予備試験短答は誰でも合格できる?失敗しない勉強法とは

予備試験短答は誰でも合格できる?失敗しない勉強法とは

予備試験の受験を考えている方は、「短答式試験」という言葉を1度は耳にしたことがあるでしょう。短答式試験は、予備試験の最初の関門と呼ばれており対策は不可欠です。

では、予備試験短答式試験はどのような問題が出題され、どのような人が合格を果たしているのでしょうか?

「天才しか合格できないのでは?」

「六法を丸暗記しなければ合格できないのでは?」

などと思われがちですが、そのようなことはありません。「勉強のやり方さえ間違えなければ(=正しい勉強法)」合格できる試験です。

この記事では、予備試験短答式試験に合格するために、失敗しない勉強方法について解説します。是非、ご参考になさってくださいね。

1 司法試験予備試験とは?

司法試験法に定められている通り、予備試験に合格すると司法試験の受験資格を得ることができます。

 

(司法試験予備試験)

“司法試験予備試験(以下「予備試験」という。)は、司法試験を受けようとする者が前条第一項第一号に掲げる者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし、短答式及び論文式による筆記並びに口述の方法により行う。”                      (司法試験法第5条より)

※「前条第一項第一号に掲げる者」とは、法科大学院課程を修了した者を指します。

 

司法試験予備試験(以下  予備試験)とは、上記の通り、司法試験の「受験資格」が得られる試験です。予備試験に合格すると、法科大学院に進学しなくとも、司法試験の受験資格が付与されます。

 

〈司法試験の受験資格を得るための2つのルート〉

◆法科大学院修了者

◆予備試験合格者(誰でも受験可能)

 

予備試験の合格率は、例年4%ほどを推移しており、限られた人しか合格することが叶いません。しかしながら、予備試験の人気は年々高まっています。いったいなぜなのでしょうか?

 

なぜなら、予備試験合格者の司法試験合格率が非常に高い(令和3年度は93.5% 法務省データよりからです。

 

言葉を選ばずにいえば、「予備試験に合格したら、司法試験に合格できる可能性が極めて高い(実力が備わっている)」といっても過言ではありません。

 

また、予備試験と司法試験の科目は、大部分が重複しており勉強方法もほぼ同じです。特に昨今では、高校生の合格者も出ており、大学生や大学院生の予備試験受験はトレンドともいえるでしょう。

 

予備試ルートで司法試験を目指すメリットを挙げましたのでご参考になさってください。

 

《予備試ルートで司法試験を目指すメリット》

◆時間的・経済的な負担が少ない(法科大学院は2~3年かかり費用も高額)

◆予備試験合格者の司法試験合格率が高い

◆勉強する科目が重複している

◆就職に有利

 

仮に、法科大学院に通うとなると、法科大学院入学のための準備はもちろんですが、多大な学費がかかります。在学中も、授業の予習などに時間を割かれ、司法試験の対策に当てる時間を奪われてしまうことが実情ですので、学校により一概にはいえませんが、司法試験対策を必ずしも行うとは限りません。どちらのルートを選択するのかはしっかりと検討しなければなりませんね。

 

2 予備試験短答式試験の概要

ここでは、予備試験の試験の流れを確認しながら概要を見ていきましょう。

予備試験の流れ

出題形式は3つ(短答式・論文式・口述)に分かれ、およそ半年間に渡り実施されます。短答式試験は例年5月の中旬に試験が実施されますが、ここで合格しなければ論文式試験に進むことができません。たとえ論文式試験までクリアしたとしても、最終関門となる口述試験に合格できなければ、翌年以降に再度、短答式試験から受け直すこととなる非常に厳しい試験です。

 

【短答式試験概要】

形式 選択問題(マークシート) 
科目 憲法
民法
刑法
商法
民事訴訟法
刑事訴訟法
行政法
一般教養(人文科学・社会科学・自然科学・英語)

 

【短答式試験時間割】  

集合時間 着席時間 試験時間 試験科目
8:45 9:15 9:45〜11:15(1時間30分) 民法・商法・民事訴訟法
  ― 11:45 12:00〜13:00(1時間) 憲法・行政法
  ― 14:00 14:15〜15:15(1時間) 刑法・刑事訴訟法
  ― 15:45 16:00〜17:30(1時間30分) 一般教養

参照:法務省「令和4年度司法試験予備試験の実施について」

 

上記表は、令和4年度の時間割となりますが、例年ほぼ変わりはありません。ただし、今後の社会情勢などの影響により変更されることも考えられますので、法務省の情報は随時チェックされることをおすすめします。

 

3 予備試験短答式試験の難易度はどのくらい?

