語学が堪能ならば目指したい国際行政書士とは?入管をはじめとする業務内容を調査!

語学が堪能ならば目指したい国際行政書士とは?入管をはじめとする業務内容を調査!

ビジネスの世界においては、コロナ禍で海外との国交が絶たれたことの痛手は、はかり知れません。コロナ禍以前、安倍政権は、海外からの移民を積極的に受け入れようとしていました。国内の人手不足問題も、多様な雇用の在り方を実現して克服しようとしていたのです。これに鑑みると、入管業務は、日本という国の盛衰にも関わる重要な業務であるといえます。

この記事では、入管などの業務に携わる「国際行政書士」にスポットを当て、業務内容などを詳しく紹介していきます!

1 外国が堪能な行政書士は増えている

行政書士が入管業務を担当するようになり、20年が経つそうです。入管業務の他にも在留資格、帰化など、行政書士が担当できる国際的な業務は数多くあります。日本と世界の架け橋となれるやりがいある業務なので、近年は英語や中国語などを流暢に操り、国際業務を担当する行政書士が増えてきています。

(1)「国際行政書士」って何?

「国際行政書士」という資格を、聞いたことはありますか?国際行政書士とは行政書士の中でも、国際関係の業務を専門的におこなう行政書士を指します。

厳密には、国際行政書士という資格が存在するわけではありません。あくまで、海外関係の業務を得意とする行政書士に対する呼称です。

行政書士は「書類のプロ」と呼ばれていますが、官公庁に申請・提出する書類の中には、外国人に対する手続き業務も含まれます。コロナ禍で一時的に停滞しているものの、世界のグローバル化は急速に進んでおり、国際的な手続きを得意とする行政書士に対する需要は、高まり続けていました。

(2)海外業務とは?

海外業務とは、まず日本で暮らす外国人の在留資格に関する手続きです。「申請取次行政書士」の資格があると、申請人である外国人に代わって入管局に申請をおこなうことができます。また、企業レベルでは、義務化されている「外国人雇用」の届出を請け負うことなどの業務があります。

顧客 一般 ・海外から来た外国人
・日本に住み続けたい外国人
・日本人に帰化したい外国人
ビジネス ・日本で活動する外資系企業
・日本で新たに起業する外国人・外国法人
・初めて外国人を雇用する日本企業
業務の種類 一般 ・入管・在留手続き
・在日外国人の行政・法務手続き
・帰化申請手続き
ビジネス ・就労ビザ取得のための入管手続き代行
・外資系企業の日本支店・日本支社設立手続き

(3)海外業務のやりがい

入管業務は、それぞれの申請で許可が降りるまでの難易度が全く違うといいます。その理由は、外国人の中には全てを話してくれない人もいるため、虚偽申請などで不許可になるケースが多いからだそうです。

ビザ申請案件の中には、要件ギリギリで通常の申請書類だけでは足りない場合もあり、その場合は補強書類を追加するなどの工夫が求められます。晴れてビザを取得できた時の喜びは、ひとしおだとのことです。

国際行政書士の顧客は、外国人や海外の企業の人がほとんどになります。外国語でコミュニケーションをとるのも楽しく、海外業務に関する知識も充実していくので、大きなやりがいがあるようです。

2 行政書士の海外業務(一般)

行政書士の国際業務について、詳しく紹介していきます。まずは、一般的な国際業務から紹介しましょう。

(1)「申請取次行政書士」による入国管理局への申請業務

「申請取次行政書士」とは、日本で働くことを希望する外国人に代行し、入国管理局への申請をおこなうことのできる資格です。外国人にとっては、本人出頭の手間を省くことができるため、有り難い存在です。この業務は行政書士と弁護士との共管業務で、どちらが請け負っても構いません。

後述しますが、申請取次行政書士になるには出入国管理についての研修に参加し、試験を修了し、届出をおこなわなければなりません。申請取次研修は、募集を開始するとすぐ定員が埋まってしまうほどの人気ぶりです。申請取次行政書士に合格し届出をおこなうと「届出済証明書」が発行されます。この証明書はピンク色なので「ピンクカード」と呼ばれています。

