も上昇している、という結果になっています。

先ほど、司法試験全体の合格者数は以前に比べると減少したと言いました。
にも関わらず、予備試験経由での司法試験合格者の数は上昇し続けているのです。

 

4 予備試験合格者の合格率が高い理由

予備試験合格者の司法試験合格率が高いことはお話しましたが、ここではその理由について述べていきます。

(1)予備試験合格の高い壁

予備試験は非常に難しい試験です。
最終合格率は、司法試験よりも低く、毎年4%程度であり、予備試験に合格するためにはかなりの知識と思考力が必要になります。
そのため、予備試験合格の時点で司法試験合格に必要な力がすでに身についている、ということができます。

 

司法試験の受験者が減少しているのに対して、予備試験の受験者数は増加していることが見えますね。

(2)試験・採点形式の類似性

予備試験と司法試験は、試験制度やその仕組みが非常に似ています。

短答式試験と論文式試験は予備試験・司法試験のどちらもで課されています。
また、論文式試験の採点が相対評価である点も司法試験と同じであることから、予備試験合格者にとっては、司法試験対策をする上であまり戸惑いはないでしょう。

さらに、問題を作成する試験委員は、基本的に司法試験も予備試験も共通しており、基本的には、司法試験も予備試験も同一の評価基準となります。
そのため、予備試験合格者は、一度は司法試験委員会の求める合格水準を体感しているということになります。
このことは、司法試験合格のための学習にとって大変有効なことに間違いありません。

このように、予備試験合格者にとって司法試験は予備試験の延長線上にある存在だということができます。
これらの理由から、予備試験合格者の司法試験合格率が高くなっている、と言えるのです。

5 予備試験合格のメリット

まず、予備試験合格者の司法試験合格率が高い、ということは予備試験を受ける大きなメリットの一つとなります。
しかし、予備試験合格のメリットはそれだけではありません。

 

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法曹志望者なら司法予備試験は絶対に受けるべき!

(1)負担が少ない

予備試験はもともと、法科大学院に経済的・時間的な負担から進学できない人のために作られた、法律家を目指す二つ目のルートだということができます。

法科大学院は修了までに最低既修者で2年、未修者で3年かかります。
また、学校によって差はありますが、1年間の学費は80万円以上とかなり高額です。
これは大きな負担となってしまいます。

予備試験受験であれば、自分の経済力や時間の使い方に合わせて自分に合った学習方法を選ぶことができます。
これも予備試験ルートの大きなメリットと言えます。

(2)就職に有利

さらに、予備試験合格は、一つのバリューになります。
「予備試験合格者」というブランドで、就職活動を有利に進めていくことができるのです。

まず、就活のスタート地点が違います。
予備試験合格者の就活は、予備試験合格後から始まります。
これは、一般的な就活が、司法試験受験後や司法試験合格発表後に開始されることと大きく異なります。

また、予備試験合格者の就活には、予備試験合格者のみを対象としてなされる特別な機会があります。
これには、予備試験合格者向けの事務所説明会や業務体験、食事会などがあり、一般的な就活生よりもアピールのチャンスが圧倒的に多いです。

また、予備試験合格者向けの就活をしている事務所のなかには、予備試験合格者の採用枠を確保している事務所もあるといわれています。
実際に、予備試験合格者の中には、司法試験受験前に、法律事務所の内定のオファーが出るケースもあります。

このように、予備試験合格者の就活は、売り手市場の傾向が強いようです。

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