難関国家試験である予備試験ですが、いったいどのくらいの難易度なのでしょうか?

ここでは、法務省のデータを元に合格率の推移を見ていきましょう。

 

【予備試験短答式合格率推移】 

年度 年度 受験者数 合格者数 合格率
平成23年 2011 6,477 1,339 20.67%
平成24年 2012 7,183 1,711 23.82%
平成25年 2013 9,224 2,017 21.87%
平成26年 2014 10,347 2,018 19.50%
平成27年 2015 10,334 2,294 22.20%
平成28年 2016 10,442 2,426 23.23%
平成29年 2017 10,743 2,299 21.40%
平成30年 2018 11,136 2,661 23.90%
令和元年 2019 11,780 2,696 22.89%
令和2年 2020 10,608 2,529 23.84%
令和3年 2021 11,717 2,723 23.24%
令和4年 2022 13,004 2,829 21.75%

参照:法務省「司法試験予備試験の結果について」

 

上記の表から見ておわかりいただけるように、合格率は例年20%前半台を推移しています。5人に1人は合格することのできる試験ですので、手の届かない距離ではありません。

 

とはいえ、簡単には合格できないことも事実です。

 

予備試験短答式試験の難易度を上げている要因とはどのようなものなのでしょうか?

 

〈難易度を上げている要因〉

◆勉強時間の捻出が難しい(個人差あり、最低でも論文式試験合格までに2,000時間ほど)

◆法律学習そのものが難しい

◆勉強の継続が難しい(途中で挫折してしまうことも・・・)

 

では、これらの要因をクリアするには、いったいどのような対策を行えば良いのでしょうか?

4 予備試験短答式試験に合格するための対策

目指すべきゴール(合格点)は、例年160点〜170点(270点満点)ほどであり、6割程度の点数が取れていれば合格することができます。

 

〈結論〉 勉強の方向性さえ間違わなければ合格点に到達することは可能!!

■過去問演習が重要(後述(2)参照)

■論文対策が短答対策を兼ねる

 

ここでは、短答式試験合格に向けて、正しい勉強法(勉強の方向性を間違えない)について具体的に見ていきたいと思いますので、是非、ご参考になさってください。

 

(1) 予備試験には乗り越えるべき「5つの壁」がある

〈予備試験で乗り越えるべき5つの壁〉

■ 難易度の壁(先述の通り)

■ 学習コストの壁(予備校による)

■ 継続の壁(予備校のカリキュラムによる)

■ 学習時間の壁

■ 論文の壁(≒短答合格の源泉となるため)

 

予備試験に合格するためには、「5つの壁」が立ちはだかり、いずれもなかなか手強いので、多くの方が挫折してしまうことも事実です。これら5つの壁のうち、ここでは「学習時間の壁」「論文の壁(≒短答合格の源泉となるため)」について解説します。

 

① 学習時間の壁

まずは、合格するために必要な勉強時間の捻出が難しいことです。社会人の方であれば、平日に2〜3時間取れれば良い方なのではないでしょうか。予備校のカリキュラムや勉強方法などにより異なりますので一概にはいえませんが、効率良く勉強を進めたとしても論文式試験合格までに2,000時間ほどの勉強時間が必要だといわれています。

 

個々の置かれている状況により一概にはいえませんが、効率良く合格を目指すのであれば、予備校を活用し、試験日から逆算して勉強のスケジューリングを入念に行うことが肝要です。

 

ただし、ここで注意していただきたいこととして「予備校のカリキュラム」が自分のライフスタイル(受講形態:通学orオンライン)や勉強の可処分時間に合っているかをしっかり検討することを心に留めておいてください。あまりにも重厚すぎる講義内容では、消化しきれずに合格への道は遠のいてしまいますので、「合格に必要なものだけをコンパクトに何度も反復する方が効率的である」と割り切る勇気も大切です。

