司法試験予備試験の一般教養科目は廃止するの?現在の動向とこれから

司法試験予備試験の一般教養科目は廃止するの?現在の動向とこれから

はじめに

予備試験を目指される方は科目ごとに対策をしていることでしょう。

そのなかのひとつである「一般教養が廃止されるかもしれない!」というあいまいな情報がネット上でよく見られますよね。

「実際はどうなの?」という点で明確に説明してくれるサイトや記事はなかなか見つからないのではないでしょうか。

そこで今回は予備試験の一般教養についてを詳しく解説していきます。

1、司法試験試験予備試験における一般教養科目とは?

一般教養科目とは、司法試験予備試験の論文式と短答式でそれぞれ出題される科目のひとつです。

一般教養科目の短答式と論文式の違いについて以下で確認しましょう。

①短答式

<出題数>

40問ほどの中から20問を選択

<出題科目>
・英語
・人文科学
・社会科学
・自然科学

②論文式

<出題数>

1問

<出題科目>
・人文科学
・社会科学
・自然科学

出題科目からも分かるように、予備試験における一般教養試験では直接的な法律に関する問題は出題されません。

では、なぜ予備試験は、法律家になるための試験なのにもかかわらず、法律以外の一般教養を出題してくるのでしょうか。

これは、一般教養科目が出題される理由として、「司法試験で問われる法律の知識にとどまらず、幅広い知識をもった法曹の人材を世の中に輩出するため」だからです。

法科大学院コースを経て司法試験を受験する人は、大学を卒業していることが前提になるので、大学卒業程度の一般教養知識があるといって良いでしょう。

しかし、予備試験コースを選択した人には、大学の卒業が条件となっておりません。

高校生から定年をした方まで受験者層は非常に幅広く、法科大学院卒業者と同程度の一般教養の知識があるかどうかを証明させる必要があるのです。

これはそもそも司法試験及び予備試験が弁護士や検察官などの「実務家育成試験」としての役割を持っているからです。

いくら法的思考力があっても、一般教養がまったくないような弁護士さんは、あまり信用できませんよね。そもそも、弁護士としての品位を害してしまう恐れもあるでしょう。

このような観点から、予備試験では法律に関係のない一般教養科目を試験科目として課すようになりました。

そのため一般教養科目では、大学のセンター入試+αくらいの難易度の問題が実際に出題されています。

しかしながら、この一般教養科目は受験生からするとかなり余計な負担になってしまいますよね。

出題範囲の幅が膨大すぎて、0から対策するのはほとんど不可能に等しいことでしょう。

「とはいえ、試験科目のひとつである以上、ちゃんと対策するべきだよなあ・・・」と感じている方は多いのではないでしょうか。

そもそも一般教養科目は特別な勉強が必要な科目なのでしょうか。

勉強しなくていいのであれば、極力、論文などの対策に時間をあてたいですよね。

では実際に以下で、一般教養科目が合格にどのくらい影響があるのか見ていきましょう。

2、一般教養科目は合格にどのくらいの影響があるの?

そもそも一般教科目は予備試験において、どのくらいの配点を占めているのでしょうか。配点の割合が高ければ、

必然的に勉強をする必要が出てきますね。

以下はそれぞれの出題形式での一般教養の占める割合です。

  1. 短答式 一般教養60点/合計270点
  2. 論述式 一般教養50点/合計500点

短答式の一般教養の占める割合が高いようにも見えますが、平成30年度の合格点は160点(短答)で、

一般教養科目が0点でも、法律科目で7割5分から8割取れれば合格できるという計算になります

また、すでに持っている知識と直感で十分に対応できる問題がチラホラあるかもしれませんよね。

結論からいうと、貴重な時間をわざわざ対策に当てる必要はないと考えられます。

例えば、あなたが英語が得意だと仮定しましょう。

すると、一般教養科目の40題中6題は、例年、センター入試レベルの英語が出題されているため、確実に得点を確保することができますよね。

反対に、英語が苦手だという方や、ごくごく普通の社会人であっても、対応できる問題は40題の中にチラホラ見つけられます。

重要なのは、時間をかければ解ける論理問題や、一般常識で解ける問題を絶対に落とさないことです。

具体的にどのような問題が出題されているのかについては、以下の法務省のサイトから確認することができます。

まずは最新の平成30年度の過去問を確認して、どのような問題が出ているのか確認してみると良いでしょう。

ここで「対策をしない人が多いのなら、出題することそのものに意味ないんじゃないの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。

