行政書士試験の合格を目指すうえで、多くの方がまず気になるのが「合格までにどのくらいの勉強時間が必要なのか」という点ではないでしょうか。
行政書士は「市民にとって最も身近な街の法律家」とも呼ばれ、近年は社会人を中心に受験者数が増加傾向にある人気の国家資格です。一方で、合格率は例年10パーセント前後で推移する難関試験であり、合格には計画的な学習が欠かせません。
必要な勉強時間は、これまでの法律学習の経験や学習の進め方によって個人差がありますが、一般的には600〜1,000時間程度が一つの目安とされています。ただ、合格のカギを握るのは、単純な勉強時間の長さだけではありません。限られた時間をどう配分し、どのようなスケジュールで進めるかが、合否を大きく左右します。
この記事では、行政書士試験の合格に必要な勉強時間の目安を出題内容や難易度の観点から解説したうえで、1日あたりの勉強時間の決め方や、6カ月・1年といった期間別の学習スケジュールの立て方まで、具体的にご紹介します。働きながら合格を目指す社会人の方に向けた時間の捻出法も取り上げますので、ぜひ最後までご覧ください。
行政書士試験の概要(試験日・科目・合格率)
必要な勉強時間を考える前に、まずは行政書士試験がどのような試験なのか、全体像を押さえておきましょう。試験の範囲や難易度を理解しておくことが、必要な勉強量を見積もる出発点になります。
行政書士試験は、行政書士法に基づいて毎年1回実施される国家試験です。年齢・学歴・国籍などにかかわらず、誰でも受験できます。試験は例年11月の第2日曜日、午後1時から午後4時までの3時間で行われ、受験手数料は10,400円です。
出題科目は、大きく「行政書士の業務に関し必要な法令等」(46題)と「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」(14題)の2分野、合計60題で構成されています。法令等では憲法・行政法・民法・商法・基礎法学が、基礎知識では一般知識(政治・経済・社会)や行政書士業務に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解が問われます。出題形式は、法令等が択一式と多肢選択式と記述式、基礎知識が択一式です。なかでも配点の大きい行政法と民法が得点の中心となるため、この2科目をいかに固めるかが学習の軸になります。
合格には、次の3つの基準をすべて満たす必要があります。
- 法令等科目で122点以上
- 基礎知識科目で24点以上
- 試験全体で180点以上(満点300点)
1つでも基準点を下回ると、総得点が高くても合格できない点に注意が必要です。
気になる難易度ですが、近年の合格率は次のように推移しています。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和3年度 | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
| 令和4年度 | 47,850 | 5,802 | 12.13% |
| 令和5年度 | 46,991 | 6,571 | 13.98% |
| 令和6年度 | 47,785 | 6,165 | 12.90% |
| 令和7年度 | 50,163 | 7,292 | 14.54% |
参照:一般財団法人行政書士試験研究センター「試験結果の推移」
参照:試験の概要(試験日・科目・配点・受験手数料)
合格率は近年おおむね10〜15パーセント台で推移しており、難易度の高い試験であることがわかります。直近の令和7年度はやや上昇したものの、依然として受験者の8割以上が不合格となる試験です。
だからこそ、この難易度に見合った十分な勉強時間の確保と、的を絞った学習計画が欠かせません。次の章では、合格までに必要な勉強時間の目安を具体的に見ていきましょう。
なお、試験制度や行政書士の仕事内容そのものについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
行政書士合格に必要な勉強時間は約600〜1,000時間(独学・通信・通学別)
前章で見たとおり、行政書士試験は合格率10〜15パーセント前後の難関試験です。合格するには、次の3つの基準点をすべて満たす必要があります。
- 法令等科目:122点以上
- 基礎知識科目:24点以上
- 試験全体:180点以上(満点300点)
このように、行政書士試験は一定の水準を確実に超えることが求められる試験です。そのための学習量として、合格までに必要な勉強時間は一般的に600〜1,000時間程度が一つの目安とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、必要な時間には個人差があります。
