高校生でも合格できる!? 予備試験・司法試験の最年少合格者が誕生

高校生でも合格できる!? 予備試験・司法試験の最年少合格者が誕生

はじめに

文系で最も難しいとも言われる「司法試験」ですが、最年少合格を果たした青年の存在を知っていますか?

2018年の司法試験最年少合格者は、大学1年生19歳の青年でした。

最年少で合格を果たしたこの青年は、どのような勉強をいつから始めたのでしょうか?

最年少で司法試験に合格した彼から、最短で司法試験に合格するための方法を学べるかもしれません。

そのため、この記事では「彼がどのようにしてたった19歳で司法試験の合格を勝ち取ったのか」ということを知るために、試験の概要から必要データまでを分析してきます。

1、司法試験・予備試験とは?

(1)予備試験制度は司法試験受験資格の救済処置として誕生

そもそも弁護士や裁判官といった法律家になるためには、司法試験に合格することが前提です。

しかし、司法試験は思い立ったらすぐに受験できるような試験ではありません。司法試験を受けるためには受験資格が必要になります。

そのため、まずは以下の方法を使って受験資格を得る必要があるのです。

 ・法科大学院を修了する

 ・司法試験予備試験(以下予備試験)に合格する

法科大学院は「大学院」という位置づけになるため、原則大学の卒業をもって受験ができます。けれど、司法試験に最年少で合格した青年は、大学1年生の19歳で司法試験に合格しています。つまり、大学を卒業していないのです。

したがって、彼は「予備試験」の合格をもって司法試験を受験したことになります。

実際に、彼は高校3年生の18歳で予備試験の合格を勝ち取っています。

(法務省:平成29年度予備試験結果について)

しかし、予備試験は高校生が簡単に受かってしまうような試験ではありません。

「司法試験の受験資格を得るための試験なのに・・・」と思う方もいるかもしれませんが、予備試験の合格率は毎年3~4%と非常に難しいものになっています。

では、彼はいったいどのようにして予備試験に合格したのでしょうか?

そのために、まずは予備試験がどのような試験なのか確認していきましょう。

※法科大学院について詳しく知りたい方は「36の法科大学院は何が違う?司法試験合格者数ランキング順に解説!」をご参照ください。

 

そもそも予備試験制度とは、何らかの理由で法科大学院に進学することが困難な環境、すなわち、法科大学院に進学する時間的な余裕がない人、経済的理由で法科大学院に進学できない人のための救済処置として設けられた制度です。

