行政書士試験には、年齢や国籍といった受験資格の制限が一切ありません。
すべての人に門戸が開かれ、最年少は9歳、最年長は94歳の方がチャレンジしています(令和7年度時点)。
合格率が例年10~15%ということもあり、難易度が高い印象から挑戦をためらう人もいるかもしれません。
しかし、行政書士試験では司法試験のように法律を深く掘り下げる問題は出題されにくいため、ポイントさえ押さえれば初学者であっても合格は可能です。
合格を目指すために、まずは行政書士試験の制度や試験について正しく理解し、戦略的な試験対策を組み立てましょう。


行政書士は「行政手続きの専門家」です。依頼を受けて主に官公署に提出する書類や契約書類の作成、手続きの代行、相談業務を行います。弁護士とは違い裁判に直接関わることはありませんが、国民と行政をつなぐ身近なサポート役として幅広い業務を担っています。
そのための知識を備えているかどうかを判定するのが行政書士試験です。
約10人に1人しか合格できない国家資格ということで社会的な信用も厚く、就職・転職でもプラスに働くことが見込めます。
行政書士試験に合格した後は行政書士会に登録すれば独立開業できるため、定年を意識せずに働くことができます。
さらに行政書士試験は法律系資格の登竜門であり、試験科目が重複する宅建士、司法書士、公務員試験との相乗効果を狙うことも可能です。

行政書士になるには「行政書士試験を受ける」「弁護士や税理士など、他資格を取得する」「公務員として一定年数勤務する」と、主に3つの方法があります。その中で最も一般的なのが「行政書士試験を受ける」ルートです。
行政書士試験には年齢、性別、学歴、国籍による制限が一切ありません。令和7年度を例に挙げると、合格者の最年長は77歳、最年少は13歳です。また合格体験記を見てもおわかりの通り、外国籍の受験生の方も合格を果たしています。
そして、何度不合格だったとしても受験資格がはく奪されることはありません。そのため、複数年で合格を目指したり、年を経てもう一度チャレンジしたりという自由な受験スタイルも選択できます。

令和8年7月6日(月)
令和8年7月21日(火)~8月17日(月)
詳しい出願方法については一般財団法人 行政書士試験研究センターHPをご確認ください。
| インターネット申込み | 令和8年7月21日(火)午前9時~8月24日(月)午後5時 |
|---|---|
| 郵送申込み | 令和8年7月21日(火)~8月17日(月)消印有効 |
令和8年11月8日(日) 午後1時~午後4時
令和9年1月27日(水)
合否結果は、試験の実施機関である一般財団法人 行政書士試験研究センターHPおよび事務所掲示板で確認できます。(合格証書は令和9年2月中旬頃、簡易書留で送付予定)

