予備試験は社会人こそ受けるべき!忙しい社会人を合格に導く最強勉強法

予備試験は社会人こそ受けるべき!忙しい社会人を合格に導く最強勉強法

はじめに

「自分は仕事が忙しい社会人だし、司法試験の受験なんて不可能。」と諦めているのならば、それは非常に勿体無いことです。

確かに弁護士や裁判官になるための司法試験は、日本の最難関国家資格に位置付けられるほど難易度が高いことで有名ですよね。

毎年多くの方が司法試験の合格を目指し受験をしますが、合格を勝ち取るのは一握りです。

この事実だけみると「そもそも合格者が少ないのに、勉強時間があまり取れない社会人は土俵にも上がれないのではないか。」と思っている方は多いのではないのでしょうか。

結論からいうと、「勉強時間があまり取れない社会人であっても、予備試験に合格することは可能」です。

社会人というステータスながら合格を勝ちとっている方は一定数存在しており、何も特別なことをしているわけではありません。

まずは「忙しいし・・・」「年齢的に・・・」というような不安には耳を傾けず、本記事を読んでみてください。

日々の忙しい仕事に追われながら、社会人合格者はいったいどのようにして合格を勝ち取ったのでしょうか?そして合格を見事に勝ち取った彼らは、新たなキャンパスステージでどのように活躍しているのでしょうか?

本記事では、実際に忙しい社会人でもどうすれば予備試験に合格することができるのか、その考え方や勉強方法などを詳しく解説していきます。社会人で予備試験の合格を目指している方はぜひお読みくださいね。

1、社会人が司法試験に合格するためのルート

そもそも、司法試験とは、法曹(弁護士、検察官、裁判官)になるためには必要な試験であることは有名ですよね。ところが、今年受けようと思ってすぐに受けられるようなものではないのです。

例えば、医師免許は、医学部を卒業していないと取得することができませんよね?

これに近しい制度であり、基本的に司法試験の受験資格を得るためには、以下の2つのどちらかのルートを突破しなければなりません。

  • 法科大学院卒業ルート
  • 司法試験予備試験(以降予備試験)ルート

「法科大学院卒業ルート」とは、法科大学院卒業の学位を修得することで司法試験の受験資格を得るルートのことです。学校に通うので、じっくり時間をかけて学ぶことができ、卒業後は確実に司法試験の受験資格を得ることができます。

他方で「予備試験ルート」とは、予備試験という試験に合格することで司法試験の受験資格を得るルートのことです。

予備試験は「法科大学院を卒業せずとも、予備試験に合格することができれば法科大学院卒業者と同等の水準に達していこと」を証明することができる試験制度です。

法科大学院のように、~年という縛りもなく、かつ圧倒的にお金がかからないので社会人の方はこちらのルートを選択すべきでしょう。

とはいえ、

  • 予備試験自体の難易度が高く、独学では勉強の方向性を誤ってしまう可能性がある
  • 合格をしなければ、何年も予備試験を受験することとなり、結果時間がかかってしまう

などのリスクはあり、

  • 勉強時間の確保
  • 正しい方向性の学習プランの組み立て

をおこなうことは合格する上では欠かせません。

ここまで聞くと、

「そんなこと1人ではできないよ、法科大学院の方が確実でしょ?」

と思うかもしれません。

確かに司法試験の受験資格を得るという側面だけ切り取れば、法科大学院を卒業する方が確実であることは間違いはありません。

しかしながら、もし「予備試験に受かることができる」のならば、あらゆる面で法科大学院卒の方を凌駕することができます。

つまり、明確に「社会人は予備試験の合格を目指すべき」なのです。

ここには一体どのような理由があるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

(1)なぜ社会人は予備試験ルートを選択すべきなのか?

では、なぜ社会人の方にこの「予備試験ルート」を強く推奨していると思いますか?