予備試験の合格者は、法務省が「法科大学院修了後と同等の知識・見識を有する者」とみなし、法科大学院を修了していなくても司法試験の受験資格が得られるのです。

法科大学院に通う環境にない人たちのための救済処置ですから、その合格者は法科大学院修了者とみなせるだけの知識と能力を備えたと法務省が認めた人というわけです。

つまり、予備試験に合格できれば、法科大学院修了者と同等、それ以上の知識・能力を身につけていると法務省に評価されたことになります。

そんな予備試験合格者が司法試験に不合格では、法務省の面子も丸つぶれですね。

そう考えると、法務省が実施する予備試験の難易度が高いことも頷けます。

他方で高い難易度なのにもかかわらず、予備試験の受験者数は年々増加傾向にあり、人気を集めているようです。

というのも、予備試験の難易度が高いだけに、予備試験合格者の司法試験合格率は実績のあるものになっています。

2018年の予備試験合格者の司法試験合格率は77.6%、8割近い割合の人が司法試験に合格しているのです。

一方、さまざまな大学の法科大学院の修了者の知識力はピンキリで、やはり偏差値の高い有名大学の法科大学院修了者でないと司法試験合格率が低いようです。

そこで、予備試験制度が始まって、法科大学院在学中の学生が、予備試験にチャレンジして、合格後に法科大学院を退学した例も少なくありません。

特に法科大学院3年生が予備試験に受験する学生が多いというのも現状です。

現在、法科大学院修了者は、5年間に5回司法試験にチャレンジでき、その間に合格できなければ、受験資格がリセットされてしまいます。

その場合は、再度司法試験の受験資格を得るために、再度法科大学院に入学し直して法科大学院を修了するか、予備試験に合格する必要があるのです。

そのため、法科大学院3年生が予備試験にチャレンジして、自分の実力を試す気になるのも納得です。

ちなみに、法科大学院修了者と同様に、予備試験合格後5年以内司法試験に、司法試験に合格できなければ、司法試験の受験資格を失ってしまいます。

法科大学院を修了しても司法試験に合格できるかどうかの保証はありませんが、予備試験に合格できたら、司法試験の合格可能性を保証されたようなものだからです。

だから、今や予備試験は、救済処置としてだけではなく、法科大学院の学生の司法試験受験の前のステータスの役割も果たしています。

予備試験の概要が分かってきたところで、さらに詳しい情報について解説していきます。

(2)司法試験予備試験のスケジュールと合格率

司法試験予備試験(以下「予備試験」という)は以下の形式の全ての試験に合格しなくてはなりません。

・短答式試験

・論文式試験

・口述式試験

司法試験予備試験は5月に短答式試験、7月に論文式試験、10月に口述試験と間隔をあけて行われます。

そして、2017年の予備試験の受験者は、10743人。

短答式合格者が2,299人で論文式試験に進み、そのうち469人が合格して口述試験に進みます。

短答式の合格率は約20%、そして論文式試験に臨んだ受験者の合格者は約20%です。

この時点で、初めの受験者数の5%を切っているのです。

最後の口述試験に挑んだ人は、94%以上の合格率となりますが、最終的に受験者の約4%台の合格率となる、非常に難関な試験です。

法科大学院の入学試験よりもはるかに難しい試験といえます。

予備試験の難易度が高さを理解するのと同時に、予備試験に合格することの難しさも分かっていただけたかと思います。

しかし、最年少の18歳で予備試験の合格を果たすのはどれくらいすごいことなのでしょうか?予備試験と司法試験の合格者平均を見ていきましょう。

2、予備試験、司法試験の合格者の平均年齢は?

(1)司法試験予備試験の合格者の平均年齢

2017年11月9日の法務省の発表によると、司法試験予備試験の合格者の平均年齢は26.9歳でした。ちなみに最高年齢は61歳です。

史上最年少の高校生の合格者にも驚かされますが、還暦を過ぎてからの合格者にも驚きです。

男女比はどのようになっているのでしょうか?

口述試験に合格して予備試験合格者として、最終的に司法試験の受験資格を得たのは、444人。

法務省のデータ(平成29年予備試験最終結果について)によると、男女比は、男性363人(81.76%)、女性81人(18.24%)と、男性が女性の4倍になります。

そのうち法科大学院生が108人、大学在学中の学生は118人です。

2017年予備試験の444人中、法科大学院・大学生在学中の人数は236人(50.9%)です。

(2)司法試験の合格者の平均年齢

法務省のデータ(平成30年司法試験の採点結果)によると、司法試験合格者の平均年齢は28.8歳です。

①2018年司法試験の最終合格者の内訳データ

司法試験の最終合格者は1525人です。

その内訳のデータを紹介します。

男性1150人(75.4%)、女性375人(24.5%)でした。

ちなみに合格者の内訳人数としては、法科大学院修了者数を抜いて、予備試験合格者が336人で、予備試験合格者の2018年司法試験合格率はなんと77.6%となりました。

