気象予報士試験の概要と合格のための勉強法は?天気のプロになろう!

気象予報士試験の概要と合格のための勉強法は?天気のプロになろう!

はじめに

気象予報士というとどんなイメージをもちますか?

なんとなくニュースで天気予報している人、というイメージが強いですよね。

天気予報ひとつとっても、不確定な未来を予想するわけですから、非常にセンシティブに調査をしなければならないなど、気象予報士の業務は専門性がとても強いのが特徴です。

実は、この気象予報士という資格、非常に難しいのです。

今回はそんな気象予報士の資格について深くクローズアップしていきます。

少しでも興味のある方、これから気象予報士になりたいな、という方は目を通しておいてくださいね。

1、そもそも気象予報士とは?

 

気象予報士とは、その名の通り「天気を予想する」仕事のことをいいます。

気象予報士になると、

  • 天気予報番組への出演
  • 気象解説
  • 天気予報の観点から、船の最適航路を予測
  • 建設作業の時期のアドバイス
  • 気温などからイベントでの食料・飲料水などの需要の予測
  • 環境アセスメントなどでの調査業務

など多岐にわたる場面でその専門性を発揮することができます。

1993年に改正、1994年に施行された気象業務法改正によって

気象庁の予報官しかできなかった気象予報業務を、気象庁長官の認可を得ている会社に所属する気象予報士もできるようになりました。

これは、不適切な気象情報が社会に混乱を引き起こすことを防ぐためです。

 

これにより、予報業務をビジネスとしておこなう会社が増え、様々な場面で活躍できるようになったのです。

 

このように多くの場面で活躍が期待できる気象予報士は、日々、気象庁から送られてくる多くの気象観測データ、気象衛星、レーダー、地域ごとにある気象観測システムの観測データなどを駆使して、目的に応じて加工したり、小難しい計算をこなして天気を予報しています。

「天気が好きだ!」という方にはぴったりの職業であることが分かりますね!

 

現在、気象予報士の登録者数は増加傾向にあり、平成30年の現時点で1万人以上の登録者がいるようです。

 

気象予報士の男女比は男性88%、女性12%。

年齢構成は40代・50代が約半数を占めています。

また、60代以上が占める割合も増えています。

 

そして、気象予報士登録時の年齢は30代がもっとも多いというデータがありますから、

人生において様々なタイミングで受験している人がいるんだ、という認識は持っておいて下さいね。

 

また、気象予報士になるためには試験に合格するだけでなく、気象庁長官の登録を受ける必要があることも念頭に置いておきましょう。

 

とはいえ気象予報士になるためには「気象予報士試験」に合格しなくてはなりません。

気象予報士試験は非常に難易度が高く、合格率はなんと4%ほどです。

この気象予報士試験について次項で詳しく見ていきましょう。

 

2、気象予報士試験の概要

さて、気象予報士の試験の内容は一体どのようなものなのでしょうか。

 

まず念頭に置くべき点は、受験資格に制限がない」ことです。

年齢、国籍などでの制限がないので、老若男女だれでも、いつのタイミングでも挑戦することができるのです。

公務員試験などとは違い、これは大きなメリットですよね。

 

以下は気象予報士試験を受ける際の基本情報です。

  1. 日程
  2. 試験地
  3. 科目
  4. 合格率
  5. 試験時間
  6. 試験手数料

①日程

気象予報士試験は毎年1月と8月、年2回行われます

平成30年度第2回(通算第51回)試験は、次のような日程で実施予定です。

 

 

②試験地

試験は以下の6つの都道府県で行われています。

  • 北海道
  • 宮城県
  • 東京都
  • 大阪府
  • 福岡県
  • 沖縄県

 

それぞれの都道府県に会場が1つか2つあり、主に大学や専門学校などで行われることが多いようです。

毎年一般財団法人の気象業務支援センターが発表しているので、実際に受験する際は確認してみてください。

 

③試験内容・科目

気象予報士試験では学科試験実技試験があります。

 

学科試験では選択問題が出題されます。

実技試験は、与えられた情報をもとにして気象予測を行う記述試験です。

 

