行政書士試験に受験資格があるのか気になっている方も多いでしょう。
結論から言うと、行政書士試験は年齢・学歴・国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。中卒・高卒の人、大学生、社会人、未成年者、外国籍の人でも、受験資格の面では申込みが可能です。
ただし、「試験を受けられること」「行政書士となる資格を有すること」「行政書士として登録・業務できること」はそれぞれ別です。
本記事では、行政書士試験研究センターと日本行政書士会連合会の公式情報をもとに、受験資格、行政書士となる資格を得る方法、欠格事由、登録手続まで整理します。
行政書士試験に受験資格はある?年齢・学歴・国籍の制限なし
行政書士試験には、年齢・学歴・国籍等による受験資格の制限はありません。
行政書士試験研究センターも、令和8年度試験案内で「年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます」と案内しています。
そのため、法律系の学部を卒業している必要も、行政書士事務所などで実務経験を積んでいる必要もありません。
出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」
高卒・中卒・大学生・社会人・未成年・外国籍でも受験できる?
| 属性 | 受験可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 中卒・高卒 | 受験できる | 学歴要件はありません。 |
| 大学生・専門学生 | 受験できる | 在学中でも受験可能です。 |
| 社会人・主婦/主夫 | 受験できる | 職歴・実務経験は受験条件ではありません。 |
| 未成年者 | 受験できる | ただし、未成年者は行政書士法上の欠格事由に該当します。 |
| 外国籍の人 | 受験できる | 国籍は受験条件ではなく、行政書士法2条の2の欠格事由にも国籍そのものは掲げられていません。 |
未成年でも試験は受けられるが、未成年の間は行政書士となる資格を有しない
行政書士試験には年齢制限がないため、未成年者でも受験できます。実際、令和7年度試験では最年少13歳の合格者が出ています。
一方、行政書士法第2条の2では「未成年者」を欠格事由として定めています。
つまり、「未成年でも試験には合格できる」一方で、未成年である間は行政書士となる資格を有しません。
試験合格と、行政書士として登録できる状態になることは分けて理解しましょう。
外国籍でも受験できる
行政書士試験には国籍制限がないため、外国籍の人も受験できます。
また、行政書士法第2条の2の欠格事由には、外国籍であること自体は定められていません。
新規登録では、申請者の状況に応じて在留カード等が必要書類として案内されています。具体的な必要書類は、登録申請を行う都道府県行政書士会へ確認してください。
「受験できる」「行政書士となる資格がある」「登録できる」は別
行政書士を目指すときは、次の3段階を分けて理解すると分かりやすくなります。
| 段階 | 意味 | 主な条件 |
|---|---|---|
| ① 試験を受験できる | 行政書士試験へ申し込める | 年齢・学歴・国籍等の制限なし |
| ② 行政書士となる資格を有する | 行政書士法第2条の資格要件を満たす | 試験合格等+第2条の2の欠格事由に該当しないこと |
| ③ 行政書士として業務できる | 行政書士名簿へ登録されている | 登録申請・審査・行政書士会への入会等 |
試験合格だけで行政書士を名乗って報酬を得て業務できるわけではありません。
行政書士となる資格を有する人が行政書士として業務を行うには、日本行政書士会連合会が備える行政書士名簿への登録を受ける必要があります。
行政書士となる資格を得る方法
行政書士法第2条では、次のいずれかに該当する人が行政書士となる資格を有すると定めています。ただし、第2条の2の欠格事由に該当する人は除かれます。
- 行政書士試験に合格した人
- 弁護士となる資格を有する人
- 弁理士となる資格を有する人
- 公認会計士となる資格を有する人
- 税理士となる資格を有する人
- 公務員等として行政事務を一定期間担当した人
一般的なのは行政書士試験に合格するルート
これから行政書士を目指す人にとって、最も利用しやすいのが行政書士試験に合格するルートです。
受験資格の制限がないため、学歴や職歴に関係なく挑戦できます。
他士業資格を有する人にも資格ルートがある
弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する人は、行政書士法上、行政書士となる資格を有するとされています。
ただし、これらはいずれも別資格の資格要件を満たすことが前提です。
公務員の行政事務経験によるルートもある
国・地方公共団体の公務員等として行政事務を担当した期間が通算20年以上ある場合も、行政書士となる資格を有する可能性があります。
学校教育法による高等学校を卒業した人その他同法第90条に規定する人については、通算17年以上です。
すべての公務員経験が自動的に対象になるわけではないため、自分の職歴が「行政事務」に該当するかは登録時に確認が必要です。
行政書士法の欠格事由|未成年者などは行政書士となる資格を有しない
行政書士法第2条の2では、一定の人について、行政書士法第2条の資格要件を満たしていても行政書士となる資格を有しないと定めています。
主な欠格事由は次のとおりです。
- 未成年者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日等から3年を経過していない人
- 公務員として懲戒免職となり、処分の日から3年を経過していない人
- 行政書士登録の取消しや業務禁止等の処分を受け、一定期間を経過していない人
