勉強のプロ直伝!司法試験予備試験論文式の対策と過去問勉強法とは?

勉強のプロ直伝!司法試験予備試験論文式の対策と過去問勉強法とは?

はじめに

法曹になるには司法試験に合格しないといけませんよね。医師国家試験が「理系最難関」だとするなら、司法試験は「文系最難関」の資格試験です。

平成23年からスタートした予備試験は、司法試験の受験資格を得ることができる「プレ・司法試験」です。当然、そのレベルは高く、合格することは司法試験よりも難しいと嘆く受験生もいるほど。

この記事では、そんな難関試験「司法試験予備試験」のなかから、受験生全員が苦しむことになる「論文式試験」を中心に、その対策や勉強の注意点などについて詳しく説明します。

1、司法試験予備試験とは?

司法試験予備試験(以下「予備試験」と略します)とは、司法試験の受験資格を取得するための試験です。

旧司法試験の時代には、司法試験に合格して司法修習を修了すれば、誰でも法曹になることができました。現在とは違い、国籍や年齢を問わず司法試験を受験することができたのです。

1990年には、中学3年生だった15歳の少年が司法試験の一般教養試験に合格し、非常に大きなニュースとなりましたね。

(1)法科大学院導入が受験界に与えた影響

2000年頃から国の主導で進められた「司法制度改革」により、法科大学院(ロースクール)制度が導入された結果、司法試験を受験するには「原則として法科大学院を修了していること」が必要条件とされました。

ただ、法科大学院を修了するまでにはかなりの学費が必要であるため、経済的事情により法科大学院に進学できない人も少なからずいました。

そのため法科大学院制度の導入直後は、一部の受験生の間で「裕福な人しか法曹になれない不公平な制度」という不満が噴出。職業選択の自由や幸福追求権の見地からみて問題があると指摘する専門家もかなり多く、学会でも論争が巻き起こりました。

(2)予備試験は法科大学院の代替措置

法科大学院制度導入に対する批判を受けて、国は法科大学院とは別にもう一つの制度を策定しました。

一定の学力試験に合格した人を「法科大学院修了程度の能力がある」と認定し、たとえ法科大学院を修了していなくても、司法試験の受験資格を与えることにしたのです。

これが2011年から実施されている現行の予備試験です。つまり予備試験とは、法曹を目指す人が選択する2つのルートのうちの1つであり、合格すれば司法試験の受験資格が取得できる「プレ・司法試験」のような試験だといえます。

2、司法試験予備試験論文式試験とは

予備試験では、短答・論文・口述という3つの試験が課されます。短答は5月、論文は7月、口述は10月に実施されますが、このすべての試験に合格しないかぎり、予備試験合格の称号を得ることができません。

(1)論文式は予備試験の天王山

3つの試験はそれぞれ出題形式も問題の難易度も異なりますが、論文式試験こそが最難関の試験であり、天王山だという点は誰もが認めるところでしょう。

平成30年度の予備試験では、短答式試験を受験した11,136人のうち合格者が2,661人、論文式試験を受験した2,551人のうち合格者は459人でした。短答式試験をクリアした優秀な受験生でさえも、論文式試験に合格できるのは5人に1人、20%ほどなのです。

(2)予備試験論文式試験の概要

論文式試験は、2日間に渡って10科目が出題されます。憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法・行政法・民事実務・刑事実務・一般教養で、すべて50点満点で採点されます。

試験時間は共通性のある科目を1セットとして区分されており、1日目の9時半〜11時50分が公法系科目(憲法・行政法)、13時15分から15時35分が刑事系科目(刑法・刑事訴訟法)、16時半〜17時半が一般教養、2日目の9時半〜12時半が実務基礎科目(民事実務と刑事実務)、14時〜17時半が民事系科目(民法・商法・民事訴訟法)です。

(3)論文式だからこそ、法曹としての資質を試すことができる

論文式試験は、その名の通り設問に対して論述形式で解答する試験です。この「論述形式で解答する」という点に、法曹資格試験である予備試験の特徴が表れています。

法曹というと、テレビドラマや映画の影響もあってか、法廷で弁護士、検察官、裁判官が口頭で丁々発止のやりとりをしているというイメージがあるかもしれません。

しかし、実は法曹にとってもっとも比重の大きい仕事は「書面の作成」です。弁護士であれば訴状や準備書面、検察官であれば検察官面前調書や起訴状、裁判官なら判決書などが代表的な書面です。

