行政書士試験の内容を調べるとき、まず確認したいのは「何が出るのか」「何点取れば合格なのか」「誰が受けられるのか」という点です。
行政書士試験は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」46題と「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」14題の合計60題・300点満点で実施されます。
受験資格には年齢・学歴・国籍等の制限がなく、どなたでも受験できます。ただし、試験に合格しただけで行政書士として業務を行えるわけではなく、実際に業務を行うには行政書士名簿への登録が必要です。
本記事では、行政書士試験研究センターの公式情報をもとに、試験科目、出題形式、配点、合格基準、受験資格、合格率を整理します。
行政書士試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施団体 | 一般財団法人 行政書士試験研究センター |
| 受験資格 | 年齢・学歴・国籍等に関係なく、どなたでも受験可能 |
| 試験科目 | 法令等46題+基礎知識14題 |
| 出題形式 | 5肢択一式・多肢選択式・記述式 |
| 満点 | 300点 |
| 令和8年度試験日 | 2026年11月8日(日)13時〜16時 |
| 受験手数料 | 10,400円 |
| 令和8年度合格発表 | 2027年1月27日(水) |
令和8年度行政書士試験は、2026年11月8日(日)の13時〜16時に実施されます。受験手数料は10,400円、合格発表は2027年1月27日(水)です。
令和8年度の試験案内・試験場一覧はすでに行政書士試験研究センターから正式に公表されています。
出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」
行政書士試験の試験科目・配点
行政書士試験は、大きく「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」の2区分に分かれます。
| 試験科目 | 出題形式 | 出題数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 法令等 | 5肢択一式 | 40問 | 160点 |
| 法令等 | 多肢選択式 | 3問 | 24点 |
| 法令等 | 記述式 | 3問 | 60点 |
| 法令等 合計 | ― | 46問 | 244点 |
| 基礎知識 | 5肢択一式 | 14問 | 56点 |
| 合計 | ― | 60問 | 300点 |
問題別の配点は、5肢択一式が1問4点、多肢選択式が1問8点、記述式が1問20点です。多肢選択式は空欄ア〜エの4つに分かれ、空欄1つにつき2点です。
法令等科目|基礎法学・憲法・行政法・民法・商法
法令等科目は46題・244点で、試験全体の中心となる科目です。
出題範囲は、基礎法学・憲法・行政法・民法・商法です。
行政法については、行政法の一般的な法理論のほか、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法などを中心に出題すると公式に案内されています。
基礎知識科目|一般知識・行政書士法等・情報通信・個人情報保護・文章理解
基礎知識科目は14題・56点で、すべて5肢択一式です。
出題範囲は、次の4分野です。
- 一般知識
- 行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
- 情報通信・個人情報保護
- 文章理解
現在の基礎知識科目は令和6年度試験から適用されています。
法令問題は受験年度の4月1日現在施行の法令から出題
法令に関する問題は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されている法令に基づいて出題されます。
令和8年度試験なら、2026年4月1日現在施行されている法令が基準です。
古いテキストを使う場合は、法改正内容を補えているか必ず確認しましょう。
行政書士試験の出題形式
5肢択一式|54問・216点
5肢択一式は、5つの選択肢から正しいもの・妥当なものなどを1つ選ぶ形式です。
法令等から40問、基礎知識から14問の合計54問が出題され、1問4点、合計216点です。
解答はマーク式で行います。
多肢選択式|3問・24点
多肢選択式は、文章中の空欄ア〜エに当てはまる語句を、1〜20の選択肢から選ぶ形式です。
法令等科目から3問出題され、1問8点・合計24点です。空欄1つにつき2点なので、すべての空欄が分からなくても、分かる部分を正確に取ることが得点につながります。
記述式|3問・60点
記述式は、40字程度で答案を書く形式です。
法令等科目から3問出題され、1問20点・合計60点です。
公式の試験案内では、記述式が行政法・民法のどちらから何問出るかまでは定めていません。過去問では行政法・民法からの出題が続いていますが、受験年度の試験案内と過去問題を確認して対策しましょう。
また、記述式は本試験の採点基準が公開されていないため、択一式ほど自己採点しやすくありません。法律知識を覚えるだけでなく、問われた内容を短く正確に文章化する練習が必要です。
行政書士試験の合格基準|180点だけでは合格できない
行政書士試験には、総得点に加えて科目別の基準があります。
令和8年度試験の公式案内では、次の3つの要件をすべて満たした人を合格とするとされています。
| 基準 | 令和8年度公式案内 | 通常の配点なら |
|---|---|---|
| 法令等科目 | 満点の50%以上 | 122点以上 / 244点 |
| 基礎知識科目 | 満点の40%以上 | 24点以上 / 56点 |
| 試験全体 | 満点の60%以上 | 180点以上 / 300点 |
つまり、原則として122点・24点・180点の3基準をすべて満たす必要があります。
ただし、令和8年度の公式案内には、試験問題の難易度を評価し、合格基準に補正的措置を加える場合があると記載されています。
そのため、令和8年度の最終的な配点・合格基準点は、2027年1月27日の合格発表時に公表される内容を確認してください。