〇学科試験の科目

学科試験には「予報業務に関する一般知識」と「予報業務に関する専門知識」の2つに分かれています。これらは

・5者択一

・それぞれ15問ずつ

出題されます。

 

1 予報業務に関する一般知識の出題項目

  • 大気の構造
  • 大気の熱力学
  • 降水過程
  • 大気における放射
  • 大気の力学
  • 気象現象
  • 気候の変動
  • 気象業務法その他の気象業務に関する法規

2 予報業務に関する専門知識の出題項目

 

  • 観測の成果の利用
  • 数値予報
  • 短期予報・中期予報
  • 長期予報
  • 局地予報
  • 短時間予報
  • 気象災害
  • 予想の精度の評価
  • 気象の予想の応用

〇実技試験の科目

実技試験は予報業務に必要とされる実技能力を見るものです。

記述式で出題され、実技1、実技2というフェーズで出題されます。

 

その科目は以下の3つです。

 ・概況およびその変動の把握

 ・局地的な気象の予報

 ・台風など緊急時における対応

 

上記、学科試験、実技試験のどちらも合格した者のみが気象予報士の資格を獲得することができるのです。

ただし、学科試験を突破した方は向こう1年は学科試験を免除されますので、この点はご留意ください。

 

④合格率

最新の気象予報士試験(平成 30年度第 1回)合格率は5.4%でした(受験者2915名に対して合格者158名)。

気象予報士試験の合格率は毎回4%程度です。

100人受けても5人程度しか受からないのですから、この数字はかなり低いといえるでしょう。

 

合格率が低い理由は以下の2つの理由が考えられます。

Ⅰ、受験者の年齢層が高いこと

Ⅱ、2,3回受験してやっと合格すればいいという考えが広がっていること

 

Ⅰ、受験者の年齢層が高いこと

1つ目は、受験者の年齢層が高いことです。

年を重ねるごとに受験者の年齢層が上がってきています。年齢層が低いほうが合格率の高い傾向にあります。

というのも年齢層の低い受験生は、勉強をする環境が整っていたいり、勉強が習慣化されているケースが多いからです。

 

Ⅱ、2,3回受験してやっと合格すればいいという考えが広がっていること

受験者のあいだに2,3回受験してやっと合格すればいいという考えが広がっています。

受験者のなかには、明らかに勉強量が足りなくても経験を兼ねるためにとりあえず受験してみるという層が含まれています。

受験生のなかには10回以上受験したという方もいらっしゃるようです。

 

資格スクエアでは、短期集中して一回で合格することをおススメしています。

 

その理由は、結果的にお金も時間も無駄にしなくて済みますし、長い間モチベーションを維持し続けることも難しいと考えるからです。

 

⑤試験時間

試験時間は、試験内容や科目によってことなります。下の表を参考にしてください。

 

⑥試験手数料

試験手数料は免除科目の有無に応じて異なります。

2つある学科試験のうち、そのどちらか、もしくは両方を一度でも合格すると、次に受験するときは、その試験免除をうけることができます。

 

 

3.攻略!気象予報士試験の勉強方法とは?

では、気象予報士の試験を攻略するための必要なノウハウをお伝えします。

まず、気象予報士試験の特徴としては、

・過去に出題されていない問題を出す傾向にある

・手に入れることが難しい資料などを使った出題がされることがある

といった特徴があり、網羅的な学習をしなければなりません。

 

少しつっこんだ話をすると、

  • エマグラム
  • ウインドプロファイラ
  • レーダーエコー図
  • 等値線

などの一見するとどこで手に入れるの?という資料は、実は解析に必要な情報です。

資料の読み方、扱い方などを身に着ける必要があり、インプットすべき内容はかなり膨大です。

 

ですからまずはこれらの膨大な知識を得るために「勉強時間を確保」してください。

いかに勉強時間を確保し効率的に勉強していくかはおおきなカギとなります。

 

自身がいつのタイミングで学習を開始するかにもよるのですが、基本的に決断をしたら「今日から勉強をする!」という強い意志ではじめましょう。

この点、最初に自身のライフスタイルを思い出してください。

・1週間のうち、どこの時間だったら勉強時間を確保できるか

・1日のうち、どこの時間だったら勉強時間を確保できるか

 