法律に関する事件や争いごとは、人の権利義務を取り扱う重要な仕事です。したがって単なる会話だけで手続きを進めることは許されません。会話だけでは、内容を精密に検証したり、正確に記録を残したりすることができないからです。

そうであれば、プレ・司法試験である予備試験においても、書面作成などの実務をこなす上で欠かせない「法的思考能力」を問う論文式試験こそが一番重要な試験であることは至極当然です。

一番重要な試験であるからこそ、短答や口述よりもはるかに難しい問題が出題されることになり、受験生も勉強時間の大半を論文試験に当てることになります。

3、司法試験予備試験論文式試験が難しい理由

予備試験の論文式試験が難しい理由は、「客観的理由」と「主観的理由」に分けることができます。ここでいう客観的理由とは試験制度そのものに由来する理由であり、主観的理由とは受験生それぞれの個性(資質や環境など)に由来する理由です。

(1)客観的理由その1〜出題範囲がべらぼうに広い

予備試験の論文式試験は、10科目にわたって出題されます。憲法〜行政法の基本7科目だけでも大変な量だというのに、実務科目、さらには一般教養までも論文式で解答するとなると、一度の試験で書き上げる答案の量は気が遠くなるほど膨大になります。

しかも、当然のことながら、ただ法律に関する文章を書けば良いわけではなく、制限時間内に、基礎的な法律の知識を駆使して、さまざまな法的トラブルを正しく解決する能力を、答案上に過不足なく表現することが求められます。

いま「基礎的な法律の知識」と簡単に触れましたが、ここでいう「基礎的な」とは、世間一般で言われる「基礎的な」とは大きくかけ離れていることに注意しましょう。

司法試験や予備試験で問われるのは法律の知識ですが、それは「条文の知識」と言い換えることができます。

では、予備試験の出題範囲に含まれる条文はどのくらいの量があるかというと、六法だけでも3000条を超えます。そこに行政法や各科目の規則、関連法規などを加えると軽く5000条を超えるでしょう。

しかもそれだけではなく、最高裁判例や重要な学説(いわゆる通説)、法律用語の定義、制度の趣旨といった「条文の内容を補充する知識」も必要となります。これらすべてひっくるめて「基礎的な法律の知識」なのです。

もちろん予備試験に合格するためには、これらを100%記憶する必要はありません。しかし決して無視して良いということもありません。

つまり、結局はこれら膨大な法律情報を、受験生であれば一度は目を通すことになり、なおかつ特に重要な知識については、確実に記憶し、自由自在に答案上で再現できるようにしなければいけないのです。

これがどれほど困難なことかというと・・・、「予備試験の論文式に比べれば、大学入試や入社試験で出題される小論文なんて、居眠りしながらでも書けるほど簡単だ!」とでもいえば想像がつくでしょうか?

(2)客観的理由その2〜優秀な母集団との競争に勝たないといけない

予備試験の論文式試験は、短答式試験を勝ち抜いてきた優秀な受験生との競争です。

予備試験の短答試験では、論文式以上に広範な知識が問われます。予備試験は法科大学院を修了したのと同程度の法的素養が身についているかどうかを確かめる試験ですから、その短答試験に合格するような受験生は非常に優秀です。

また予備試験の受験生のなかには、高校・大学受験をくぐり抜けてきた「試験マニア」のような人たちがゴロゴロいます。そんな猛者たちと数少ない合格者枠を奪い合うのです。

(3)主観的理由その1〜試験本番を乗り切るには尋常でないタフネスが必要

論文式の試験時間は、1セット2〜3時間ほどです。脳を2時間も3時間も酷使し続ければ、異常な疲労感に襲われます。1時間程度の休憩では到底回復できません。

しかも大半の受験生は、休憩時間も無駄にしまいと、次の試験科目の追い込みをします。つまり朝から夕方まで、およそ8時間ぶっ続けで脳をフル回転させて、法律の難問と格闘することになるわけです。

