「行政書士と社労士、どちらが難易度高い?」
「合格率、実際の年収やキャリアの違いを比較したい!」
行政書士も社会保険労務士(社労士)も人気の高い難関国家資格であるため、難易度の違いが気になる人も多いでしょう。
しかし、試験の性質や資格取得後の仕事内容が大きく異なるため、難易度だけで選ぶのはおすすめできません。
本記事では、両資格の難易度の違い、それぞれの仕事内容や年収、キャリアについても詳しく解説します。ダブルライセンスの可能性にも触れていますので、ぜひ資格選びの参考にしてください。
行政書士と社労士の難易度を比較
社労士試験の難易度
社労士試験の受験資格
社労士試験には受験資格があります。主に、学歴、実務経験、または厚生労働大臣が認めた国家試験合格などのいずれかで受験資格を満たす必要があります。
行政書士試験のように誰でも受験できる試験ではないため、受験前に社会保険労務士試験オフィシャルサイトで自分が要件を満たすか確認しましょう。
社労士試験の受験資格
- 大学・短大卒、または4年制大学で62単位以上取得
- 社労士事務所などで3年以上の実務経験
- 行政書士など、厚生労働大臣が認める国家試験への合格
社労士試験の出題形式と特徴
マークシート方式(択一式・選択式)で、全科目で一定の基準点を超えないと不合格になります。
広範な法令知識を正確に暗記することが求められ、どの科目も手を抜けない点が難易度を高めている要因です。
社労士試験の合格率
社労士試験は非常に難易度が高く、毎年の合格率は概ね5〜7%台の狭き門となっています。
直近の2025年度の合格率は5.5%となっており、前年度よりもさらに厳しい結果となりました。
社労士試験に合格するまでの勉強時間の目安
社労士試験の必要勉強時間は、法律知識や実務経験、学習環境によって大きく変わります。
一般的には長期的な学習計画が必要とされる試験であり、社会人が仕事と両立する場合は、複数科目を継続的に復習できるスケジュールを組むことが重要です。
行政書士試験の難易度
行政書士試験の受験資格
行政書士試験には受験資格の制限がなく、年齢・学歴・経験を問わず誰でも受験できます。 これは他の国家資格にはあまり見られない大きな特徴です。
行政書士試験の出題形式と特徴
5肢択一式・多肢選択式に加えて、40字程度の記述式問題も出題されます。基礎法学・憲法・行政法・民法・商法・基礎知識と出題範囲は広く、特に行政法・民法・記述式対策が重要です。
「広く浅く」で済むというより、配点の大きい分野を中心に、基礎知識科目の足切りにも注意しながら対策する必要があります。
試験は300点中180点以上を獲得すれば合格となる「絶対評価」方式を採用しており、問題の難易度がそのまま合格率に直結します。
行政書士試験の合格率
行政書士試験の合格率は例年10%前後で推移してきましたが、直近の2025年度では14.54%と過去10年でも高い水準になりました。
「絶対評価」方式を採用しているため、他の受験者の成績に関わらず、その年の問題の難易度によって合格率が変動するのが特徴です。
行政書士試験に合格するまでの勉強時間の目安
合格率だけを見ると、直近では社労士試験の方が低く、受験資格の制限もあるため、入口のハードルは社労士の方が高く見えます。
一方で、行政書士試験には記述式があり、民法・行政法を中心とした法的思考力も問われます。
単純にどちらが上というより、社労士は労働・社会保険分野の正確な暗記と科目別基準点、行政書士は幅広い法令科目と記述式が難しさの中心です。
【結論】社労士の方が合格ハードルは高い
合格率・必要勉強時間・受験資格の有無、いずれの面でも社労士の方が難易度は高いと言えます。
行政書士は誰でも受験でき、合格率も社労士の約2倍です。まず行政書士で法律の基礎を身につけてから社労士を目指す、というルートをとる受験生も少なくありません。
経験則だと、社労士・中小企業診断士は3時間×1ヵ月で全範囲を学習できるので、1年で合格レベルに達する。行政書士はもっと短かった。
行政書士は「広く浅く」、社労士は「暗記と精度」
行政書士試験は多分野を広くカバーする設計で、法律初学者でも取り組みやすい面があります。
一方、社労士試験は労働・社会保険に関する法令を深く正確に暗記することが求められ、全科目で基準点を超えなければならないという独特の難しさがあります。
どちらが「向いているか」は、学習スタイルや業務目標によって変わります。どちらも地道な努力が必要なことに変わりはありません。
行政書士も社労士も合格に裏ワザはありません。地道に努力あるのみです。
行政書士と社労士の比較一覧表
|
項目 |
行政書士 |
社労士 |
|
仕事内容 |
官公署への書類作成・申請手続きの代行 |
企業の人事労務・社会保険手続きのサポート |
|
キャリア |
独立開業がメイン。安定収入は難しい |