結論から伝えると、

  • お金
  • 時間

の面で非常に効率的だからです。

そもそも予備試験は、経済的な理由などにより法科大学院に通えない人を救済する制度としての側面を併せ持っています。

そのため、極論をいうと、「1年程度の独学で予備試験に合格」をすれば理論上、お金と時間のコストカットが可能なのです。

とはいえ、これは非常に難易度が高く、やわらかく言って「ほとんど不可能」と言っても過言ではありません。

ですから、予備試験に特化した予備校や、オンライン講座の需要があり、「ある程度のお金を出してでも」受講する方が多いわけです。

また、司法試験の合格後の就職活動においても予備試験突破組は有利です。

まず、予備試験に合格した時点で、大手の法律事務所などから声がかかり「仮内定」の状態で司法試験に臨むなんてことも往々にして起こりえます。

そうでなくとも、予備試験突破組は弁護士採用の市場においては非常に有利であるということは間違いありません。これは大きなアドバンテージですよね。

さらに法科大学院に通うよりは費用対効果が高いことに間違いはありませんので、

なるべくお金をかけず、限られた時間しか勉強できない社会人は、予備試験ルートから法曹を目指す方が断然良いといえますね。

(2)社会人に法科大学院コースをお勧めしない理由

社会人の方である場合、法科大学院コースはおすすめできません。

もちろん大卒者であれば、法科大学院に通うという選択は十分にありえますし、実際に1クラス30人中1人は社会人が在籍しているというケースは多いようですが、フルタイムで働きながら法科大学院に通うというのは現実的に厳しいと考えられます。

当然、通常の法科大学院の授業は日中に行われるため、フルタイムの仕事をこなしている方は授業に参加することすらできません。

また、国立ですら、年間80万円程度の学費がかかるため、「授業には出れないのに、学費だけ払っている」というとても無意味な状態に陥ることは簡単に予測できますよね。

さらに、最大の懸念は法科大学院が司法試験の対策をする場ではないことです。

法科大学院では、予備試験はもちろん司法試験に対しても、「試験対策」をすることはできません。

最近では、司法試験の主査である教授が自身の教え子と交際した上で、試験内容を開示したという事件もあり、法務省は法科大学院での試験対策には目を光らせています。

また、学問的には知るべき必要があっても、「実務家育成試験」である予備試験や司法試験では問われない内容について深堀りしたりします。

端的に言えば予備試験に対しては「過重な」知識をインプットすることになると言っても過言ではありません。

勉強のできる時間が非常に少ない社会人の方にとっては、1分でも時間を無駄にできないので、法科大学院で試験対策以外の知識を入れることははっきり言って効率的とは言えませんよね。

とはいえ、法の本質に基づいた学習を行うので、時間もお金も捻出できて、かつ、じっくり法律について勉強したい方は法科大学院は非常にオススメできます。

法科大学院は同じ志を持つ仲間を作ることもできます。自主ゼミという学生同士の勉強会を組む生徒もおり、互いに刺激し合える関係を作ることはメリットとして挙げられます。

また、法科大学院OBなどから論文式の答案の添削をしてもらう機会などももらえるようです。

一概に法科大学院を否定しているわけではなく、あくまで最短での予備試験・司法試験突破という観点ではオススメしませんという話であることは念頭に置いておいてくださいね。

(3)夜間法科大学院

社会人が法科大学院コースを検討する場合、夜間制の法科大学院という選択肢もあるということは頭に入れておいてください。

夜間制法科大学院は日中に働いている社会人であっても、大学院に通って法律の勉強ができるようにと設けられました。

働く社会人を考慮した時間割になっているとはいえ、働いたあとに夜間の法科大学院で講義を受けるというのは非常にハードスケジュールですよね。挫折する人も留年する人も多く、なかなか合格者を輩出することは難しいようです。

とはいえ、予備試験を勉強すること自体、「時間の確保」は最優先であり、夜間コースの法科大学院のように講義の時間を決められていれば勉強できるという方もいます。自身の特性、ライフスタイルを鑑みながら

  • 完全独学
  • 法科大学院
  • 法科大学院(夜間)
  • 予備校
  • オンライン講座

のいずれかを選択してくださいね。

※夜間制の法科大学院に通うことが、どのくらいきついものなのか詳しく知りたい方は、こちらの記事「法科大学院夜間コースの実態」をご参照ください。

※完全独学を選択したいと考えている方は「お金がないなら独学しかない!自力で司法試験予備試験を突破する方法」をご参照ください。

2、どのくらいの社会人が予備試験に挑戦しているのか

予備試験というとまだ学生が受験するイメージが強いのではないでしょうか。

しかし、社会人の予備試験受験者は年々増加傾向にあります。

というのも、平成23年までの旧司法試験が何年も受験してようやく受かるような試験だったのに対し、現在の新司法試験は数年で勝負をつける短期決戦型のような試験にシフトしたともいえます。

これは、旧司法試験程の膨大な知識の蓄積が必要なくなり、知識を使いこなせるかどうかを問う試験になったからです。つまり、時間のない中で「やるべきことをやり切る」ことで、合格を勝ち取れることを意味します。

実際に、平成29年の司法試験合格者(予備試験経由)290人に対し、うち社会人は50名以上という結果が出ています。

予備試験や司法試験のみに集中できる環境にいる学生は確かに有利ですが、だからといって社会人だからと諦める必要はありません。

仮にあなたが予備試験、司法試験を突破できたらどのような未来になると思いますか?