試験の全日程が終わる頃には、受験生は「もう何も考えたくない・・・」というなかば廃人のような状態になります。腰や肩はガチガチに凝り固まり、握力や視力も麻痺しています。

肉体の疲労だけでなく、精神の疲労も半端ではありません。あまりにも問題が難しいからか、試験途中で半泣きしながら戦線離脱する受験生の姿は、毎年おなじみの光景です。

このように、予備試験の論文式を無事に乗り切るには、肉体的にも精神的にも尋常でないタフネスが必要なのです。

「試験本番を乗り切れる体力がない」

「いつも気持ちが折れてしまい、途中答案で終わってしまう」

そういう自覚のある人は、勉強だけでなく、自分なりの方法で心身をしっかり鍛えることが大切です。

(4)主観的理由その2〜社会人の場合、勉強時間の捻出が困難

論文式試験に合格できるだけの実力をつけるには、適切な学習方法を選択するだけでなく、絶対的な勉強時間を確保することが必要です。予備試験の出題範囲は広大だからです。

どれだけ頭の良い人でも、長い時間をかけて膨大な法律の知識(重要条文が定める要件・効果、制度趣旨、法律用語の定義、重要な最高裁判例や学説など)をしっかり頭に叩き込まないかぎり、あの異常な試験会場の空気のなか、制限時間のプレッシャーと戦いながら、論文答案を書ききることは不可能でしょう。

そう考えると社会人受験生は、専業受験生に比べて勉強時間が確保しにくく、ハンデを背負っていることになります。

特に会社の上司や同僚に予備試験の受験を打ち明けていない場合、「勉強したいので残業はできません」などと周りに理解を求めることはできませんから、十分な勉強時間を確保するのは至難の技です。

仕事のない日はもちろんのこと、通・退勤時間やちょっとした休憩時間など、あらゆる時間をすべて受験勉強に当てる覚悟がないかぎり、予備試験合格まではかなりの長期戦になるでしょう。

(5)主観的理由その3〜お金がかかる

旧司法試験の時代から、受験生を悩ませてきた問題があります。それは「受験を乗り切るにはお金がかかる」ということです。

法律科目のテキストは値段が高く、書店で平積みにされる実用書や小説の数倍はします。しかも1科目1冊で済むことはまずありません。

さらに、独学で予備試験を乗り切ることは非常に難しいので、受験予備校の講座代も捻出しないといけません。

試験直前の模擬試験だけならあまり費用はかかりませんが、年間を通じて実施される大型の答案練習会などは30万円以上かかることもざらなので、自己資金で気軽に賄える受験生は多くありません。学生の場合は親に支援してもらうか、教育ローンを組む人が大半です。

その点、入社後数年を経ていて、そこそこ収入のある社会人なら、予備校代を捻出することにさほど負担感はないはずです。これは社会人受験生ならではのアドバンテージだといえます。

4、司法試験予備試験論文式の採点基準は?

予備試験の論文式問題については、司法試験予備試験考査委員会が採点方針の概要を公開しています。

それによると、予備試験論文式の答案は、内容に応じて「優秀」「良好」「一応の水準」「不良」の4つに分類されます。それぞれ「何点を配点するか」「全体の答案数のうちどのくらいの割合とするか」について、あらかじめ決められています。

以下は採点方針になります。

配点

割合

優秀

50〜38点

5%程度

良好

37〜29点

25%程度

一応の水準

28〜21点

40%程度

不良

20〜0点

30%程度

 

論文式試験に合格するためには、500点満点のうち50%程度を取れればOKというのが、ここ数年の傾向です。すべての科目で「一応の水準」の上位50%程度の答案が書ければ、全体の上位50%に滑り込むことが可能となります。必ずしも優秀答案、良好答案をそろえる必要はないわけです。

したがって、答案で示すべき「学識」と「学識を応用する能力」についても、「ほどほどでOK」という一応の戦略を立てることができます。

もっとも、このような戦略には「1科目でも不良答案があると、ただちに全体の50%未満に陥落してしまう」というリスクがあります。勉強の負担を減らしつつ、かつ論文式の合格枠に滑り込むためには、「一応の水準の上位20%程度=全体の38%以内に評価される答案をそろえる」という対策がベターでしょう。

全体の38%以内に評価される答案とは、配点でいうと26.5点以上の答案になります。

と、ここまでさらっと合格水準についてお伝えしましたが、

 

「その得点を取るのが難しいんだよ!」と思っていることでしょう。

 

では具体的にこの水準の得点をたたき出すためにはどうすればいいのでしょうか。

次項では、上記水準を満たすための具体的な勉強方法について解説していきます。

5、司法試験予備試験論文式試験を対策する!気になる勉強法は?

