行政書士試験に合格するためには過去問をやるべき?効果的な過去問演習で全問正解科目をつくりたい!

行政書士試験に合格するためには過去問をやるべき?効果的な過去問演習で全問正解科目をつくりたい!

受験勉強といえば、仕上げにやるのは過去問ですよね。しかし出題内容が難解だとあっというまに時間が過ぎ去り、肝心の過去問はあまりできなかったということも起こり得ます。

過去問は、行政書士試験合格のためにはどのくらい重要なのでしょうか? この記事では誰もが知りたい過去問演習の効果的なやり方と、おすすめの過去問集を紹介します。

1 行政書士試験における過去問の重要性とは?

行政書士試験の対策として過去問をやる意義とは何でしょうか。

その答えは、「出題傾向」を知り対策を講じられることです。行政書士試験にも「焼き直し」といわれる、例年同じ問題が繰り返し出題される科目はあります。つまり、そのような科目においては、過去問演習は最も合格に近付くことのできる学習だといえます。

(1)過去問の対策が重要な科目は?

行政書士試験の科目の中で過去問対策が有効なのは、憲法、行政法、商法、基礎法学です。

(2)過去問の対策が重要ではない科目は?

過去問対策がそれほど有効でない科目には、民法や一般知識の「政治・経済・社会」があります。「政治・経済・社会」では時事問題が出題され、出題範囲は毎年アップデートされるので、対策としては過去問よりも新聞やニュースのチェックの方が有効です。

しかし同じ一般知識でも、「個人情報保護・情報通信」「文章理解」は違います。特に文章理解は出題形式がほぼ決まっているので、過去問演習が有効です。

(3)過去問演習は学習スタートとほぼ同時に

多くの学習者は、一通り勉強してから過去問演習に取り組もうとするものです。しかし過去問演習は、学習スタートとほぼ同時に取り組むべきなのです。

テキストを一回読んだ科目は、すぐ過去問にトライしましょう。テキストを読んだ直後に過去問を解いても満足にできないと思われますが、それでも大丈夫なのです。

過去問演習では、テキストで学んだ内容がどのように出題されるのかを知ることが大事です。一旦過去問で実際の出題形式に触れると、それに合わせたテキストの読み方ができるようになるからです。

2 効率的な過去問対策とは?

一般的に過去問は、後回しにされがちです。そうしているうちに、いつの間にか試験本番直前になり、過去問があまりできなかったという方もいるでしょう。

過去問集は、どのように活用するのが効率的なのでしょうか。

(1)過去問で「使える」知識にする

せっかくの過去問を活用しなくては「宝の持ち腐れ」です。テキストを読んだら、その知識を「使える」知識にするために、果敢に過去問にトライしましょう。

実際に、行政書士試験頻出の事例問題は、条文や判例を記憶するだけではどの条文・判例を使えばよいかが分かりません。過去問集で正誤を繰り返してこそ、知識として定着します。

(2)アウトプット重視

過去問演習とは「問題を解くこと」、つまりアウトプットです。つい歯が立たないことを恐れて後回しにしがちですが、実は過去問に勝る良問はありません。

(3)過去問は、何年分を何回やるべき?

過去問は最低でも5年、可能なら10年分やりましょう。

5年分の過去問は直近の問題なので本試験と類似する可能性が高いため、最低でも5年分はやっておくべきです。それでも、可能なら10年分を勉強しましょう。

また過去問は何回やるべきかと言えば、3回程度で十分でしょう。3回繰り返して間違えた問題は、克服が急務だということです。

過去問がそっくりそのまま出題されることは少ないですが、択一で出題された問題が記述で出題されたということはあります。このことからも、過去問は効率的な頻出問題対策だといえます。

(4)解説の理解が大事

過去問を解いた後は、しっかりと解説を読みましょう。

残念ながら過去問を解いて正解しても、「偶然」「2周目で正解肢を暗記していた」からである場合があります。たとえ正解できたとしても、解説を読むのは怠らないようにしましょう。

単に正解するだけで満足せず、正誤の根拠までつきつめ、理解度を高めましょう。

3 過去問対策 科目別

過去問を年度別に演習するのも良いのですが、科目別に学習するのも効果的でおすすめです。

科目別の演習は、体系的な理解を助けてくれます。特に、出題数が多く鬼門とも言われる「行政法」や「民法」は集中的に学習した方が良いため、ぜひ科目別に勉強してください。行政法や民法の学習においては、解説が詳細なテキストや問題集があると良いでしょう。