 

②  論文の壁(短答合格のための源泉となる)

短答式試験は、第1関門となる試験ですが、予備試験の特性上、短答式試験向けの勉強だけを試験日までするわけにはいきません。なぜなら、短答式試験が終われば、2ヶ月後には論文式試験日を控えており、短答式試験直後から論文式試験対策を行ったとしても、全く時間が足らず合格することはできません。

 

予備試験の特性上、論文式試験は天王山ともいえる重要な試験であり、多くの受験生が毎年苦戦を強いられます。また、「論文式試験向けの勉強が短答式試験の勉強も兼ねる」といわれており、論文式試験対策をしっかり行っていれば、短答式試験対策はあまり心配しなくても良いでしょう(短答プロパーを除く)。

 

また、短答式試験は、基本的なことが問われ、「問題の全ての選択肢が難しい・・・」といったケースも少なく、消去法が使える問題が多いことも特徴です。

 

▼こちらの記事も合わせてご覧ください。
予備試験の論文式試験の『壁』を乗り越える勉強法とは?!

 

5 予備試験の短答式試験に受かる人・落ちる人の違いとは?

予備試験短答式試験の合格率が20数%ということは、7割以上の受験生が短答式試験に落ちているということになります。

では、予備試験に落ちてしまう人と合格する人の違いはどこにあるのでしょうか?

 

(1) 勉強量不足か否か(インプット・アウトプット量のバランスが重要)

そもそも勉強量が合格の基準に足りていない受験生は、落ちてしまう傾向にあります。ここでいう勉強の量とは、勉強の時間ではなく、インプット・アウトプット量に偏りがあるのではないか?という問題です。

 

先述したように予備試験合格までに必要な勉強時間はおおよそ予想することができますが、非効率な勉強を進めていては、合格は遠のいてしまいます。

 

短答式試験受験日までに、必要なインプット・アウトプット量を終えておくことは不可欠ですし、勉強量が足りていなければ(インプット・アウトプット量のアンバランス含む)、何年も連続で不合格になるケースも少なくありません。

 

これを回避するためには「合格目標年度」を明確にし、ゴールからの逆算をした勉強スケジュールを立て進めていくことが大切です。

 

“どの時期に何をすれば効率良く勉強が進み合格へ近づけるのか”

 

ゴールまでの道のりを把握して、インプット・アウトプット量が偏らないようにしっかりとコントロールすることを心がけていきましょう。

 

(2) 勉強の方向性を間違えていないかどうか

これは、勉強がある程度進んだ人に多いのですが、過去問を行っていたはずなのに、いつの間にか難しい学説などにはまってしまうケースです。

 

学者になるわけではありませんので、「深く学ぶ時間は、合格後の楽しみに取っておく。」くらいに留めて、気持ちを切り替えることも大切です。

 

「気づいた時には、短答式試験直前で民法しか終わっていなかった・・・」などと後悔しても遅いので、難しくて理解が及ばない箇所は勇気を持ってどんどん飛ばしましょう。

 

他の知識と相まって、急にストンと理解できるようになることも法律を学んでいればよくあることですので安心してください。

 

インプットは早めに1周終わらせることをおすすめします!

6 サマリー

予備試験の短答式試験は、「勉強のやり方さえ間違えなければ(=正しい勉強法)」合格できる試験です。ゴールから逆算した勉強スケジュールを愚直にこなすことはもちろんのこと、過去問対策も不可欠です。インプット・アウトプット量が偏らないように心がけて勉強を進めていってくださいね。

 

7 まとめ

  • 予備試験とは、司法試験の「受験資格」が得られる試験であり、予備試験合格者の司法試験合格率が非常に高い(令和3年度は93.5%)
  • 予備試験の出題形式は3つ(短答式・論文式・口述)に分かれ、およそ半年間に渡り実施される。
  • 予備試験短答式試験の合格率は例年20%前半台を推移。
  • 勉強の方向性さえ間違わなければ合格点(例年160〜170点〈270点満点〉)に到達することは可能!!
  • 予備試験の短答式試験に受かる人・落ちる人の違い|①勉強量不足か否か(インプット・アウトプット量のバランスが重要)②勉強の方向性を間違っていないか

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