弁護士は試験マスター?!

弁護士は試験マスター?!

弁護士関連の試験について

弁護士になるための一連の流れ、突破しなければならない関門については前回の記事でお話ししました。
今回は、その関門であるいくつもの「試験」を取り上げていきます。

弁護士になるために受けなければならない試験

弁護士になるためには避けて通れないのが「試験」です。
弁護士関連の試験は以下の4つとなっています。

・法科大学院入学試験(未修者コースまたは既修者コース)
予備試験
司法試験
二回試験

人によって受ける試験は変わりますが、弁護士になるためには少なくとも3回は試験を受け、合格する必要があります。
全員が共通で受ける試験が司法試験と二回試験です。
そして、司法試験を受けるための資格を得るために、法科大学院入試または予備試験を受けなければなりません。

簡単な試験は一つもなく、弁護士になるためにはかなりの試験勉強が必要だと言えます。

各試験について

上記であげた5つの試験について、その試験内容・ポイント・難易度・必要な学習時間の4つの観点から見ていきます。

法科大学院(未修者)入学試験

試験内容

法科大学院未修者コースの入試は、英語や適性試験などの一般教養に関連する試験に加え、小論文の試験が課されることが多いです。
小論文のテーマとしては、時事的な比較的新しい話題のものもあれば、昔から文献で扱われている社会・人文科学的なものまで、様々です。
出題形式としては、文章の要約、文章で述べられている課題に対する自分の意見の論述、などがあります。

ポイント

小論文試験では、法律に求められる論理的な思考力が問われることになります。
もちろん未修ですので、法律の専門知識が問われるわけではありません。
文章を的確に理解し、その課題に対する自分の意見を論理的に書ける力が求められています。

難易度

法科大学院によりますが、法律の試験がないことや、競争率があまり高くないことが多いことから、難易度は高くはありません。

学習時間

小論文の学習は必要ですが、総学習時間は長くはありません。
数百時間程度の学習で十分でしょう。
ただし、法科大学院に入ってから猛勉強が必要になります。

法科大学院(既修者)入学試験

試験内容

既修者コースの入試は、英語や適性試験などの一般教養に加え、法律の試験が課されます。
法律試験の試験科目は法科大学院によって大きく異なります。
例えば、早稲田や慶應、中央といった有名私立大学は行政法を試験に課していません。
一方、多くの国立大学は行政法も試験科目の一つとなっています。
自分の目指す法科大学院の試験科目をしっかり把握し、それに合わせた勉強をすることが重要です。

なお、適性試験の受験はこれまで未修者・既修者に関わらず必須でした。
しかし、平成31年度入学者選抜(試験は平成30年度実施)からこの適性試験の受験が法科大学院によって任意となります。
そのため、今後の各大学院の入試の動向に注意が必要です。

ポイント

既修者コースの試験は、一般教養関連の試験より法律の試験の比重が高いのがほとんどです。
そのため、法律試験の学習を過去問を中心に学習することが重要です。
まずは過去問を入手し、その大学の試験科目や傾向を探ってみましょう。

難易度

法科大学院によります。
しかし、有名私立大や上位国立大の法科大学院は難関であることが多いです。
もっとも、予備試験に比べると難易度は下がります。

学習時間

予備試験の学習の半分程度の学習を行えば合格できるでしょう。
1000〜1500時間程度の勉強で上位法科大学院に合格できます。
1日当たり3時間程度の勉強は必要です。

予備試験

試験内容

予備試験は、「法科大学院を修了した者と同様の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定すること」を目的に実施される試験です。
試験は短答式・論文式・口述式の3段階になっています。
論文式は短答式に、口述式は論文式に合格しないと受験することができません。

上から、試験の種類・試験科目・試験日・受験対象者を示しています。

  試験科目 試験日程 受験対象者
短答式 憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法,刑事訴訟法,一般教養科目 2018/5/20 誰でも受験可
論文式 憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法,刑事訴訟法,一般教養科目,法律実務基礎科目(法律に関する実務の基礎的素養についての科目) 2018/7/15,16 予備試験短答式試験合格者
(2018年度)
口述式 法律実務基礎科目 2018/10/27,28 予備試験論文式試験合格者
(2018年度)

