受講生 合格体験記

令和7年度
予備試験
合格

不確実性の中で、
それでも続けるという選択

無職Y.I 様

  • 職歴・学歴

    通信制大学

  • 受講講座

    7期

  • 注目ポイント

    不確実な世界で自分をどう乗りこなすか

  • 年齢

    20代

  • 予備試験を目指したきっかけ

    前に進める唯一の選択肢だと思ったから

何もできなかった時期に見つけた選択肢

予備試験を目指そうと思われたきっかけを教えていただけますか。

予備試験を目指したきっかけは、もともと私が“ニート状態”といいますか、学校にも行けず、仕事もできず、本当に何もできない時期が長く続いていたことにあります。
生活も昼夜逆転で、何もかもがうまくいかない「ないない尽くし」の状態でした。

そんな中で、大学に通うわけでも仕事やアルバイトをするわけでもなく、「家でできて、何もしないよりは少しでも前に進めることはないか」と考えるようになりました。いろいろ調べていく中で、受験資格が不要で、形式的にも自分でも挑戦できそうだと思えたのが予備試験でした。

選択肢がほとんどない状況だったからこそ、「できそうなことはこれしかない」と思い始めた…というのが正直なところです。

受験資格がない試験が他にもある中で、予備試験を選ばれた理由は何ですか?

うまく言葉にできない部分もあるんですけれど、法律って “人間関係のトラブル” や “人が集まると起きる問題” のいわばカタログみたいなところがあると思うんです。

これまで、幼少期から人の集団にうまく馴染めなかったという経験があって、その分“人間の生態”というか、人がどう動き、どう関わり、どう衝突するのか…そういう仕組みを知りたいという思いがどこかにあったんだと思います。その感覚に法律が少しヒットした、という感じですね。

初めて短答式試験を受験されたのはいつ頃になりますか?

短答に初めて行ったのは2023年の夏です。3回受験して3回受かってます。

論文式試験を受けられたのは何回目の受験だったのでしょうか?

2023年の初回受験の時は、短答は受かったものの論文式試験時には朝起きることができず行けませんでした。2024年は短答に受かって、論文に行ったものの落ちてしまいました。2025年にどちらも受かったという感じです。

試験会場に行けた理由、行けなかった理由

資格スクエアをお選びいただいた理由をお聞かせ願えますか。

当時は、まず“オンラインで完結できる”という点が大きかったですね。価格面でも、できるだけ費用を抑えたかったので、そこも重要なポイントでした。

あとは、無料で見られるサンプル講義や、資格スクエアのYouTube動画などをいろいろ視聴してよさそうだなと感じたというのもあります。

受講を始めるとき、周りの方に相談されたりしましたか?

当時、このことを話したのは母だけでした。

それまでの自分の状態を一番理解してくれていたのが母でしたし、相談したときも“失うものなんてもうないんだから、やってみればいいよ”という感じでした。

受講費用についても、これまでの私のお年玉や高校時代のアルバイト代、そして母が私のために貯めてくれていたお金を合わせて何とか工面してくれました。

合格までに特に大変だったことは何ですか?

大変だったことは、本当にたくさんあります。ただ、自分が大変だと感じていたポイントは、いわゆる“一般的な受験生が大変だと感じる部分”とは少し違っていたのかなとも思います。

例えば、試験会場に行くという最初の一歩が、私にとっては大きな壁でした。

当時は、普段からお家の外に出ることが難しい状況だったのでしょうか?

現状も含めてなのですが、私は本当に外に出ることが苦手で、今でも病院と試験当日以外はほとんど家から出ません。電車も苦手ですし、美容院にも行けないくらいで、そういう生活がずっと続いています。

生活スタイルも睡眠障害があって、夜行性で睡眠時間も長いんです。なので、朝から始まる試験に合わせて生活リズムを整えるという作業が、自分にとってはすごく難しいんですね。うまく調整できるかどうかも不安でしたし、自分なりの睡眠調整の方法も掴めていなかったので、それが大きな壁でした。

それに加えて、始めたときに覚悟を決めたつもりではあったんですけれど……不安症が強くて、“受かる気がしない”とか、どうしても試験の不確実性を受け入れられない部分がありました。

ただでさえ外に出ることが負担なのに、そこに“落ちるかもしれない”というプレッシャーが重なると、もしダメだったときに再起できないんじゃないかという恐怖もあって……。
そういうものが全部重なってしまって、“試験会場にさえ行けないし、行かない”という時期が続いていたんです。

徐々に会場に行けるようになっていった感じだったのでしょうか?それとも、何か“コツ”のようなものを掴んだ実感はありましたか?

