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債務者の危険負担~不特定物を巡る契約~

司法書士試験に出題される民法で定められている危険負担の問題では、目的物が特定物か不特定物かによって結果が異なります。

司法書士試験に出題される民法では、債権について定められています。

危険負担の問題において、特定物に関する物権の設定・移転のケースでは債権者主義がとられ、買主は代金を払うことが求められています。
では、特定物の設定・移転ではない場合を見ていきましょう。

債務者の危険負担

Aさんは、Bさん主催のイベントに出演することおよび、それによる出演料をもらうことを約束しました。
しかしイベント当日、人身事故によって電車が止まってしまったためにイベント会場が出来ず、Aさんは出演することが出来なかったのです。
このとき、AさんはBさんから約束の出演料をもらうことは可能でしょうか。

出演に対する債権者がBさん、債務者がAさんであるこのケースは、「特定物に関する物権の設定・移転」の双務契約ではありません。
そのため、民法では債務者主義がとられることになります。
民法536条『債務者の危険負担等』1項では「前2条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰すことができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。」と定められているため、イベントの出演義務を負うAさんは出演料をもらうことが出来ないのです。

不特定物を巡る契約における債務者の責任は重いものです。
たとえば、リンゴ10キロを家まで届けるという注文を受けた八百屋が、配達途中で無過失の事故に遭ってリンゴが全て駄目になったとしても、それは「債務の履行が不能になっていない」とみなされます。
八百屋が運んでいたリンゴが駄目になったところで世界中にはまだ10キロのリンゴが存在しているため、「リンゴ10キロ」という不特定物を運ぶ債務はまだ履行可能であり、かつ守られるべき約束なのです。

もちろん八百屋に過失が無い以上、損害賠償責任は生じませんが、世界に10キロのリンゴがある限りはこの契約は履行可能なものとされます。
どこかの時点で10キロのリンゴが「買い手がたべる」という特定物に変わるまで、負担すべき危険は八百屋、つまり債務者にある状態なのです。

 

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