行政書士試験は毎年1回行われ、受験回数に制限はありません。
一定の基準を満たせば合格できる絶対評価の試験なので、「上位数%に入らなければ合格できない」と他者としのぎを削るのではなく、自分自身に打ち勝つことが必要になります。
行政書士試験は「行政書士の業務に関し必要な法令等」(以下、法令等)と「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(以下、基礎知識)の二つで構成され、合計60題出題されます。
| 実施時期 | 例年11月の第2日曜日 ※令和8年度(2026年)は11月8日(日)実施予定 |
|---|---|
| 試験科目 | 【法令等】基礎法学・憲法・民法・行政法・商法(出題数46題) 【基礎知識】一般知識(政治、経済、社会)・行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法・情報通信/個人情報保護・文章理解(出題数14題) |
| 出題形式 | 筆記試験(択一式および記述式) |
| 試験会場 | 例年全国47都道府県で受験可能 |
| 受験手数料 | 10,400円(インターネット申込みの場合、別途システム使用料370円) |
「法令等」と「基礎知識」の2科目はさらに細分化され、「法令等」は5科目、「基礎知識」は4科目に分かれます。
出題形式は下記の3つです。
・5肢択一式(5つの選択肢の中から正解を選ぶ):1問につき4点
・多肢選択式(3つ以上の選択肢の中から正解を選ぶ):1問につき8点。空欄(ア~エ)一つにつき2点
・記述式(40字程度で文章を作成し回答する):1問につき20点
| 出題形式 | 科目 | 問題数 | 配点 | |
|---|---|---|---|---|
| 【法令等】 計244点 |
5肢択一式 | 基礎法学 | 2問 | 8点 |
| 憲法 | 5問 | 20点 | ||
| 行政法 | 19問 | 76点 | ||
| 民法 | 9問 | 36点 | ||
| 商法・会社法 | 5問 | 20点 | ||
| 多肢選択式 | 憲法 | 1問 | 8点 | |
| 行政法 | 2問 | 16点 | ||
| 記述式 | 行政法 | 1問 | 20点 | |
| 民法 | 2問 | 40点 | ||
| 【基礎知識】 計56点 |
5肢択一式 | 一般知識(政治・経済・社会) | 14問 | 56点 |
| 行政書士法 | ||||
| 情報通信・個人情報保護 | ||||
| 文章理解 | ||||
| 合計 | 60問 | 300点 | ||
行政書士試験に合格するには、試験全体で180点以上の合格点が必要です。ただし、単に180点以上を取ればよいのではなく、科目で設定された合格点を超えなければ「足切り」となってしまいます。「三つの関門がある」と覚えておきましょう。
| 【法令等】122点以上 / 244点中 | 【法令等】の満点の「50%」にあたる「122点」を取得できれば、第一関門突破 |
|---|---|
| 【基礎知識】24点以上 / 56点中 | 【基礎知識】の満点の「40%」にあたる「24点」を取得できれば、第二関門突破 |
| 【試験全体の得点】180点以上 / 300点中 | その上で、【試験全体の得点】が180点以上ならば合格 |
行政書士試験の合格率は、およそ10~15%で推移しています。
2026年1月に発表された最新(令和7年度)の合格率は14.54%でした。
この10年のデータを見ると合格率が一番高くて15.72%(平成29年度)、一番低くて9.95%(平成28年度)で、難易度は高めと言えるでしょう。
| 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
| 令和7年 | 50,163 | 7,292 | 14.54% |
| 令和6年 | 47,785 | 6,165 | 12.90% |
| 令和5年 | 46,991 | 6,571 | 13.98% |
| 令和4年 | 47,850 | 5,802 | 12.13% |
| 令和3年 | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
| 令和2年 | 41,681 | 4,470 | 10.72% |
| 令和元年 | 39,821 | 4,571 | 11.48% |
| 平成30年 | 39,105 | 4,968 | 12.70% |
| 平成29年 | 40,449 | 6,360 | 15.72% |
| 平成28年 | 41,053 | 4,084 | 9.95% |

令和7年の年齢別のデータを見ると、受験者数は50歳代が最も多く、合格者数は30歳代が最多であることがわかります。
令和7年度の発表によると、最年少合格者は13歳、最年長合格者は77歳です。
合格者の多くが30~40歳代ではありますが、10歳代以下および50歳代以上においても合格者が輩出されており正しい試験対策をすれば誰にでもチャンスがある試験と言えるでしょう。
| 年齢 | 受験者 | 合格者 |
| 10歳代以下 | 723 | 66 |
| 20歳代 | 8,294 | 1,517 |
| 30歳代 | 9,907 | 1,923 |
| 40歳代 | 12,161 | 1,867 |
| 50歳代 | 12,330 | 1,445 |
| 60歳代 以上 | 6,748 | 474 |

行政書士試験の学習方法は人それぞれです。初学者の独学でおよそ800~1000時間の勉強時間が必要となり、予備校を利用した場合は500~600時間で合格に手が届くと言われています。
しかし、どのようなルートをたどっても必ず押さえるべきポイントがあります。効率よく合格をつかむためには、やみくもに勉強量を増やすのではなく、メリハリある学習が必要なのです。
行政書士試験に合格するには、試験本番までに各教科の試験範囲を網羅する必要があります。しかし全てを同じペースで学習してはいけません。試験範囲の中でも試験に出題されるかどうかは、分野ごとに大きく差があるのです。
特に「行政法」と「民法」の2教科は、行政書士試験全体の6割以上を占めます。特に最も配点の高い「行政法」は、全学習時間の半分以上を費やす予定で取り組むと良いでしょう。
さらに、配点の低い商法は深入りし過ぎない、範囲を定めづらい基礎知識(特に政治・経済・社会)には時間を割き過ぎないなど、一定のセオリーがあるため、強弱をつけて学習を進める必要があります。
行政書士試験は学習時間が長いほど合格する確率が高くなるという試験ではありません。
法律学習の対象となる情報は掘り下げようと思えば、いくらでもできてしまうのです。したがって、試験範囲を全て徹底して完璧にマスターすることは不可能です。
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行政書士試験のテキストはボリュームがあります。ついテキストを読み込んでしまいますが、「一気にマスターしてから次の段階に進もう」というインプット先行の学習方法はおすすめできません。
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