司法試験合格者100人以上の法科大学院を紹介します。

京都大学は128人、東京大学は121人、慶應義塾大学は118人、早稲田大学は110人%、中央大学は101人です。

これらの大学の法科大学院修了者の司法試験合格率は、京都大学が59.3%、一橋大学の出願者数は72人と少ないものの59.5%であり、京都大学を抜いています。

あとは出願者数に対して合格率は30%~40%です。

このデータを見る限り、法科大学院修了者よりも、予備試験合格者の方が断然合格率が高いといえるでしょう。

②司法試験合格者の内予備試験合格者の内訳

さて、法務省の集計データは2017年までのものしかないので、法務省データより、2016年予備試験合格者の2017年の司法試験合格者の内訳を分析してみましょう。

2016年予備試験合格者で司法試験に突破した人は、先に述べたように、大学在学中・法科大学院在学中の受験者が多く、24歳未満が155人で全体の53%を占めています。

予備試験合格者の司法試験合格者は、20代後半の年齢は49人ですので、20代の合格者は70.3%となります。

30代は46人ですから、30代までの年齢の合計合格者となると、86%となるのです。

ちなみに、合格者の人数は激減しますが、40代27人、50代10人、60代前半が2人、なんと71歳の合格者もいることが驚きです。

そして、司法試験合格者の平均年齢は28.8歳です。

2017年予備試験合格者の2018年司法試験合格者20代後半からのアラサー世代の合格者が多いといえるでしょう。

そこで、2017年司法試験の合格者は、予備試験合格者が72.5%です。

今年2018年の詳しいデータを法務省はまだ発表していませんが、今年のデータは2017年予備試験合格者の司法試験合格者の合格率は76.4%と発表されています。

ちなみに、法務省が発表している今年の司法試験合格者の平均年齢は、昨年同様28.8歳です。

ただし、合格者の最少年齢が19歳、最高年齢は68歳です。

最高年齢については昨年に負けましたが、68歳で司法試験合格というのも快挙といえるでしょう。

3、歴代の予備試験最年少合格者は?

これまで見てきたように高校生で予備試験に合格することは決して簡単なことではありません。

では、過去にも高校生の予備試験合格者はいるのでしょうか?

過去の最年少予備試験合格者の記録を見ていきましょう。

▼歴代最年少の予備試験合格者

・   2011年:20歳

・   2012年:19歳

・   2013年:21歳

・   2014年:20歳

・   2015年:20歳

・   2016年:20歳

司法試験予備試験制度が始まった年から、最年少合格者は19歳から21歳と若い年齢が続いています。

しかし、18歳の高校生が予備試験に合格したという記録はありません。

つまり、2017年に18歳の予備試験合格者が生まれたというのは、予備試験始まって以来の快挙なのです。

けれど、法律科目は大学受験ではほぼ使われません。司法試験の勉強は大学に入学した後に開始するケースがほとんどです。

では、彼は高校生にして、なぜ法律を勉強する環境を整えることができたのでしょうか?

最年少で予備試験の合格を勝ち取った彼のプロフィールを見ていきましょう。

現行試験制度が始まった2006年以降最年少となる19歳4カ月で合格した慶応大法学部1年の栗原連太郎さんが、同大広報を通じた毎日新聞の取材に書面で応じた。栗原さんは昨年、法科大学院を修了せずに受験資格を得られる「予備試験」を史上最年少の18歳6カ月で突破。今回の合格を「周りの人たちへの感謝と、安堵(あんど)の気持ちでいっぱい」と喜びつつ、「最年少」については「結果として伴ったものにすぎず、特段の意識はない」との感想を記した。

慶応普通部(中学校)時代から「生活に密接に関わる法律の奥深さや幅広さに興味を持っていた」という。

(引用:毎日新聞「最年少合格は慶大1年生「周りの人たちへ感謝」

どうやら彼は慶應大学の附属校に通っていたようです。

早期の段階から大学受験にとらわれず、法律の勉強ができたことも頷けますね。

彼のように高校生のころから、勉強を開始する環境が整うケースは珍しいかもしれません。

しかし、予備試験制度の確立が、若年層の司法試験合格を可能にさせたことは間違いないでしょう。

4、予備試験なら法科大学院に通う時間が無駄にならない? 