実はこの疑問は実際に世間で「廃止になるならない論争」として物議を醸しているのです。

いくら特別な対策をする必要のないといっても、「無くなるか無くならないか」という点は受験生にとっては大きな問題であり、気になるところですよね。

はたして「一般教養が廃止になるならない」論争の背景はどのようなものなのでしょうか。

3、一般教養科目が廃止になるならない論争の背景

まず一般教養科目が廃止になるならない論争の背景から見ていきます。

この論争が話題になっている最大の要因は、予備試験の合格率の低さです

予備試験の受験者数は毎年増えているにも関わらず、合格率は3~4%ほど。

半年間にわたり実施される短答式、論文式、口述式の全ての試験に合格する必要がありますから、まさに長期戦の超難関試験といえますね。

本来、予備試験は法曹を目指す人の経済的な負担を減らすために作られた試験制度といっても過言ではありません。

しかし現実問題、予備試験に合格するためには、膨大な時間とお金が必要になります。

これでは本来の趣旨を逸脱し、予備試験の合格が「狭き門」になっていることは疑いようのない事実ですよね。

そこで、法曹志望者の人数を維持し、司法試験の合格水準を保つために、予備試験の難易度のバランスを見直す必要が出てきているのです。

すでに予備試験の難易度のバランスを取るために、予備試験の問題の見直しが検討されています。具体的な見直し案として、

  • 予備試験における一般教養科目を廃止する
  • もしくは大学の一般教養課程の修了をもって免除する

という案が挙がっています。

一体なぜ上記のような見直し案が挙がってきたのでしょうか。

まず、一般教養科目で、どのような問題が出題されるのか思い出してみてください。

一般教養科目の出題範囲はとても広く、難易度も大学のセンター試験+α程度です。

理系の大学学部を受験しない限り無縁な数学知識まで問われますし、大学の終了程度の教養知識ですからそれなりの専門性がある内容になります。

当然、一度も勉強していなければ解けない内容ですよね。

たとえ20問程度の中から解答する問題を選択できるとはいえ「受験生の負担になっているのでは?」という意見を主張する声がチラホラあがってきました。

そこで、「この一般教養科目という負担を取り除き、予備試験の合格率のバランスを取ろう」と考えられるようになったのです。

このような論争は、実際に日本弁護士連合会や民主党政策調査会でも議論がなされていますが、残念ながら現状では「廃止する」という方向に話が進んでいません。

では、今後は結局、予備試験における一般教養科目は無くなるのでしょうか、無くならないのでしょうか。

気になる今後について予想していきます。

4、今後はどうなりそう?

結論からいうと、一般教養科目は現状廃止されません。

また、廃止の方向で話が進んでいるというわけでもありません。

そもそも法律家は3権分立の司法を担う重要な存在です。

その重要な法律家の信頼を保つために、今回の予備試験における一般教養を廃止する案に限らず、さまざまな改革が検討されています。

具体的には、予備試験の出題範囲を見直すことや、法科大学院の定員の見直しなどです。

これにとどまらず、多方面で小から大まで改革案は存在しています。

いずれにしても、司法の信頼性の担保のために改革がされていくことは間違いないでしょう。その改革案のひとつである、予備試験における一般教養科目の廃止も例外ではありません。

この一般教養科は廃止するのかしないのか論争は、今に始まったことではありません。

もう数年も前から検討されているのにも関わらず、改革がなされていません。優先度を考えると、後回しにされてしまいがちではあります。

一方で、一般教養の廃止に合理性と現実可能性が認められた時点で方針がガラリと変わることもあるので、廃止の可能性があるんだな~くらいの認識をしておいてもらえたらいいと思います。

というのも、廃止にならなかったところで、一般教養科目はそこまで重要にはなりません。その理由を次の章で再確認していただけたらと思います。

5、どちらにせよ対策の必要なし!

一般教養科目が廃止されるされないに関わらず、少なくとも現状の予備試験においては出題されてしまいます。

とはいえ、予備試験における一般教養科目の配点割合はさほど高くありません。

さらに、非常に範囲が膨大なため、対策をした分の費用対効果もあまり良いとはいえません。

一般教養科目の対策をする時間があるならば法律科目の勉強をするべきであり、論文式の答案を書きまくることなどに時間を割いた方がよっぽど有意義です。

法律科目の点数をしっかりと確保しておくことで、一般教養科目の配点分をカバーできますから、

論文式の答案を書くことなどに時間を割くようにしましょう。

※予備試験の勉強方法について詳細に知りたい方は
お金がないなら独学しかない!自力で司法試験予備試験を突破する方法
をご参照ください。

6、サマリー

いかがだったでしょうか。

一般教養科目は現状は短答式と論文式の2種類で問われていますが、今後廃止にならないにしても、特別な対策をする必要はありません。

一般教養科目よりも法律科目の対策を優先して行い、万全の状態で試験に望めるようにしましょう。

7、まとめ

  • 一般教養科目とは、司法試験予備試験で試される科目のことで、短答式と論文式の2種類がある

  • 一般教養科目は、受験条件のない予備試験受験者に大学卒業レベルの一般教養知識があるか試している

  • 一般教養科目の配点は大きくなく、法律基本科目で7割5分以上取れていれば、ほぼ勉強する必要はない

  • 一般教養科目廃止の話題は、予備試験の合格率のバランスを取るために持ちあがった

  • 廃止するにしろしないにしろ、一般教養科目の特別な対策は必要ない

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