勤務社労士・独立どちらも選択肢がある |
|
平均年収 |
約591万円 (※働き方による個人差が非常に大きい) |
約947万円 (※開業・勤務などで幅あり) |
|
合格率 |
14.54% (令和7年度/2025年度試験) |
5.5% (第57回・令和7年度/2025年度試験) |
|
必要な勉強時間 |
約600〜800時間 |
約1,000〜1,100時間以上 |
|
受験資格 |
なし(誰でも受験可能) |
学歴・実務経験・資格合格のいずれかが必要 |
|
試験の特徴 |
広く浅く。記述式あり |
特定分野を深く。全科目で基準点が必要 |
出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和7年度 行政書士試験試験結果の概要」厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「行政書士」
厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会「第57回(令和7年度)社会保険労務士試験 合格発表」厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「社会保険労務士」
行政書士と社労士はどちらも注目度が高まっている資格
行政書士と社労士は、近年いずれも注目が高まっている国家資格です。
司法試験や司法書士試験と比べると受験しやすい面はありますが、行政書士も社労士も十分な学習時間と継続的な対策が必要な国家資格です。
また、法改正や制度変更に対応しながら、企業や個人の手続きを支援する専門家として、一定のニーズが見込まれます。ただし、資格を取るだけで仕事や収入が保証されるわけではありません。
行政書士と社労士の仕事内容の違い
両資格は取り扱う専門分野がまったく異なります。仕事内容を理解した上で、自分のキャリア目標に合った資格を選ぶことが重要です。
社労士の主な仕事内容
社会保険労務士は、企業の人事労務を専門的にサポートする専門家です。主な業務は3つに分類されます。
1号業務(申請書類の作成・提出代行・事務代理)
雇用保険・健康保険・年金などの社会保険に関する申請書類の作成、行政機関への提出代行、事務代理を行います。社労士の独占業務にあたります。
2号業務(就業規則など帳簿書類の作成)
就業規則や賃金規程、労働者名簿など、企業が法令を遵守するために必要な重要帳簿書類の作成を担います。こちらも社労士の独占業務です。
3号業務(労務に関するコンサルティング)
人事・労務に関する課題解決のための専門的なアドバイスや指導を行います。独占業務ではなく、コンサルタントや社内人事担当者も担える領域です。
行政書士の主な仕事内容
行政書士は、行政手続きに関する幅広い知識を持つ専門家です。官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類の作成、申請手続きの代理などを中心に活躍します。
官公署への申請書類・各種書類の作成
飲食店営業許可や建設業許可など、行政機関への申請に必要な書類を専門知識をもとに作成します。ミスが許されない複雑な書類を代行することで、依頼人の負担を軽減します。
権利義務・事実証明に関する書類の作成
契約書・示談書・遺産分割協議書・定款など、権利義務に関する書類や、車庫証明・財産目録など事実証明に関する書類も作成します。
許認可申請手続きの代行
事業を行うために必要な各種許認可の申請手続きを代行します。専門知識が求められるだけでなく、書類の規則も複雑なため、代行によるミス防止が大きなメリットです。
書類作成に関する相談対応
「どんな手続きが必要か」「どの書類を用意すれば良いか」といった相談に専門的な立場からアドバイスします。
行政書士と社労士のキャリアパスの違い
社労士は就職・転職でも強みを発揮しやすい
社労士資格は、企業の人事・労務部門、社会保険手続き、給与計算、就業規則整備などと関係が深いため、就職・転職で評価される場面があります。
ただし、資格だけで採用が決まるわけではなく、実務経験や応募先の業務内容との相性も重要です。
独立開業後は、顧問契約を獲得できれば継続収入につながる可能性があります。
行政書士は独立がメインだが継続的な受注が課題
行政書士として独立した場合、案件の多くは単発になりやすく、開業直後から安定収入を得られるとは限りません。
収入は専門分野、地域、営業力、紹介ルート、他士業との連携によって大きく変わります。
安定的に受注するには、建設業許可、相続、外国人関連業務などの専門分野を定めたり、Web集客や紹介体制を整えたりする工夫が必要です。
行政書士と社労士の平均年収の違い
社労士の平均年収
厚生労働省の職業情報提供サイト job tag には、社会保険労務士に関する年収データが掲載されています。
