予備試験の短答で不合格となってしまった方へ~敗因分析の仕方とこれからの勉強法~

予備試験の短答で不合格となってしまった方へ~敗因分析の仕方とこれからの勉強法~

令和3年度予備試験短答式試験の合格点が6月3日に発表されました。成績通知については、6月下旬に発送予定となっておりますが、既に自己採点をされた方は、今年の短答式試験の合否が判明したことと思います。残念ながら合格点に届かなかった方は、これから敗因分析をしたり、今後の勉強計画を立てる時期だと思いますが、なぜ合格点に届かなかったのか、敗因分析をすることがなかなか難しいのではないかと思います。この記事では、来年必ず合格するためにも、特に重要な敗因分析と、今後の勉強について詳しく説明いたします。是非参考にしてみてください。

1 予備試験短答式の最新情報

令和3年度予備試験短答式の合格点が発表されました。

▼予備試験短答式合格率

年度 合格点 受験者数 合格者数 合格率
令和3年 162 11,717 2,723 23.2%
令和2年 156 10,608 2,529 23.8%
令和元年 160 11780 2696 22.9%
平成30年 160 11136 2661 23.9%
平成29年 160 10743 2299 21.4%
平成28年 165 10442 2426 23.2%
平成27年 170 10334 2294 22.2%
平成26年 170 10347 2018 19.5%
平成25年 170 9224 2017 21.9%
平成24年 165 7183 1711 23.8%
平成23年 165 6477 1339 20.7%

法務省 司法試験予備試験短答式結果参考

2 予備試験短答式で不合格となってしまった方は、敗因分析をしましょう

残念ながら不合格となってしまった方は、今後勉強を再開する上で、短答の敗因分析をすることが必須となります。なぜこの点数になってしまったのかを知ることができなければ、来年も同じ結果となってしまう可能性があるからです。今の時期は大変辛い状況かと思います。来年も果たして合格できるのか、自分にはその力がないのではないかと諦めそうな気持ちになってしまう方もいると思いますが、合格点に届かなかったのには、必ず理由があります。正確な敗因分析をすることができれば、それだけ合格に必ず近づくことができます。

また、敗因分析をすることができれば、今後の勉強計画にも反映することができ、合格に必要な勉強を絞ることができます。

まずは敗因分析をしていただき、今後どうしていくべきか決めることが重要になります。

(1) 不合格の要因①十分な勉強時間の確保ができなかったケース

当初の勉強計画通りに遂行できず、試験本番までに過去問を回し切れなかった方や、講義の視聴を終えることができなかった方は、準備不足が原因である可能性が高いといえます。もっとも、ここで注意すべきなのは、既に学習が進んでいた範囲については、それが点数に反映されているかを確認する必要があります。

例えば、憲法の人権分野について学習が終わっていた場合、人権の分野について、点数が取れているかを確認し、点数がとれていれば、正しい学習ができたといえますが、点数がとれていなかった場合には、学習の方法に問題点があった可能性があります。ここは今後の勉強計画にも影響するので、見極めることが重要になります。

もし点数が取れていなかった場合、これまで行ってきた学習について、どのような学習をしてきたのかを再確認し、学習方法を見直す必要があります。例えば、短答過去問の復習の仕方に問題がなかったかなど、具体的に掘り下げて分析する必要があります。これについては、次の項目で詳しく説明いたします。

(2) 不合格の要因②十分な対策をしたが合格点に届かなかったケース

① 過去問を三周したのに合格点に届かなかった

予備試験対策において要となる短答過去問を何度も回したのに点数がとれず、非常に悔しい思いをしている方も多くいると思います。

これについては、短答過去問の復習方法に問題がなかったかを確認してみてください。

例えば、過去問だけでなく、市販で売られている短答演習問題を解く場合に、間違えた問題については、解説だけ読んで次の問題を解いていた、という方は、十分な復習ができていないかもしれません。