予備試験を受験することに踏み切れない場合には、次項で、一度、合格後の未来図を展望してみましょう。

3、社会人が司法試験に合格したその後

予備試験に合格し、司法試験にもめでたく合格すると続いて司法修習という法の実務家としての修行を1年間積む必要があります。

もちろん、これは法曹になりたい方を前提に置いてますので、「自分は司法試験合格というネームバリューだけ欲しい」という方は無理に司法修習に行く必要性はありません。

とはいえ、法曹になりたい方は司法修習は必須ですので、覚えておいてくださいね。

さあ、司法修習を終えるとついに法の実務家として社会に出ていくことになります。

一体、どのようなキャリアプランが待っているのでしょうか。

大きくわけて以下の3つの方向性に分かれます。

(1)法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)

(2)法曹資格を活かして法人に所属

(3)法曹資格保有者による起業

当然、法曹資格の活かし方は千差万別であり上記3つで全てとは言えませんが、大体はここに当てはまるでしょう。

(1)法曹三者

司法試験合格者の最もポピュラーな進路選択としては法曹三者のいずれかになることです。

そもそも、司法試験自体が法律の「実務家育成試験」としての側面があり、また、世間一般的にも「司法試験合格=法曹三者」という認識はとても強いですよね。

「法曹三者」の具体的な進路としては以下の3つがあります。

①弁護士

②検察官

③裁判官

①弁護士

弁護士というとハイクラスなステータスのイメージがとても強いですよね。

ドラマなどの影響もあり、殺人事件などの犯人を法廷で暴き出すような勧善懲悪なイメージがあるとは思います。

他方で、弁護士の業務は「書面作成」などが主で、想像しているよりは地味なのかもしれません。

基本的な弁護士の仕事は以下のようなものがあります。

・裁判所への出張

・クライアントとの打ち合わせ

・書類の確認と作成

・法律相談

・裁判等の法廷に弁護人として出廷

・クライアントや事務所のミーティングやその準備

・メールの受け答えなどの事務処理

弁護士は、基本的に依頼人ファーストの立場を取っています。

依頼人がいなければビジネスとして成立せず、依頼とあれば、忠実に業務を遂行する必要があります。

依頼する側に立ってみると、法律的な手続き自体はだれでもおこなうことはできる反面、書面作成や手続きなどは非常に手間がかかり、かつ、法律的な知識がないと進めること自体が容易ではありません。

ですから、法のプロフェッショナルである弁護士に依頼することで、迅速かつ確実な方法で手続きを進めてもらえるのです。

また、法律相談などでは、法の原則に基づいた的確なアドバイスをする必要があります。

日々の生活を送ること自体、多くの法律に密接に繋がっていますから、多くのケースのトラブルに対して法的に判断をするという点は弁護士の業務の醍醐味といえるでしょう。

とはいえ昨今、弁護士の働き方の形態は多種多様化してきており、ドラマなどで取り上げられるような弁護士像はかなり崩れてきています

「医師×弁護士」として医療関連に特化した法務を掲げる事務所もあれば、「IT×法律」を掲げて進化の速いIT業界に特化した事務所など、弁護士の資格のみではない、+αの付加価値で仕事をする弁護士も増えてきました。

このように、弁護士という職業は本人の意向次第で何色に染めることのできる職業となってきています。その専門分野などによって大きく異なり、かつ非常に膨大なものです。

また、独立すれば、自分のペースで仕事ができるので、自身のライフスタイルを確立することもできるので、ワークバランスを組み立てることも比較的容易になるのではないでしょうか。

②裁判官

裁判官というとどのようなイメージを持つでしょうか。

おそらく事件の裁判の際に、法定の椅子に座って罪を犯した人間に質問をし、判決を下すといったイメージですよね。

結論からいうと、このイメージは正解以外のなにものでもありません。

民事、刑事どちらの訴訟にせよ、

・被告及び原告の主張をヒアリング

・入念に証拠を調査

・上記をもとに判決を下す

という一連の流れが裁判官の主な職務内容となります。

裁判官は国家公務員です。

とはいえ、法務省などの行政機関に所属して勤務をするのではなく、最高裁判所の指示のもと日本全国にある裁判所にて勤務をおこないます。

特徴として裁判官は、最高裁判所から管轄を受けているものの、内閣、省庁、警察、検察とは別の完全独立機関として位置づけられ、裁判官を制限できるのは法律&憲法のみということですね。