たとえば、宅建士試験など過去に法律系の学習経験がある方は、民法などの土台がある分、ある程度の短縮が見込めます。一方で、法律をまったく学んだことがない方は、用語や考え方に慣れるところから始まるため、600時間を下限の目安と捉え、理解度に応じて余裕を持った計画を立てておくと安心です。
必要な勉強時間は、どの学習スタイルで進めるかによっても変わってきます。代表的な3つの方法を比較してみましょう。
独学の場合は、テキストや問題集を自分で選んで進めるため、費用を最も抑えられるのが魅力です。一方で、出題範囲の取捨選択や学習順序をすべて自分で判断する必要があり、効率の面では遠回りになりやすい傾向があります。結果として、必要な勉強時間は800〜1,000時間程度と長めになりやすく、人によってはさらに時間を要するケースもあります。
通信講座の場合は、合格に必要な範囲が体系的に整理されたカリキュラムに沿って学べるため、独学よりも効率的に学習を進めやすくなります。スマートフォンなどで場所を選ばず受講できる講座が多く、社会人が限られた時間で学ぶのに適した方法です。学習の方向性に迷う時間が減る分、600〜800時間程度を目安に、独学よりも短い時間での合格が狙いやすくなります。
通学(予備校)の場合は、決まった時間に教室で講義を受けるスタイルです。講師に直接質問できる環境や、学習仲間の存在によってモチベーションを保ちやすい点がメリットです。ただし、通学にかかる時間や費用の負担は大きく、社会人にとってはスケジュールの確保が課題になりやすい方法でもあります。
このように、同じ合格を目指す場合でも、学習スタイルによって必要な時間や効率は変わります。重要なのは、自分が確保できる時間や学習環境に合った方法を選び、限られた時間を効率的に使うことです。次の章では、1日あたりどのくらいの勉強時間を確保すればよいのか、ライフスタイル別に具体的に見ていきましょう。
なお、独学での合格を検討している方は、つまずきやすいポイントや注意点をまとめた以下の記事もあわせてご覧ください。
1日何時間勉強すべき?社会人・主婦・学生別の時間配分
合格に必要な総勉強時間がわかったら、次は「1日あたり何時間勉強すればよいか」を考えてみましょう。
仮に必要な勉強時間を600時間とすると、いつから学習を始めるかによって、1日に必要な時間は次のように変わります。
- 1年(約365日)で合格を目指す場合:1日あたり約1.6時間
- 半年(約180日)で合格を目指す場合:1日あたり約3.3時間
こうして逆算すると、確保できる時間が少ないほど、早めに学習を始めることが有利だとわかります。そのうえで、ライフスタイル別に現実的な時間の作り方を見ていきましょう。
社会人の場合は、まとまった学習時間の確保が最大の課題です。実際、行政書士試験の受験者は30代〜50代が中心で、仕事と両立しながら挑戦する方が多くを占めます。平日は通勤時間や昼休み、就寝前などのスキマ時間で1〜2時間、休日にまとめて3〜5時間といった配分が現実的です。スキマ時間を積み上げるだけでも、1日2〜3時間の学習につながります。
主婦・主夫の場合は、家事や育児の合間をどう使うかがポイントになります。日中のまとまった時間が取りにくい場合は、午前と午後、夜などに学習を分割し、1回30分程度を複数回積み重ねる方法が続けやすいでしょう。
学生の場合は、社会人や主婦と比べて時間を確保しやすい立場です。1日3〜4時間を安定して確保できれば、半年程度での合格も視野に入ります。授業やアルバイトと両立しながら、生活リズムに学習を組み込むことが大切です。
いずれの場合も重要なのは、無理のない範囲で毎日続けられる時間配分にすることです。次の章では、こうした1日の学習を、合格までの期間別スケジュールに落とし込んでいきます。
行政書士合格までは何ヶ月?期間別の学習スケジュール
行政書士試験の合格を目指すうえで、「何ヶ月くらいの学習期間を見ておけばよいのか」は、多くの方が気になるポイントです。
前章までで見たとおり、合格に必要な勉強時間の目安は600〜1,000時間程度。これをどのくらいの期間で消化するかによって、1日の学習負担も、適した学習スタイルも変わってきます。
一般的に、行政書士試験の学習期間は半年〜1年程度を見込むケースが多くなっています。試験は例年11月の第2日曜日に実施されるため、その試験日から逆算してスケジュールを組み立てるのが基本です。たとえば同じ年の合格を目指すなら、遅くとも春から初夏には学習を始めておきたいところです。
学習期間を決めるときは、次の3つの要素から考えると、自分に合ったプランが見えてきます。