という点は把握できるのではないでしょうか。

例えば、社会人であれば、生活のサイクルはなんとなく決まっていることでしょう。

仮に1日単位で見つけるなどが困難な場合も、せめて1週間というスパンでの勉強時間を確保できるポイントは明確化しましょう。

 

また、月並みですが、通勤時間などの隙間時間を勉強にあてることを習慣化しましょう。「やりたくないな」という感情が発生しても、とりあえずテキストを開いてみる、などして最初は無理矢理にでも学習をする習慣を自身に植え付けていくことも重要ですね。

 

一般的に、気象予報士合格までの必要平均時間は約1,000時間ともいわれています。さらに独学であれば実に1500時間は必要と考えて差し支えはありません。

 

ですから、一定の勉強時間は必ず確保すべきです。

 

勉強時間が確保できたら、次点で具体的な勉強のスケジューリングをしていきます。

具体的な勉強計画を考えるときは、自分で研究して改善を繰り返すよりも、過去の合格者たちの話を聞いてマネをするのが効率的です。

 

【勉強スケジュール例】

前半4ヶ月・・・「学科」 一般知識と専門知識の参考書を2~3回読む

中間2ヶ月・・・「実技」 参考書を2回読む

後半3ヶ月・・・「学科」「実技」 問題演習、まとめのノート作り

 

このように、大体この時期までにここまでやっておくという目測をイメージしましょう。

 

さて、スケジュールは立てられましたか?

続いては、各形式の試験の対策をしていきましょう。

 

(1)学科試験~基礎知識~

(2)学科試験~専門知識~

(3)実技試験

 

(1)学科試験~基礎知識~

まずは学科試験の基礎知識を問う内容としては以下の通りです。

  • 大気の構造
  • 大気の熱力学
  • 降水過程
  • 大気における放射
  • 大気の力学
  • 気象現象
  • 気候の変動
  • 気象業務法その他の気象業務に関する法規

 

試験は、朝の9時45分~10時45分の60分間、つまり1時間です。

5択のなかから1択を選択するマークシート形式で計15問出題されますので、単純計算1問4分かけることができるでしょう。

 

ここでのポイントとして、「気象業務法その他の気象業務に関する法規」に関する内容は15問中3,4問ほど出題されます。つまり、ここの対策が完璧であれば残りは7、8問正解すれば合格水準となり、合格率が高まることは覚えておいてください。

ここでの基本的な対策方法の流れとして、

・基本書を読み込む(特に熱力学、力学の基礎はきっちり固めておく)

・過去問と演習問題でアウトプットする

というサイクルをひたすら繰り返してください。

 

この際、数式の導き方、苦手な部分、弱点などをノートにまとめ、リスト化し重点的にアウトプット量を増やしましょう。

 

またラスト3、4問で出題される一般分野の気象業務法は難しく、理解に苦しむかもしれません。

過去問から頻出する内容を把握できるので、そこを最初に対策し、最悪、暗記することも視野に入れておきましょう。

 

人は、覚えたことをボロボロと忘れてしまう悲しい生き物です。脳の海馬に記憶が残る期間というのは、約1か月間程度といわれていますから、定期的なアップロードが必要となります。

インプットよりもアウトプット型の勉強方法は知識の定着が各段に上がりますから、騙された!と思って試してくださいね。

 

勉強のポイントは「ただの暗記にしない」ことです。

当たり前ですが、過去問、問題演習の内容と同じものは出題されません。

したがって、原則、定義、概念といった部分をきちんと理解する必要があり、「応用力」を身につけなけば合格は遠いといえるでしょう。

 

また、計算問題、図表などの見方もきちんと習得しておく必要もあります。

 

気象というのは現実とリンクしています。

ですから、現在の気象状況などと照らし合わせてみると、得た知識の理解がより深まります。

 

そこでオススメは、気象庁のHP防災気象情報ページはこちらをたくさん見ることです。

  • 天気図
  • 衛星画像
  • レーダー
  • アメダス
  • ウインドプロファイラ
  • 短期予報
  • 週間予報
  • 気象警報
  • 気象注意報
  • 土砂災害情報
  • 竜巻注意情報
  • 海上警報
  • 海上濃霧警報(海水の温度や風)
  • 台風の状況(潮位、波浪情報)

などをいつも確認し、「~が起きると、~がどうなる」といった点が分かるように感覚を養うことは非常に大切です。

 

また、数字に対しての苦手意識をなくすために、SSI、相当温位の鉛直分布などの計算も時間があればやっておくことをオススメします。

 

▼オススメ参考書!!

