宅建の難易度ランキングはどの程度?よく言われる話についても解説

宅建の難易度ランキングはどの程度?よく言われる話についても解説

「宅建(宅地建物取引士)」は、不動産取引に特化した国家資格のひとつです。ほかの国家資格に比べると難易度は高くないとも言われており、例年20万人以上が受験するほどの人気資格です。ここではほかの資格と比較し、宅建資格の取得難易度をおおまかにランキングにしてご紹介します。

1 宅建の難易度ランキングはどのくらい?

資格の取得難易度は、必要とされている勉強時間や合格率が目安になります。難易度を表にしてまとめました。

宅建資格の取得難易度は以下の通りですが、合格者の平均勉強時間を見ると300~500時間です。仮に500時間もの時間を使って勉強するとして、1日に2時間勉強した場合、約8ヵ月程の期間を要する計算になります。

一方、司法試験や税理士、公認会計士を見てみると、宅建資格の約17.6倍の時間を要します

難易度 資格 取得に必要な勉強時間(時間) 合格率
超高 司法試験

税理士

公認会計士

3000~8000 20~25%程度

10~20%程度

10%程度

中小企業診断士

日商簿記1級

一級建築士

500~1000 15~25%程度

10%程度

10%程度

宅建士

日商簿記2級

社会福祉士

300~500 15%程度

25%程度

25~30%程度

危険物取扱者 丙種

ITパスポート

電気工事士 第2種

50~100 50%程度

50%程度

筆記60%程度 技能70%程度

(1)宅建の難易度は中間レベル

合格率は毎年15%~17%で推移しており、国家資格の中では難易度は中程度にあたります。数千時間の勉強が必要な資格に比べれば、難易度的には易しめともいえます。ただ、宅建試験は相対評価で明確な合格ラインが設定されていません。そのため、合格するには受験者の中で高めの点数獲得する必要があります。

例年7割程度の得点が必要であり、過去10年間でも31〜38点と大幅に合格ラインが変動しているのです。相対評価の反対は絶対評価と呼ばれ、「何点以上で合格」という線引きがされているものを指します。絶対評価を採用していない理由は、受験年によって出題のレベルがコロコロと変わることで合格者数が増え、合格者のレベルが低くなることを防ぐためだといわれています。

試験が年1回で、法律が深く絡むなどの点で、初めて国家試験を受ける人にとっては難関に感じやすいでしょう。

(2)不動産業界の中でも宅建の難易度は中間

宅建よりも難易度が高く、取得が難しいのが、不動産鑑定士やマンション管理士といった資格です。不動産鑑定士は土地や建物の評価額を鑑定する専門家のことであり、合格するための勉強時間は約1,500時間と、宅建の3倍以上もの時間を要する資格です。マンション管理士は土地家屋調査士と同等のレベルの資格ということを考えると、宅建よりも難易度が高いといえます。

逆に試験が易しい資格は、管理業務主任者や賃貸不動産経営管理士など。昨今ではダブルライセンスとして、これらの資格やお金にまつわるファイナンシャルプランナー(FP)を取得する方が増えています。

(3)人によって宅建の難易度の感じ方は異なる

これは「人によって様々」という言葉に尽きます。宅建試験が難しいと感じるかどうかは、初めて受験する方にはとても気になるでしょう。

1.自分の性格を分析する
2.どうすれば簡単になるか
3.何を使って勉強するのか

これらのポイントを考えてみましょう。元々不動産売買の営業マンとして実務をこなしている方や、法律を扱う仕事をされていたり、建築関係の仕事をされている方は科目が重複する部分はあります。そのため、初心者と比べて少しアドバンテージがあるでしょう。

これによって勉強時間も大きく変わってくるため、別の資格試験を数回こなしている方であっても「宅建試験」は別物だと感じることが少なくないようです。

(4)近年宅建試験内容の難化が進んでいる

宅建試験は難化傾向にあります。最近、宅建が宅地建物取引主任者から宅地建物取引士へと名称変更され、新しく「士業」に分類されたことから、より専門性の高さが求められるという背景があるためです。

さらには、士業化に伴い受験者数が増加していることも難化する理由のひとつになっています。先述したように宅建は相対評価のため、問題のレベルが上がったとしても受験者のレベルも高くなり、それに伴い合格点が引き上げられることが原因です。

特に2020年の試験では、民法改正の影響から権利関係の科目の難易度が上がっていました。それでもなお高い人気を誇る「宅建」ですが、なぜそこまで多くの受験者数で推移しているのでしょうか。

2 宅建が難易度が簡単と言われやすい理由

宅建試験は毎年80%以上の人が不合格になっている難関資格ですが、一方で簡単だといわれることも少なくありません。その理由には、他の国家資格を比較すると難易度が低めのため、安易に「宅建は簡単」というイメージがついていることがあります。

実際には合格率15%ということを考えると、約6.6倍の競争率です。要するに、受験者の6~7人に1人が合格できるということになります。宅建試験が簡単いわれやすい理由について詳しく見ていきましょう。

(1)受験資格がない

以前は受験資格が設定されていた宅建試験ですが、現在では、

・年齢
・学籍
・国籍

などの制限がないため、毎年およそ20万人の受験者が殺到するほどの人気があります。受験者はサラリーマンの方を始め、学生や主婦の方、OLの方など様々です。また受験者数が多い背景には、不動産業界や金融業界では毎年の宅建受験を必須にしている会社もあり、その従業員の方が受けに来ているケースもあります。

(2)不動産業界にいると受かりやすい

やはり、業界経験者だと内容を理解しやすいという点も大きく関わってきます。仕事を通じて不動産の専門用語にも慣れているため、テキストを読んでいてもすんなりと学習を進めることができます。そのため一般の受験生よりも短いスパンで合格可能です。