予備試験の詳細はこちら

ポイント

予備試験は、法律7科目が中心となる試験であり、短答式、論文式、口述式と様々な形式での試験が課されます。
中でも論文式が特に難関な試験です。
そのため、論文式の学習が非常に重要になります。

難易度

司法試験よりも合格率が低く(約3%)、法科大学院既修コースや司法試験よりも難関試験であるといえます。
弁護士になるための試験は難関なものばかりですが、その中でも合格するのが最も難しい試験です。

学習時間

最短で2500〜3000時間程度、長い人だと5000時間程度学習が必要です。
1日最低でも3時間程度の勉強は必要です。
早期合格を目指す人の中には1日10時間以上勉強する人もいます。

司法試験

試験内容

司法試験は、「裁判官、検察官または弁護士になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定する試験」です。
短答式と論文式の2種類の試験が行われます。
受験者全員が両方の試験を受けることになっています。

上から、試験の種類・試験科目・試験日・受験対象者を示しています。

  試験科目 試験日程 受験対象者
短答式 憲法,民法,刑法 2018/5/20 法科大学院修了または予備試験合格
論文式 公法系科目,民事系科目,刑事系科目,選択科目 2018/5/16,17,19 法科大学院修了または予備試験合格

ポイント

司法試験は、法律7科目に加え、専門科目の試験が課されます。
短答式は憲法・民法・刑法のみで、論文式で専門科目を入れた8科目が問われることになります。
論文式の試験時間が長く、論文式の学習がほとんどを占めることになります。
論文試験対策が必須、と言えるでしょう。

難易度

合格率は25%程度と予備試験と比べても低くはないです。
しかし、受験生のレベルが高く、法科大学院既修よりも遥かに難易度は高いです。
もっとも、予備試験に比べると合格するのは難しくありません。

学習時間

予備試験と同程度の勉強量は必要になります。
1日最低でも3時間程度は学習することが必要です。
総学習時間は2500〜3000時間に及び人がほとんどです。

二回試験

試験内容

正式名称は「司法修習生考試」です。
司法修習の卒業試験のようなもので、弁護士になるための最後の試験、と言えます。

試験科目は、民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目です。
1日1科目ずつ、計5日間にわたって試験が行われるという、超耐久レースになっています。

試験内容は起案です。
100ページ程度の実際にあった事件の記録を読み、起案を行います。
司法修習では何度も起案を行うので、そのときの知識や記憶を総動員して取り組むことになります。
試験時間は昼食も含めて7時間30分にも及びます。
しかしこれでも時間が足りないくらいで、ほとんどの受験生は昼食をとりながら起案をしています。

ポイント

二回試験は、司法修習の卒業試験であり、民事裁判、刑事裁判、民事弁護、刑事弁護、検察の5科目について問われます。
実務修習や座学での修習の成果が問われる極めて過酷な試験です。
合格率は非常に高いですが、レベルが高くプレッシャーも非常に高いので、全科目についてしっかりとした学習が必要になります。

難易度

合格率は98%程度で、ほとんどが合格する試験です。
しかし、司法試験合格者のみが受験するのでレベルは非常に高く、問題の難易度は最も高いです。
また、体力・精神的にもかなり厳しいテストになっています。

学習時間

約1年間の司法修習の集大成となる試験ですので、総学習時間は1000時間程度は必要です。
人により学習時間が大幅に異なりますが、毎日何かしら勉強することが必要です。

以上が5つの試験の概要・特徴です。

弁護士関連の試験を突破するために

弁護士関連の試験は、法律という点で、必要な知識や試験内容が似通っている部分も多くあります。
しかし、それぞれの試験の特徴があることも事実です。
一つ一つの試験を確実に突破していくために、それぞれの試験にあった勉強をしていくことが重要です。

資格スクエアでは、弁護士関連の様々な試験対策講座をご用意しています。
ぜひ一度ご相談ください!

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