一般気象学 

 著者:小倉義光

気象予報士かんたん合格テキスト 学科基礎知識編 

 著者:気象予報士試験受験支援会

(2)学科試験 ~専門知識~

専門知識の学科試験の対策方法としては、

・実例ごとにキーワードをまとめる

・天気図を見ただけでパッとキーワードが出てくるレベル感までひたすら問題演習を続ける

ことが重要です。

まずは、気象観測の基礎となる情報を知るべきですので、気象庁のHPにある「気象観測の手引き」を熟読しましょう。

 

知識のブラッシュアップをひたすらおこない、足りない部分はさまざまな情報を積極的に探し、自身の知識とすることが重要です。

 

日本気象学会「天気」には多くの論文や、情報が掲載されているので参照すると勉強になりますから、ぜひ読んでみてくださいね。

 

▼オススメ参考書!!

改訂新版 気象予報士かんたん合格テキスト 学科専門知識編

 著者:気象予報士試験受験支援会

 

※過去問は以下の気象業務支援センターのページなど、インターネットで無料でダウンロードできます。

ちなみに、おすすめはめざてんというサイトです。

このサイトは気象予報士の受験者を応援しようと作られたもので、過去問も10年分以上載ってるのに加え、

過去問についての分析が簡単にできるようになっているため、ぜひ勉強のお供に使ってみてください。

 

(3)実技試験

実際の試験時間は75分なのですが、普通に時間が足りないことが多いです。そのため、いかに短時間でアウトプットをするかが重要です。

そのために過去問を使う際には、設定している時間の半分から1/3程度までで書き終わることを目標とし、パターン化できるようにしましょう。

温帯低気圧、ポーラーロー、台風などがあげられますが、過去問や模試に参加することが有効です。

 

重要なのは、過去問できちんと点を取れるように練習をしておくことです。

・天気図からいかにスピーディに正確な情報を読み取るかor予測するか

・出題意図をくみ取り制限された字数にまとめあげるか

が勝負となります。

過去問を解くにしても、設問以上の情報をあらかじめ読み取ったりする訓練はしておきましょう。

例えば、強風軸、トラフ、渦度極大値の位置、移動などを色分けして天気の予測を定期的におこなうことで自然に実技試験の対策となります。

 

厄介なのは、状態曲線を使うor書かせる問題も頻出します。

この点、焦らず数字を把握し計算してくださいね!

 

実技試験では地名、海域、地方、川、地形の名称は「知ってて当たり前だよね?」というスタンスで出題してきますので、ここも覚えておくとよいでしょう。

 

▼オススメ参考書!!

改訂新版 気象予報士かんたん合格テキスト 

 著者:気象予報士試験受験支援会

 

4.気象予報士試験に受かったあとは

難関な試験を乗り越え、気象予報士の資格を手に入れたあとはその専門性を武器に社会で活躍していくことになります。

天気のプロとして活躍するステージは一体どのようなものがあるのでしょうか。

 

気象予報士の就職先は大きく分けて以下の4つがあります。

 

1)メディア企業

2)民間気象会社

3)一般企業

4)気象庁

 

就職先によってその仕事内容や年収はもちろん変わってきます。

とはいえ、基本的な仕事内容としては、気象庁から提供される数値予報結果や、気象衛星、気象レーダー、アメダスといった観測データを総合的に分析し、天気、気温、湿度、降水確率などの気象予報を行うことですから、ここは念頭に置いておきましょう。

 

では、それぞれ詳細を解説していきます。

 

(1)メディア企業

メディア企業とは、いわゆるテレビ局や、ラジオ局のことです。

気象予報士と聞くと、テレビなどで活躍している気象予報士を思い浮かべることでしょう。また、そのような姿を目指して試験を受けるという人も多いのではないでしょうか。

メディア企業で働く気象予報士はお天気キャスターをイメージすると思いますが、実はお天気キャスターは資格を持っていないことが多いです。

メディア企業で働く気象予報士はお天気キャスターの裏方として、気象情報の分析したり、その台本作りをしたりして、お天気キャスターをサポートしています。

 