振り返ると、“行けなかった”という経験を踏まえて、じゃあ次はどうすれば行けるのかという対処法を少しずつ見つけていった、というところはあります。
ただ、自分の中では、ある程度“受かりそうだ”とか、“ここまで来たなら行かないともったいない”と思えるような感覚がないと、どうしても会場に足が向かないんだなと感じています。

例えば、24年の短答は7月だったんですけど、睡眠調整に失敗してしまって……。結局、ほとんど徹夜のような状態で試験会場に向かったんです。自分の中では“行かないともったいない”と思えるくらい、受かる可能性を感じていたんだと思います。
自信というと言い過ぎかもしれませんが、“十分狙える”という感覚があったからこそ、ほとんど眠れていない状態でも気持ちで会場に向かえたんですよね。

ただ、その流れで受けた24年の論文は、合格点にわずかに足りず落ちてしまって……。このときのダメージが大きかったです。やっと会場に行けて、気持ちを振り絞って挑んだ分、なおさらショックでした。
直前期まで含めて全力で勉強して、できることは全部やったつもりでした。
だからこそ、論文が終わったあとに完全に燃え尽きていました。この状態から立ち直るまでにかなり時間がかかりましたね。

それでも今年に関しては、“ここまでやってきたのに受けないのはもったいない”という思いがどこかにあって、短答の直前になってようやく少しずつ勉強を再開しました。
そこからはもう、気持ちだけでなんとか動くような感じで……かろうじて試験当日を迎えて、試験会場に行ったという状態でした。

やめる選択肢を持たないという決断

“もうやめようかな”という気持ちがよぎったり、受験をやめる選択肢が浮かんだりしたことはありましたか?

そうですね……始めた頃の話に戻るのですが、勉強を始めるときに“予測できた理由ではやめない”と自分で決めていたんです。

理解できないとか、覚えられないとか、勉強の量が多いとか、睡眠障害やメンタルの問題、生活の困難さ、そして落ちる可能性――こういったことは、始める前からある程度わかっていたことなので、“それを理由にやめない”と自分で線を引いていました。

ただ……やめるという選択肢はなくても、精神的に苦しい時期はたしかにありました。

ご自身の中で “続けるためのコツ” のようなものはありましたか?

結局のところ “やめるという選択肢を持たない” ということに尽きると思います。

ある意味では自分に少し甘くなれるというか、“どうせいつか受かるしかないんだから”という気持ちにもなるんですよね。
だから、“1日何時間やらなきゃ”みたいな無理なノルマを課すのではなく、自分が勉強を嫌いにならないようにすることとか、続けやすい環境を保つことに意識を向けるようになりました。

初学期はロードマップどおりに進めた2年間

実際の学習は、どのような順序で進められたのでしょうか?

資格スクエアの講座については、初学の最初の2年くらいは、ほとんどロードマップどおりに進めていました。憲法・民法・刑法という順番でそれぞれ基礎講義を聞いて、基礎問をやって、そのあと論文過去問の学習に入る、という流れですね。

私の場合は、一通りやり切るのに1年半から2年くらいかかってしまったんですけれど、当時は右も左もわからない状態でしたし、何をどう進めたらいいか迷うことも多かったので、とにかく資格スクエアの教材どおりに進める形で学習していました。

一通りこなされたあとはどのように学習を進められたのでしょうか?

やっぱり、一通りやる時期はまだ“新しいことを知る”段階なので、講義も面白いですし、その時期は勉強を楽しめていた部分もありました。ただ、ある程度進んでくると“覚えて、制限時間内に点数として出さなきゃいけない”というフェーズに入りますよね。
そこが本当にしんどくて、「どうすればいいんだろう」と悩みました。

そしてこの段階では、決して効率的な学習とは言えないのですが、私はとにかく書いて覚えるという方法をとりました。
最初は論文対策の演習として、問題に対応する解答を写経するという学習から始めましたが、科目によっては思い切ってテキスト丸ごと写経をすることなどもしていました。

勇気を出して相談してみたら

実際に資格スクエアを受講してみて、全体としての感想はいかがでしたか?

まず、教材については、試験範囲が網羅されていて、提供されている分量でしっかり合格を目指せる内容でした。

基礎講義はとても面白かったですし、テキストをこれでもかというくらい活用しました。
私はこのテキストに、学んだ知識を“一元化”していったので、自分の学習の全部が詰まっています。ちょっと大げさかもしれませんが、もし家で火事が起きたら、いちばんに持って逃げるリストに入るくらい大事な存在です。これがなかったら、私は勉強を続けられていなかったと思います。

基礎定着の段階では“嫌にならずに続けられること”が何より大事で、そういう意味で適切な分量だったと思います。

基礎問は短くて、すぐ終わるし、“論文を書くことをコンスタントに続ける”にはすごく向いていると思います。
勉強の習慣化にちょうどよかったので毎日いくつか書くという形で続けていました。

資格スクエアのサービスについて、利用して特によかったものはありますか?