ただし、この統計データは「社会保険労務士」等に対応する職業分類の統計であり、必ずしも社労士だけの収入を示すものではありません。
実際の収入は、勤務社労士か開業社労士か、顧問先の数、専門分野、地域によって大きく変わります。年収を比較する際は、平均値だけでなく働き方の違いも確認しましょう。
行政書士の平均年収
厚生労働省の job tag には行政書士に関する年収データが掲載されていますが、この統計は「他に分類されない法務・経営・文化芸術等の専門的職業」等に対応する統計であり、必ずしも行政書士だけの収入を示すものではありません。
行政書士は自営・フリーランスとして働く人も多く、収入は専門分野、営業力、地域、顧客基盤によって大きく変わります。
行政書士と社労士、両方取得するメリットと相乗効果
行政書士が社労士の受験資格になるケースもある
社労士試験には受験資格があり、学歴要件を満たさない場合でも、一定の実務経験や厚生労働大臣が認めた国家試験の合格などで受験資格を満たせる場合があります。
行政書士試験の合格は、社労士試験の受験資格につながるルートの一つです。
学歴要件を満たしていない人は、まず行政書士を取得してから社労士を目指す方法も検討できます。
行政書士と社労士どっちが難しい?…言えることは、行政書士の勉強が頑張れた人は社労士も頑張れます。社労士が頑張れた人は行政書士も頑張れる。このダブルライセンスは非常に魅力的です。
ダブルライセンスで得られるメリット
対応できる業務の幅が大きく広がる
行政書士として許認可申請を担い、社労士として社会保険・労務管理を担うことで、企業が必要とする多くの手続きを一元的に引き受けられます。
他事務所との差別化・信頼性の向上につながる
2つの難関国家資格を持つことは、依頼人からの信頼を高める大きなアピールポイントになります。特に独立開業において、他事務所との差別化に有効です。
互いの弱点を補い合える相乗効果がある
行政書士単独では収入が不安定になりやすいですが、社労士資格を加えることで顧問契約による安定収入の道が開けます。両資格の業務は重複せず、相互補完の関係にあります。
社労士に向いている人の特徴
まとまった勉強時間(1,000時間以上)を確保できる人
社労士試験は広範囲な法令の正確な暗記が求められ、合格には平均1,000〜1,100時間以上が必要とされます。
1年〜2年という長期間にわたり、毎日コツコツと学習を継続できる自己管理能力がある人に向いています。
企業の人事・労務管理に携わりたい人
採用から退職までの労働環境づくりや、社会保険の仕組みに興味がある人に最適です。
働く人の環境を良くし、企業の成長を人事・労務の面から裏方として支えたいという熱意がある人にぴったりです。
就職・転職でも資格を活かしたい人
社労士の専門知識は、人事・労務・総務部門の業務と関係が深く、就職・転職でアピール材料になる可能性があります。
ただし、資格だけで採用が決まるわけではないため、実務経験、応募先の業務内容、給与計算・社会保険手続きなどの経験とあわせて示すことが大切です。
安定収入を重視する人
独立開業した場合、企業と「顧問契約」を結ぶことで毎月固定の報酬を得やすいのが社労士の大きな特徴です。
単発の仕事だけでなく、中長期的に安定した収入基盤を築きたい人に向いています。
行政書士に向いている人の特徴
幅広く法律の知識を身につけたい人
行政書士試験では、憲法、行政法、民法、商法、基礎法学など、生活やビジネスに関わる法律を幅広く学びます。
ただし、単に浅く触れるだけで合格できる試験ではなく、行政法・民法・記述式では正確な理解も求められます。
幅広い法律分野に関心があり、行政手続きや書類作成に関わる知識を身につけたい人に向いています。
行政や許認可手続きに興味がある人
飲食店や建設業などを始める際の複雑な書類作成や、役所への手続きを代行するのが主な仕事です。
ルールに沿って正確に書類をまとめ、誰かの新しい事業やスタートを後押しすることにやりがいを感じる人に向いています。
まず資格取得の第一歩として法律学習を始めたい人
受験資格に年齢や学歴などの制限がなく、誰でも挑戦できるのが行政書士試験の特徴です。
法律の学習経験がない人でも挑戦しやすい一方で、合格には継続的な学習が必要です。
法律系資格の第一歩として検討しやすい資格といえるでしょう。
将来的に他の法律資格へのステップアップを考えている人
行政書士試験で身につく「民法」などの基礎知識は、社労士や司法書士といった他の難関資格の土台になります。
将来的なダブルライセンスや、さらなるキャリアアップを見据えている人のステップボードとして非常におすすめです。
行政書士の取得を目指すなら資格スクエアがおすすめ
資格スクエアの行政書士講座の特徴と料金