予備試験の勉強を始めようにも、初学者だったりするとどこから何を始めたらいいのか分からないですよね。予備試験の論文式対策は「受験生の数だけある」と言っても過言ではありません。

とはいえ、学習の初期段階で効率的にスタートダッシュするために、「最低限やるべきこと」が4つあります。

(1)重要条文の徹底的な理解

予備試験で問われる「法曹の学識」とは、要するに「条文の理解」です。すべての条文について理解・記憶する必要はありませんが、「最低限この条文だけは、最高裁判例や重要な学説もふくめ、十分に理解しておきたい」という重要条文があることも確かです。

そのような重要条文は、真面目に勉強してきた受験生であれば、文言の大半は記憶していて、六法における位置(だいたい何ページあたりにその条文があるか)まで把握しているものです。論文式で頻繁に問われるような重要条文はあまり多くありませんから、内容を完璧に理解し、使いこなせるようにしましょう。

(2)「出た論点」と「出ない論点」の見きわめ

過去問に出題された問題点(=論点)は、法曹としての素養の有無を確認するのに便利だからこそ出題されたわけです。反対に、ほとんど出題されない論点については、法曹としての素養を試すにはあまり効果的でないからこそ出題されないわけです。

したがって論文式の過去問は、少なくとも平成14年以降のすべての問題に目を通すべきでしょう。どんな論点が出題され、また出題されないのか。これを把握しておけば、勉強すべき範囲を絞ることもできます。

(3)答案構成は大量にやる

論文式対策として即効性のある勉強法といえば「答案構成」です。答案構成とは、ある論文式問題について、見出しや箇条書きなどを用いて、書きたい内容を大まかにメモする勉強法です。

ポイントは「本番同様に答案を書いてみる」ということ。時間をたっぷり使って答案を書き上げれば、

  • 論点自体を理解していてもアウトプットできないという経験値
  • 限られた時間で答案を作成するタイムマネジメント
  • 法律的な表現方法の習熟
  • 疲労に負けない腕・手の力(筆力)を養う

ことにも役立ちます。

論文式試験に落ちてしまう人の特徴として、「試験当日までのアウトプット量が圧倒的に少ない」という点が挙げられます。

つまり、大量の答案構成または答案を書きあげることの経験の蓄積が、本試験で合格するための力に直結するわけです。

とはいえ、大量に答案構成または答案を書きあげることというのはがむしゃらに手を広げすぎることを是としているわけではありません。

旧司法試験、および予備試験の過去問を繰り返し解くことが非常に重要といえます。

何回も繰り返すことで本質的な力が身についていきますし、そもそも繰り返さないと一向に書けるようにはなりません。わかる・できる・いつでもできるには大きな違いがありますし、本番でいつも通りの力を出すためには当然相当量の演習が必要となるのです。

この点、演習の方向性としては「100問を1回ずつ解くよりも、10問を10回ずつ解いた方がいい」と認識して問題はないでしょう。

(4)受験生なら知っていて当然の知識はスラスラ再現できるようにする

予備試験の論文式で必要な知識は重要条文だけではありません。「重要な法律用語の定義」「条文の形では存在しないものの、受験生であれば必ず理解しておくべき制度・判例・理論」などがあります。

これらの重要な知識は、予備試験の論文式に合格するような優秀な受験生であれば、「知っていて当然の知識」であり、いわば「九九」のようなもの。ちょっとくらい体調不良でも、答案用紙上に正確に再現できる・・・そのくらい完璧に記憶しておくことが必要です。

