弁理士試験合格者の出身大学はどこ?各大学の志願者数と合格率について分析!

弁理士試験合格者の出身大学はどこ?各大学の志願者数と合格率について分析!

はじめに

弁理士の試験に挑戦してみたいけれども、果たして自分は合格できるのだろうかと不安に感じていませんか?
「自分の学力では合格は難しいのかな?」
「弁理士に合格している人はやっぱり高学歴の人ばかりなのだろうか」
と感じているがゆえに、弁理士への挑戦に二の足を踏んでしまっている人もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、弁理士試験に合格している人の出身大学を調査し、どのような特徴があるのか調査してみました。
ぜひチェックしてみてくださいね。

目 次
1、そもそも弁理士試験とは?
2、弁理士試験にはどんな出身大学・学部の人が合格しているの?
3、弁理士試験に合格すると?
4、サマリー
5、まとめ

1、そもそも弁理士試験とは?

弁理士試験とは、文字通り弁理士になるための試験のことです。弁理士になるためには、この試験を合格しなければなりません。
弁理士試験では、弁理士として働く上で必要な最低限の知識があるかどうかを、記述式や論文式、口頭式の試験で確認されます。
弁理士の業務は、特許や商標、意匠の登録や申請を行う業務ですので、特許法・実用新案法、意匠法、商標法が出題範囲です。
そして試験に合格し、実務修習をうけ弁理士会に登録すると弁理士として働けます。

(1)弁理士試験の難易度

弁理士試験の難易度はとても高い試験のため、きちんと勉強しなければ合格できません。
ちなみに、どれだけ難しい試験なのか、表したものが以下のデータです。
こちらは、平成29年度の弁理士試験の志願者や受験者数、合格者数です。

・志願者数:4,352名
・受験者数:3,912名
・合格者数:255名
・合格率:6.5%(合格者数÷受験者数)

このように合格者数は、10%を切っています。3912人が受験して合格者数は255名と非常に難易度が高いことがお分かりになりますでしょうか。
また、合格した人の様々なデータは以下です。

・最年少:20歳
・最年長:71歳
・男女比:男性72.9% 女性27.1%
・平均受験回数:4.2回

なんと最年少合格者は20歳、最年長合格者は71歳です。ここから分かる通り、試験の合格に年齢の障壁はありません。

また平均して4回以上の受験で合格していることが分かります。これは、受験者の大半が30代~40代であるために、働きながら勉強をしていることも起因しているでしょう。
このように弁理士試験は年に1回しか行われないため、数年かけて弁理士の試験を突破された方が多いといえるでしょう。

(2)試験日程、受験料

弁理士の試験は、年に1度以下のスケジュールで行われます。

・願書交付期間:3月上旬〜4月上旬(インターネットは2月上旬〜3月下旬)
・願書受付期間:3月下旬〜4月上旬
・受験手数料:12,000円
・1次試験(短答式):5月
・2次試験(論文式):7月※短答式試験の合格者のみ
・3次試験(口述式):10月※論文式試験の合格者のみ

ちなみに3次試験に合格すると、弁理士試験に合格したことになりますが、その後は実務修習という集合研修が始まります。
実務修習が終了するのは、3月末ですので、まさに1年越しの試験とも言えます。

(3)試験の内容

試験は、短答式試験、論文式試験、口述式試験の3つに分かれています。

①短答式試験

短答式試験では、弁理士の業務において、基礎的な知識を有しているかが問われます。
そして、この試験に合格しなければ、次の論文試験に進めません。

・受験地:東京、大阪、仙台、名古屋、福岡
・試験科目:特許法・実用新案法、意匠法、商標法、条約、著作権法、不正競争防止法
・出題形式:5枝択一式、マークシート
・出題数:60問
・試験時間:3時間30分
・合格発表:6月中旬ごろ