資格スクエアの行政書士講座は、スマホ完結型のオンライン学習に特化した講座です。人気講師・森Tによるわかりやすい講義を中心に、以下の機能が揃っています。
資格スクエアのスマホ完結機能
- 法令択一クエスト:過去20年分の法令等科目の肢別過去問を収録
- AI「記述式」添削:回数無制限で記述式の答案を添削
- ワンクリック質問機能:最大100回まで気軽に質問できる
- 月1回のZoom相談会:学習の悩みをリアルタイムで解消
また、資格スクエアの行政書士講座は、じっくり基礎から力をつける「1年合格講座」や、短期間での習得を目指す「速習合格講座」などがあります。
学習期間やテキストの有無に合わせて自分に合ったプランを選べるのが魅力で、各コースの料金は以下の通りです。
|
コース |
料金(税込) |
|
森Tの1年合格講座(テキストあり) |
169,400円 |
|
森Tの1年合格講座(テキストなし) |
159,500円 |
|
森Tの速習合格講座(テキストあり) |
119,900円 |
|
森Tの速習合格講座(テキストなし) |
108,900円 |
|
森Tの短期集中合格講座 |
69,300円 |
一般教育訓練給付制度の対象講座あり。最新情報は公式サイトでご確認ください。
スマホ完結で働きながら合格を目指せる
資格スクエアの行政書士講座では、講義視聴や問題演習をオンラインで進められます。
法令択一クエストなどを使えば、通勤・昼休み・スキマ時間に行政書士試験の演習を進めやすい点が特徴です。
資格スクエアが向いている人の特徴
資格スクエアの行政書士講座は、スマホでスキマ時間を活用しながら、講義・問題演習・記述式対策を進めたい人に向いています。
森T講義で基礎を学び、AI「記述式」添削や質問機能を使いながら行政書士試験対策を進めたい人は、検討しやすい講座です。
資格スクエアはこんな人におすすめ
- 仕事と両立しながら勉強したい社会人
- 法律初学者で、わかりやすい講義を重視する人
- 記述式対策をAI「記述式」添削で繰り返し練習したい人
- スマホでスキマ時間を活用して学習を進めたい人
行政書士と社労士に関するよくある質問(FAQ)
ダブルライセンスを目指す場合、どちらから受験するのがおすすめですか?
学歴や実務経験などで社労士試験の受験資格を満たしていない人は、行政書士から受験するルートも選択肢になります。
行政書士試験は受験資格の制限がなく、合格すれば社労士試験の受験資格につながる場合があります。
一方で、すでに社労士試験の受験資格を満たしており、人事・労務分野で働きたい人は、最初から社労士を目指す選択肢もあります。
転職活動で有利になりやすいのはどちらの資格ですか?
企業の求人市場においてより直接的に評価されやすいのは社労士です。
社労士は、給与計算や社会保険手続きなど、どの企業にも必ず存在する「人事・労務部門」の業務に直結するため、一般企業への就職・転職で強力な武器になります。
一方、行政書士は独立開業を前提とした業務(許認可申請など)が中心となるため、一般企業へのアピール材料としてはやや間接的になる傾向があります。
働きながら独学で合格することは可能ですか?
独学での合格も不可能ではありませんが、徹底した時間の確保と長期的な継続が必要になります。
社会人が働きながら1日2〜3時間の勉強を続けたとしても、行政書士なら約1年、社労士なら1年半〜2年近い期間が必要になります。
特に社労士は広範囲かつ正確な暗記が求められ、法改正への対応も重要です。
独学で合格を目指すことも可能ですが、学習計画の作成、法改正対応、問題演習の管理に不安がある人は、通信講座の活用も検討するとよいでしょう。
行政書士と社労士の難易度比較まとめ
本記事では、行政書士と社労士の難易度を中心に、試験内容・合格率・勉強時間・仕事内容・キャリア・年収の違いまで解説しました。
行政書士と社労士は、難易度や試験の性質が異なります。ダブルライセンスという選択肢もあるため、自身の目標に合わせて選びましょう。
行政書士を目指す人で、オンラインで講義・問題演習・記述式対策を進めたい場合は、資格スクエアの行政書士講座も選択肢になります。
資格スクエアMEDIAについて
資格スクエアMEDIAは、司法試験・予備試験・弁理士・行政書士などの法律資格・士業資格に関する試験制度、勉強法、講座選びの情報を発信しています。公式情報や公表データをもとに、受験生が正確に制度を理解できるように解説しています。
この記事について
本記事は、一般財団法人行政書士試験研究センター、厚生労働省、社会保険労務士試験オフィシャルサイト、職業情報提供サイトjob tagなどの公表情報をもとに、行政書士と社会保険労務士の難易度、試験制度、仕事内容、キャリアの違いを整理しています。試験制度や公表情報は変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。