たとえば総得点が185点でも、基礎知識科目が20点なら基準に届かず不合格です。逆に法令等・基礎知識の各基準を満たしていても、総得点が175点なら不合格になります。
行政書士試験の科目別対策ポイント
行政法|得点の柱にしたい科目
行政法は、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法などを含む重要科目です。
学習では、条文・制度・判例をバラバラに覚えるのではなく、「行政庁がどのような手続で処分するか」「不服がある場合にどう争うか」という流れで整理すると理解しやすくなります。
民法|事例問題に慣れる
民法では、意思表示、代理、時効、物権、債権、契約、親族・相続など幅広い分野を学びます。
単に条文を暗記するだけでなく、「誰が誰に何を請求できるか」を事例の中で整理できるようにすることが重要です。
基礎法学・憲法・商法も取りこぼしを減らす
法令等科目には、基礎法学・憲法・商法も含まれます。
行政法・民法に比べて学習上の優先度を下げる受験生もいますが、完全に捨てるのではなく、過去問で頻出する基本論点を押さえることが重要です。
基礎知識|24点の基準を意識する
基礎知識科目は56点しかありませんが、通常の基準では24点以上が必要です。
配点が小さいからといって後回しにしすぎると、法令等で高得点を取っても足切りになる可能性があります。
行政書士法等、情報通信・個人情報保護、文章理解など、対策方針を立てやすい分野から確実に得点できるようにしましょう。
行政書士試験の合格率
令和7年度行政書士試験は、受験者50,163人、合格者7,292人、合格率14.54%でした。
最近6年間の合格率は次のとおりです。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 50,163人 | 7,292人 | 14.54% |
| 令和6年度 | 47,785人 | 6,165人 | 12.90% |
| 令和5年度 | 46,991人 | 6,571人 | 13.98% |
| 令和4年度 | 47,850人 | 5,802人 | 12.13% |
| 令和3年度 | 47,870人 | 5,353人 | 11.18% |
| 令和2年度 | 41,681人 | 4,470人 | 10.72% |
行政書士試験は受験者との相対評価だけで合否を決める試験ではなく、原則として所定の合格基準を満たす必要があります。
合格率だけでなく、科目別基準、記述式60点、出題範囲の広さまで含めて難易度を判断しましょう。
独学と通信講座はどちらが向いている?
行政書士試験は独学でも合格を目指せます。
一方、法律初学者で行政法・民法の考え方を理解しづらい人、記述式答案を自分だけで確認するのが難しい人、学習計画を一人で管理しにくい人は、通信講座を利用する方法もあります。
| 独学で進めやすい人 | 通信講座を検討しやすい人 |
|---|---|
| 自分で学習計画を立てられる | 何から学ぶべきか迷いやすい |
| テキスト・過去問で法律を理解できる | 法律初学者で講義から理解したい |
| 記述式答案を自分で改善できる | 記述式の採点・添削に不安がある |
資格スクエアなら過去問・記述式対策をオンラインで進められる
資格スクエアの27年度1年合格講座では、Web問題集「法令択一クエスト」で法令等科目21年分・約3,000肢を演習できます。
AI「記述式」添削は、平成27年度〜令和8年度の最大12年分・全36問で利用でき、使用回数は無制限と案内されています。
AI「記述式」添削の採点基準は資格スクエア独自のもので、本試験の評価基準そのものではありません。答案作成の練習や弱点確認の補助として活用しましょう。
27年度1年合格講座の通常価格は、テキストあり159,500円、テキストなし148,500円(税込)です。
行政書士試験に関するよくある質問
行政書士試験に受験資格はありますか?
年齢・学歴・国籍等の制限はありません。
行政書士試験研究センターは、「年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます」と案内しています。
行政書士試験は何問・何点満点ですか?
60問・300点満点です。
法令等46問・244点、基礎知識14問・56点で構成されています。
行政書士試験の合格基準は何点ですか?
令和8年度の公式案内では、法令等50%以上、基礎知識40%以上、全体60%以上の3要件をすべて満たす必要があります。
通常の配点なら法令等122点以上・基礎知識24点以上・総得点180点以上に相当します。ただし、試験問題の難易度によって補正的措置が加えられる場合があります。
記述式は何問出ますか?
3問・合計60点です。
1問20点で、40字程度の答案を記述します。
基礎知識とは何ですか?
一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解から出題される科目です。
科目免除はありますか?
通常の行政書士試験について、科目免除制度は案内されていません。
行政書士となる資格には試験合格以外のルートもありますが、これは試験の科目免除とは別です。
行政書士試験は独学でも合格できますか?
独学で合格を目指すことは可能です。
ただし、行政法・民法、基礎知識、記述式をバランスよく対策し、科目別基準まで自分で管理する必要があります。
行政書士試験内容まとめ
行政書士試験は、基礎法学・憲法・行政法・民法・商法を扱う法令等46題と、基礎知識14題の合計60題・300点満点で実施されます。
出題形式は5肢択一式・多肢選択式・記述式です。
合格には総得点だけでなく、法令等科目・基礎知識科目それぞれの基準も満たす必要があります。
まず試験科目・配点・合格基準を正しく理解し、行政法・民法を軸にしながら、基礎知識の足切りと記述式60点まで含めて学習計画を立てましょう。
この記事について
本記事は、一般財団法人行政書士試験研究センターが公表する令和8年度試験案内、合否判定基準、試験結果などの公式情報をもとに、行政書士試験の科目・配点・出題形式・合格基準・受験資格を整理しています。年度によって日程や細かな試験情報が変わるため、受験時には行政書士試験研究センターの最新情報をご確認ください。
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