また、短答式試験に1度合格すると、その後2年間短答式試験が免除になります。
このため、短答式試験に合格した翌年と翌々年は、論文式試験から受験可能です。

②論文式試験

弁理士として働いていく上で必要な、基礎的な法律や条例の解釈力や理解力、判断力などを問われる試験です。
また、論文式試験は、必須科目と選択科目に分かれています。

まず必須科目の試験内容は以下の通りです。

・試験日:7月上旬
・受験地:東京、大阪
・試験科目:特許法・実用新案法、意匠法、商標法
・出題形式:論文式
・出題数:特許法・実用新案法は2問、意匠法1問、商標法1問
・試験時間:特許法・実用新案法=2時間、意匠法=1時間、商標法=1時間
・合格発表:9月下旬ごろ

次に選択科目の試験内容です。

・試験日:7月下旬
・受験地:東京、大阪
・試験科目:理工Ⅰ(機械・応用力学)、理工Ⅱ(数学・物理)、理工Ⅲ(化学)、理工Ⅳ(生物)、理工Ⅴ(情報)、法律
・出題形式:論文式
・試験時間:1.5時間
・合格発表:9月下旬ごろ

必須試験と選択科目の両方に合格すると口述試験にすすめます。

③口述式試験

口述式試験は、弁理士として働いていくうえで必要な思考力があるかどうか後述による説明力を問う試験です。

・試験日:10月中旬〜下旬
・受験地:東京
・試験科目:特許法・実用新案法、意匠法、商標法
・出題形式:面接方式
・出題数:10問程度
・試験時間:特許法・実用新案法、意匠法、商標法それぞれ10分
・・合格発表:10月下旬〜11月上旬

この口述試験に合格すると弁理士試験に合格となります。

 

2、弁理士試験にはどんな出身大学・学部の人が合格しているの?

(1)弁理士試験の合格率

下の表は、平成30年度に行われた弁理士試験で合格者の出身大学を合格者が多い順番に並べたものです。(合格者が3名以上の大学のみ掲載)

①平成30年度弁理士試験

最も直近で行われた試験の結果です。

志願者数は昨年よりも275名少ないですが、合格者は5名増えています。

この影響もあり、全体の合格率は6.5%で、前年と0.6%上昇しています。
学校別で見ると、例年通り東京大学の出身者が最も合格者数が多い結果でした。
また、京都大学の出身者については、昨年よりも志願者数が20名ほど減ったにも関わらず、合格者は倍近くに増えています。
このため、合格率の上昇を牽引していると言えます。

②平成29年度弁理士試験結果

平成29年度の弁理士試験の結果は以下の通りでした。

前年の合格者数が296名、受験者数が4,679名、合格率が6.3%であっため、全体的に前年よりも数値が低下しています。
合格者数が最も多いのは東京大学出身者で変わらずですが、2位が前年の京都大学から、大阪大学に入れ替わっているのが特徴的です。
合格率が最も高いのは、静岡大学で東京大学を上回っています。

③平成29年と平成30年の合算の結果

こちらは、平成29年と平成30年の合格者数や志願者数を合計したものです。

過去2年分のデータを合算しても、東京大学、京都大学、大阪大学が合格者数の上位を独占しています。
以上の数値を参考に分析をしていきたいと思います。

 

(2)比較したデータから言えること

過去の合格者数などを比較し分析していくと、次のような結果となりました。

①偏差値が高い大学の方が受かりやすい傾向にはある

偏差値の高い大学の出身者の方が、弁理士の試験に合格しやすい傾向にあります。
特に旧帝大と言われる大学(東京大学、京都大学、大阪大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学)の出身者は、合格者数が多く合格率も高いです。
合格率で比較してみるわかりやすく、それぞれの年で合格率が最も高い大学は以下の通り。

・平成30年:北海道大学(15.1%)
・平成29年:静岡大学(12.5%)
・平成29年と平成30年の合算:東京大学(13.3%)