ニュースのお天気コーナーは視聴者が多く、非常に責任のあるポストですよね。

(2)民間気象サービス会社

民間気象サービス会社は、気象予報を必要とする企業などに情報提供する会社です。

メディア企業との違いは、自社で情報を発信するのではなく、クライアントの依頼に応じて気象予報を行うという点です。

 

例えば、広告代理店がイベントを開催するとします。

その場合、イベント当日の天候は非常に重要になってきますよね。

飲料水や食事はどのくらい用意すべきなのか、室内なのであれば傘袋の用意の必要があるのか、など天候次第で準備状況が異なります。

 

この点、お天気のプロである民間の気象サービス会社に相談することによって、高い確率で当たる気象予報情報のもとイベントなどの計画を練ることができます。

民間気象サービス会社に所属する気象予報士は、イベント会場などのピンポイントな地域の天候を予測することが多く、非常にニーズのある仕事といえるでしょう。

(3)一般企業

商社などの一般企業に就職する気象予報士もいます。

民間気象サービス会社と一般企業に所属する気象予報士の仕事の違いは、自社の利益になるように気象予測をするということです。

 

具体例を見ていきましょう。

 

①コンビニ業界

身近な例でいうとコンビニを運営する会社にも気象予報士が在籍していることはご存知でしょうか?

 

コンビニ会社で働く気象予報士はその地域ごと、時間ごとに天気や気温などを予測しています。夏だからアイスを売ろう!とかではなく、雨などの天候を鑑みながらその地域にあるコンビニの商品(主にアイスやおでんなど)の仕入れを調整しています。

コンビニ業界の躍進の裏にはこういった緻密な企業戦略に裏付けられていて、その一翼を気象予報士が担っていると考えるとニーズの高さがうかがい知れますね。

②農業業界

農作物を扱う商社では、気象予報士が世界中の気象予測を行います。

商社はこれらの情報をもとに、どの地域が豊作なのか、質が高いかなどを予測し、仕入れの計画を立てています。

 

人間の力でどうにかなるものではない天気の影響をモロに受けます。

ですから当然、天気の情報が必要であり民間の気象情報会社とべったり癒着しているのでは?と考えがちですが、その実、そんなことはありません。

というのは、1993年の気象業務法改正当時、最初に白羽の矢が立ったのは「農業業界」です。多くの気象情報会社が農業業界へビジネス的にアプローチをしていました。しかしながら、当時の技術では、現代のような細かな気象予報をすることができなく、「普通の気象予報情報」とほとんど変わらないのにお金を取ろうとする、という状態でした。農業業界に従事している側からしたら、「別に気象庁の発表している情報でいいよ。」とお金を出すわけがないですよね。

 

こういった背景から、気象情報会社は次々と農業業界から撤退していったのです。

皆さんの周りに農業をやっている人がいたら是非きいてみてください。おそらく、普通のニュースやスマホのお天気情報で農作業の計画を立てていることでしょう。

 

とはいえ、現在、日本の気象予報技術が革新的に進化してきています。

地域、農作物の種類などを考慮した「オンリーワンの気象予報情報」を安く提供する土壌はできつつあるのです。ですから、昨今の技術革新を用いた新たな気象予報ビジネスが農業業界に参入することは明々白々でしょう。

「農業業界には気象予報ビジネスが浸透していない」=「ビジネスチャンス」と考えると、より気象予報士のニーズが高まることは容易に予測できますね。

③鉄道会社

鉄道の運行と天候は密接に繋がっています。

たとえば、大雨が降ったときには

・線路の冠水

・土砂災害

などが起こる可能性があり、電車が止まってしまう原因になります。

また、雪がたくさん降れば、列車のブレーキが利きにくくなります。

 

列車の遅延は実は巨額の経済損失が発生しています。

ぎゅうぎゅうの満員電車状態で、「少々停車致します」と止まったとき、乗客は一人残らず不快な思いをしていることでしょう。

この不快な思いをしている数分間でお金に羽が生えて飛んでいっています。

 