フォローアップには本当に助けられました。
最初の1〜2年は、人と話すのが怖いという気持ちが強くて、なかなか使えなかったんです。でも、“あるなら使ってみようかな”と思って勇気を出して利用してみたのが、たしか2023年くらいでした。

不安に思っていた自分が馬鹿らしく思うほど、ご対応いただいた方が穏やかで優しくて。とても話しやすかったです。

2024年は小野先生にお世話になることが多くて、何度かフォローアップで相談させていただきました。私の抱えている事情って、正直“こんなこと言って大丈夫かな?”って思うような内容も多かったんですけど、そういう話をしても全然引いたりせず、「あ、そうなんだ」と自然に受け止めてくれて。

そして、“こういう人もいるよ”“こういうふうに受かっている方もいるよ”って、私の状況に合わせて話してくださったのがとても救われたし、前に進む力をもらえました。

短答は“量で管理できる”試験

資格スクエアを使っていて“ここが良かったな”と感じたポイントってありますか?

短答攻略クエストが使いやすかったです。

短答って、勉強の中で唯一“量で管理できる”というか、努力がそのまま積み重ねとして見えやすい部分なんですよね。
特に短答攻略クエストはアプリで、肢別の形式だったので学習の進捗や、試験日までに必要な演習量が数字で管理しやすいんです。

短答については本番形式は特にやらず、アプリだけをとにかくやり込みました。それだけでも合格ラインに届いたので、短答対策に関しては本当にアプリ一択でしたね。

高順位での短答合格だったと思うのですが、クエストの存在が大きかったのでしょうか?

そうですね。短答攻略クエストも、まず解いてみて、知らないことやできなかった部分が出てきたら、その都度アプリの解説を確認して、気になるポイントを付箋などでテキストに一元化していました。
そして、あとはその一元化したテキストをひたすら回すというサイクルです。

勉強に行き詰った時など、ちょっとした息抜きの方法だったり“これは楽しみだった” というものは何かありましたか?

基本的には、小説を読んだり、漫画を読んだり、音楽を聴いたり……といった、家でできる好きなことが多かったですね。それくらいです。

ちょっと燃え尽きていた頃――2025年の上半期あたりは、本当に“現実逃避として小説を読んでいたんじゃないかな”と思うくらいで、振り返っても「その時期、何していたんだろう?」と自分でもよく分からないです(笑)

燃え尽きていた期間、知識が抜けてしまう不安はありませんでしたか?

2025年の2〜3月くらいは、まさに私自身も「もう知識を忘れちゃってるんじゃないかな……」と思っていました。

ただ、それまでにテキストへ一元化をずっと続けていたという“貯金”があったので、直前期にはそのテキストをひたすら読み込んで、いわば“インストールし直す”ような形で戻していけました。結果的には、それで何とか間に合ったという感じです。

あとは、短答アプリくらいなら触っていた時期はあったように思います。その意味でも、短答はやっぱり着手しやすいですよね。

結果以上に残った“生き方のスキル”

この試験に“一発逆転”の思いで挑もうとしている方に、どんな言葉をかけられますか?

難しいですね……。
この試験について表面的に調べると合格率は3〜4%で、いわゆる難関資格という位置づけになっていると思うんです。だからこそ「偏差値の高い秀才しか受からないのでは?」という見方もあると思うんです。

でも、どんな状況…たとえば精神的な不調や社会に馴染みづらい特性、一般的には試験を受けることすら難しいとされがちな状況にあっても、自分の中で「どうしても受かる必要がある」とその必要性が明確になっていて、短答・論文・口述それぞれで合格点を取ることだけにフォーカスできるなら、世間で言われるほど“とんでもないムリゲー”ではない、という感覚もあります。

そう思う一方で、「合格した人が『こうすればいいよ』と言う」ことへのもやもやも感じていて…「こんな私でもできた、だからあなたも頑張ればできる」という言い方は、ときに「結果が出ないのは努力不足」という暴力的なメッセージになり得るよなと思います。
私は睡眠障害や引きこもり、無職といった状態でも何とか自分を乗りこなして結果が出るところまで来られましたが、それはサンプル数1の話にすぎません。

この土俵はやはり“不確実性の塊”です。誰もが頑張っても、誰もが報われるわけではない。
その中で私が得られたのは、「不安の強い自分との付き合い方」や「世間で普通とされていることができない自分の乗りこなし方」といった、生き方そのものに関わるスキルでした。

予備試験合格という結果よりも、むしろそれを身につけられたことが一生ものの価値があることだと感じています。
仮にこれが直ちに職に結びつかなかったとしても、その点だけで私は十分だなと思えています。

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