また、弁理士試験の合格者は旧帝大以外にも、地方国立大学、有名私立大学、理系大学の出身者が多いという結果になりました。

②偏差値が高くない大学でも勉強すれば受かる

一方で、偏差値の高い大学の出身でなくても、弁理士試験は合格できます。

どの年度も、弁理士試験に合格している方の出身大学でも最も多いのは「その他の大学」です。
ここでいうその他の大学とは、旧帝大や、地方国立大学、有名私立大学、理系大学のどれにも属さない大学。
平成30年の試験の合格者のうち、その他の大学出身の方が、合計で39人もおり、全体の15%を占めています。
同じく、平成29年の試験においては、合格者が35名で、合格者全体の約14%でした。
また、合格者の中には、短大や専門卒、高卒の方も数名ですがいらっしゃいます。
つまり、偏差値の高い大学を卒業していなかったとしても、合格できる可能性は十分にあるといえます。
そして、偏差値の高い学校の出身であっても、試験に簡単に合格しているわけでありません。

以上のことから、弁理士の試験は偏差値の高い学校の出身者の方が、合格率は高いですが、試験の合格には必ずしも学歴は必要でないといえるでしょう
弁理士の試験に合格するには、学歴や地頭の良さではなく、弁理士として働きたいという熱意を持って、勉強に励むということです。
学歴に自信がないという方でも、挑戦してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。

 

3、弁理士試験に合格すると?

弁理士として働けるようになると、さまざまなことを学びながら、お客様にとても感謝されるような仕事ができるようになります。
具体的な業務について、順番に説明していきます。

(1)弁理士試験合格後に弁理士として働くまで

弁理士危険に合格したからといってすぐに弁理士として勤務できるわけではありません。
弁理士試験に合格後は、「実務修習」という研修を受けて、修了しなければいけません。実務研修は、試験勉強だけでは学べない、より実践的な実例を学び、内容は以下の2つに分かれています。

・集合研修:講師から対面で指導を受ける
・e-ラーニング:映像コンテンツを視聴する

実務修習を修了すると、弁理士会に登録でき、弁理士として働くことができます。

 

(2)弁理士の勤務先

弁理士として働けるようになると、様々な勤務先で勤務できるようになります。
主な勤務先としては、以下の4種類。

・特許事務所:大中小さまざまな企業から個人の発明家まで様々な特許の申請を行う
・企業内の弁理士:自社製品の特許申請など
・法律事務所:侵害訴訟やライセンス契約などさまざまケースに対応する
・技術移転機関:大学や研究機関の成果を企業に移す

また、一定の経験を積んで、独立開業する人も少なくありません。
このように弁理士は、さまざまな勤務先で活躍できます。

 

(3)弁理士のやりがい・魅力

弁理士には、他の職業にはないやりがいや魅力が存在します。

①お客様と二人三脚で仕事をする

お客様が作り出した知的財産を守るために、お客様と対話を重ねながら、申請を行います。
特許の申請の際には、多くの情報を盛り込む必要があります。そして、どうすれば権利化できるのか、うまく言語化するにはどうしたら良いかをしっかり考えることも大事です。
このため、お客さまがどんな思いでこの製品を作ったのかや、どんな意図が込められているのかを理解して作成しなければなりません
苦労と努力を重ねた結果、特許が認められお客さんから「ありがとう!」と言われた時は、大きな達成感を感じられるでしょう。

②スキルが成果につながりやすい

弁理士の仕事は、身につけたスキルや、学んだ知識などが繋がりやすいという特徴があります。
特許として申請するものは、最新の技術などが多いため、化学や機械などのテクノロジーをはじめ、常に社会の変化を察知し勉強していく必要があります。
また、法律や制度などが改正された場合は、誰よりも早く理解できるように努めなければいけません。

このような知識やスキルを身につけているほど、特許の申請が通りやすくなります。
弁理士の業務に慣れない最初のうちは、覚えることや分からないことも多いでしょう。
しかし、弁理士という仕事は常に学んでいく仕事で、勤務先で勉強会を行なったり、業務終了後に、学校に通ったりしている人もいます。
スキルをがんばって身につければ、そのスキルが成果に繋がりやすいので、日々学んでいくことときっと仕事が楽しくなることでしょう。