また、科目別・分野別の学習には、より出題傾向が把握しやすくなるメリットがあります。
次は出題科目ごとに、効率的な過去問の取り組み方を紹介します。

(1)「行政書士の業務に関し必要な法令等」

①憲法

憲法は、人権の保障や国家統治の仕組みについて定めた法律です。

得点効率が良い憲法は、過去問演習をやることで得点源にできます。繰り返し重要な論点が出題されているため、過去問演習が得点に直結するのです。

人権では「条文+判例」、統治では「条文」を押さえるのがコツですが、判例には膨大な数があります。しかし、何が出題されるのか悩むより、過去問をやりこんで効率良く学習しましょう。

ちなみに判例を理解するコツは、次の点を意識して文章を読むことです。

Ⅰ 結論
Ⅱ 結論に至る理由
Ⅲ 結論とは反対の理由
Ⅳ 根拠条文

憲法では判例からの出題が頻出しており重要です。しかし難解な判例を完ぺきに理解しようとすると、かえって効率的学習から遠ざかってしまうので気をつけましょう。

②行政法

行政法を制覇するには、過去問を制覇しましょう。

行政法は、過去問演習が攻略の一番の近道である科目です。過去問演習に比例して、行政法の成績は伸びます。行政法は特に、過去に出題されたことが繰り返し問われる傾向が顕著だからです。

本試験での行政法の配点割合は、実に4割近くになるため、行政法は最重要科目だといえます。ですので過去問演習においては、次のようなポイントを押さえて学習しましょう。

・「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」は、条文からの出題が中心
・用語の意味を徹底的に理解するのが行政法学習の大前提
・条文・判例の内容がそのまま問われ、正誤問題を解くにも条文・判例の正しい理解が不可欠

判例は正確に記憶することは不可能なので、過去問を反復して判例を扱う出題に慣れた方が得策だといえます。

また、行政法には分かりづらい専門用語が登場し、日頃見かけない言葉なので多くの受験生の苦手意識を増幅させています。その中からいくつかを、意味とともに紹介します。

公物 こうぶつ 行政主体によって直接公の目的に供用される個々の有体物。
私物に対応する。
覊束行為 きそく
こうい
法の規定が一義的であって、行政庁はそれをそのまま執行しなければならない行為。
⇔ 裁量行為
瑕疵 かし 法律上、なんらかの欠点や欠陥のあること。
附款 ふかん 法律行為から生ずる効果を制限する目的で、表意者が法律行為に際して特に付加する制限。
条件・期限などがその例。

※覊束行為はWeblio辞書から引用。他はコトバンクより。

これらの専門用語は1つ1つ押さえていきましょう。学習が面白くなってしまえば、得点も伸ばすことができるでしょう。

③民法

民法は、一般市民同士の法律関係(財産関係・家族関係)について広く適用される法律です。

民法の場合は過去問主義はやめましょう。民法は行政法に次いで配点割合の大きい科目ですが、残念ながら過去問をやれば大丈夫とは言い難いからです。また民法では、事例問題が出題の中心なので、条文、判例も具体的にどのような場面で適用されるのかをイメージしながら学習しなければなりません。

民法のコツは、本番で、事例に登場する状況を図に書きながら解答することといわれます。このように民法の出題方法は、過去問焼き直しの多い行政法とは、全く違うのです。

しかし、民法の過去問演習に全く意味がないわけではありません。民法にも次のような過去問演習の意義はあります。

Ⅰ 過去問を通じて、自らの理解度を確認できる
Ⅱ 過去問学習を通して、それぞれの論点をどこまで学習しておけばよいか判断できる
Ⅲ 記述式の過去問演習で理解度を深めることができる

④商法・会社法

商法・会社法は、多くの受験生が苦手とする科目です。しかし過去問演習は有効な科目といえるので、過去問を活用して知識を固めましょう。

商法は商人の活動、会社組織・運営などについて適用される法律です。身近な法律とはいえないうえとっつきにくく、商法・会社法の勉強で大事なのは「割り切ること」だと広く言われているほどです。