復習方法については、過去問を一通り終えた段階で、間違った条文を個別的に勉強するのはなく、その分野全体の学習をすることが大事です。

この学習法をやることで、未知の問題にも対応できるようになります。

例えば、民法を例にとると、弁済に関する問題のうち、第三者弁済(民法474条)の肢を間違えてしまった時、474条だけ読んで暗記したり、趣旨を勉強するのではなく、

「第六節 債権の消滅>第一款 弁済>第一目 総則」

弁済・総則という分野ごとについて学習をするということです。予備校を利用している方は、テキストでその分野を網羅的に読んだり、講義を視聴するのがおすすめです。

特に民法は、体系的な理解が重要になります。弁済という制度が設けられている理由は何なのか、弁済は民法の中でどう位置付けられているのか、他の制度との相互関係などをテキストを読みながら意識することで、弁済という制度の理解も深まりますし、弁済に関する未知の問題が出題された時にも、正しい法的思考に沿って考え、正解に近づくことができます。

分野をセットで勉強するということですね。

これまで解説だけ読んでいたという方は、知識を断片的に理解しただけで、体系的な理解ができていないため、未知の問題に対応しきれず、点数がとれなかった可能性があります。

問題を解く際に、「この肢は過去問でも出題されていたから知っている」というような基準で正誤を判断してしまうと、知らない問題にどう対応していったらよいか分からなくなってしまうのですね。

ただ、これまでやってきた勉強は決して無駄にはなりません。勉強法を変えることで、これまで得てきた知識が綺麗に整理されていくので、決して落ち込まずに、来年に向けて学習を進めていってください。

② 特定の科目だけ合格点に届かなかった

他の科目は平均点を越えていたのに、1科目だけ極端に点数がとれず、全体として不合格となってしまったという方もいると思います。

この場合は、点数がとれなかった科目について深く分析する必要があります。もともと苦手科目で点数がとりづらかったのであれば、対策が間に合わなかった可能性があります。一方で、これまでは順調に点数が取れていた科目であったにもかかわらず、試験本番では点数が全く取れなかったという場合は、上記でもお伝えしたように、過去問や演習問題の復習の仕方に問題がなかったか、日々の学習方法に問題がなかったかを考える必要があります。

特に過去問や演習問題は、何度も回していくうちに、問題とその正誤を記憶してしまうことがあります。記憶によって問題を解いてしまっていた場合には、正しいか誤っているかの過程を辿って正解を導けていないので、正答率は高くても、未知の問題に対応できない可能性があります。

過去問を何度も回すことはとても有益なことですが、仮に正誤を記憶してしまったとしても、問題を解く際には、理由づけまで考えて解くことが重要になります。

3 来年の予備試験に向けた対策

これまで短答の敗因分析について説明してきましたが、究極的には、受験生一人ひとりによって課題は異なるので、この記事ではあくまで例えとしての解説になります。上記に該当する方は、是非敗因分析を実行していただきたいのですが、今後の勉強計画については、それぞれの立場に置かれた状況によって、具体的な対策も変わります。特に社会人の方は、限られた時間で勉強しなければならないので、優先順位をつけた上で、間違った勉強法をしないことがとても重要になります。十分な勉強量をこなしてきたのに、上記のように誤った勉強をしてしまったことで、結果が出ないことがもったいないと思います。

資格スクエアの講座では、弁護士に直接質問をしたり、直接学習の進め方を教えてもらうことができるフォローアップ制度があります。短答に落ちてしまった方や、日々の学習で今の勉強法が正しいのか悩んでいる方は、是非この制度を利用し、来年の予備試験合格に向けて再出発をしていただければと思います。

4 サマリー

予備試験合格者の中には、最初は短答式試験を突破できなかった方もたくさんいます。それぞれが失敗を乗り越えて合格を勝ち取っているので、短答式試験で不合格となってしまった方は、決してここで諦めずに、自分の課題を克服して来年の合格に向けてスタートしていってください!

5 まとめ

  • 短答式試験で不合格となってしまった方は、敗因分析をしましょう
  • 十分な勉強時間を確保できなかった方は、これまで学習してきたことが点数に反映できているか確認しましょう
  • 十分な対策をしたにも関わらず合格点に届かなかった方は、復習の仕方が誤っていないか確認しましょう
  • 自身の課題を克服し、来年の予備試験合格に向けて頑張ってください!

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