また、裁判官として勤務をすることは非常にハードなスケジュールをこなすことになります。

少なく見積もっても、午前と午後に1回ずつ裁判に出席し、多いときはこの3倍の裁判量になることも少なくありません。

すさまじい量の提出資料を読み解き、裁判に臨むわけですから当然、裁判外の時間もゆっくりしている時などないと言って差し支えないでしょう。非常に知的体力のいる職業といえます。

さらに、弁護士、検察官と会議をおこなったり、判決文を書いたりと、膨大なタスクに追われ、気づけば帰ったら深夜1時を過ぎてたなんてことも珍しくないようです。

さて、こんなハードな裁判官ですが、一口に裁判官といっても所属する裁判所によって仕事内容から年収まで変わってきます。

ここでは最も一般的である地方裁判所を例に見ていきます。

地方裁判所では大きく2つの種類の裁判があります。

・民事裁判

・刑事裁判

の2つです。

民事裁判

民事裁判とは、お金を貸した、離婚したい、会社が不条理な要求をしてくる、など私人間同士の紛争を解決するための裁判のことをいいます。

多くの権利が法律で定められており、その権利に基づいて「私はこんな権利があるんだぞ。」「いやいやその権利は認められないよ。」といった具合に互いの権利を主張し合い、権利を認められた方が勝訴する仕組みです。

この、勝訴の判決を下すのが裁判官であり、双方の主張や証拠状況を鑑みた上で法的に判断する能力が求められ、1人の人間ないしは1つの法人の命運を左右するような内容です。

当然、生半可なプレッシャーではありませんよね。

他にも民事裁判では裁判以外に、判決が下ったあとの不動産の差し押さえや、競売などの命令を発令するのも裁判官の仕事となっており、非常にセンシティブな判断をしなければなりません。

刑事裁判

刑事裁判とは、刑法に基づくルールに違反したと疑わしいものを、有罪?無罪?有罪ならばどんな罰を与えるの?という点を小難しく議論する裁判のことをいいます。

ドラマなどで法廷を舞台にした「証人は前へ。」みたいなものは、この刑事事件に分類されます。

日本においては、99.9%の有罪率を誇り、検察官の入念な調査によりこの数字を実現しています。他方で、検察官や弁護士などを介した双方の主張を鑑み、判決を下すのが裁判官の仕事です。

ほかにも、逮捕や捜索の差し押さえの許可などの裁判官の裁量であり、これまた非常に重い責任のある仕事となっています。

③検察官

検察官は、検事総長,次長検事,検事長,検事, 副検事に区分されています。

その役割は以下のようになっています。

  1. 検事総長は,最高検察庁の長として庁務を掌理し,かつ,全ての検察庁の職員を指揮監督しています。
  2. 次長検事は,最高検察庁に属し,検事総長を補佐し,検事総長に事故のあるとき,又は検事総長が欠けたときは,その職務を行います。
  3. 検事長は,高等検察庁の長として庁務を掌理し,かつ,その庁並びにその庁の対応する裁判所の管轄区域内にある地方検察庁及び区検察庁の職員を指揮監督しています。
  4. 検事正(地方検察庁の長である検事)は,その地方検察庁の庁務を掌理し,かつ,その庁及びその庁の対応する裁判所の管轄区域内にある区検察庁の職員を指揮監督しています。
  5. 検事は,最高検察庁・高等検察庁及び地方検察庁などに配置され,捜査・公判及び裁判の執行の指揮監督などの仕事を行っています。
  6. 副検事は,区検察庁に配置され,捜査・公判及び裁判の執行の指揮監督などの仕事を行っています。

参照:検察庁HP「検察官の種類と職務内容

検察官は刑事事件の捜査をして被疑者が罪を犯したことが明らかだと考えられる場合は、裁判所に起訴することができます。

そして、裁判において、立証、求刑をします。

しかし、常に裁判所で裁判に立ち会っている訳ではありません。

実は検察官は主に検察庁で仕事を行っています。

その仕事の内容は以下のようなものがあります。

  • 警察官がまとめた資料を読み込み、検討する
  • 書類の整理と作成
  • さらなる証拠集め
  • 参考人や被害者の取り調べ
  • 気になる点を警察側に再調査をさせる

こういった地道な業務があって、裁判を滞りなく進めることができるのです。

(2)法曹資格を活かして法人に所属

「インハウスローヤー」という言葉を知っていますか?