商法・会社法のいずれにも頻出問題はあるので、過去問を反復すれば自然にそういった問題に当たることになります。商法の頻出問題は「総則」「商人」「商行為」や「株式」「機関」などですが、これらは過去問演習で理解を深めることができる分野です。特に、商法においては条文が重要なので、過去問で頻出する条文をチェックしてよく押さえておきましょう。

逆にいえば、頻出箇所が理解できていれば良く、それ以上の深入りはやめましょう。過去問を徹底的にやればそれで良しとしましょう。

商法・会社法は求められる範囲が広い割には、得点効率は悪い科目です。そういう意味でも過去問を頼って的を絞った学習をしましょう。

⑤基礎法学

基礎法学は幅広い知識を求められる科目ですが、商法・会社法と同様、よくいわれるのは「深入りは禁物」です。

基礎法学の出題内容は、法律の基礎知識や裁判制度などですが、広範囲な割に問題数は少ないので、得点効率が悪い科目です。

行政書士試験の冒頭を飾る科目ですが、掴みにくく対策しづらいので、冒頭から受験生を不安にさせるに十分な科目です。このような基礎法学に振り回されず、過去問に的を絞りましょう。

(2)「行政書士の業務に関連する一般知識等」

①政治・経済・社会

政治・経済・社会の出題範囲は、「国際・国内問題や情勢」「経済」「財政」「労働問題」「社会保障」など非常に幅広いです。

また、時事問題を扱っているという正確上、過去問に焦点を当てることより、新聞やニュースなどをチェックしたり、新しい用語をインターネットで検索して覚えたりする方が得策です。

こちらも出題範囲があまりにも広く、的を絞った学習をするのは難しいです。

②情報通信・個人情報保護

情報通信・個人情報保護は、インターネットに関連する知識や関連する法律、または個人情報保護法などからの出題になります。

情報通信のキーワードは情報セキュリティで、情報漏洩など、急速なIT技術の発展がもたらされた現代における問題が出題されます。日ごろあまりIT用語に親しまない方でも、じっくり対策し個人情報保護法などの条文を理解すればある程度得点できますので、一般知識の中では比較的多く勉強時間を取って頂きたいです。

情報通信・個人情報保護の出題範囲は以下の通りです。

情報通信 暗号化技術、電子署名、行政手続きのオンライン申請、不正アクセス禁止法など
個人情報保護 個人情報保護法、行政機関個人情報保護法など

③文章理解

文章理解は、学生時代に国語で履修した現代文のような問題です。文章理解の攻略も過去問で出題の傾向を掴むことが近道だといえます。文章理解は、以下の3つの問題で構成されています。

本文内容全体把握問題 例「次の本文の要旨として正しいものはどれか?」
空欄補充問題 例「空欄のア~ウに入る組合せとして正しいものはどれか?」
並べ替え問題 例「次の文章のA~Eの配列順序として最も妥当なのはどれか?」

文章理解は、このように文章を論理的に理解・把握できるかを問う問題です。毎年出題される一般知識問題全14題中、3題が文章理解です。まるで大学入試センター試験の現代文のようで、出題形式に慣れさえすれば解答を導くことができます。

文章理解の対策は過去問演習が有効で、はじめはなかなか得点できなくても反復して過去問をやったら得点の仕方が分かったという合格者も多くいます。一般知識科目の中では比較的得点しやすいうえ、出題形式があまり変わらないことから、過去問対策で得点源としたい科目です。

3 どんな過去問集を選ぶべき?

行政書士試験の出題科目の中には、過去問演習があまり功を奏さない科目もあれば、過去問をやり込むことで得点に繋がる科目もあることが分かりました。

次に疑問になるのは「どんな過去問集を選んだら良いか?」でしょう。良い過去問集の条件を挙げてみます。

(1)解説が詳細

過去問集で一番大事なのは、解説が詳細なことです。問題を解いたら、正誤に関わらず解説を読んで理解を深めます。解説が詳細に書かれていないと理解不足になる可能性があります。

(2)できれば過去10年分以上に対応するもの

過去問題集はできれば10年分ほど掲載されているものが良いでしょう。

5年分だとちょっと物足りないです。5年分のものでも解説が詳しく掲載されているものやオリジナル問題が掲載されているものであれば良いかと思いますが、可能なら10年分のものがおすすめです。

