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帰責事由~なぜ責任をとるのか~

司法書士試験に出題される民法では、利益衡量の原則に基づき、帰責事由について定めています。

司法書士試験の出題科目の1つ、民法の本質に「利益衡量」がありました。
裁判は2つの利益を量ってより大きい方を選ぶことになります。

さて、事例の続きです。
裁判所は一物一権主義に基づく判決をしなくてはなりませんが、そうなると時計に関してAさんかCさんのどちらかに諦めてもらうことになってしまいます。
AさんとCさんはどうにかしてお互いの問題点を指摘し、自分に有利なように裁判を進めることになるでしょう。

それではまず、Cさんが言いそうな主張です。
Cさんが出来る主張は「AさんがBさんに時計を貸したのがそもそもいけないんだ」といった感じになります。
Bさんのことは信頼してはいけない、時計を返してくれないかもしれない、ということをAさんが見抜けなかったのが悪いと言っているのです。
ですから人を見る目がなく、うっかり騙されたAさんにこそ責任があるというわけです。

帰責事由

責任をとるべきである、ということを法律用語では「帰責事由」と言います。
その人には「故意」または「過失」があったため、責任をとらなくてはいけないということです。
故意とは「わざと」すること、「うっかり」「不注意で」するという意味です。

ですからAさんの帰責事由は、Bさんという信用に値しない人物を「うっかり」、つまり過失によって信じてしまったということになります。
こういった裁判では、この帰責事由をそれぞれから聞き、それぞれにどれほど責任があるのかを量っていくのです。
そして結果的に責任が少ない方が裁判における勝者になり、この作業こそが「利益衡量」なのです。

Cさんからは他に、「買ったものが自分のものにならないなんておかしい」という主張も出来ます。
資本主義の仕組みでは、買ったものを手に入れ、売った側は代金を得るということが基本ですが、それが守られないのでは安心して売買関係を結べません。
その安心が守られるよう、Aさんも資本主義の仕組みにのっとって行動するべきだという主張をCさんがするのです。

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