その名の通り、企業に所属し、通常の会社員と同様の報酬をもらいないがら法務部などで会社の看板を背負って仕事することをいいます。

大手法律事務所は激務に次ぐ激務で、心身ともに疲労してしまうことが大きな問題として挙げられます。

基本的に、アソシエイト→シニア→パートナーという順序で弁護士はステップアップしていきますが、パートナーへの道は遠くかつ過酷です。

競争も激しく、仕事をこなせないとあっという間に脱落してしまう環境です。

一方「インハウスローヤー」は、所属する企業の法務問題の処理を主におこない、法令順守などの観点で活躍の幅を広げています。

日本の弁護士の総数からみるとまだおよそ3%しかいない「インハウスローヤー」。

収入こそ企業の裁量に応じた額しかもらえないようなのですが、ワークバランスの適正化の観点からみると「無理をせず自身のライフスタイルを優先することができる」という大きなメリットがあります。

産休、育休など人生において大きなイベントが多い女性にはぴったりの働き方なのではないでしょうか。もちろん、バリバリ仕事をしたいという方は大手法律事務所でその能力を遺憾なく発揮してくださいね。

(3)法曹資格保有者による起業

近年、法律関連に従事する人間を支援する革新的な情報通信技術が生まれてきています。法律(リーガル)×技術(テクノロジー)から「リーガルテック」と呼ばれ、訴訟大国アメリカでは当然のように普及しています。

弁護士資格というのは一定の知識の担保を保証しており、平たく言って「ビジネスライクに信用を得やすい」というメリットがあります。

常に新しい技術が生まれるスピードは過去とは比べものにならない程です。

例えば、新技術を駆使したビジネスを立ち上げるとき、「法律的にアウトなの?」という点は絶対に看過できません。

この点、弁護士資格を保有し法のプロフェッショナルである弁護士は、法的判断を下しやすく、次のアクションをハイスピードでおこなうことができるのも大きなメリットといえます。

また、情報化の著しい現代社会において、紙面のデジタル化は急速に進んでいますよね。新聞や携帯の契約などもデジタル化されていることは何も最近のことではありません。

ところが、こと日本の法律業界に関してはまだまだデジタルデータ化は進んでいないのが現状です。

この点、訴訟大国アメリカでは、すでに膨大なデジタル情報を抽出、解析、整理までをリーガルテックの専門家に依頼することが主流となっています。

この流れはおそらく日本においても適用され、まもなく「リーガルテック」が普及することでしょう。

リーガルテックは一般の人間よりも、弁護士資格を保有している人間がサービスを提供してくれた方が信用できると思いませんか。

「リーガルテック」自体は起業プランの氷山の一角ですが、今後弁護士×起業家というステータスは広く認知されることが予想されます。

もし、自身が弁護士資格を保有出来たら「リーガルテック」という法律の最先端事業で辣腕を振るうことも可能だとすると、少しワクワクしませんか

このように司法試験に合格すると、あなたのキャリアはまさに「あなた次第」なのです。

当然、普通の会社員などからは考えられないようなキャリアを実現することができることでしょう。

特に社会人経験のある方は、学生から弁護士になる人間よりも「業務遂行能力は高い」といえます。

こんな未来も描けるんだ、と少しでも感じていただけたのだとしたら・・・

司法試験合格を目指して勉強を始める理由としては十分なのではないでしょうか。

いずれにせよ、人生において意を決して大きな決断をすることも時には必要なのですから、そういった意味で挑戦するには余りある資格試験であることに疑いの余地はありません。

4、社会人が予備試験を目指すことはどのくらいのコストなのか?

