弁護士になるには?4つのステップについて詳しく解説!

弁護士になるには?4つのステップについて詳しく解説!

弁護士になるには、4つのステップをクリアする必要があります。多くの方は、司法試験に合格することをまず目指して受験勉強を始めると思いますが、実は司法試験に合格した後にすぐ弁護士になれるわけではありません。

この記事では、弁護士になるための各ステップについて詳しく解説するので、是非参考にしてくださいね。

1 弁護士になるには?

弁護士になるには、大きく分けて4つのステップがあります。

この4つのステップは、①司法試験の受験資格を得る、②司法試験に合格する、③司法修習を受ける、④司法修習生考試(二回試験)に合格する、になります。

弁護士になるには、通らなければならない過程がたくさんありますが、この中で最も大変な過程は、やはり司法試験に合格することですね。このステップが1番難しく、また時間のかかるところになります。

また、司法試験を受験するにも、誰もが受験できる試験ではないことに注意が必要です。

これから各ステップについて詳しく解説します。

2 弁護士になるためのステップ①司法試験の受験資格を得る

(1) 予備試験ルート

予備試験ルートは、予備試験という試験に合格することによって司法試験の受験資格が得られるルートになります。

「司法試験を受ける前に別の試験に合格しなければならないんだ、、」と思ってしまうかもしれませんが、実は予備試験と司法試験は共通している点がいくつもあり、予備試験の受験勉強はそのまま司法試験にも活きます。

大きく共通しているポイントは、いずれも法律科目に関する試験であるということです。予備試験では最大10科目、司法試験は8科目から法律科目が出題されます。予備試験の出題科目は司法試験の科目の全てをカバーしているので、予備試験に合格することができれば、司法試験の受験勉強を一から始めるということも必要ありません。

もっとも、論述式試験については、司法試験の方が問題の量が多く、解答用紙も予備試験では4枚であるのに対して司法試験では8枚あるので、司法試験の過去問を解くなどしっかり対策しておく必要があるでしょう。

予備試験は、短答式試験、論文式試験、口述式試験のそれぞれを段階的に合格する必要があります。参考に、令和2年度予備試験試験の合格率は以下のようになっています。

【予備試験合格率の推移】

年度 受験者数 合格者数 合格率
2020 10608 442 4.20%
2019 11,780 476 4.00%
2018 11,136 433 3.90%
2017 10,743 444 4.10%
2016 10,442 405 3.90%
2015 10,334 394 3.80%
2014 10,347 356 3.40%
2013 9,224 351 3.80%

この統計から、予備試験においては短答式試験と論述式試験に合格することが大きな山場といえます。

また、予備試験全体の合格率は、3%台~4%台と、とても低く、難易度がとても高いといえます。

もっとも、予備試験には受験資格がなく、誰でも受験できるので、受験者の中には、記念受験をした方や、全科目の対策が終わらなかった方など、バックグラウンドも様々考えられます。

したがって、あまり予備試験の合格率にとらわれないということも大事だといえます。

さきほども言ったように、予備試験には受験資格がなく、毎年受験できるので、特に社会人の方にとっておすすめできるルートになります。

(2) 法科大学院ルート

法科大学院ルートは、法科大学院を修了することによって司法試験の受験資格が得られるルートになります。

法科大学院には既修コース(2年)と未修コース(3年)あります。既修コースは一般的に入学前から法律の学習をしている方を対象に、未修コースは初学者を対象に設置されたコースになります。

そうすると、初学者の方は、最短でも司法試験になるまで3年かかる計算になります。

法科大学院では、法律の学問を深められる場としては最適であり、また司法試験を目指す仲間ができるという意味ではとてもおすすめできるルートです。

一方で、法科大学院は法曹育成を目的とした教育機関であり、予備校ではないので、司法試験に合格するためのノウハウを学べる場所ではありません。例えば、答案の書き方を教えてもらえるわけではないので、司法試験のための勉強は自分で進めていく必要があります。

ただ、中には法科大学院に在学しながら予備試験に挑戦する方もいるので、予備試験ルートと並行するという選択肢もあります。

3  弁護士になるためのステップ②司法試験に合格する

(1) 司法試験の概要

司法試験の受験資格が得られると、次はいよいよ司法試験の挑戦が始まります。

司法試験は、毎年1回、例年5月中旬に行われます。

令和3年度司法試験の日程・科目

試験の日程 試験科目
5月12日(水) 【論述式】選択科目、憲法、行政法
5月13日(木) 【論述式】民法、商法、民事訴訟法
5月15日(土) 【論述式】刑法、刑事訴訟法
5月16日(日) 【短答式】民法、憲法、刑法

試験科目は全部で8科目あります。

試験は4日間にわたって行われ、最終日は短答式試験が行われます。

論述式試験は科目によって試験時間も異なりますが、1日目の公法系科目の試験時間の合計は、全科目含めて7時間と、長丁場の試験になります。

それも5日間行われるので、相当な体力が必要になります。  

(2) 司法試験の合格率と難易度

司法試験は最難関の国家試験といわれますが、実際にどれくらい難易度が高いのか、合格率の統計をもとに見てみましょう。

司法試験の合格率は、最も低いものだと22.95%(2016年)ですが、その後は上昇傾向にあり、2020年度の司法試験合格率は39.16%と、過去最高の合格率になっています。

合格率が上がっている要因としては、受験者数が毎年減少傾向にあることと、政府の法曹養成制度改革推進会議が司法試験合格者数を年間1500人程度以上とする方針を出していることが関係しているようです。