また、全50問のうち、最後の5問分を全問正解としてみなす「5問免除」と呼ばれる制度があります。この制度を利用するには、「登録講習」を受講し、「登録講習修了者証明書」の交付を受けることが必要です。「登録講習」は、宅地建物取引業法第16条第3項に基づく講習で、国土交通大臣の登録を受けている登録講習機関だけが実施できます。所定の履修科目について、通信講習とスクーリングで学ぶことが可能です。

登録講習を受けることができるのは、宅地建物取引業の従業者であること、従業者証明書を持っていることが必須条件です。講習申込みの際、顔写真が入った「従業者証明書」をコピーして提出する必要があるため、不正はできない仕組みになっています。このことから、不動産業界にいると受かりやすいという背景があるのです。

(3)試験がマークシート式

四肢択一で全50問の試験内容となっており、試験時間は2時間、マークシート方式での回答となっています。他の国家試験の場合と比較をすると、以下の通りです。

・公認会計士:マークシート+論文式
・中小企業診断士:マークシート+記述式+口述式

このように、宅建は全てマークシート式であり、このことからも簡単というイメージがついてしまいやすいようです。しかし、マークシートならば安易に簡単ということはないでしょう。

3 鵜呑みに注意!宅建の難易度ランキングに関する話

宅建は国家資格であるにも関わらず、認知度が高いこともあるのか「簡単に合格できる」と思っていらっしゃる方もいるようです。難関試験と比べると難易度的には中程度ではあるものの、勉強せずとも受かることはありません。

(1)宅建は1カ月で取得できる

宅建に1ヵ月で合格するのは不可能に近いです。司法書士や行政書士など、法律関係の資格所持者でもない限りは難しいでしょう。先述の通り、合格者の平均を見ると、一般的に1日平均2時間の勉強をコンスタントに続けたとしても8ヵ月はかかります。

社会人の場合は学習と仕事の両立が難しいため、余裕を見て1年間で学習計画を立てることが必要です。

(2)テキトーでも運が良ければ合格できる

適当に勉強してまぐれで受かることはまずありません。謙遜して「宅建受かったのはまぐれですよ」という人はいても、本当に「全然勉強してないのにまぐれで受かったよ」という人はいないでしょう。例えば、合格ラインを7割の35点だと仮定して、35問を偶然で当てるには、(4分の1)の35乗です。計算してみると、

1,180,591,620,717,411,303,424分の1の確率で合格ができそうです。

まったく現実味がない、果てしない数字が出ています。やはり、きちんと勉強を積み重ねた上で受験しないと合格は難しいでしょう。

(3)とりあえず○○をやっておけば大丈夫

とにかく出題範囲が広いため、「とりあえずこれだけやっておけば大丈夫」ということはなく、計画性をもって出題傾向から範囲を絞って勉強する必要があります。具体的におすすめの方法として、参考書を最初から最後まで眺めてみましょう

これは勉強するうえでとても大事なことで、ある意味、相手(=勉強内容)を知ることにつながります。これによって、合理的に勉強を進めることができるようになります。また、傾向をしっかり掴むことも大切です。宅建試験は4科目、以下の通りに分類されます。

・民法(権利関係)
・宅建業法
・法令上の制限
・税、その他

民法:全50問のうち14問が出題されます。法律に関しての知識がなければ苦戦する科目なので、しっかりと学習する時間を確保しましょう。また、必ず図式化して問題を解くことで、より自信を持って回答できるようになります。過去問を解く段階から癖づけをして本番の試験に臨みましょう。

宅建業法:50問のうち20問の割合を占める一番ウェイトのある科目です。業務上の規制や手続きについての出題がほとんどで、暗記がメインとなります。語呂合わせで紹介される参考書などもあるため、自分が分かりやすい、イメージしやすいテキストを選ぶことで、暗記に要する時間の大幅な削減につながります。

法令上の制限:全体像を掴み、用語やルールを覚える暗記科目になります。図や表からの暗記が多いため、暗記項目が多いように感じますが、頻出問題の傾向を確実に把握しておくと得点可能です。法改正についてはこの科目が影響を受けるため、最新の情報を確認しておきましょう。

税、その他:ここでは税金の種類を覚えます。種類が多く、初めて取りかかると苦手意識を持つ方が多いのですが、覚える内容は少ないため、確実に点を獲得しにいきましょう。また、毎年土地や建物の統計データから出題されているため、頻出問題を繰り返し解いて頭にインプットしておきましょう。

参考書の読み込み、予想問題集・過去問・模試など、できることはすべて取り組んだ方がよいでしょう。

(4)独学でも余裕

人気の資格ということもあり、たくさんの参考書に恵まれているため、独学で合格する人もいます。しかし、一人で学習していると予想以上にモチベーションが続かなかったり、わからないことが出てきてつまずいてしまったりと、懸念されるポイントがいくつも存在します。

そのため、スケジュール管理をきちんとしてくれるスクールや通信講座を利用し、効率的に勉強するのがおすすめです。

4 サマリー

「宅建試験」の難易度は徐々に高くなっている傾向があります。ランキングだけで見ると、難易度は中程度で簡単に思われがちですが、やはりきちんと学習をしておく必要があります。

ただ、しっかりとしたスケジュールで学習管理ができれば、合格にも手が届きやすい資格です。通信講座、独学、スクーリングなど勉強方法も幅広くあるため、自分にあった方法を見つけて宅建合格を目指しましょう。

5 まとめ

・宅建の難易度は国家資格の中では中間レベル

・人によって宅建試験の難易度に対する感じ方は違う

・宅建試験の難易度に関する情報の鵜呑みに注意

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