また、予備試験合格まで、以下の4ステップに段階分けすることができます。

既に勉強を開始されているという方も自分の現状確認をして、今後の勉強に役立てましょう。

①   導入期

②   基礎養成期

③   実力錬成期

④   直前対策期

この4つのステップが、具体的にどのようなことを意味するのか説明していきます。

①導入期

初めて法律は勉強するにあたり、今後の勉強計画を立て、全体像を把握する最初のステップです。

まず、勉強計画を立てるためにも1週間にどのくらいの時間を勉強に割くことができるか考えて見ましょう。もちろん沢山の勉強時間を確保できることが理想ですが、現実的に不可能な計画を立てるのは良くありません。

勉強時間を確保できる見通しが立ったら、導入期は以下の順序で学習を進めましょう。

まずは、憲法、民法、刑法の勉強を開始してください。

ここで大切なことは、中途半端に全部を勉強しようとしないことです。学習の順番は、どれからでもかまいません。

それぞれの科目を以下の順序で学習していましょう。

ⅰ取っ掛かり安い簡単な入門書を短期間でざっと把握し、全体像を把握する

ⅱ法律の全体像をなんとなく把握したら、基本書、判例集を読む

ⅲ基本書、判例集を読みながら、単元毎に

・短答式の問題演習

・論文式の問題と答案例の熟読を行い、理解度のチェックを行う

この勉強フローをとにかく集中して1周することを短期間で終えるよう心がけましょう。

憲法、民法、刑法が1周したら、民事訴訟法、刑事訴訟法、商法、行政法を同じ手順で学習していきます。

このときに重要なことが、「とにかく立ち止まらない」ことです。

初学者は分からないという状態にストレスを感じ、分からない箇所を調べたり、理解を十分なものにしようと努めるばかりに、多大な時間がかかってしまうことがあります。

分からないことを調べるもの大切ですが、1周目はとにかく全体像の把握がカギです。初めのうちは理解できなかったことが後から理解できるようになることはよくあることなので、勉強のペースを落とさないことに注力しましょう。

②基礎養成期

獲得した知識をアウトプットすることで定着させていきます。

予備試験の天王山である、論文式の答案練習に取り掛かりましょう。

もっとも、この時点で満足に書けないことは当たり前です。それでも論文式は、書いてみるということが非常に重要になってきます。自分の持っている知識を最大限に引き出して取り組むことを意識してください。

その後、自身が書いた答案と答案例を比較します。

比較したときに確認するポイントとしては以下の通りです。

  • 略語、略文字を使っていないか
  • 定義、趣旨が正確に書けているか
  • 条文を正確に引用しているか
  • 問題の所在を正確に把握しているか
  • 論点落としがないか
  • 規範定立が正確かどうか
  • 事実の評価、当てはめが適切か
  • 全体として論理に矛盾が生じていないか
  • 読みやすいか
  • 誤字脱字がないか

答案を答案例と近いレベルまで書けるようになるまで、ペンキを上塗りするかのように繰り返し行いましょう。

③実力錬成期

論文対策を中心に、知識の応用方法を学んでいきます。

過去中心の勉強で、論文式に必要な知識を使いこなせるよう心がけてください。

この段階で、口述式試験の勉強をする必要はありません。合格率も低く、難易度の高い論文式の答案練習に力を入れるべきです。短答式試験の2ヶ月前からは、短答式を意識した勉強にしていきましょう。

④直前対策期

試験2か月前は、・短答論述・口述それぞれの特徴に特化した対策を行う必要があります。

試験の日程が近づくと、焦ってしまう気持ちは十分に理解できます。ですが、新しい知識をむやみに詰め込んでも逆効果です。

基本的かつ重要な知識を復習することに注力してください。

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6、受験生が「してはいけない」4つのこと

以下に挙げる内容は、旧司法試験時代から現在に至るまで、無数の「不合格者たち」が犯してきた典型的な「してはいけないこと」の一例です。これらは直接間接に論文式試験の不合格につながるものばかりですので、用心してください。

