西:鬼頭さん。論文式の試験って答えっていうかなんかそういう、これ書いたら受かりますよみたいなのあるんですか?
鬼頭:模範解答的なやつ。模範解答はなんと、ないんですこれが。
西:ないの?これ書いたらいいみたいなの。正解がないってどういうことですか。
鬼頭:良い質問だな。すげー良い質問ね。ちょっと答えにくいんだけど。正解的なものはあるのね。でも模範解答、これ書いたら100点ですよってものは存在するのかもしれないけど開示されてないんですよ。
西:試験を作った人が、これ書いたら100点ってそういうのは出さないの。
鬼頭:試験委員の中では模範解答的なものを作ってるんだと思うんですけど、それが一般の人には開放されてないんですね。その代りに出題主旨っていうもの、この問題は実はこういう趣旨で出題しましたみたいな。問題が30行から50行あるんですけど。それに対して5行くらいの。
西:割とあっさりめのね。
鬼頭:最初、本問は何々を問うためのものであるみたいな、なんとかなんとかが問題となるみたいな感じしか書いてないわけ。
西:うんって感じですね。ないよりはいいかなみたいな。
鬼頭:ないよりはいいかなって感じなんだけど。正解がわかんないって感じなんですよ。
西:じゃあどうするんですか。
鬼頭:結構巷の予備校とかが本を出して正解的なものを、その予備校独自の視点で書いたりしてるんですけど。結構予備校によって違うわけですよ。正解ないわけだから。その出題主旨っての5行読んでも。結構いろいろ解答ってぶれるわけですよね。なので結構その正解がないっていうのは大きな特徴の1つでして。司法試験の本番の試験だと、出題主旨ってのに加えて採点実感ってのがあるんですよ。これはなんと字のそのままなんですけど。試験委員が採点した実感を書くっていうね。
西:個人的な感じじゃないですか。
鬼頭:感想だよ、感想。
西:楽しかったですとかじゃなくて。
鬼頭:採点したけど君たちこんなにできてなかったよみたいな。
西:だからどうしたんだよ。
鬼頭:こんな馬鹿な回答書いてる奴がいたよみたいな。
西:なんかブログみたいな感じじゃないですか。
鬼頭:ブログみたいな感じなんです。なかには僕が採点したやつの中には、こんなこと書いてる奴がいたけども言語道断みたいなこと書いてるわけ。これはマジで書いてあるの。その科目によって結構なんていうかな。試験委員の感情の度合いが、なんていうんですかね、まちまちなんですけども。例えば民事訴訟法とかあって先生が厳しいんですね。民事訴訟厳しいんで、試験委員の先生が、何度も言ってるようにこんなこと書く奴がいるからマジでやめてほしいみたいなことが書いてあるのよ。
西:かなり感情入ってきますね。
鬼頭:去年も言ったでしょみたいな。
西:知らないわだよね。
鬼頭:去年も感想に書いたのに、なんで今年もお前同じことやるのみたいなね。そんな感じのツッコミが入ってるんで模範解答の代わりに読みもの的なものがあるので、エッセイ的なものがあるので。皆それを参考にして勉強するんですけど。
西:本当に参考になります、それ?
鬼頭:それが結構参考になるのよ。予備校とかはそれを参考に答案を書くんだけど、模範解答がないわけ。これが本当に難しいとこなんですね。
西:うわー大変だ。
鬼頭:でも、まあ、ある程度どうやったらポイントをつかめるかってコツはあるんだけど。今日はちょっと時間になっちゃったから。
西:じゃ次回聞きましょうか、これについては。ありがとうございました。