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請求権競合~2つの損害賠償請求権~

司法書士試験に出題される民法の債権編では、損害賠償請求権の強制について定められています。

司法書士試験に出題される民法では、債権について定められています。

債権が生じる契約において、債務不履行があった時に損害賠償請求権が認められるかどうかは過失の有無にかかっていました。
では、過失がある場合の流れを見ていきましょう。

☆請求権競合

開業医Aさんのところで手術をうけたBさんは、Aさんのミスによって重い身体的障害を負ってしまいました。
この場合、Aさんに過失があるためBさんの損害賠償請求権は認められそうですが、請求するにあたって根拠条文を明らかにしなければいけません。

まず、交通事故のように不法行為の問題ととることが出来ます。
民法709条『不法行為による損害賠償』では「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」とされています。
またAさんとBさんの間には「Aが安全な治療をしてBが対価を支払う」といった契約があったと思われるため、Aさんの契約上の責任、債務不履行としてもよさそうです。

このように、2つの損害賠償請求権が同時に存在することを「競合」と呼び、被害者はどちらを根拠にしても良いことになっています。

一般的に、両者が契約関係にあった際には415条の債務不履行による損害賠償請求権を主張した方が有利であると考えられます。
債務不履行による損害賠償請求権は契約を前提としているため、Aさんには安全な治療をする義務が存在し、結果的にそれを破っている以上Aさんの過失は推定されている状況にあります。
そのため、訴訟に持ち込まれたときにはAさんが「過失はなかった」ことを立証する責任を負うのです。

しかし、709条は他人間に成立した債権についてのものですから、こちらで訴訟をすると立証責任は被害者のBさんにあります。
「過失があった」ということをBさんが立証しなくてはならないのです。
最終的に裁判官が過失の有無を判断出来なかった場合、民法415条での訴訟ならば過失が前提であるため被害者の勝ち、709条での訴訟なら無過失が前提なので加害者の勝ち、という判決になります。

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