このように予備試験制度の開始は、若年層の司法試験合格を可能にしました。

では、高校生を初めとした若年層の受験者は、第一に予備試験を目指すのが良いのでしょうか?

(1)法科大学院修了と予備試験合格はどっちが良いのだろう?

司法試験に最年少で合格した青年は予備試験コースを利用し、司法試験に合格しましたが、自身が法科大学院コースを選択するか、予備試験コースを選択するかという選択は重要になってくると思います。

そこでお金も時間も無駄にすることなく司法試験に合格するためには、どちらのコースを選択するべきなのでしょうか?

また、弁護士や裁判官といった法律家になった後に、役に立つコースはどちらなのでしょうか?

ここでは、あなたにとってメリットのある選択ができるよう説明していきますね。

時間や費用を無駄にしないためにお勧めしたいのは「予備試験コース」です。

しかし、決して法科大学院への進学が間違いになるわけではありません。

一見遠回りにも見えるかもしれませんが、確実に司法試験の受験資格を獲得できるだけでなく、法律家としての素養を養うこともできます。

というのも、法科大学院での学びは「司法試験」の範囲に留まりません。法律家としても素養を養うために独自の取り組みを行っている法科大学院は数多くあります。

共に勉強する仲間が増えたり、法科大学院という進学が無意味になってしまうことはないでしょう。

けれども、最短で効率的に司法試験に合格したいという方には、やはり予備試験が重要なカギを握ることになります。

予備試験はこれまで説明してきたように、合格することで自分自身に箔をつけることができるのです。その後の司法試験合格率が高いだけでなく、大手の法律事務所に採用されやすくなったりとメリットは多大です。

(2)予備試験に合格する必殺勉強法とは?

とはいうものの、予備試験は決して簡単な試験ではありませんよね。

どのようにすれば、最年少合格者のように

早期の段階から予備試験に合格することができるのでしょうか?

予備試験に合格するためにぜひ読んでいただきたい記事があります。

「お金がないなら独学しかない!自力で司法試験予備試験を突破する方法」

独学で予備試験の対策をしようと考えている人向けの記事です。

しかし、具体的な勉強法や参考書を初学者向けに分かりやすく解説してあります。今後の勉強計画についても解説してあるため、まだ勉強を始めていないが合格までの見通しを立てたい人にお勧めの記事になっています。

「予備試験短答は本当に誰でも合格できる?プロの教える失敗しない対策法」

短答式試験は予備試験において最初に出題される形式で、最初の関門です。

しかし、基礎知識の定着を確実にさせることで、誰でも受かる試験だとも言われています。予備試験の短答式のフォーカスを当て、具体的に解説した記事です。

「勉強のプロ直伝!司法試験予備試験論文式の対策と過去問勉強法とは?」

論文式は予備試験において、対策が難しく、予備試験の天王山とも言われています。そんな論文式試験の対策方法を徹底解説した記事です。

他にも資格スクエアメディアには、勉強を開始する人を応援する記事を多くリリースしています。あわせて確認してみましょう。

5、サマリー

いかがだったでしょうか?

史上最年少で予備試験に合格した青年の功績は本当に素晴らしいものですね。

しかし、予備試験の突破を目指すのならば

早期の段階から勉強を始めたとしても、ダラダラと勉強することはお勧めできません。

早く勉強を始めて早く合格を勝ち取る。

これに越したことはないのです。予備試験は若年層の司法試験合格者を輩出するための大きなカギを握ることになるでしょう。

6、まとめ

  • 予備試験最年少合格者は、18歳
  • 司法試験最年少合格者は、19歳
  • 予備試験には受験制限がなく、最年少での司法試験合格を可能にした
  • 予備試験ルートで勉強すれば早期に司法試験合格も可能
  • 効率を意識するならば「予備試験コース」
  • 法律家としての素養を養うことを意識するならば「法科大学院コース」
  • 具体的な勉強方法は資格スクエア各記事を確認

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