- 他士業で一定の懲戒処分等を受け、一定期間を経過していない人
欠格事由は条文上さらに細かく定められているため、該当する可能性がある場合は行政書士法第2条の2の全文を確認してください。
欠格事由とは別に、登録申請時には登録拒否事由も確認される
行政書士法第6条の2第2項では、日本行政書士会連合会が登録申請を受けた場合、申請者が行政書士となる資格を有するかに加えて、一定の登録拒否事由に該当しないかを確認すると定めています。
具体的には、次のような場合です。
- 心身の故障により行政書士の業務を行うことができない人
- 行政書士の信用・品位を害するおそれがある人など、行政書士としての適格性を欠く人
「行政書士法第2条の2の欠格事由」と「第6条の2の登録拒否事由」は別の制度です。
元々の受験資格とはさらに別なので、「試験は受けられるが、行政書士となる資格・登録の段階では別の要件がある」と理解しておきましょう。
行政書士の新規登録に必要な手続・書類
行政書士となる資格を有する人が行政書士となるには、事務所を設けようとする都道府県の行政書士会を通じて必要書類を提出し、日本行政書士会連合会の行政書士名簿への登録を受けます。
日本行政書士会連合会が案内する主な必要書類は次のとおりです。
- 行政書士登録申請書
- 履歴書
- 誓約書
- 本籍地の記載された住民票の写し
- 身分証明書
- 顔写真
状況によって、戸籍抄本または在留カード等、公務員職歴証明書、雇用契約書、事務所の所在等を確認する書類なども必要です。
また、各都道府県行政書士会が独自に定める提出書類もあります。
新規登録手数料は25,000円|そのほかの費用は都道府県会で異なる
日本行政書士会連合会の新規登録手数料は25,000円です。
これとは別に登録免許税や、所属する都道府県行政書士会の入会金・会費などが必要になります。
入会金や会費は都道府県行政書士会によって異なるため、登録費用を全国一律の総額で断定するのは適切ではありません。
令和8年度行政書士試験の受験申込みは終了
令和8年度行政書士試験は、2026年11月8日(日)13時〜16時に実施されます。
令和8年度の申込受付は、郵送が2026年8月17日、インターネットが2026年8月24日に終了しています。
令和8年度試験の受験申込み受付は終了しています。
次年度以降の受験を予定している場合は、行政書士試験研究センターが公表する最新年度の試験案内を確認してください。
受験資格はないが、試験は簡単ではない
行政書士試験は誰でも受験できますが、受験資格がないことと試験が簡単であることは別です。
令和7年度試験は受験者50,163人、合格者7,292人、合格率14.54%でした。
試験では、基礎法学・憲法・行政法・民法・商法などの法令等科目に加え、基礎知識科目、記述式への対策も必要です。
受験資格を確認したら、試験科目や合格基準を把握し、本試験までの学習計画を立てましょう。
独学に不安があるなら資格スクエアも選択肢
行政書士試験は独学でも合格を目指せます。
一方、法律初学者で行政法・民法を講義から理解したい人や、記述式答案を自分だけで確認しにくい人は、通信講座を使う方法もあります。
資格スクエアの27年度1年合格講座では、Web問題集「法令択一クエスト」で法令等科目21年分のテーマ別・肢別過去問を利用できます。
AI「記述式」添削は平成27年度〜令和8年度の12年分の記述式過去問で利用でき、使用回数は無制限と案内されています。
27年度1年合格講座の通常価格は、テキストあり159,500円、テキストなし148,500円(税込)です。
行政書士の受験資格に関するよくある質問
行政書士試験に職歴や実務経験は必要ですか?
必要ありません。
行政書士試験は年齢・学歴・国籍等に関係なく受験でき、職歴や行政書士実務の経験も受験要件にはなっていません。
高卒・中卒でも行政書士になれますか?
行政書士試験に学歴制限はないため、高卒・中卒でも受験できます。
試験に合格し、欠格事由等に該当せず、行政書士名簿への登録を受ければ行政書士として業務を行うことができます。
未成年でも行政書士試験に合格できますか?
受験・合格は可能です。
ただし、行政書士法第2条の2では未成年者を欠格事由としているため、未成年である間は行政書士となる資格を有しません。
行政書士試験に合格すればすぐ働けますか?
いいえ。行政書士名簿への登録が必要です。
所属する都道府県行政書士会を通じて登録申請し、行政書士会へ入会する必要があります。
試験合格以外で行政書士になる方法はありますか?
あります。弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する人や、一定期間行政事務を担当した公務員等にも行政書士となる資格ルートがあります。
社労士試験と受験資格は違いますか?
異なります。
行政書士試験は年齢・学歴・国籍等に関係なく受験できますが、社会保険労務士試験には学歴・実務経験・所定の国家試験合格などの受験資格があります。
行政書士の受験資格まとめ
行政書士試験には、年齢・学歴・国籍等による受験資格の制限はありません。
ただし、試験に合格することと、行政書士となる資格を有すること、行政書士として名簿登録され業務できることは別です。
行政書士法上の欠格事由や登録拒否事由、新規登録に必要な書類・費用も確認したうえで、資格取得後の働き方まで見据えて行政書士を目指しましょう。
この記事について
本記事は、一般財団法人行政書士試験研究センター、日本行政書士会連合会が公表する行政書士試験案内、行政書士法上の資格・欠格事由、新規登録手続などの公式情報をもとに、行政書士試験の受験資格と登録要件を整理しています。個別事情によって登録可否や必要書類が異なる場合があるため、実際に登録する際は所属予定の都道府県行政書士会へ確認してください。
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