- 確保できる学習時間:1日にどれくらいの時間を勉強に充てられるか
- 法律学習の経験:民法や行政法などに触れた経験があるか
- 目標とする受験年度:今年の合格を目指すのか、来年に向けて準備するのか
これらを踏まえると、学習期間は大きく「6ヶ月の短期集中型」と「1年の標準型」の2つのパターンに分けられます。短期集中で一気に仕上げるのか、無理のないペースで着実に進めるのか。どちらが自分に合うかは、確保できる時間と学習開始のタイミング次第です。
なお、独学でこの期間内に合格レベルまで到達するのが不安な場合は、学習範囲とスケジュールがあらかじめ設計された通信講座を活用するのも有効な選択肢です。通信講座であれば、限られた期間でも効率的に学習を進めやすくなります。各社の特徴は、以下の記事で比較していますのであわせてご覧ください。
それでは、6ヶ月・1年それぞれのスケジュールを具体的に見ていきましょう。
6ヶ月で合格を目指す短期集中スケジュール
6ヶ月での合格は、1日あたり3〜4時間程度の学習時間を確保できる方に向いた、短期集中型のプランです。試験は11月のため、逆算すると5月頃のスタートが目安になります。学生の方や、まとまった勉強時間を取りやすい環境にある方に適しています。
限られた期間で合格レベルに到達するには、学習の優先順位を明確にすることが欠かせません。月ごとの大まかな進め方は、次のとおりです。
- 1〜2ヶ月目:配点の大きい行政法と民法を中心に、基礎をインプット
- 3〜4ヶ月目:過去問演習に移り、知識を「使える」状態に定着させる
- 5ヶ月目:記述式対策と、苦手科目の補強に取り組む
- 6ヶ月目(直前期):模試や予想問題で実戦感覚を養い、総仕上げを行う
短期集中型では、すべての範囲を完璧に仕上げようとせず、合格基準点を超えることを目標に、出題頻度の高い分野へ思い切って学習を絞ることがポイントです。
ただし、6ヶ月は決して余裕のあるスケジュールではありません。特に法律学習が初めての方は、無理に短期合格を狙うと消化不良に陥るおそれもあります。確保できる時間に不安がある場合は、次に紹介する1年スケジュールも検討してみてください。
1年で合格を目指す標準スケジュール
1年をかけて合格を目指すプランは、最も多くの受験生が選ぶ、現実的なモデルケースです。1日あたり1.5〜2時間程度の学習で必要な勉強時間を無理なく積み上げられるため、仕事や家事と両立しながら着実に進めたい方に適しています。試験が11月のため、前年の11月〜当年初めにスタートするイメージです。
期間に余裕がある分、各科目をていねいに理解しながら進められるのが、このプランの強みです。月ごとの大まかな進め方は、次のとおりです。
- 1〜4ヶ月目:行政法・民法を中心に、主要科目の基礎をじっくりインプット
- 5〜8ヶ月目:憲法・商法・基礎知識まで範囲を広げつつ、過去問演習を本格化
- 9〜10ヶ月目:記述式対策と、苦手分野の集中的な補強
- 11〜12ヶ月目(直前期):模試で実力を確認し、知識の総整理と弱点の最終調整
6ヶ月の短期集中型と比べて1日の負担が軽く、復習に充てる時間も取りやすいため、知識の定着という面でも安心感があります。
なお、仕事や育児で1日に確保できる時間が1時間前後にとどまる場合は、学習期間を1年2ヶ月程度とやや長めに見積もり、ゆとりを持って計画を立てるのも一つの方法です。大切なのは、期間の長さそのものよりも、毎日コツコツと学習を継続できるペースを保つことです。
社会人が働きながら合格するための勉強スケジュール術
行政書士試験の受験者は、30代〜50代が中心です。働き盛りの社会人が多くを占めており、仕事と勉強の両立は、多くの受験生にとって最大の課題といえます。まとまった学習時間を取りにくい社会人が、限られた時間で合格を目指すには、いくつかのコツがあります。
最大のポイントは、スキマ時間を徹底的に活用することです。通勤中の電車内、昼休み、就寝前の30分など、1日の中に散らばった細切れの時間を積み上げれば、合計で2〜3時間の学習時間を生み出すことも十分可能です。
まとまった時間が取れないからと諦めるのではなく、「スキマ時間をいかに勉強時間に変えるか」という発想に切り替えることが、両立の第一歩になります。
スキマ時間を活かすうえでは、学習内容を細分化しておくことが有効です。たとえば、5分で読めるテキストの単元、10分で解ける一問一答といった形で、短時間でも区切りよく取り組める教材を用意しておくと、移動中や待ち時間をそのまま学習に充てられます。スマートフォンで講義動画や問題演習ができるオンライン型の教材は、この点で社会人と相性がよいといえます。