予備試験を受けたいと思っても、実際にどのくらいのお金や金銭を使うべきなのか分からないですよね。

一度の受験で突破できるのであれば、それに越したことはないのですが、

一年に一回しかチャンスが来ない予備試験、「落ちたらどうしよう・・・」と不安にならないわけはありません。

ここではどうすればそんな不安を振り払うための道しるべとして、費用感の目安をご紹介します。

自分の選ぶ勉強スタイルによって、かかる費用は大きく変わってきます。

・予備校で勉強する場合

  • 基礎講座 1140000円
  • 対策講座 400000円
  • 模試 250000円
  • 受験手数料 17500円
  • 合計 1807500円

・オンライン講座で勉強する場合

  • 講座の動画、問題集、テキスト込み 500000円程度
  • 受験手数料 17500円
  • 合計 約517500円

・独学で勉強する場合

  • テキスト各科目2冊ずつ(計18冊) 55000円程度
  • 受験手数料 17500円
  • 合計 約72500円程度

自身の金銭状況とよく相談し、学習の計画を立てるべきでしょう。

5、社会人が予備試験に合格するための勉強法

予備試験に合格するためにはとにかく効率よく学習を進めなければ合格をもぎ取ることはできません。

と言われても、イメージがつかない場合にはなかなか勉強が前に進まないですよね。

初学者の方は今すぐにでも動きはじめるべきです。

具体的には以下のステップで勉強を進めてください。

(1)学習のタイムスケジュールを考える

(2)憲法、民法、刑法の基礎知識のインプットを最初におこなう

(3)実際に論文式の答案を書く

(4)短答式直前は短答式の演習をメインに勉強する

(5)短答突破後、ひたすら論文の答案を書きまくる

(6)論文突破後、口述模試などを受けながら口述対策をおこなう​

(1)学習のタイムスケジュールを考える

まずは、何を目指すにせよ計画をおこなうことは必要ですよね。

多聞に漏れず、予備試験の対策においても学習計画を立てなければなりません。

自身がいつのタイミングで本腰を入れて学習を開始するかにもよるのですが、基本的に決断をしたら「今日から勉強開始!」と決めてさっさとアクションをおこないましょう。

最初におこなうべきは

  • 1週間でどの時間を勉強にあてられるか
  • 1日でどの時間を勉強にあてられるか

を明確にしましょう。

社会人であれば、生活のスタイルが確立されていることが多く、勉強できる時間は見つけやすいことでしょう。

仮に1日単位で見つけることは難しい方もせめて1週間で割ける学習時間は必ず把握してください。

目安としては、週40時間以上、最低でも30時間は勉強しないと合格は難しいといえます。

例えば40時間確保しようとすると、平均して1日6時間です。週休2日と考えた場合は、平日に4時間ずつ時間を確保し、休みの日に10時間ずつ時間を確保する、というような計算になりますね。

ここは自身の生活スタイルに合わせて計画してみてください。

ポイントは、勉強をしなければならない時間を確保した上で「いかに勉強しない時間をつくるか」です。

自身に負荷をかけ続けることは最初は持続しても、モチベーションの観点から必ず挫折するものと考えてください。

リフレッシュの時間も必ず設けて、継続できるように工夫していきましょうね!

(2)憲法、民法、刑法の基礎知識のインプットを最初におこなう

タイムスケジュールは明確にできましたか?