(3)一問一答式がおすすめ

行政書士試験は5肢択一式がメインとなります。しかし勉強法としては一問一答式がおすすめです。

5肢択一式だと、他の選択肢から正解が予想できたり、消去法で正解を導き出すことができてしまうからです。ただし、5肢択一式の解法テクニックも身につけておきたいので、5肢択一式と一問一答式の過去問題集を両方、揃えておきましょう。

(4)設問と解答・解説が一覧できるもの

設問と解答・解説は、分離しているよりも一覧できるものがおすすめです。

問題と回答が見開きページで一覧できるか、裏表で直ぐ確認できる過去問は使いやすいのでおすすめです。通勤中のスキマ時間でも活用できますね。

4 おすすめ過去問集

最後に、これまで紹介した良書の条件を持つ、おすすめの過去問集を紹介していきます。

(1)合格革命 行政書士 肢別過去問集 2020年度 (合格革命 行政書士シリーズ)

出典:Amazon

・肢ごとに分解し、科目別・体系別に並び替えた
・一問一答式の過去問集
・近時の傾向を考慮して、オリジナル問題も追加
・見開き構成
・過去問を改題
・2020年改正民法に完全対応

「合格革命」シリーズで、最も学習効果が高い問題を吟味し、わかりやすい解説も合わせて掲載しています。見開きの左ページは問題文、右ページには肢の正誤とともに解説を掲載しています。

過去問は、不適切でアップデートを要する問題文に関しては、最新の法令・判例にあわせ改題しています。オリジナル問題も、今後出題が予想される条文・条例に関する問題を扱っています。

(2)2020年版出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集 1法令編【改正民法対応】2一般知識編 (出る順行政書士シリーズ)

出典:Amazon

・2020年改正民法に完全対応
・持ち運びに便利なコンパクトなB6サイズ
・法令編は、科目別に取り外せるセパレート仕様
・過去問10年分を項目ごとに分類
・予備校のLECだからできる受験者正答率を表示

2010〜2019年までの過去10年分の行政書士試験問題を分析したうえ、効率的に学習しやすいように各科目を体系項目別に分類した過去問集。大手LECの集計力を活かし、受験者の「無料成績診断」から作成した受験者正答率も掲載しています。

(3)2020年版出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集 2一般知識編 (出る順行政書士シリーズ)

出典:Amazon

2020年版出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集の一般知識編です。法令編と分かれて2冊の構成になっているのでボリュームがあり、勉強時間がありしっかり10年分の過去問に取り組みたい方におすすめです。

(3)スッキリとける行政書士 頻出過去問演習 2020年度(スッキリわかるシリーズ)

出典:Amazon

・2020年4月1日施行の民法(債権法・相続法)改正に対応
・頻出過去問をどのように解いたらよいのか、1題ずつ丁寧に解説
・収録問題は「頻出論点」に絞り込んだ厳選問題
・関連する知識を「あわせて CHECK! 」として各解説の最後に掲載

本書は「数をこなして覚えてしまおう」というスタイルの過去問集と一線を画します。必要な問題だけをセレクトし、まさに「スッキリ解ける」姿を目指した過去問演習書です。

内容は最低限に絞り込み、難易度も明記して、時間がない学習者でも最短で効率的な学習効果を得られるようにしています。

行政書士試験は膨大な範囲を持つため、受験勉強期間はあっという間に過ぎてしまいます。過去問のための時間をあまり確保できない学習者に、最低限仕上げるべき一冊としておすすめしたい過去問集です。

5 サマリー

いかがでしたか? 過去問への取り組み方や過去問集の選び方の、参考になりましたか?

行政書士試験の科目には、過去問演習が有効なものとそうでないものがあります。あなたの受験勉強を効率よく進めるために、この記事で紹介した過去問の活用法を実践して頂けたら幸いです。

6 まとめ

・行政書士試験の科目で過去問対策が有効な科目は、憲法、行政法、商法、基礎法学である

・過去問対策がそれほど有効でない科目は、民法や一般知識の「政治・経済・社会」である

・過去問演習は学習スタートとほぼ同時に取り組み、アウトプットを重視すること

・最重要科目の行政法は、過去問演習が攻略の一番の近道である

・民法も同じく最重要科目だが、過去問主義に陥らず、事例の理解に努めるべきである

・一般知識は、「政治・経済・社会」以外は出題形式に変化がなく傾向の把握が可能なことから、過去問演習が有効である

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