(1)論文の過去問を軽視する

司法試験や予備試験にかぎらず、あらゆる資格試験にとって最善の受験対策を一つだけあげるなら、「過去問研究」以外ありません。

過去問は受験生に対するメッセージの宝庫です。「こういうレベルの問題を出すから、解答できるようしっかり勉強してくださいね」という試験委員からのヒントがぎっしりつまっています。赤本を読まずに志望大学に合格した人などいませんよね?予備試験の論文式も同じです。

受験生が予備試験の勉強を始めるとき、真っ先に買い求めるのは短答式と論文式の過去問集です。予備校の解説書などを参照しながら、論文式で問われてきた内容を理解し、将来問われるであろう問題を予測するのです。この作業なしに予備試験の論文式試験に合格することなどありえません。

自分の現在の実力をチェックする際もやはり過去問を使います。本番と同じ時間配分で、どのくらいスラスラと解答できるか。その結果をふまえて学習計画を適宜修正します。そうすることで、間違った勉強に首をつっこんでいないか、慎重にセルフチェックすることができます。

(2)勉強のツールを広げすぎる

予備試験の論文式試験に合格しにくい人には明確な共通点があります。「いろいろな学習ツールに手を出し、そのどれもが中途半端なまま本番を迎える」ということです。

学習ツールをあらかじめ一元化しておけば、直前期の勉強法で迷うことはなくなります。「合格に必要な知識は、すべてこのファイルに集約してある!」という確信があれば、そのツールだけを繰り返し復習すれば良いので、記憶の定着度も上がります。

反対にツールをあれこれ増やしてしまうと、知識が定着しないまま論文式の本番を迎えるハメになり、誰もが知っていて当然の基本知識を間違って書いてしまうことも・・・。

(3)時間の使い方がルーズ

司法試験は長く苦しい旅路です。特に社会人受験生の場合、周囲に勉強仲間がいないことも多く、孤独な戦いを強いられることも。そんなとき、折れそうになる心を支えてくれるものは、「自分は専業受験生にも負けないくらい、たくさん勉強している」という自信です。

予備試験に落ちる最大の原因は、いうまでもなく「勉強不足」です。知識不足はもちろんですが、答案練習をおろそかにしてしまったために、答案作成能力を上げることができず、本番では途中答案で終わってしまった・・・と悔し涙に暮れる社会人受験生をよく見かけます。

勉強時間を確保できない理由としてもっとも多いのが、「時間の使い方がルーズ」ということ。通・退勤勤や昼休みの時間、あなたは何をしていますか?ぼんやりとスマホで好きなサイトや動画を見ているとしたら、実にもったいない。その時間を条文や論証の素読にあてていたら、いったいどれだけの勉強時間を確保できることでしょう。

どんなに優秀な頭脳を持っている人でも、「時間のマネジメント」が下手だと合格できません。真面目にコツコツと勉強してきた、ごく普通の受験生に追い抜かれてしまうからです。

(4)睡眠不足

論文式試験を乗り切るには「強い心」が不可欠です。

旧司法試験時代の話ですが、論文式試験の合格発表当日、法務省前の掲示板に自分の番号がないことを確認したその足で、地下鉄に飛び込んで命を絶ってしまうベテラン受験生が毎年必ずいました。

とても不幸なことですが、しかしその受験生に「強い心」があれば、そんな悲劇は防げたかもしれません。

予備試験においても同様です。長年の受験勉強に疲弊して心を病み、うつ病になってしまう受験生は珍しくありません。

では、厳しい受験競争にも負けない強い心を手に入れるには、どうすれば良いのでしょうか?

何はともあれ、十分な睡眠を確保しましょう。睡眠は脳に蓄積した疲労を癒してくれます。またストレスなどで傷ついた細胞を修復するのにも睡眠は欠かせません。

睡眠をおろそかにすると、心は確実に衰弱していきます。当然、仕事にも受験勉強にも集中できません。その結果、合格は遅れます。

残業が続くと、なかなか十分な睡眠を確保できないかもしれませんが、たとえ短くても、深く睡眠できれば相応の効果があります。深く良質な睡眠を確保するために、専門家のアドバイスをもらって上質な寝具を使うようにしましょう。