申請取次行政書士の業務を遂行するには、顧客である外国人との外国語でのコミュニケーションが必要になります。外国語が得意な行政書士なら、申請取次行政書士の資格取得に是非チャレンジしてみましょう。将来、入管業務に特化した事務所を開所できるかも知れません。

(2)国際結婚サポート

行政書士の業務には、国際結婚のサポートもあります。国際結婚をする時、配偶者の在留資格取得の手続きが必要だからです。行政書士は、在留資格、永住資格、帰化申請を請け負います。

日本人が外国人と結婚(または離婚や養子縁組等)をする場合、相手の方の国籍により、婚姻届等の書類などが異なってきます。また、入管取次申請資格を有する行政書士が代行するのですが、相手の在留資格を取ります。配偶者ビザ発行の可否については、入国管理局の「永住審査部門」が審査します。

入国管理局には「実態調査部門」という専門部署があり、当部所は配偶者ビザの申請内容に虚偽がないか現地調査をします。結婚詐欺や配偶者ビザの虚偽申請の摘発を目的とする機関ですので、警察のような手法も用います。

このような不正に少なからず巻き込まれる業務であるので、行政書士が入管業務を請け負う場合、依頼主と会って話を聞かないと依頼を受けてはいけないことになっています。

(3)帰化

「帰化」とは、外国人が日本の国籍を取得することです。帰化するためには、帰化申請書を日本の法務局に提出する必要がありますが、これは行政書士に依頼できます。

帰化申請は司法書士に依頼すべきイメージがありますが、こちらは行政書士と司法書士との共管業務になっています。

3 行政書士の海外業務(ビジネス)

次に、海外から来た外国人や外国企業に対して、行政書士が請け負うことのできる業務を紹介します。

(1)外国人の起業

来k再行政書士は、日本での起業を望む外国人に対するサポートも請け負います。対日投資アドバイザーの行政書士が作成した「外国人のための起業ガイドブック」は、外国人が起業するに当たり行政書士に依頼すべき業務として、以下の3つを挙げています。

・在留資格申請
・事業に必要な許認可申請
・会社設立書類作成

これらの業務には「許認可申請」「会社設立書類作成」など、海外業務を専門としない行政書士の業務も含まれています。外国語が堪能な行政書士がこれらの業務を担当すれば、他の行政書士との差別化を図ることができ、何よりも手続きが円滑に進みます。同ガイドブックによると、起業までには以下のようなフローがあります。

①事業計画書の作成
②経営管理ビザ取得
③テナント契約
④会社設立(定款を作成)
⑤各種契約
⑥許認可申請

外国語を話せる行政書士なら、これらのフローを滞りなく進めることができるでしょう。顧客からも大いに感謝されるに違いありません。

(2)在留資格の有無確認や申請

「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主の義務であり、 外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要です!※届出を怠ると、30万円以下の罰金が科されます。

出典:厚生労働省

外国人を雇用したら「外国人雇用状況の届出」をおこなわなければいけません。これは事業主がハローワークに提出すべき届出で、怠った場合は罰金刑に処されます。記入項目としては、外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間などがあります。

そもそも事業者は、雇用しようという外国人が、日本における就労が認められるかどうか確認しなければいけません。在留資格の有無確認や申請は行政書士の業務であり、在留資格にかかわる申請業務には、他にも以下のものがあります。

・在留資格認定証明書交付申請
・在留期間更新許可申請
・在留資格変更許可申請
・資格外活動許可申請
・就労資格証明書交付申請
・永住許可申請
・再入国許可申請

4 海外業務をおこなう行政書士になるには

最後に、行政書士が海外業務をメインにおこなうためには、どんな資格や備えが必要かについてまとめていきます。現在はコロナ禍の影響で、ニュースではいつも、いかに水際対策をおこなうかが報じられています。

しかしこの時勢にも、行政書士には担当すべき業務がありました。政府が在留資格申請期限の延長を認めたため、それにまつわる業務に携わってきたのです。入管をスポットでおこなうだけに留まらず、業務を拡大していける行政書士になりには、何が必要でしょうか。