 

(4)弁理士の大変な点

逆に弁理士の仕事には大変な面も存在します。

①勉強し続けなければならない

弁理士の業務は、身につけたスキルや知識が成果に結びつきやすいですが、反面学ぶことを怠ると、置いていかれる実力主義の仕事でもあります。
特に専門分野の特許の申請には、専門家にも負けないほどの深い知識が必要になります。
このため、学んでいく事が苦にならない人でないと、続けていくことは難しい場合があるので注意しましょう。
また、法律や技術は日進月歩で変わっていくため、変化に敏感になり、積極的に知識を吸収しにいかないといけません。

②納期に終われる

何事にも納期はありますが、弁理士の場合はさらにシビアです。なぜなら早く申請をしないと、他に先を越されてしまう可能性があるため。
もしお客様よりも先に他社が特許を申請してしまい、それが認められてしまうと、お客様にとっては大きな損失に繋がりかねません。
特許を申請する際の書類の中でも、特許の技術明細書はA4の書類が何十枚というボリュームになるだけでなく、誰が見ても分かるように工夫をする必要があります。
このため、限られた時間内で、入念に書類を作成し申請する点に苦労される可能性があります。

ここまで、弁理士の資格を取得した後について説明してきましたが、業務のイメージはついたでしょうか。

 

(5)弁理士業務の将来性

弁理士の仕事はこれからも、需要が伸びていく可能性があります。それは以下の理由からです。

①海外へ特許を出願する企業の増加

特許の申請先は、日本国内の特許数がほぼ横ばいなのに対し、海外への特許数は増加傾向にあります。
これは、海外進出する企業が増えているため。
海外へ特許を申請する際は、英語などの語学力が必要になります。
このため、語学を学ぶと、仕事の幅が広がるだけでなく、依頼される仕事の数も増やす事ができるでしょう。

②地方企業の需要が増加

地方に特許事務所を構え、中小企業や個人の発明家に仕事をしている弁理士が増えています。
この背景には、弁理士が都市部や(東京、神奈川)大阪を中心とした近畿圏に集まっていることが大きな要因です。
特許事務所が都市部に集中していると地方で埋もれている企業の知的財産が権利化・産業化できていない可能性があります。

このため、地方の特許事務所の需要が増えていますが、同時に地方の人口も減っているため、務める場所には注意しましょう。

③特許の申請以外の付加価値のある弁理士

今後はただ特許を申請するだけでなく、クライアントの細いニーズにも対応していけるような、弁理士が求められるでしょう。
具体的には、知的財産全般のコンサル業務や、権利者と利用者の橋渡しの仲介業務などがあげられます。
もちろん弁理士法を逸脱してはいけません。しかし、弁理士の仕事のフィールドややるべきことは広がっているのは事実としてあります。

 

4、サマリー

ここまで、弁理士の試験を合格された方々の出身大学について分析してきましたがいかがでしたでしょうか。
確かに弁理士試験に合格されている方々は、有名な大学を卒業している方も多いです。
しかし、有名な大学を出ていないを合格できないわけでは決してありません。
弁理士になりたい、弁理士として働きたいという熱意を持って、しっかり勉強すれば誰でも合格できる資格です。
この記事では弁理士になった後の仕事内容についても解説させていただいたので、確認いただいて、あなたも弁理士をぜひ目指してみてください。

 

5、まとめ

  • 弁理士試験は誰でも受験できる
  • 弁理士試験は短答式試験、論文式試験、口述式試験の3つに分かれる
  • 高学歴な人が受かりやすいのも事実
  • 高い学歴がなくても受かる
  • 弁理士の仕事はとてもやりがいのある仕事
  • 弁理士として働いていくためには、専門分野や法律など常に学んでいく姿勢が何よりも大事

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