続いておこなうことは、学習の具体的な内容を早速勉強していくことです。

これは、初学者という前提でのお話なのですが、まずは「法律の基本的な考え方、知識」を身につけなければなりません

具体的には、上三法と呼ばれる基本科目(憲法、民法、刑法)のインプットを最初に行っていきましょう。

ここでいうインプットというのは、基本書を読み、ポイントを押さえたあとに短答式の問題演習などで知識の定着を図るまでのことを指します。

オンライン講座などで授業を受けながらだと、大事なポイントのズレが生じたりはしないのですが、完全な独学だとなかなかポイントをつかみにくいですよね。

そこでオススメなのは、

  • 薄い入門書を高速で読み切り、法律の位置関係や全体像を把握すること

から入ることです。

未知の情報なのですから、当然すぐに頭には入りません。

まずは、ぼやーっとでもいいですから全体をなめるように読んでしまいましょう。

入門書を読んだあとは、続いて基本書にもざーっと目を通します。

この際、自分なりの解釈を行いながら読んでいけるとベターですね。

全体をざーっと読んだあとは、各科目の単元毎に

  • 短答式の問題演習
  • 論文式の問題と答案例の熟読

をおこない、インプット→すぐにアウトプットをおこなって理解度の定着を図ってください。

勉強を進める際には、様々は判例や条文が出てきます。ここは、六法などを素早く引けるようにする良いチャンスなので、六法の引き方も慣れておくようにしておいてください。

上記の学習の流れは、なるべく早く、集中的におこないさっさと1周を終わらせてしまいましょう。

憲法、民法、刑法の1周が終わったら残りの科目である民事訴訟法、刑事訴訟法、商法、行政法も同様の手順で1周してください。

ここでのポイントとして、1つ目は「進み続ける」ことです。

すなわち、分からないポイントでつまづき、それを調べることに時間を割いてしまうなどは非常に非効率ですから絶対にしないでください。

完璧主義にならず、ちょっと考えても分からないポイントは飛ばしてしまいましょう。

2つ目のポイントとしては、「どの程度までの法律知識をインプットするか」です。

結論からいうと、テキスト・基本書に記載されているレベルの論点・法律知識はインプットする必要があると考えられます。

分野によって、重要度は異なりますので過去問によく出てくるような内容は重要なものですので、メリハリをつけながら学習を進めてください。

また判例百選に収録されているような重要判例についても出題されることが予想されますのでこの点も抑える必要があるでしょう。

最初は分からないことだらけで、意味不明な状態が続くことが予想されますが、アウトプットをしていくうちに徐々に理解度は進んでいきます。

割り切ってガンガン進めていきましょう。

(3)実際に論文式の答案を書く

高速で1周をしたあとは、2周目に入ります。

各単元が終わるごとに論文の答案を書いていきます。

まず最初は書けなくても考えてください。

初めのうちは何が論点かもわからない問題が大半ですが、何が論点となりそうか、どの条文が問題となるのかを考えることも論文試験対策となりますので、答案構成を考え、参考答案と比較するなどしましょう。

勉強が進んできたらメモ書きのような答案構成をしたり、時間を図りながら本番同様のフォーマットで答案を作成しましょう。

また、予備試験に合格するうえで過去問以上の問題はありませんので、過去問の研究をすることがもっとも効率的な学習方法といえます。

過去の出題傾向や問題の問われ方、採点実感や出題趣旨を研究し、参考答案を参照してどのような答案が合格答案となるのかを自分でイメージできるようにするのが合格への近道といえます。

この点、多くの方は完璧主義に陥りやすい傾向があり、網羅的に知識を習得しないといけないといういわば強迫観念にかられてしまいがちです。

ところが実は、テキストや百選等に記載されているすべての論点・判例についてすらすらと論証できる必要はなく、実際に論証として事前に暗記しなければならない内容はそう多くはありません

具体的な目安としては辰巳法律研究所から出版されている「趣旨・規範ハンドブック」に記載されている論点や用語の意義程度は論文試験で滞りなく記述できるようになれば十分ですから、とにかく答案を書きまくって質を上げるということを意識してください。

(4)短答式直前は短答式の演習をメインに勉強する

さて、時が経つのは意外と早いもので気が付いたらもうすぐ試験、という段階に差し掛かります。当然、各形式の試験前にはそれぞれの対策をメインに学習を行うべきです。

年明けから徐々に短答式の問題演習をおこない、春ごろ(3月、4月)には短答式試験の対策をメインとしておこなっていきましょう。

短答式を突破しなければ、いかに論文の答案が書けたとしても意味がありませんから、確実に突破できるように対策をおこないましょう。

※短答式試験を確実に突破したいと考えている方は「予備試験短答は本当に誰でも合格できる?プロの教える失敗しない対策法」をご参照ください。

(5)短答突破後、ひたすら論文の答案を書きまくる

短答式をめでたく突破すると、続いては予備試験の総本山「論文式」です。

多くの受験生がここを突破できず、辛酸をなめることになります。

当然学習内容としては、ひたすら過去問などの答案を書きまくることになりますが、独学だと自身の答案のどのあたりがネックになっているのか判断が難しいですよね。そこで以下のチェックポイントは最低限確認をおこない、答案の質を高めましょう。

  • 略語、略文字を使ってしまってないか?
  • 定義、趣旨を正確に記載できているか?
  • 条文の引用は正確にできているか?
  • 問題の所在の把握は正確にできているか?
  • 論点を落としていないか?
  • 規範定立は正確か?
  • 事実の評価、当てはめは適切にできているかどうか?
  • 全体として論理に矛盾が生じていないか?
  • 読みにくくないか?
  • 誤字脱字をしていないか?

とはいえ、答案について正確に1人で添削することは非常に難しいといえます。

自身の癖を見抜けなかったり、主観で判断してしまい、どこがどう間違っているか分からない、という状態に陥ることも予想されます。

この点、答案練習だけでもお金を割いて受けることも視野に入れてみるべきでしょう。

資格スクエアでは、Web答練という「答案練習」のみから受講できますから、お困りの際は是非ともご活用くださいね!