毎年1500人以上の合格者を出さなければならない一方で、受験者数は毎年減っているので、合格率が上がるという現象が起きています。

数字で見ると、合格率が上がっている今がチャンスだともいえます。

一方で、難易度も落ちているのでは?と思われるかもしれませんが、合格率が上がっている=難易度が落ちている、と安易に決めるのは危険かもしれません。

司法試験は相対評価試験なので、受験生相対のレベルが上がっていれば、それだけ合格するのも難しいのが現状です。

気を抜かずに司法試験の勉強をしっかりやっていきましょう。

(3) 予備試験ルートと法科大学院ルートの合格率の比較

平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年(平成31年) 令和2年
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
法科大学院修了者 受験者数 8302 7486 7771 7715 6517 5567 4805 4081 3280
合格者数 2044 1929 1647 1664 1348 1253 1189 1187 1072
合格率 24.62% 25.77% 21.19% 21.57% 20.68% 22.51% 24.75% 29.09% 32.68%
予備試験合格者合計 受験者数 85 167 244 301 382 400 433 385 423
合格者数 58 120 163 186 235 290 336 315 378
合格率 68.24% 71.86% 66.80% 61.79% 61.52% 72.50% 77.60% 81.82% 89.36%

こちらの表をみると、法科大学院ルートの司法試験合格率は、20%台~30%台であるのに対して、予備試験ルートの司法試験合格率は、60%台~80%台と、明らかに予備試験ルートの司法試験合格率が高いことが分かります。

特に、令和2年度の統計では、予備試験ルートの司法試験合格者の合格率が89.36%と、これまでの統計の中で合格率が最も高くなっています。

このことから、合格率が約4%の予備試験を突破することができれば、司法試験に合格することも夢ではありません。予備試験ルートは、2つの大きな試験を突破しなければならないという意味では、とてもハードルが高く、茨の道ですが、予備試験の学習は司法試験の学習に活きるので、どちらのルートを選択しても、予備試験に挑戦してみることは大きな価値があります。

4  弁護士になるためのステップ③司法修習を受ける

司法試験に合格すると、次は司法修習を1年間受ける必要があります。

司法修習では、法曹として、実務の場で必要となる知識や技術を身につけるための研修を1年間受けます。

司法修習の特徴としては、司法試験に合格さえすれば、司法修習を受けるタイミングを自由に決められるということです。例えば、司法試験の合格した後、一般企業に就職し、何年間か働いた後に司法修習を受けることができます。中には留学に行って語学力を身につけてから司法修習に行く方もいます。

このように司法修習はすぐ受けなければならないものではないので、受験生の方は、司法試験に合格した後どのようなステップで法曹になりたいかを考えてみるのも良いかもしれません。

5 弁護士になるためのステップ④司法修習生考試(二回試験)に合格する

司法修習を受けた後は、最終試験である司法修習生考試に合格する必要があります。

司法修習の卒業試験のようなもので、法曹になるための最後の試験です。

試験科目は、民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目です。

1日1科目ずつ、計5日間にわたって試験が行われるという、超耐久レースになっています。

試験内容は起案です。

100ページ程度の実際にあった事件の記録を読み、起案を行います。

司法修習では何度も起案を行うので、そのときの知識や記憶を総動員して取り組むことになります。

試験時間は昼食も含めて7時間30分にも及びます。

しかしこれでも時間が足りないくらいで、ほとんどの受験生は昼食をとりながら起案をしています。

合格率は98%程度で、ほとんどが合格する試験です。

しかし、司法試験合格者のみが受験するのでレベルは非常に高く、問題の難易度は最も高いといえます。

また、体力・精神的にもかなり厳しい試験といえます。

6 弁護士の仕事

(1) 法律事務所で働く

弁護士といえば、法律事務所で一般民事事件や刑事事件、労働事件などを担当するというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

実際に多くの弁護士は、法律事務所に就職します。

大手法律事務所に勤務する弁護士であれば、企業法務などを担当することも多く、担当する部門も変わってくるので、一般民事を主に担当したいのか、企業法務をメインで担当したいのかなど、受験生時代に考えておくのも良いかもしれません。

弁護士登録をした後、即時で法律事務所を開業するという方もいます。実務経験がない中で即独することは、リスクも大きいといえますが、自分のペースで業務を進めたいという方にとってはおすすめできます。

(2) インハウスローヤー(企業内弁護士)として働く

最近では、インハウスローヤーも人気です。

インハウスローヤーは、弁護士法人を除く一般企業や行政機関などで勤務する弁護士のことをいいます。企業の正社員として働く弁護士にとっては、福利厚生など充実しており、特に育児休暇などが整っているので女性弁護士が多い傾向にあります。

また、企業によっては、弁護士業との兼業を認めているところもあるので、どちらもやりたいという方とってはおすすめできます。

7 サマリー

弁護士になるための4つのステップをご紹介しましたが、弁護士になるまでの過程を知ることができれば、後はこのステップを一つ一つ越えるだけです。

これから弁護士を目指すため、学習を始める方や既に学習を進めている方も、各ステップを具体的にどのように乗り越えるか、計画を立ててみてくださいね。

8 まとめ

  • 弁護士になるためには、大きく4つのステップがある
  • ステップ①司法試験の受験資格を得る
  • ステップ②司法試験に合格する
  • ステップ③司法修習を受ける
  • ステップ④司法修習生考試に合格する
  • 弁護士の仕事には、法律事務所での勤務や、インハウスローヤーなど、様々ある

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