もう一つ大切なのが、学習を習慣化(ルーティン化)することです。「平日は朝の通勤時間にインプット、夜に一問一答」「休日の午前中は過去問演習」といったように、生活リズムの中に勉強する時間を固定してしまえば、毎回「いつ勉強するか」を考える負担がなくなり、継続しやすくなります。合格者の多くが、特別な才能ではなく、こうした学習の継続によって合格をつかんでいます。
そして、社会人にとって特に重要なのが、無理のないスケジュールを組むことです。仕事が忙しい時期や体調を崩す日もあることを前提に、あらかじめ予備日や休息日を組み込んでおきましょう。詰め込みすぎたスケジュールは挫折を招きやすく、かえって遠回りになりかねません。働きながらの合格は、短期間の頑張りよりも、無理なく続けられる仕組みづくりが鍵を握ります。
独学が不安なら通信講座・予備校の活用も選択肢
ここまで、勉強時間の目安やスケジュールの立て方を見てきましたが、「独学でこの計画を最後までやり切れるだろうか」と不安に感じた方もいるかもしれません。そうした場合は、通信講座や予備校を活用するのも有力な選択肢です。
独学の最大の課題は、広い試験範囲の中から何を優先し、どの順序で学ぶかを、すべて自分で判断しなければならない点にあります。学習の方向性を誤ると、時間をかけても得点に結びつきにくくなってしまいます。
その点、通信講座や予備校は、合格に必要な範囲が体系的に整理されたカリキュラムに沿って学べるため、迷う時間を減らし、限られた時間を効率的に使えるのが大きなメリットです。
特に近年は、スマートフォン一つで講義の視聴から問題演習まで完結できるオンライン型の通信講座が増えており、まとまった時間を取りにくい社会人にも取り入れやすくなっています。費用や学習スタイルは各社で異なるため、自分に合った講座を比較して選ぶとよいでしょう。
なかでも、オンライン学習に特化した資格スクエアの行政書士講座は、人気講師の森広志講師、通称「森T」によるわかりやすい講義が特長です。学習経験や目標時期に応じてコースが用意されており、本記事で紹介したスケジュールにあわせて選べます。
資格スクエアの行政書士講座のおすすめポイント!
半年前後の短期集中で合格を目指す方には「森Tの速習合格講座」、1年かけてじっくり実力を養いたい方には「森Tの1年合格講座」が向いています。いずれも、合格に必要な論点を絞り込んだカリキュラムと、スマートフォンで学べる利便性を兼ね備えています。
独学に不安がある方や、限られた時間で効率よく合格を目指したい方は、まずは無料の講義体験や説明会を活用し、自分との相性を確かめてみてはいかがでしょうか。
行政書士の勉強時間・スケジュール早見表
ここまで解説してきた行政書士試験の勉強時間とスケジュールの要点を、早見表にまとめました。ご自身が確保できる学習時間や開始時期にあわせて、計画を立てる際の参考にしてください。
| 学習プラン | 学習期間の目安 | 1日の勉強時間の目安 | 向いている人 |
| 短期集中型 | 約6ヶ月 | 約3〜4時間 | 学習時間を多く確保できる人、学生 |
| 標準型 | 約1年 | 約1.5〜2時間 | 仕事や家事と両立したい社会人 |
| 長期型 | 約1年2ヶ月 | 約1時間 | 1日の学習時間が限られる人 |
合格に必要な勉強時間は、一般的に600〜1,000時間程度が目安です。
いずれのプランを選ぶ場合も、大切なのは無理なく毎日継続できるペースを保つこと。試験日である11月の第2日曜日から逆算し、自分に合ったスケジュールで学習を進めていきましょう。
まとめ:自分に合った勉強計画で最短合格を目指そう
今回は、行政書士試験の合格に必要な勉強時間と、スケジュールの立て方について解説しました。最後に、記事の要点を振り返ります。
- 行政書士試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に600〜1,000時間程度が目安
- 合格率は例年10〜15パーセント前後の難関試験で、計画的な学習が欠かせない
- 1日の勉強時間や学習期間は、確保できる時間やライフスタイルに合わせて設定することが大切
- 社会人はスキマ時間の活用と学習の習慣化が両立のカギ
- 独学に不安がある場合は、通信講座や予備校の活用も有力な選択肢
行政書士試験の合格は、勉強時間の長さそのものよりも、限られた時間をどう使い、無理なく継続できるかが鍵を握ります。試験日から逆算し、自分に合った学習計画を立てて、合格を目指していきましょう。
効率よく合格を目指したい方は、オンライン学習に特化した資格スクエアの行政書士講座もぜひご検討ください。まずは無料の講義体験で、森T講師の講義との相性を確かめてみてはいかがでしょうか。
オンライン学習に特化した資格スクエアで、最短合格を目指しませんか?