トータルで30分以上遅延した場合、乗客全員の経済損失額は約7500万円、振り替え輸送、人件費、車両修繕費などを計上した鉄道会社の損失は1億600万円にのぼるとされています。

 

当然、気象状況が悪ければ悪いほど遅延の可能性があり、いちいち列車を止めまくっていたら、鉄道会社はあっという間に大赤字になるでしょう。

 

こういった側面から、なるべく滞りなく運行するためには気象のプロである気象予報士の存在が欠かせません。鉄道の運行において、どれだけ気象予報士のニーズが高いかご理解いただけましたでしょうか。

 

④船舶業界

巨大な船舶に大量にものをつめこみ、日々国境を越えて、船が往復を繰り返しています。

この往復の際、船舶は天候の影響をダイレクトに受けます。

波、風などの多要素を勘案して船を進めなければなりません。ここで活躍するのが気象予報士です。

世界中の気象衛星を用いて、風、波、天候の膨大かつ詳細な情報を計算しています。

エリアごとにピンポイントで予測が可能であり、

・エンジンの稼働状況

・必要な燃料費

などを考慮した最適なルートを導き出すことができるのです。

これらの「最適航路」を導き出すサービスを「ウェザールーティングサービス(WRS)」といいます。

技術革新の著しい昨今は、この「ウェザールーティングサービス(WRS)」の精度は格段に向上しています。

気象予報士の資格を持ちながら船舶免許をもち、プレイヤーとしても活躍している方もいたりと、多様な可能性があるのが特徴です。

 

(4)気象庁

気象庁で国家公務員として働いている気象予報士もいます。

気象庁に就職するには、国家公務員の採用試験に合格する必要がありますが、気象予報士の資格は必要ありません。

しかし、気象庁の予報官になるのには、気象予報士の資格を持っていることで優遇されることもあるようです。

 

気象庁での仕事は、防災気象情報、交通安全情報、産業情報、生活情報、地球環境に関する情報など多方面で国民に役立つ情報を提供することです。

 

また、国境を超える自然災害などの対策のため、各国の気象機関や国連の世界気象機関との密接に連携を図っています。

最新の科学技術で正確な予測を行うための技術開発なども積極的におこなっており、気象業界のあらゆる基礎固めのようなポジショニングとして活躍を期待できます。

 

このように多様な可能性を秘める気象予報士。

科学技術の発展にともない、今後は気象業界は目覚ましい発展を遂げていくことでしょう。そういった側面から、未来ある職業の筆頭ともいえるのではないでしょうか。

 

また、気象予報士が予測する結果によって、国民の生活や、企業の利益に大きく影響します。予測には責任も伴いますが、同時に大きなやりがいも感じられる仕事です。

(5)年収はどのくらい???

最後に、気になる年収を表で見ていきましょう。

 

 

これを見てみると、メディア企業は人気があることもあり、年収が高いようです。

また、気象庁の気象予報士は公務員でもあるので、安定して給料がもらえるという点が魅力ですね。

とはいえ、活躍の幅を広げている気象予報士は上記の水準を圧倒的に凌駕する年収を実現することも決して不可能ではありません。

 

次世代の気象予報士として名を馳せ、天気のプロとして人々の生活を支えたいと思った方は、難関試験の気象予報士試験を突破することを目標にしましょう!

5.サマリー

いかがだったでしょうか。

気象予報士試験について、少しでもわかっていただけたら嬉しいです。

気象予報士試験は、その合格率からもうかがえるように難しい試験です。

しかし、きちんと計画を立てて勉強していけば、合格は夢ではありません。

めげずに頑張っていきましょう!

6.まとめ

  • 気象予報士とは、「天気を予想する」仕事のことを示す
  • 気象予報士試験の合格率は4%ほどだが、誰でも受験することができる
  • 試験日程は年2回、学科試験と実技試験が課される
  • 合格に必要な勉強時間は1000時間ほど
  • 合格のカギは試験時間の確保と勉強の効率
  • 主な就職先は、メディア企業,民間気象会社,一般企業,気象庁

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