7、司法試験予備試験論文式試験過去問一覧

「予備試験の論文式って、どんな問題が出るのだろう?」

「試験委員は、受験生にどんな答案を書いて欲しかったのかな?」

そんな疑問をお持ちの方もいることでしょう。

そこで参考資料として、予備試験論文式の全過去問と出題趣旨を紹介します。

(平成30年度については10月10日時点で未公開)。

8、法的思考力を鍛えよう

予備試験は「プレ・司法試験」です。

たとえ予備試験に合格しても、その後に続く司法試験に合格しないかぎり法曹にはなれません。

予備試験と司法試験とでは、問題形式など異なる点がいくつかあります。しかし「法曹に求められる学識」と「学識を応用する能力」が試される点ではどちらも同じです。

法曹としての学識とその応用能力とは、「法的思考力(リーガルマインド)」と一言で表現することが可能です。「法律を学ぶこと」とは「法的思考力を鍛えること」とほぼ同義となのです。

(1)法的思考力とは?

法的思考力とは「法的三段論法を自在に駆使できる力」と言い換えることができます。

法的三段論法とは、一定の法律(A)に一定の効果(B)があることを前提として、法律的に意味のある事実(C)を抽出し、それを法律(A)に当てはめることで、一定の法的効果(B)を導き出すという論法です。

法的三段論法は次のような順序をたどっていきます。

1.「AならばB」という内容の法律がある

2.Cという事実はAに当てはまる

3.したがって(Aが定める)Bという法的効果が発生する

問題解決に有用な法律を見つけ、条文上ではわからない文言の意味を補充し(法解釈)、雑多な事実関係のなかから法的に意味のある事実だけを抽出したら(事実認定)、事実を条文の定める要件に当てはめて、法的効果(権利・義務が発生・変更・消滅する等)を発生させ、妥当な結論を引き出す。これが法的思考力の本質です。

(2)受験勉強でも常に法的思考力を意識しよう

受験勉強においても「いま自分は法的思考力を鍛えているんだ!」と常に意識しましょう。そうすることで、学者が追究するような高度な理論に首を突っ込んだり、一般化できないような特殊な事案の下級審判例を読み込んだり・・・といった無駄な勉強を排除することができます。

9、社会人受験生は、実はそれほど不利ではない

司法試験そして予備試験は、日本で一番難しい資格試験。勝ち抜くには全身全霊で挑む総力戦が長期間続きます。

当然、心身の健康管理や経済力、時間を厳しく律する強い意志といった条件が欠かせません。これらの条件は、一般に学生よりも社会人のほうが多く備えているはず。

社会人受験生は勉強時間の確保が難しいのは事実でしょう。しかし覚悟を決めて自分を厳しく律していけば、だらだらと遊びながら受験を続ける学生より、ずっと早く合格することが可能なのです。

10、サマリー

勉強のプロ直伝!司法試験予備試験論文式の対策と過去問勉強法とは?はいかがだったでしょうか?

予備試験の総本山である「論文式」の攻略こそ予備試験合格のカギを握ります。インプットのみに固執をせず、アウトプット中心の学習を「効率よく」進めることを強く意識しましょう。

11、まとめ

  • 予備試験は「プレ・司法試験」である
  • 予備試験の天王山は論文式試験
  • 論文式試験の日程は2日間。毎日8時間脳をフル回転させる過酷な試験
  • 論文式試験は出題範囲が広く、問われる知識の量も膨大
  • 優秀な試験マニアとの競争に勝たないと合格できない
  • 心身がタフでないと試験本番を乗り切れない
  • 受験を成功させるには、勉強時間や経済力が必要
  • 論文式試験は、「一応の水準」レベルの答案をそろえれば合格できる
  • 「すべきこと」は4つ。「重要条文の徹底理解」「出る論点、出ない論点の把握」「大量の答案構成」「誰もが知っている基知識の完全な理解と記憶」
  • 「してはいけないこと」も4つ。「論文過去問の軽視」「学習ツールを広げる」「ルーズな時間の使い方」「睡眠不足」
  • 法律を学ぶことは法的思考力を身につけることと同義。予備試験でも法的思考力の有無が問われる
  • 社会人受験生は、決して不利ではない。経済力や自律心などの点では学生よりも優位に立つので、短期間で合格する人も多い

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