※論文式の対策方法を詳しく知りたい方は「勉強のプロ直伝!司法試験予備試験論文式の対策と過去問勉強法とは?」をご参照ください。

(6)論文突破後、口述模試などを受けながら口述対策をおこなう

総本山である論文式を突破すると、急に緊張が解けがちです。

ここで、口述落ちをしてしまうのは一言で言って「もったいない」です。

  • 口述模試を受ける
  • 口述の過去問に基づいて、しゃべる練習をしておく

という部分をひたすら繰り返しトレーニングしましょう。

6、忙しい社会人必見!1日の過ごし方と時間の捻出方法

勉強したいけど時間がないというのは社会人の誰もが抱えている悩みです。

「朝1時間早く起きて勉強しなさい!」なんて安直なアドバイスは大学受験の際にも言われてきたかもしれないですね。

しかしモチベーションの持続の観点から、自身に負荷をかけすぎてしまうと継続して学習することは困難を極めます。朝早起きをして無理をしても、体調を崩してしまったり、集中できなかったりする人もいるでしょう。

ではどうすれば、ない時間を絞り出すことができるのでしょうか。

ここでは、そんな悩みを解消するとっておきの方法を紹介します。

ここで紹介する方法は

(1)隙間時間の習慣化

(2)無駄遣いしている時間の撃退

です。

(1)隙間時間の習慣化

忙しい社会人は平日にまとまった勉強時間の確保が難しいかもしれません。

ですので、隙間時間を利用するしかありません。

自分の一日のスケジュールを振り返ってみましょう。

5分でもいいのです。

移動時間や、待ち時間などの隙間時間が見えてきませんか

ただ急に時間が空くと、すぐに勉強しようとはならないものです。

人はある作業から次の作業に移るときに多くの時間を消費しているのです。

その対策は意外と簡単にできます。

あらかじめ隙間時間にやることを決めておけばいいのです。

例えば、ちょっとの時間が空いたらテキストを読む、まとまった時間が取れそうなら論文の答案を書いてみる、など時間の空き具合に対してどのような学習をするかは明確にしておくべきです。

まずは簡単なところから変えていきましょう。

小さな変化は積み重なり、やがて習慣を変えることができます。

ここは、甘んじることなく「合格後の未来」に夢を馳せながら、実直にコツコツ勉強してくださいね。

(2)無駄遣いしている時間の撃退

時間がないのなら作り出すしかありません。

「そんなこと言っても削る時間なんてないよ。」という人がいるかもしれません。

実際に自身の生活を振り返ってみてください。

意外と削れますよね?

スマートフォンが普及した今、様々な魅力的なアプリやゲーム、サイトなどがひしめいていてついつい手を出してしまいますよね。

特にソーシャルゲームと呼ばれるゲームには注意が必要です。射幸心を煽り、タイムスケジュールがソーシャルゲーム中心になってしまう方は少なくありません。

勉強においてはソーシャルゲームは敵であり、勉強中も気になってしまったりするので注意が必要です。

少なくとも、本気で合格を狙いたい方は合格までは隙間時間を勉強に充てるようにしましょう。

「隙間時間の習慣化」と「無駄遣いしている時間の撃退」によって効率的な生活を送れるようになりますから、ぜひ試してみてください!

7、サマリー

いかがだったでしょうか。

社会人であれば勉強する十分な時間がないのは当然です。

だからこそ危機感をもって効率の良い勉強を心がけることができますし、その焦燥感が有利に働くこともあるのです。

ですから、社会人であることを理由に、目標や夢を諦めてしまうのはとても勿体無いことだと思います。

社会人合格者が存在するのはまぎれもない事実なのですから、ぜひともチャレンジしてみてくださいね!

8、まとめ

  • 司法試験を受験するためには、①法科大学院卒業ルート②司法試験予備試験ルートがある
  • お金、時間の面において社会人は予備試験ルートを選ぶべきである
  • 社会人合格者は着々と増えている
  • 司法試験に合格したあとは司法修習を経て、①法曹三者(弁護士、裁判官、検察官)②法曹資格を活かして法人に所属③法曹資格保有者による起業などの進路の選択肢があり、近年は弁護士の活躍の幅が広がっている
  • 予備試験を受ける際、予備校だと約180万円、オンライン講座だと約52万円、完全独学だと約7万5000円程のコストがかかる
  • 予備試験に受かるためには、①学習のタイムスケジュールを考える→②憲法、民法、刑法の基礎知識のインプットを最初におこなう→③実際に論文式の答案を書く→④短答式直前は短答式の演習をメインに勉強する→⑤短答突破後、ひたすら論文の答案を書きまくるというステップで学習を進めよう。
  • 忙しい社会人は①隙間時間の学習の習慣化②無駄遣いしている時間の撃退をして時間を捻出しよう

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