お問い合わせ

全100講義が無料で見放題 会員登録(無料)

会員ログイン

  1. 資格スクエア
  2. > 司法書士講座
  3. > 司法書士
  4. > 勉強法
Image078

一物一権主義~1つの物には1つだけの所有権~

司法書士試験に出題される民法では、利益衡量の原則に基づき、一物一権主義について定めています。

司法書士試験の出題科目である民法における「利益衡量」は、2つの利益をはかりにかけるという意味でした。

それでは前ページの事例の続きを見ていきましょう。
悪いのはBさん1人で、AさんとCさんは被害者の善人です。
2人のどちらに時計の所有権があるのか、それぞれの立場から考えてみることにします。

AさんはBさんに時計を貸しただけで、それは親切にしたことです。
また時計はおじいさんのくれた大切なものでもあり、Aさんが時計を失うことになった時にはひどく悲しむことになるでしょう。
Bさんを責めたところでBさんが時計を返せるわけでもなく、損害賠償を請求しようとしてもBさんに支払能力はありませんから、時計をとられて泣き寝入り、なんてことになってしまうかもしれません。

しかしCさんにも事情があります。
高級な時計で、Bさんの借金返済に使われるくらいですから、Cさんが払った金額も相当な物でしょう。
今はCさんの手元に時計はありますが、もしこれをAさんに返すとなった場合にはCさんは大損してしまいます。
時計に払ったお金が返ってくるならよいとはいえ、Bさんはもう一文無しですからそれも期待出来ません。

この状況が訴訟に持ち込まれた場合、とりあえず悪いのはBさんだとしても、時計の所有権がAさんなのかCさんなのかを争うことになります。
代金を返すことも賠償金を払うことも出来ないBさんをいつまでも責めても時間の無駄ですし、裁判なんて起こした日には費用だけがかかってしまいます。
ですから争うべきなのは、時計の所有権を巡るAさんとCさんなのです。

一物一権主義

さて、ここで裁判所を困らせるのが「一物一権主義」という考え方です。
これは近代法の大原則であり、1つの物に対する所有権は1つだけ、ということです。

時計をAさんとCさんで共有したり、いっそのこと時計を売ってその代金を2人で山分け、という方法は物理的にはとれるでしょうが、この考え方に反するため、裁判所はこういった判決をすることは出来ません。

資格スクエアの司法書士講座