(1)入管の仕事をするためには

前述したように、入管の仕事をするためには「申請取次行政書士」の資格を取得しなければなりません。そのためには然るべき研修を受けてから試験を受け、「申請取次行政書士」として登録を終了しなければなりません。それに要する期間は3〜4か月です。

繰り返しますが、申請取次行政書士は大変人気がある仕事なので、研修の募集が開始したら直ぐ埋まってしまいます。日本行政書士会連合会のホームページを良くチェックしましょう(令和2年9月開催回は中止決定)。

(2)入国管理後のトータルケア

海外から日本に来る依頼人とは、入管業務だけでなく、日本における生活全般でトータルサポートをおこないましょう。

もちろん、他士業の独占業務に接触はできませんが、海外から来た依頼人には出来る限りをサポートしてあげたいものです。リピーターになってもらったり、新しい依頼人を紹介してもらったりといった広がりを築ける行政書士になれたら素晴らしいですね。

学生の入管業務を担当すれば、卒業後に日本企業に就職する際に、在留資格の変更が必要になります。また、日本に永住した人の相続問題、海外から日本に来て起業した外国人の事業承継の問題など、顧客を大事にしていけば、おつきあいは広がり続いていきます。入管から始まって結婚、相続、起業などの依頼を受け、長く信頼してもらえたら大変有り難いことです。

(3)法改正のチェック

社労士は働き方改革関連法や、そもそも改正の多い社会保険に関する法令など、毎年かなり多くの法改正をチェックしています。また、助成金の特例が創設されればその内容をマスターしなくてはいけません。しかし、行政書士が常にチェックしておくべき入管法は、それらに輪をかけて法改正が多いといわれています。

現在はコロナ禍により頓挫しておりますが、安倍政権は、基本的に海外からの移民政策を積極的に推進しようとしています。新しいビザの資格も数年おきにできています。入管業務に携わる行政書士であれば、これらの改正はしっかり押さえ、申請業務は完璧におこなわなければいけません。

入管書類は、1か所の書き損じで申請そのものが不許可になってしまいます。それだけでなく、その外国人は以後申請が受理されず日本に入ることができなくなってしまう可能性もあるのです。

(4)ブルーオーシャンを探す

行政書士という資格は、取得するだけでは食べていけないといわれます。確かに資格さえあれば大丈夫という時代ではなくなっています。

行政書士業務を見渡しても、ブルーオーシャン・レッドオーシャンがあります。例えば、独占業務である建設業の許認可申請業務も、専門知識を持って活躍できるジャンルです。風営法(パチンコ屋、バー、キャバレーなど風俗営業の営業許可申請)も、需要はものすごくあるのに請け負う行政書士が少ないので、ブルーオーシャンだといえます。

また、コミュニケーション能力が高い行政書士は、成功しやすい傾向にあるようです。さらに、語学力を持つ行政書士は、競争力がある立場だといえますが、近年語学ができる人自体がかなり増えているのが現状です。語学力がある行政書士の数もまた増えているのです。

しかし、語学力のような「プラスアルファ」があることは強みです。海外から来た労働者は、突然解雇されたり転職したいと言ってきたりするでしょう。そういった、外国人のキャリアプラン・ライフプランの相談を、いつでも受けることができる存在でありたいものです。

5 サマリー

国際行政書士について、お分かりいただけたでしょうか。入管業務以降も、行政書士が海外から来た外国人をサポートできる場面はたくさんあります。国際行政書士として、日本での生活を常にサポートできる存在になれたら素晴らしいですね。

6 まとめ

・行政書士が担当できる国際業務には、入管業務の他にも在留資格、帰化など数多くある。

・国際行政書士とは、国際業務を得意とする行政書士に対する呼称である。

・厳密には、国際行政書士という資格はない。

・「申請取次行政書士」の資格があると、外国人に代行し入管申請をおこなえる。

・申請取次行政書士になるには研修・試験を修了し、届出をおこなう。

・外国人が起業に当たり行政書士に依頼すべき業務は、在留資格申請、許認可申請、会社設立書類作成である。

・外国人を雇用したら「外国人雇用状況の届出」義務があり、怠たると罰金刑に処される。

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